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可哀想な村娘
第22話 - 新しい装備
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集落襲撃のオーク素材売上がようやく全て受け取れた
今朝もクベアと朝食を取り
今日はボロボロになった防具を買い替えるめ防具屋に寄った
「いらっしゃい、狂戦士のあんちゃんか。どんな防具が好みだい?」
店主はカウンターに手をかけ店全体を見渡すように言う
「帷子と革の鎧を中心に見たい」
店主はじっとエーサーの装備を見つめる
(今はオークの革を使った防具が中心か…熊にやられたのか盾もボロボロだ、オークの革はぶ厚い上に重い、衝撃吸収力には優れているが刃物を相手にする場合はちょっと頼りないな)
「こんなのはどうだ?」
奥から引っ張り出してきたのは以前倒した熊の革だった
「これは狂戦士のあんちゃんがクベアの親父さんを探しに行ったときに倒した熊なんだってな。こいつはブラッドベアって言ってちょっと手間のかかる加工をすると鉄のような硬さになる、ぶ厚いオークの革もいいがこっちの方が軽くて丈夫だ」
ふむ、軽くて丈夫、さらに刃を通さないとなると理想だな
色は黒、夜に紛れやすくなる
毛の部分と色は残せるだろうか?
「悪くない、毛の部分と色は残せるか?」
「おう、毛はむしろ取るとよくない、こいつは毛が針金のようになっているからな。この毛が衝撃を和らげてくれるし刃を防いでくれる。色は他の色にできねーよ」
それならほぼ理想の形になるな、デザインは今のを踏襲してもらえばいい
「わかった。それで仕立ててくれ、後は盾も見たい」
「あいよ、小盾は使い捨てになる。適当に選んでくれ、希望するならブラッドベアの革も貼り付けてやるぞ」
「そうしてくれ」
帷子は樹脂を固めた物があり丈夫で軽かったのでそれを購入
次は武器屋にいくか
そろそろゴブリンスウォームも心配だ、新しい武器を見ておくのもいいだろう
武器屋
「狂戦士さんかい!いい武器があるよ。これこれ、ずっと紹介したかったんだ」
武器屋に入るなり店主は凝ったデザインの手斧を8本持ってきた
刃は拳二つ分はあり、柄は長めで特徴的なデザイン
頭は取り外し可能で二本の鉄杭を使って固定する
刃には肉抜きを利用した凝った装飾になっており見栄えもよかった
オークやゴブリンを殺すのにここまで凝った武器は必要ないが…
デザインはいい
手に取った時の重さも好みだ
うーん、見た目に凝りすぎて使い勝手が悪いなんて心配はいらないようだ
「いくらだ?」
「お、やっぱり気に入ってくれたかい?金貨4枚だ」
値段も悪くない、一本銀貨500枚だ
今装備している斧に比べればずっと高いがオークから奪ったものだしな
そろそろメンテナンスが厳しい
今の稼ぎなら難しくない金額だ…うーん
「わかった、それで買おう。予備はあるか?」
「もちろん、金貨6枚で14本」
即決で買った
手斧だし投げるので紛失の可能性もあるが衝動買いしてしまった
武器屋の店主侮れない
◆ ◆ ◆
1週間後
防具屋の店主から防具ができたと連絡があり防具屋へ向かう
全身にブラッドベアの革をあしらった黒基調の革鎧になりブラッドベアの毛は丁寧に寝かされていて毛皮を羽織っただけのような見た目では無くなり清潔感が増した
新しい斧の装飾も相まってちょっと変わった装備を好む軽装の騎士といえるほどこぎれいになってしまった
「これではオークやゴブリンの血や糞尿を浴びるのがもったいないな…」
店主は目を丸くした
「狂戦士のあんちゃん徹底してるねぇ…匂い消しかい?」
「そうだ」
「じゃあこの油も買っていきな、鎧の匂いを消せる、武器にも使えるし艶消しにもなる」
そんな便利な油があるのか…それも即買いだ
「全部でいくらだ?」
「金貨8枚、鎧一式と小盾二つ、匂い消しの油はおまけしとこう」
オークの集落を殲滅した資金はあっという間に半分になった
いい買い物だったがちょっと無計画すぎたかもしれないな
残りはクベアに渡しておこう…
◆ ◆ ◆
冒険者ギルド
新装備に身を包んで久しぶりにギルドへ顔を出すとベロニカが早速カウンターについた
にこにこと上機嫌な様子だ
何かいいことでもあったんだろうか
「装備新調されたんですねぇ、似合ってますよ」
「ありがとう、結構高くついたよ」
「いいじゃないですか、装備は冒険者の品位を現しますよ。オークの集落を一日で壊滅させてしまうような狂戦士さんにふさわしい風格になりました」
「そういうもんかな」
「大事ですよ。冒険者は名声商売です、見た目がよいほど実力と品位が備わっているといいます」
心なしかギルドの中の視線を集めている気がする
周りに目をやるとポールたちが嬉しそうに、ハンドサインで祝福してくれた
「うんうん、街の英雄らしくなりましたね」
「ありがとう、近況を知りたいんだが」
「あ、そうでしたね。おまちください」
いつものようにベロニカは羊皮紙をめくり出す
「今日は東の森でオークを討伐するのがよさそうですね」
「ゴブリンロード”棘”は情報入ってこないのか?あれから随分経つが」
ベロニカは別の羊皮紙をパラパラとめくる
「うーん、今のところありませんね」
「大人しすぎるな、ゴブリンの被害はないのか?」
「はい、まったく」
「そうか、今日は東の森でオークを狩るよ」
「わかりました、受理しておきますね」
今朝もクベアと朝食を取り
今日はボロボロになった防具を買い替えるめ防具屋に寄った
「いらっしゃい、狂戦士のあんちゃんか。どんな防具が好みだい?」
店主はカウンターに手をかけ店全体を見渡すように言う
「帷子と革の鎧を中心に見たい」
店主はじっとエーサーの装備を見つめる
(今はオークの革を使った防具が中心か…熊にやられたのか盾もボロボロだ、オークの革はぶ厚い上に重い、衝撃吸収力には優れているが刃物を相手にする場合はちょっと頼りないな)
「こんなのはどうだ?」
奥から引っ張り出してきたのは以前倒した熊の革だった
「これは狂戦士のあんちゃんがクベアの親父さんを探しに行ったときに倒した熊なんだってな。こいつはブラッドベアって言ってちょっと手間のかかる加工をすると鉄のような硬さになる、ぶ厚いオークの革もいいがこっちの方が軽くて丈夫だ」
ふむ、軽くて丈夫、さらに刃を通さないとなると理想だな
色は黒、夜に紛れやすくなる
毛の部分と色は残せるだろうか?
「悪くない、毛の部分と色は残せるか?」
「おう、毛はむしろ取るとよくない、こいつは毛が針金のようになっているからな。この毛が衝撃を和らげてくれるし刃を防いでくれる。色は他の色にできねーよ」
それならほぼ理想の形になるな、デザインは今のを踏襲してもらえばいい
「わかった。それで仕立ててくれ、後は盾も見たい」
「あいよ、小盾は使い捨てになる。適当に選んでくれ、希望するならブラッドベアの革も貼り付けてやるぞ」
「そうしてくれ」
帷子は樹脂を固めた物があり丈夫で軽かったのでそれを購入
次は武器屋にいくか
そろそろゴブリンスウォームも心配だ、新しい武器を見ておくのもいいだろう
武器屋
「狂戦士さんかい!いい武器があるよ。これこれ、ずっと紹介したかったんだ」
武器屋に入るなり店主は凝ったデザインの手斧を8本持ってきた
刃は拳二つ分はあり、柄は長めで特徴的なデザイン
頭は取り外し可能で二本の鉄杭を使って固定する
刃には肉抜きを利用した凝った装飾になっており見栄えもよかった
オークやゴブリンを殺すのにここまで凝った武器は必要ないが…
デザインはいい
手に取った時の重さも好みだ
うーん、見た目に凝りすぎて使い勝手が悪いなんて心配はいらないようだ
「いくらだ?」
「お、やっぱり気に入ってくれたかい?金貨4枚だ」
値段も悪くない、一本銀貨500枚だ
今装備している斧に比べればずっと高いがオークから奪ったものだしな
そろそろメンテナンスが厳しい
今の稼ぎなら難しくない金額だ…うーん
「わかった、それで買おう。予備はあるか?」
「もちろん、金貨6枚で14本」
即決で買った
手斧だし投げるので紛失の可能性もあるが衝動買いしてしまった
武器屋の店主侮れない
◆ ◆ ◆
1週間後
防具屋の店主から防具ができたと連絡があり防具屋へ向かう
全身にブラッドベアの革をあしらった黒基調の革鎧になりブラッドベアの毛は丁寧に寝かされていて毛皮を羽織っただけのような見た目では無くなり清潔感が増した
新しい斧の装飾も相まってちょっと変わった装備を好む軽装の騎士といえるほどこぎれいになってしまった
「これではオークやゴブリンの血や糞尿を浴びるのがもったいないな…」
店主は目を丸くした
「狂戦士のあんちゃん徹底してるねぇ…匂い消しかい?」
「そうだ」
「じゃあこの油も買っていきな、鎧の匂いを消せる、武器にも使えるし艶消しにもなる」
そんな便利な油があるのか…それも即買いだ
「全部でいくらだ?」
「金貨8枚、鎧一式と小盾二つ、匂い消しの油はおまけしとこう」
オークの集落を殲滅した資金はあっという間に半分になった
いい買い物だったがちょっと無計画すぎたかもしれないな
残りはクベアに渡しておこう…
◆ ◆ ◆
冒険者ギルド
新装備に身を包んで久しぶりにギルドへ顔を出すとベロニカが早速カウンターについた
にこにこと上機嫌な様子だ
何かいいことでもあったんだろうか
「装備新調されたんですねぇ、似合ってますよ」
「ありがとう、結構高くついたよ」
「いいじゃないですか、装備は冒険者の品位を現しますよ。オークの集落を一日で壊滅させてしまうような狂戦士さんにふさわしい風格になりました」
「そういうもんかな」
「大事ですよ。冒険者は名声商売です、見た目がよいほど実力と品位が備わっているといいます」
心なしかギルドの中の視線を集めている気がする
周りに目をやるとポールたちが嬉しそうに、ハンドサインで祝福してくれた
「うんうん、街の英雄らしくなりましたね」
「ありがとう、近況を知りたいんだが」
「あ、そうでしたね。おまちください」
いつものようにベロニカは羊皮紙をめくり出す
「今日は東の森でオークを討伐するのがよさそうですね」
「ゴブリンロード”棘”は情報入ってこないのか?あれから随分経つが」
ベロニカは別の羊皮紙をパラパラとめくる
「うーん、今のところありませんね」
「大人しすぎるな、ゴブリンの被害はないのか?」
「はい、まったく」
「そうか、今日は東の森でオークを狩るよ」
「わかりました、受理しておきますね」
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