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第7話 - ネコミミ
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戦っているのは猫の獣人だろうか
掛け声が猫の威嚇の声にそっくりだ
だが、明らかに押されている
周りに倒れている仲間も全て同じ種族の獣人だ
見る限り女性だけのようだ、戦っている獣人はもはや一人
勝ち目がない
戦っている相手はゴーレムだろうか、大小様々な形の岩がくっついて動いている
俺は必死に戦う獣人に同情を隠しきれなかった、一人で戦うのはつらいだろう...
「アヌビス、助けられないか?あれは全滅するぞ」
「ネコミミかぁ...」
「なんだよ」
「あまり好きじゃない」
「そんなこと言ったって、見捨てるわけにはいかないだろ」
「うぅぅん...玄人の頼みならいいけど...正直仲悪いよ、ちゃんと仲介してね」
「それは任せてくれ、頼む、助けてやってくれないか」
「わかったよ...」
そういうとアヌビスはゆっくりと進み、次第に速さを増してゴーレムに飛び掛かった
ゴーレムはびくともしないが、標的をアヌビスに変えたようだ
アヌビスは飛びのき、ゴーレムと相対した
ゴーレムの全身が光を帯び、消えると同時にアヌビスの足元が緩み、固まった
アヌビスは自分の足元に目をやる
「あ、しまった」
アヌビスは前足を土に埋められ、身動きが取れなくなってしまった
その隙を逃すまいとゴーレムは体の一部を飛ばし、アヌビスに直撃する
アヌビスは声も出さず、大きく後ろへはじけ飛んだ
アヌビスは森の中へ吹き飛ばされ、姿が見えなくなってしまった
これはまずい...アヌビスでも勝てないのか...いよいよヤバイ...
こんなことになるとは思ってなかった、アヌビス大丈夫か...
俺は震えがとまらなかった、猫耳の獣人たちは慌てて仲間を叩き起こし、距離を取り、応急処置をしているようだ、俺はゆっくりとアヌビスの方へ近寄ろうと足を踏み出した
どこからともなく風が巻き起こる
風と共に音が聞こえ始めた
「グルルルルルルル...」
恐ろしい声だ、きっとアヌビスだろう
無事であろうことに安心もするが、こっちが青ざめるほど恐ろしい声だ
風は次第に強さを増し、ゴーレムを中心に小さな竜巻がいくつも発生している
風はさらに強くなる、もう座っているのもつらい
細い木などは折れ、大きな木さえなびいている
獣人たちも必死で耐えている、もう応急処置どころではない
まだまだ風は強くなる
もはやしがみついているのもつらいレベルだ
すると、光の幕に覆われた、獣人たちも同じように
アヌビスが気を利かしてくれたのだろうか....風を感じず吹き飛ばされる心配は無くなった
ゴーレムは体の岩を繋ぎ留めておくのに精一杯といった感じだ
アヌビスが森の中からゆっくりと歩きながら姿を現した、額の傷が開いている
血が滴り落ちるほどに
目は赤く、体毛は全て逆立ち、いつもよりずっと大きく見える
悪魔かと思った、恐ろしすぎるだろ
まだ風は強くなる、どこまで強くなるんだ
もう大きな木さえ空を舞い始めた
アヌビスはゴーレムへ向かって遠吠えを始めた
「ウォォォォォォーーン」
一瞬風が止んだ
アヌビスの口に風が集まるのがわかる、景色がゆがむほど濃密な風の塊だ
それがアヌビスの口から放たれると一瞬でゴーレムは粉々に砕け
バラバラと飛び散ってしまった
宙に舞っていた大木も粉々にしながら風の塊は空を裂くように飛んで消えた
怖い
なんでアヌビスは俺と一緒にいるんだ...
食い意地がはっててよかった...
アヌビスは元に戻ると、砕けたゴーレムに駆け寄り、小さな光る石をくわえてもってきた
小さく光る石を俺の前に置くと、いつものアヌビスだった
「終わったよ、これはあげる」
「お、オウ!!!、おっつかれ!!!」
先ほどのアヌビスの姿にビビっているのがモロバレだ、声が上ずってしまった
「驚いた?、ボク強いだろ」
「ほんとだよ...」
アヌビスは光る石に目をやり話し出した
「それはゴーレムの核だよ、交易にでも使えばいい」
「なるほど!助かるな、ありがとう」
「今夜のご飯はお肉いっぱい食べたいな」
いつも肉しか食べないだろ...まぁでも助かった
こんなことになるとは思ってなかった、あたり一面、見る限りもう木はない
川からもほどよく近く、まさか新しい住処が ”できあがる” とは思ってもみなかった
恐ろしい力だ...アヌビス実はこの森の主じゃないのか?
俺はふと獣人たちの事を思い出した、応急手当の最中だが、全員無事なようだ
俺は獣人たちに声をかけることにした
「君たち、だいじょうぶか?」
全員傷だらけだ、見た目は大人の女性くらいだろうか
獣人はこちらに顔を向け、顔をくしゃくしゃにしながら泣き崩れた
「助かりました...全滅するものだとばかり...」
手当が済んだ獣人の一匹が、上半身を起こし、アヌビスの方へ見ながら質問してきた
「助けてくれたのは、あの...ガルム...貴方の従魔なのか?」
「従魔?いや、居候というか、友達というか...以前傷の手当てをしてから一緒にいる」
獣人は信じられないような顔をしながら俺の顔をまじまじ見ている
俺はちょっと困った顔をしながら説明した
「嘘じゃないよ、あいつは人間のご飯がお気に入りで、ご飯を食べる代わりに助けてくれるんだ」
「信じられない、魔物と人間が一緒に暮らしているのか?」
「そうだね、俺たちの住処に来てもらえばわかると思う、他にはアラクネもいるよ」
獣人たちはいっそうどよめいた
「アラクネ?あんた本当に人間か?」
信じられないのは当然の事なんだろう、今までの事を振り返れば
「うーん、どう説明すればいいのか、俺は...なぜか俺だけが魔物と会話できる能力があるんだ」
獣人はアヌビスに目をやり、じっと俺を見守っている姿を見て、少なからず納得したようだ
だが、まだ疑問があるようだ、次の質問だ
「会話ができるとして、なぜ一緒にいられるんだ...」
「今のところ奇跡的にお互いの利益が一致していてね、アヌビスはご飯、アラクネは巣をアヌビスに守ってもらっている、人間はその代わりにご飯を提供したり、交易で品を増やしたりしている」
獣人たちはまだ信じられなさそうだ、仕方ないけれど
俺は獣人たちの手当をするために住処に来るよう提案した
このまま放置しても他の魔物が来たらきっと獣人たちは全滅するだろう
「わかった、正直なところあのガルムが私たちは苦手だ...あのガルムは大丈夫なのか?」
「アヌビスも猫耳が苦手だって言ってたな、でも守ってくれるよ、甲斐性はある
ご飯の約束したしな、アヌビスこっちへ来てくれ」
アヌビスはゆっくりと立ち上がり、のしのしと歩きながら近づいてきた
アヌビスの怪我もかなりひどい、早めに帰って治療しなければ
「みんな傷だらけだし、早く帰って治療したい、移動しながら話そう」
「わかった、すぐに準備する」
俺は猫耳の獣人の話を聞きながら帰路についた
獣人たちは猫がベースになっている獣人らしい
部族名があり、同一の種どうしで集落を作って暮らすのだとか
山の近くに住んでいたが、ある日ワイバーンが大量発生し、集落は壊滅、みな散り散りになったそうだ、ワイバーンから逃げるために森へ入ったところ、迷ってしまい
野営しながら食いついないでいたところ、岩に擬態していたゴーレムに襲われたそうだ
彼女たちのリーダーはミミ、猫らしい名前だが見た目はスタイルの良い戦士風
顔は美しく凛々しい女性だ、人間でもかなり美人の部類にあたる
猫の獣人は男も女も戦闘する種族なんだって
獣人とは言え毛だらけなのは雄だけで、女性は耳と尻尾くらいしか獣らしところはなく
アヌビスを警戒しているのは犬型の魔獣、魔物と敵対関係にあるからだそうだ
どうしてなのかはわからない、先祖代々そうらしい
きっと大昔、犬と争ったご先祖様のせいだろう、たぶん、そう思うことにした
昼を過ぎたあたりで住処についた
エルフ交易で手に入れたポーションが早速役に立つ
獣人たちはアラクネやモグタンに驚き、アラクネの子供たちを見て失神し
それぞれ手当をして、しばらくここに留まる事になった
寝床はアラクネに頼んでクモ糸のハンモックを人数分用意してもらった
夜になり、いつものように夕食を楽しんだあとみんなと話をした
「ずいぶんにぎやかになって楽しくなってきたね、今何人だろう?」
猫耳5人、アヌビス、アラクネ、人間二人とモグタン一家
「10人分はご飯必要になってるんだな、大きくなってきた」
すると、ミミが慌てた顔で声をあげた
「いや、我々は元々野営していた身だし、傷が癒えれば出ていくよ」
ミミは申し訳なさそうに話すと、少し悲しそうな顔でうつむいた
まめいがこっちを見る、明らかに何か言いたそうだ
俺も人手が増えてくれるとありがたい、このまま一緒に暮らせないか聞いてみよう
「実のところ俺たちも人手が欲しいと思っていたんだ、ミミたちがよければ一緒に暮らさないか?魔物がいっぱいいるけど...」
ミミは明るい顔でこちらを見た
「本当にいいのか?」
他の猫娘たちも緊張した面持ちだが、期待したような目でこちらを見ている
「もちろん、傷が治ったら労働してもらうけど」
「それはもちろんだ!お前たちはどうだ?」
ミミは他の猫娘たちの方へ顔を向けた
他の猫娘たちは大きく首を縦に振っている
俺もその様子を見て、安心した、今以上の建築などをする場合どうしても人手がいる
獣人は人間より力が強い、今後も頼りにさせてもらいたいな
「じゃあ、決まりだな。これからよろしく」
ミミは涙ぐみながらお礼をした
「ありがとう、帰るところもなくなって途方に暮れていたんだ...この恩は忘れない」
元が猫なだけに記憶力は怪しいものだが今は言うまい
そして俺は今後の予定について考えていたことをみんなに伝えた
「これから数日以内にエルフの商団が来る、交易を行うことになっている
その後、俺たちは今朝アヌビスが更地にした場所へ移住しようと思う」
人も増えてきたし、もう寝る場所も住処に収まらない
人手も増えたことだし新しい住処へ移って集落を作るつもりだ
まめいが無邪気に声をあげる
「うんうん、おっきなおうちが欲しいねー」
ミミが提案してくれた
「それなら私は大工道具を仕入れてくる、お金はあまりないが一式買うくらいならなんとかなろうだろう、近くに村はあるか?」
村か...ないんだよな...
猫娘たちの集落も壊滅したと言っていたが、道具はどのみち必要だ
「うーん、一応、川の下流に人間の村があったんだけど、オークが攻め込んだ後だ」
「なるほど、それは最近ではないよな?」
「最近ではない、もう10日は経つかな」
「なら行く価値はある、オーク達は人間の道具になんて興味を示さないだろうからな
たぶん、廃墟になってはいるだろうけど、何かしら道具は見つかるかもしれない」
なるほど、そういう風に考えたことはなかった
「たしかに、一理ある。頼めるかな?」
「任せてくれ!」
そうして夜寝るまで俺たちは新しい集落の家について熱い議論を交わした
道具は明日の朝、探索隊を猫娘たちから選抜するようだ
数日以内にエルフたちの商団が来るはずだ、俺は交易品を整理しておこう
交易が済んだら、エルフたちに移住先を伝えて、本格的に集落を作ろう
掛け声が猫の威嚇の声にそっくりだ
だが、明らかに押されている
周りに倒れている仲間も全て同じ種族の獣人だ
見る限り女性だけのようだ、戦っている獣人はもはや一人
勝ち目がない
戦っている相手はゴーレムだろうか、大小様々な形の岩がくっついて動いている
俺は必死に戦う獣人に同情を隠しきれなかった、一人で戦うのはつらいだろう...
「アヌビス、助けられないか?あれは全滅するぞ」
「ネコミミかぁ...」
「なんだよ」
「あまり好きじゃない」
「そんなこと言ったって、見捨てるわけにはいかないだろ」
「うぅぅん...玄人の頼みならいいけど...正直仲悪いよ、ちゃんと仲介してね」
「それは任せてくれ、頼む、助けてやってくれないか」
「わかったよ...」
そういうとアヌビスはゆっくりと進み、次第に速さを増してゴーレムに飛び掛かった
ゴーレムはびくともしないが、標的をアヌビスに変えたようだ
アヌビスは飛びのき、ゴーレムと相対した
ゴーレムの全身が光を帯び、消えると同時にアヌビスの足元が緩み、固まった
アヌビスは自分の足元に目をやる
「あ、しまった」
アヌビスは前足を土に埋められ、身動きが取れなくなってしまった
その隙を逃すまいとゴーレムは体の一部を飛ばし、アヌビスに直撃する
アヌビスは声も出さず、大きく後ろへはじけ飛んだ
アヌビスは森の中へ吹き飛ばされ、姿が見えなくなってしまった
これはまずい...アヌビスでも勝てないのか...いよいよヤバイ...
こんなことになるとは思ってなかった、アヌビス大丈夫か...
俺は震えがとまらなかった、猫耳の獣人たちは慌てて仲間を叩き起こし、距離を取り、応急処置をしているようだ、俺はゆっくりとアヌビスの方へ近寄ろうと足を踏み出した
どこからともなく風が巻き起こる
風と共に音が聞こえ始めた
「グルルルルルルル...」
恐ろしい声だ、きっとアヌビスだろう
無事であろうことに安心もするが、こっちが青ざめるほど恐ろしい声だ
風は次第に強さを増し、ゴーレムを中心に小さな竜巻がいくつも発生している
風はさらに強くなる、もう座っているのもつらい
細い木などは折れ、大きな木さえなびいている
獣人たちも必死で耐えている、もう応急処置どころではない
まだまだ風は強くなる
もはやしがみついているのもつらいレベルだ
すると、光の幕に覆われた、獣人たちも同じように
アヌビスが気を利かしてくれたのだろうか....風を感じず吹き飛ばされる心配は無くなった
ゴーレムは体の岩を繋ぎ留めておくのに精一杯といった感じだ
アヌビスが森の中からゆっくりと歩きながら姿を現した、額の傷が開いている
血が滴り落ちるほどに
目は赤く、体毛は全て逆立ち、いつもよりずっと大きく見える
悪魔かと思った、恐ろしすぎるだろ
まだ風は強くなる、どこまで強くなるんだ
もう大きな木さえ空を舞い始めた
アヌビスはゴーレムへ向かって遠吠えを始めた
「ウォォォォォォーーン」
一瞬風が止んだ
アヌビスの口に風が集まるのがわかる、景色がゆがむほど濃密な風の塊だ
それがアヌビスの口から放たれると一瞬でゴーレムは粉々に砕け
バラバラと飛び散ってしまった
宙に舞っていた大木も粉々にしながら風の塊は空を裂くように飛んで消えた
怖い
なんでアヌビスは俺と一緒にいるんだ...
食い意地がはっててよかった...
アヌビスは元に戻ると、砕けたゴーレムに駆け寄り、小さな光る石をくわえてもってきた
小さく光る石を俺の前に置くと、いつものアヌビスだった
「終わったよ、これはあげる」
「お、オウ!!!、おっつかれ!!!」
先ほどのアヌビスの姿にビビっているのがモロバレだ、声が上ずってしまった
「驚いた?、ボク強いだろ」
「ほんとだよ...」
アヌビスは光る石に目をやり話し出した
「それはゴーレムの核だよ、交易にでも使えばいい」
「なるほど!助かるな、ありがとう」
「今夜のご飯はお肉いっぱい食べたいな」
いつも肉しか食べないだろ...まぁでも助かった
こんなことになるとは思ってなかった、あたり一面、見る限りもう木はない
川からもほどよく近く、まさか新しい住処が ”できあがる” とは思ってもみなかった
恐ろしい力だ...アヌビス実はこの森の主じゃないのか?
俺はふと獣人たちの事を思い出した、応急手当の最中だが、全員無事なようだ
俺は獣人たちに声をかけることにした
「君たち、だいじょうぶか?」
全員傷だらけだ、見た目は大人の女性くらいだろうか
獣人はこちらに顔を向け、顔をくしゃくしゃにしながら泣き崩れた
「助かりました...全滅するものだとばかり...」
手当が済んだ獣人の一匹が、上半身を起こし、アヌビスの方へ見ながら質問してきた
「助けてくれたのは、あの...ガルム...貴方の従魔なのか?」
「従魔?いや、居候というか、友達というか...以前傷の手当てをしてから一緒にいる」
獣人は信じられないような顔をしながら俺の顔をまじまじ見ている
俺はちょっと困った顔をしながら説明した
「嘘じゃないよ、あいつは人間のご飯がお気に入りで、ご飯を食べる代わりに助けてくれるんだ」
「信じられない、魔物と人間が一緒に暮らしているのか?」
「そうだね、俺たちの住処に来てもらえばわかると思う、他にはアラクネもいるよ」
獣人たちはいっそうどよめいた
「アラクネ?あんた本当に人間か?」
信じられないのは当然の事なんだろう、今までの事を振り返れば
「うーん、どう説明すればいいのか、俺は...なぜか俺だけが魔物と会話できる能力があるんだ」
獣人はアヌビスに目をやり、じっと俺を見守っている姿を見て、少なからず納得したようだ
だが、まだ疑問があるようだ、次の質問だ
「会話ができるとして、なぜ一緒にいられるんだ...」
「今のところ奇跡的にお互いの利益が一致していてね、アヌビスはご飯、アラクネは巣をアヌビスに守ってもらっている、人間はその代わりにご飯を提供したり、交易で品を増やしたりしている」
獣人たちはまだ信じられなさそうだ、仕方ないけれど
俺は獣人たちの手当をするために住処に来るよう提案した
このまま放置しても他の魔物が来たらきっと獣人たちは全滅するだろう
「わかった、正直なところあのガルムが私たちは苦手だ...あのガルムは大丈夫なのか?」
「アヌビスも猫耳が苦手だって言ってたな、でも守ってくれるよ、甲斐性はある
ご飯の約束したしな、アヌビスこっちへ来てくれ」
アヌビスはゆっくりと立ち上がり、のしのしと歩きながら近づいてきた
アヌビスの怪我もかなりひどい、早めに帰って治療しなければ
「みんな傷だらけだし、早く帰って治療したい、移動しながら話そう」
「わかった、すぐに準備する」
俺は猫耳の獣人の話を聞きながら帰路についた
獣人たちは猫がベースになっている獣人らしい
部族名があり、同一の種どうしで集落を作って暮らすのだとか
山の近くに住んでいたが、ある日ワイバーンが大量発生し、集落は壊滅、みな散り散りになったそうだ、ワイバーンから逃げるために森へ入ったところ、迷ってしまい
野営しながら食いついないでいたところ、岩に擬態していたゴーレムに襲われたそうだ
彼女たちのリーダーはミミ、猫らしい名前だが見た目はスタイルの良い戦士風
顔は美しく凛々しい女性だ、人間でもかなり美人の部類にあたる
猫の獣人は男も女も戦闘する種族なんだって
獣人とは言え毛だらけなのは雄だけで、女性は耳と尻尾くらいしか獣らしところはなく
アヌビスを警戒しているのは犬型の魔獣、魔物と敵対関係にあるからだそうだ
どうしてなのかはわからない、先祖代々そうらしい
きっと大昔、犬と争ったご先祖様のせいだろう、たぶん、そう思うことにした
昼を過ぎたあたりで住処についた
エルフ交易で手に入れたポーションが早速役に立つ
獣人たちはアラクネやモグタンに驚き、アラクネの子供たちを見て失神し
それぞれ手当をして、しばらくここに留まる事になった
寝床はアラクネに頼んでクモ糸のハンモックを人数分用意してもらった
夜になり、いつものように夕食を楽しんだあとみんなと話をした
「ずいぶんにぎやかになって楽しくなってきたね、今何人だろう?」
猫耳5人、アヌビス、アラクネ、人間二人とモグタン一家
「10人分はご飯必要になってるんだな、大きくなってきた」
すると、ミミが慌てた顔で声をあげた
「いや、我々は元々野営していた身だし、傷が癒えれば出ていくよ」
ミミは申し訳なさそうに話すと、少し悲しそうな顔でうつむいた
まめいがこっちを見る、明らかに何か言いたそうだ
俺も人手が増えてくれるとありがたい、このまま一緒に暮らせないか聞いてみよう
「実のところ俺たちも人手が欲しいと思っていたんだ、ミミたちがよければ一緒に暮らさないか?魔物がいっぱいいるけど...」
ミミは明るい顔でこちらを見た
「本当にいいのか?」
他の猫娘たちも緊張した面持ちだが、期待したような目でこちらを見ている
「もちろん、傷が治ったら労働してもらうけど」
「それはもちろんだ!お前たちはどうだ?」
ミミは他の猫娘たちの方へ顔を向けた
他の猫娘たちは大きく首を縦に振っている
俺もその様子を見て、安心した、今以上の建築などをする場合どうしても人手がいる
獣人は人間より力が強い、今後も頼りにさせてもらいたいな
「じゃあ、決まりだな。これからよろしく」
ミミは涙ぐみながらお礼をした
「ありがとう、帰るところもなくなって途方に暮れていたんだ...この恩は忘れない」
元が猫なだけに記憶力は怪しいものだが今は言うまい
そして俺は今後の予定について考えていたことをみんなに伝えた
「これから数日以内にエルフの商団が来る、交易を行うことになっている
その後、俺たちは今朝アヌビスが更地にした場所へ移住しようと思う」
人も増えてきたし、もう寝る場所も住処に収まらない
人手も増えたことだし新しい住処へ移って集落を作るつもりだ
まめいが無邪気に声をあげる
「うんうん、おっきなおうちが欲しいねー」
ミミが提案してくれた
「それなら私は大工道具を仕入れてくる、お金はあまりないが一式買うくらいならなんとかなろうだろう、近くに村はあるか?」
村か...ないんだよな...
猫娘たちの集落も壊滅したと言っていたが、道具はどのみち必要だ
「うーん、一応、川の下流に人間の村があったんだけど、オークが攻め込んだ後だ」
「なるほど、それは最近ではないよな?」
「最近ではない、もう10日は経つかな」
「なら行く価値はある、オーク達は人間の道具になんて興味を示さないだろうからな
たぶん、廃墟になってはいるだろうけど、何かしら道具は見つかるかもしれない」
なるほど、そういう風に考えたことはなかった
「たしかに、一理ある。頼めるかな?」
「任せてくれ!」
そうして夜寝るまで俺たちは新しい集落の家について熱い議論を交わした
道具は明日の朝、探索隊を猫娘たちから選抜するようだ
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