輪廻血戦 Golden Blood

kisaragi

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第一章 New Moon

第四夜 十字街

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 最近、夢を見る。

 人を殺す夢だ。
 手に流れる血は温く鉄の匂いがする。

 こんな時どんな感情を持てばいいのだろう。

「……さん」

 声が聞こえる。

「愁一さん!」

 肩を揺さぶられ愁一は目覚めた。

 義輝に教わった修行の一つ。瞑想の途中だったのだ。
 縁側の外は朝になっていた。
 ケイに声をかけられた。

「大丈夫ですか?」
「……うん」
「珍しいですね。愁一さんが朝食もお弁当も作らないなんて」

 忘れていた。

「……あっ!」
「朝食は私が作りました。洋食ですけど」

 と、包みを渡される。

「ありがとう!」

 そういうケイもどこか気だるそうで、表情は険しい。
 珍しく、悪霊、悪霊、と騒がず、制服のリボンを結んでいた。

「ケイさんこそ、大丈夫?」
「問題ありません。一時的なものです。先に行きます」
「行ってらっしゃい」

 ケイとの同居生活(ここはあえて強く同居生活と言おう)は思ったよりもこざっぱりしていた。
 襖を隔ててお互いのパーソナルスペースはきっちり確保されている。が、故に愁一はケイの内面に踏み込むことが出来ない。彼女を知ることが出来ないのだ。普通の男女もこんなものなのだろうか。


 夢を見る。
 鮮明で、嫌な夢だ。

 人を殺す夢だ。

「……くん」

 声が聞こえた。

「……君」

 きっと……も殺すのだ。

 それが獅道愁一の……

「獅道君!」

 隣の女子に肩を揺さぶられハッと目が覚める。



 ここは学校の教室だ。
 目の前には、担任の教師がいる。

「大丈夫ですか?」

 愁一はしばらく呆然とする。
 隣の席の伊鞠が心配そうに見つめていた。

「だ、大丈夫です!」

 愁一は立って叫ぶ。



 休み時間に顔を洗う。

 最近、どうにも眠くて仕方がない。夜はちゃんと寝ている。
 記憶がないせいなのだろうか。

「獅道君、最近具合が悪いでしょ」

 伊鞠にそう言われ、愁一は焦る。

「そんなこと……」
「あるよね?」
「……はい」

 彼女は腕を組んで、愁一を心配そうに見つめた。

「転校して来たばかりで大変なのは分かるけど……無理しちゃ駄目よ」
「……はい」

 愁一は素直に頷いた。
 伊鞠は手を振って去って行った。



 昼休みに食堂で英治に相談すれば何か分かるだろうか。


 昼休みに一年の教室に向かい、ひょっこり教室を覗くと分かっているかのように英治は立った。

 相変わらず食堂は混雑している。
 テーブルを確保して大まかな話をした。

「夢?」

 英治は顔をしかめる。

「そう……人を殺す夢」
「それは、獅道先輩が殺す人間を見ている夢ですか? それとも、獅道先輩の視点の夢ですか?」

 流石に話が早い。驚くこともなく英治は話を進める。

「おそらく、俺の視点の夢だね」

 英治は深く溜め息を吐いた。

「ただでさえ……血統解放が出来ないのに」
「本当だね」
「別に獅道先輩が悪いとは思いませんが。血統解放を怖れてはいませんか?」
「……」

 正しく図星だった。

「それじゃあ、駄目です」
「そうなの?」
「ええ。血統解放っていうのはつまり遠い過去の自分の血の解放ですから。っていうかそういう話はパートナーとするべきでは?」
「したかったんだけど……ケイさん、最近具合が悪いみたいで……」

 今日も朝は具合が悪そうだった。布団からやっと出て、やっと少し朝食を食べて登校していた。

 それなのに、愁一は彼女に何も出来なかったのだ。

「俺も、現世と冥界の仕事で忙しいのでそこまで面倒見れませんよ」
「生徒会だっけ? 大変だよね……」

 入学して分かった事だが、英治は生徒会の風紀だ。朝、物凄い勢いでギャルの制服の乱れを裁く。藤堂高校の女子生徒の制服は紺色のセーラーと古風な制服だ。あまり着崩しても意味がない。それでも試行錯誤するのが女子生徒なのだろうか。

 更にピアノが弾けるために合唱の伴奏は全て彼に任されている。更に、美術部だ。端から見れば彼が冥界の役人だなんて誰も分からないだろう。
 クールな眼差し(実は色々面倒でどうでもいいという表情)のため、女子には大層人気があるが、彼は騒がしい場所が苦手だ。女性にも興味がなさそうである。

「今、どちらかといえば魂送師の方が人数少ないので、ちょっとバランスが悪いんですよ」
「そうなの?」
「ええ。生徒会はこぞって狩師だし。上杉家は全員パートナーがいます。獅道先輩の噂はあっという間に広がって、多くの魂送師と狩師が興味を持っている。あまり、ぽやぽやされても困りますよ」
「仰る通りです」

 しかし、どうするべきなのか愁一には分からなかった。眠気も、嫌な夢も。

「……分かりました。では、俺と組んで悪霊を叩いてもらいます」
「……え?」
「調度、足利先輩が剣道の試合でしばらくいないんすよ」
「でも……そんなことしてケイさんが怒らないかなぁ」
「そこは獅道先輩が説得して下さい。代わりに、生徒会の仕事を手伝ってもらいます」
「俺に出来ることがあるの?」
「雑務は山程あります」

 愁一は悩んだ。このまま、ケイと二人きりでは悪霊退治所ではない。

「先輩の眠気程度ならどうにかしましょう」
「……どうやって!?」
「俺の霊力を分けるんです」
「霊力……」
「エネルギーみたいなものです。魂送師なら誰でも持っているし、それを狩師に与えることが出来ます。っていうかそれが最低条件です。電池みたいなものです。狩師は少量なら草や木から吸収することが出来ます」
「もしかして、俺の眠気って……」
「完全に霊力不足です」
「……」

 愁一は机に項垂れる。

「色々検証しましょう。先輩の血統解放が出来ない理由も霊力不足なのか」
「その方が良さそうだ」
「悪霊は夜に活動する場合が多いです。生徒会の後、廃墟を中心に回ってみましょう」
「……はい」

 愁一は項垂れたまま頷いた。


 放課後、生徒会室に向かうと、室内には義輝ともう一人いた。愁一は頭を下げる。

「へぇ。コイツが噂の……」
「朝倉、行儀が悪いぞ」

 義輝が嗜めた。

「すまん、すまん。俺は三年書記の朝倉宗滴。よろしくな」
「三年の獅道愁一です」

 握手をした青年は背の高い眼鏡の青年だった。
 鏡一狼の眼鏡と違って、ちゃんと瞳が見える銀フレームの眼鏡だ。少しつんつんした黒髪に緑色のような、金色のような瞳が魅惑的だ。

 そういえば英治が生徒会はほぼ狩師だと言っていた。

 宗滴は愁一を見て言う。

「ふうん。本当に変わり者だ。帯刀してるのに血統解放が出来ないのか」
「貴方も狩師なんですか?」
「まあな。なんの血統かはその内分かるだろ」
「そんなことより、今は雑務を手伝って下さい」

 英治がドンッと大量の書類を長机の上に置いた。


「俺らが書類をまとめるからホチキスで留めてくれればいいよ」

 宗滴の言葉に愁一は頷いた。

 ぱちぱちとホチキスの音が生徒会室に響く。

「記憶喪失ねえ。だから俺の名前にも大して反応しなかったのか」
「……え?」
「朝倉宗滴。微妙に有名で、ちょっとマイナーな有名人だぜ」

 その時、何かのビジョンが愁一の脳内を掠める。ホチキスを留めている手が止まる。

「どうした?」
「いや……大丈夫。確かに名前は知ってる。それが朝倉君の血統なの?」
「ノンノン。そんな分かり易い訳ないじゃん。名前は両親の趣味」
「へぇ」
「なんか背はでかいのにぽやっとしてんな。イッチーって呼んでいい?」
「いいよ。朝倉君の魂送師は?」

 愁一は気になって尋ねた。

「それがいないんだよね」
「いないこともあるの?」
「あるある。一人で魂送出来るタイプの魂送師は一匹狼が多い。逆もしかり」
「そうなんだ……」
「突然、魂送師として目覚めることもあります。簡単に言えば魂送師ってのは人間ではないので」

 英治は淡々と言った。

「すまんな。しばらく俺は剣道部で忙しい。生徒会を手伝って貰えると助かる」

 義輝に頭を下げられて愁一は慌てた。

「別にいいよ。刀の修行の方法を教えてくれるし、これぐらい」






 都内の夜は意外と明るい。
 人が多く、騒がしい。

 愁一は英治と新宿周辺を歩いていた。
「それで、ケイは?」
「帰ったら、布団に潜ったきりで。一応、夜ご飯は置いて行ったんだけど」
「ふーむ。女性のあれか。それとも」
「女性のあれ?」
「女性には色々あるんですよ」

 その言葉には、妙な説得力があったので愁一は頷いた。


 生徒会を終えた放課後。簡単な作戦を都内のカフェで立てる。

「俺はどこにいても先輩の場所が分かるので、基本別行動です」
「そういえば、街中で刀を持ったら目立たないかなぁ?」
「問題ないですね。魂送師の力の一つ、強制力が働いているので」

「強制力?」

「悪霊を魂送するために、多少働く現実の歪みや、都合のいい事実です」
「だから君が喪服でも誰も気にしないの?」
「そうです。これは魂送師の制服ですので」
「それで、電車の時も大丈夫だったのか」
「そういうことです」


 愁一と英治は別に街中を歩くことになった。

「そうだ、これを渡しておきます」

 去り際、英治に金色のネクタイピンを渡される。端に簡単な三角が付いたネクタイピンだ。

「これは通信、座標用です。つまり、先輩の位置確認と通信が出来ます」
「分かった」

 愁一は頷く。

 街中を歩く、と言っても当てがある訳ではない。
 騒がしい街をぶらぶらと歩いた。
 愁一が制服で刀を肩からぶら下げていても誰も目に止めない。これが強制力なのだろうか。

 大きなビルに大きな画面があった。

 愁一は思わず見上げる。
 すごい技術だ。

 これは囲碁の試合だ。以前に思い出した。白と黒の石で戦う勝負。周囲には人だかりが出来ていた。
 しばらく眺めて、画面の中の人物が知り合いであることに気が付く。

「鏡一狼君だ!」

 少し風貌は違うが、鏡一狼だった。眼鏡ではなく青いスーツ姿ではあるが対戦しているのは鏡一狼だ。
 下のテロップに桜小路四段とある。

「こりゃ、また名人の勝ちだな」

 誰かが言った。

「え?」
「いや、名人よ。これ。名人が勝つって」

 誰かが言う。鏡一狼と対戦している、あの和服を着た初老の人間が対戦相手なのだ。

「桜小路四段も悪くないけどね。タイトル一つもぎ取るぐらいだし」
「たいとる??」
「あれはまぐれ、まぐれ」

 人々の話を聞くに鏡一狼の方が部が悪いらしい。白石を持つ彼の表情は無表情で、片方の手で扇子を取り出し広げた。

 がんばれ

 と、愁一は心の中で応援して見る。
 チッチッと音がするのは何かの時間だろうか。時々、解説者が何かを言っている。

 しばらくして鏡一狼は扇子を閉じてスーツの上を脱いだ。

「おっ、暁門下生の悪足掻きが始まったよ」

 また誰かが言った。

 鏡一狼はネクタイを外し、シャツも脱いだ。ただの黒いシャツになった。
 そして、しばらく目を瞑って何かを考えている様に見えた。

 瞬間、鏡一狼の打つ速度が速くなる。名人の打った瞬間にはもう打っている。

「彼、元々速打ちが得意だからね。時間を捨てて勝負に出たね」

 ギャラリーの誰かが言った。

 そこからはまるで刀の斬り合いの様な勝負だった。愁一には囲碁のルールは分からない。しかし、鏡一狼が粘って、粘って、粘っていることは分かった。石が碁盤に並んだ終盤。名人の手が止まる。

 ギャラリーは騒ぎ出した。

「え? え?」
「巻き返した!」

 名人が投了した。

「つまり、勝ったの?」
「そうだよ、こりゃ、一大事だ」

 つまり、鏡一狼が勝ったのだ。

「やったあ!」

 愁一は思わず両手を上げて喜んだ。
 何が起きたか詳しくは分からないが、彼が勝ったのだ。




「すごい! よく分からないけど、自分より強い人に勝ったんだ!」

 愁一は興奮冷めぬまま街を歩く。自分もあんな勝負がしたいと思った。

 どんな強い相手でも、屈しず、逃げずに。

「ちゃんと、悪霊を倒さなきゃ」

 刀を下げる帯を強く握った。


 一歩踏み出した瞬間に、違和感があった。急にきらびやかな街が暗くなる。

 何かがいる。

 愁一は本能的に思う。

 目の前には仕事帰りらしき女性。狭い路上。後を付けて歩くと、突然、女性が振り向いた。

「またなの!?」
「え!?」
 突然過ぎて愁一は驚くばかりだ。

 胸ぐらを掴まれて、迫られる。

「いつも、いつも、いつも、いつも、いつも。私を付けて楽しいの? 警察呼ぶわよ!」
「あの……俺は今日、始めて貴女とお会いしたんですけど……」
「嘘ね。分かってるのよ! そうやって、私のことを……!」

 女性に愁一は揺さぶられる。

 記憶喪失にしても、会ったことのない女性なのだから仕方ない。鬼の形相で迫られる。パッと見た感じは普通のOLだ。

「……あら、でも、……貴方」

 しかし突然、女性の表情が変化する。

「悪くないわ。ええ。背も高いし。いいじゃない」

「え……何が……」

 女性の瞳が変化する。表情が変化する。愁一は思わず一歩下がる。

 その時だった。

『駄目だぞ! 俺が先だったんだ!』

 どこからか声が響いた。

『いや、俺だね』

 また聞こえる。女性の言葉ではない。

「……だれ」
「……な……何よ、突然……」

『俺だ』
『俺だね』
『俺だって』


 男性の声がたくさん聞こえる。周囲には愁一と女性しかいない。


「貴方なら、いいかも」


 腕を掴まれた瞬間に……女性の後ろにぶわっと何かが一気に飛び出した。

「……っ!」
「ねぇ、どうしたの?」

 男性だ。
 男性の霊が大量に女性の後ろに憑いていた。
 愁一は刀を取り出す。

『そのまま女性と霊が繋がっている所を斬って下さい』

 これは英治の声だ。


 愁一は言われるがまま黒い刀で霊と女性接続部を斬った。



 その瞬間に真横に弾丸が通り過ぎる。


 速すぎて愁一には音と、その弾丸が全て男性の霊に命中した後にその事実を知った。

 女性が倒れたので愁一は抱き支える。

「それで今回は終了です」
「……え?」

 気が付いたら英治が近くにいた。ライフル銃を持って。

「俺は銃弾からでもゲートが開けるんですよ。先輩がターゲットと接触するまで監視してました」
「この女性は?」
「気絶しているだけです。その方が病院に送れるし、都合がいいんですけど」
「あれは……」
「全部女性が憑けてた霊です。二股、詐欺、一体何をしてたかは知りませんけど」

 愁一はゾッとする。普通の女性に見えたのだ。

「びっくりした……」
「女性って怖いんですよ」

 英治の言葉に愁一はただ頷いた。

 帰り道は流石の街も静かだった。愁一に出来ることはないので、あの女性は英治に任せることになった。しかし救急車を呼ぶことぐらいしかしていないが。

 去り際、英治が愁一に言った。

「今回、観察していて分かったことがあります」
「……え?」
「どうやら先輩が今、使っている力は先輩自身の力ですね」
「それは、どういう……」
「つまり血統ではない自分の力です」
 英治はそれだけ言って去ってしまった。

 確かに、ケイの言う通り彼は優秀で時として非情な魂送師なのかもしれない。
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