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3章 空中都市編
空中都市
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ここは空中都市アークスカイ。
どうやら俺たちは街の中心部に転移し終えたようだ。
外から見た空中都市は異様な雰囲気を醸し出していたが、中に入ってみれば意外と普通だ。
そう思ったが、アルカナの時のように街全体をバリアのようなものが包み込んでいる。
しかしアルカナのそれとは違う。
もしかして空中都市が空中都市である所以なのだろうか?
そして1番気になるのは、巨大な結晶石のようなものが空中にいくつか浮いている。
雲の代わりを成しているかのように。
「いやぁようやく帰ってきたなぁ! な、ミア! 」
「うん。 そうだね! 」
帰ってきたとはどういうことだ?
この2人はアルカナに住んでるんじゃないのか?
不思議そうな顔をしているのに気づいたのか、カイルは俺の顔を見てすぐに答えてくれた。
「ああ、春陽には言ってなかったか! 俺とミアはアークスカイ出身だよ! 」
なるほど。
だから今回の旅に同行してくれたのか。
「たしかに2人と地元の話なんてしたことなかったもんな 」
「主様、エレナ知ってたよっ!! 」
「もちろんボクも知ってるよ、だからこそ2人についてきてもらったんだ! 」
「いや、なんでまた俺だけ知らないんだよ! 」
あれ、最近俺だけ知らないこと多くないか?
ミアとカイルはその様子を見て笑っているが、俺はほんのちょっと寂しい気持ちになるよ……。
機嫌を損ねたままでも仕方あるまい。
「ティア、これからどうするんだ? 」
「えっとね、ボクは先にノクティスと会ってくるよ 」
そう言ってセレスティアが指を指した方角には、今まで見たことないほど高くそびえ立つタワーがあった。
あそこに神ノクティス様がいるのか。
しかし少し気になることもある。
モヤモヤしても仕方ないし、直接本人に聞く方がいいか。
「なぁティア、最近1人で行動することが多くないか? 」
「え~春陽ったら嫉妬してるの? ふふふっ 」
セレスティアは冗談っぽく肘で小突きながらそう言うが、いつ魔族が現れるかも分からないし、神は魔族から狙われる対象だからこそ心配だ。
「そうじゃなくて、心配なんだよ! 」
「春陽、ありがとうね! でも神が許可しない限りは、神の領域には入れないからね、ボクが始めにノクティスと会ってお願いしなくっちゃ! 」
「まぁそういうことなら…… 」
「うん、じゃあ後で合流だねっ! 」
そう言って、タワーの方へセレスティアは向かっていった。
それは良いとして、あいつ俺たちの居場所分かるのだろうか?
でもギルド認定試験の前、みんなで食事をしていた時もさらっと現れたし、まぁなんたって一応神だ、分かるんだろうな。
よし、気を取り直してアークスカイ観光でもするか。
「よし、みんな、これから……っていない……! 」
すると、少し離れたところから、
「ちょっとエレナちゃん、どこ行くの! 」
「えーだって、これキレイだもん! 」
気づけば皆、近くの雑貨屋さんのようなところで商品を見ており、エレナは手のひらサイズのガラスでできた球体を持っている。
どうやら『クリスタルボール』という商品のようで、現実世界でも同じような商品を見たことがある。
これは俺も見たことがあるぞ。
イメージとしては手のひらサイズの水晶玉みたいな感じか?
こちらのクリスタルボールとやらは、様々な色合いのものがあり、ピンクや水色といった淡い色のものが多い。
「エレナ、それほしいのか? 」
「うん、この色がいいっ! 」
彼女がもっているのは、水色のクリスタルボールだ。
「ようし、俺が買ってやろう! 」
「えっ! 主様買ってくれるの!? 」
「ああ! 任せてくれ 」
実はヴォルガンとケビンを倒したことで、アルカナから多額の報奨金を貰ったのだ。
その数、金貨50枚。
金貨と言われてもピンとこないが、金貨1枚だいたい日本円にして10万円くらいの価値っぽい。
つまりここには500万円詰まっているのだ。
「やったぁっ! 主様ありがとうっ! 」
「ミア、カイル、どれがいい? 」
「えっ……そんな申し訳ないです、春陽さん、これ金貨1枚の値段するんですよ! 」
恐ろしげな顔をしたミアは、震えた指でクリスタルボールを指している。
「俺もいいのかぁ? ありがたい!! 」
その点カイルは遠慮なく自分のほしいものを吟味している。
この2人、改めてえらく性格が違うものだ。
「ミアも気にすんな! これは旅についてきてくれるお礼だよ。 その分助けてくれよ! 」
そう言うと、なんとかミアも納得したようで自分のクリスタルボールを選び始めた。
俺、エレナ、ミア、カイルはそれぞれ緑、水色、ピンク、赤のクリスタルボールを手にし、雑貨屋さんを後にした。
これから行く場所ないけどどうするか。
まぁみんなに聞くとしよう。
「……っとこれからどうする? 」
俺の質問に対して、カイルが手を挙げた。
「少し街をぶらついてから俺ん家くるか? 」
ということでカイルの家にお邪魔することになった。
どうやら俺たちは街の中心部に転移し終えたようだ。
外から見た空中都市は異様な雰囲気を醸し出していたが、中に入ってみれば意外と普通だ。
そう思ったが、アルカナの時のように街全体をバリアのようなものが包み込んでいる。
しかしアルカナのそれとは違う。
もしかして空中都市が空中都市である所以なのだろうか?
そして1番気になるのは、巨大な結晶石のようなものが空中にいくつか浮いている。
雲の代わりを成しているかのように。
「いやぁようやく帰ってきたなぁ! な、ミア! 」
「うん。 そうだね! 」
帰ってきたとはどういうことだ?
この2人はアルカナに住んでるんじゃないのか?
不思議そうな顔をしているのに気づいたのか、カイルは俺の顔を見てすぐに答えてくれた。
「ああ、春陽には言ってなかったか! 俺とミアはアークスカイ出身だよ! 」
なるほど。
だから今回の旅に同行してくれたのか。
「たしかに2人と地元の話なんてしたことなかったもんな 」
「主様、エレナ知ってたよっ!! 」
「もちろんボクも知ってるよ、だからこそ2人についてきてもらったんだ! 」
「いや、なんでまた俺だけ知らないんだよ! 」
あれ、最近俺だけ知らないこと多くないか?
ミアとカイルはその様子を見て笑っているが、俺はほんのちょっと寂しい気持ちになるよ……。
機嫌を損ねたままでも仕方あるまい。
「ティア、これからどうするんだ? 」
「えっとね、ボクは先にノクティスと会ってくるよ 」
そう言ってセレスティアが指を指した方角には、今まで見たことないほど高くそびえ立つタワーがあった。
あそこに神ノクティス様がいるのか。
しかし少し気になることもある。
モヤモヤしても仕方ないし、直接本人に聞く方がいいか。
「なぁティア、最近1人で行動することが多くないか? 」
「え~春陽ったら嫉妬してるの? ふふふっ 」
セレスティアは冗談っぽく肘で小突きながらそう言うが、いつ魔族が現れるかも分からないし、神は魔族から狙われる対象だからこそ心配だ。
「そうじゃなくて、心配なんだよ! 」
「春陽、ありがとうね! でも神が許可しない限りは、神の領域には入れないからね、ボクが始めにノクティスと会ってお願いしなくっちゃ! 」
「まぁそういうことなら…… 」
「うん、じゃあ後で合流だねっ! 」
そう言って、タワーの方へセレスティアは向かっていった。
それは良いとして、あいつ俺たちの居場所分かるのだろうか?
でもギルド認定試験の前、みんなで食事をしていた時もさらっと現れたし、まぁなんたって一応神だ、分かるんだろうな。
よし、気を取り直してアークスカイ観光でもするか。
「よし、みんな、これから……っていない……! 」
すると、少し離れたところから、
「ちょっとエレナちゃん、どこ行くの! 」
「えーだって、これキレイだもん! 」
気づけば皆、近くの雑貨屋さんのようなところで商品を見ており、エレナは手のひらサイズのガラスでできた球体を持っている。
どうやら『クリスタルボール』という商品のようで、現実世界でも同じような商品を見たことがある。
これは俺も見たことがあるぞ。
イメージとしては手のひらサイズの水晶玉みたいな感じか?
こちらのクリスタルボールとやらは、様々な色合いのものがあり、ピンクや水色といった淡い色のものが多い。
「エレナ、それほしいのか? 」
「うん、この色がいいっ! 」
彼女がもっているのは、水色のクリスタルボールだ。
「ようし、俺が買ってやろう! 」
「えっ! 主様買ってくれるの!? 」
「ああ! 任せてくれ 」
実はヴォルガンとケビンを倒したことで、アルカナから多額の報奨金を貰ったのだ。
その数、金貨50枚。
金貨と言われてもピンとこないが、金貨1枚だいたい日本円にして10万円くらいの価値っぽい。
つまりここには500万円詰まっているのだ。
「やったぁっ! 主様ありがとうっ! 」
「ミア、カイル、どれがいい? 」
「えっ……そんな申し訳ないです、春陽さん、これ金貨1枚の値段するんですよ! 」
恐ろしげな顔をしたミアは、震えた指でクリスタルボールを指している。
「俺もいいのかぁ? ありがたい!! 」
その点カイルは遠慮なく自分のほしいものを吟味している。
この2人、改めてえらく性格が違うものだ。
「ミアも気にすんな! これは旅についてきてくれるお礼だよ。 その分助けてくれよ! 」
そう言うと、なんとかミアも納得したようで自分のクリスタルボールを選び始めた。
俺、エレナ、ミア、カイルはそれぞれ緑、水色、ピンク、赤のクリスタルボールを手にし、雑貨屋さんを後にした。
これから行く場所ないけどどうするか。
まぁみんなに聞くとしよう。
「……っとこれからどうする? 」
俺の質問に対して、カイルが手を挙げた。
「少し街をぶらついてから俺ん家くるか? 」
ということでカイルの家にお邪魔することになった。
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