無尽蔵の魔力で世界を救います~現実世界からやって来た俺は神より魔力が多いらしい~

甲賀流

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4章 ナイトフォール編

VSローラン

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 お前らって言うから、てっきり5、6人くらいかなぁって思ってたけど、これ30人くらいいる?

「春陽、頼んだよ!!  ボクは隠れてるからさ!  」
 と言って、ティアは俺の服の中に入ってきた。

「まぁ、承知したよ 」

「おい! 魔力のねぇそこのお前! ずいぶん余裕だが、この人数どうにかできるなんて思ってるんじゃねーだろうな?」

 なんか久しぶりにそんなこと言われた気がするな。
 俺はギルドに入ると絡まれるスキルでも持っているのだろうか。
 
 ここでの俺の任務は、この建物を壊さずにコイツらを鎮圧することだと思う。
 この街の一部を壊したとあっちゃ、聞き込みどころではなくなる。
 こういうのは信頼が大事……な気がするし。

「こんなやつ相手にローランさんが出るこたぁねぇですよ  」

 そう言って先頭に出てきたのは、如何にもこのローランという男に憧れていますと言わんばかりの風貌、何故なら顔の同じところに傷をつけているからだ。
 ただ、ローランよりは傷が少ないところをみると、痛くて途中でやめちゃったのかなと思ってしまう。

「それもそうだな。 ここの冒険者は、本土で犯しちゃいけねぇ罰を犯した連中だ。 ほとんどがAランク、中にはSランク冒険者だってざらにいる。 イルム、このよそ者に教えてやれ!  」

「へへっ! 任せてください! 」

 イルムはここの2番手なのか、ローラン以外のメンバーを引き連れて近づいてきた。

 たしかに1人1人の魔力量はかなりのものだ。
 おそらくシルヴァンディアの冒険者でいうSランクに相当するだろう。

 しかし俺にとってはなんの問題もない。
 このレベル程度なら何人いても抑えられそうだ。

「重力魔法【 ハイ・グラビティ 】」

 ドスッ――

 久しぶりにこの魔法使ったが、以前より威力も強くなっているような気がする。
 これも神という称号を引き継いだからなのかな。

「おい!イルム、お前たち、何してる!? そんなやつに抑えられるなんて……  」

 ローランは自分を除いた他のやつが地に這いつくばっている様子を見て、呆然としている。

「す、すみませんローランさん。身体がいうことを……うぐっ……  」

 ローランには重力魔法が効いていない……わけではなく、一応この辺りのボスみたいだし、手下と同じように這いつくばっているとなればメンツも保たれないだろうというなんとなしの配慮である。
 あとこの辺りにも詳しいだろうし、聞き込みも兼ねている。

「くっそ! こんなやつにっ! 氷神級魔法【 フロスト・アポカリプス 】 」

 はい? こんな建物の中で神級魔法だ!?
 さすがにそれをきいた周りの人もパニックになり、少し騒がしくなっている。

 どうする?
 おそらく同じ魔法を発動して相殺させることもできる。
 しかし、その前にギルドが吹き飛んでしまうだろう。

 今必要なことは、あの魔法を発動させないに限る。
 それができるのは強い魔法ではない、きっと方法は一つ。

「神技発動! 」

 今回はローランの脳に問いかけるイメージだ。
 さすがに神技といえど、魔法の発動を止めることはできないだろう。
 しかし一時的になら可能と思う。
 やつの本能に迷いを与えるのだ。

 (ここでそんな魔法を使えばたくさんの人が死ぬことになるんだぞ )

 そう知覚情報を与えた。
 さすがに彼も1人の人間だ。
 今は頭に血が昇っていたとしても理性が止めてくれるはず。

「……っく! なんでだ……発動しない。 いや魔力はたしかにあるはずなんだ 」

 よかった。
 どうやらうまくいったようだな。
 そして彼の心もちゃんと人間だったということだ。

「闇魔法【 ダークバインド 】」
 魔法により、闇エネルギーの輪を創り出し、ローランに放った。

「!! なんだこれは!? 」

 ローランはその魔法により拘束され、横たわる。

「くっそ――! お前なんなんだよ! 」

 そうやって声を荒げる彼に対して、なんと言おうかと考えていると、

「……ローラン、もういい、じっとしていろ 」

 どこからか声がした。
 その声は、酒場のテーブル席から聞こえてくる。

 このギルド内のメンバーは全てローランの指示によって席を離れていたが、1人だけはそこにいた。

「……ゼフィールさん 」

 そいつは30~40代の男性の姿で、アップバングなヘアスタイル。
 濃いめの顔の男前、というやつである。

 そしてこのゼフィールという男、おそらくこいつがこの街に入った時に感じた嫌な魔力の正体だ。
 
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