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8話
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翌日
ゾットに帰還石を貰って各々準備を済ませた
正門前で待っているとアンテとカーラがやってくる
「ルーちんお待たせー!」
カーラとアンテが一緒になって正門で合流すると、アンテが話しかけてくる
「ルーシー、カーラ。誘ってくれてありがとぉ」
カーラが話す
「いいってことよー!旅するのにアンテの支援があると心強いからねー」
「うふふぅ、ありがとぉ。カーラってねぇ、すぐ防具をボロボロにしちゃうから、わたくしの修復魔法がないとす~ぐ裸になっちゃうのよぉ」
「アハー!アンテそういう事言わないの!はずかしー」
「うふふぅ」
(こいつら付き合ってんのか?そういえばアンテはマッチョとつるんでたな、カーラは筋肉質だし好みなんだろう)
アンテとカーラはかなり仲が良いように見えた
そういえばアンテのマッチョたちがいない、いつもいるわけじゃないんだろうか
ルーシーがアンテに話しかける
「アンテ、取り巻きのゴリラたちはいつも一緒にいるわけじゃないのか?」
アンテは不機嫌な顔をしながら反論する
「んもぅ!彼らは “にくきゅう” 部隊ですよぉ。かわいいでしょぉ?」
「見た目と大幅な乖離があるな、いったいどういう意味だ」
「えーっとぉ、たしかぁ。蠢く筋肉の宮殿。略してにくきゅうって言ってましたぁ」
「見た目通りだったわ、何も問題ない」
(しかも闇属性だな、蠢くあたりが)
「そうでしょぉ?さすがに大人数での旅になると食料の問題があるので彼らにはお留守番してもらいましたぁ」
(意外と気が回るのんびりさんだ)
アンテが思い出したようにルーシーに質問する
「そういえばぁ、ルーシーの呪文ってかっこいいですよねぇ。恥ずかしくないんですかぁ?」
「それ褒めてんの?けなしてんの?」
「えー…褒めてますよぉ」
(そういえば天然だったな…)
「俺のスキルは具体的なイメージができる呪文じゃないとダメなんだよ!威力を求めれば必然的に長くしないといけないし。そういう制約なの!しかたないんだよ。」
「ほぅ~。そうなんですねぇ~、いつも右腕を隠してらっしゃるので危険な制約を隠していらっしゃるのかと思いましたぁ」
ルーシーは満足げな顔で話す
「気になるか?俺の右腕には以前戦った黒龍とその炎が宿っていてな。人の目に長時間晒すと俺がダメージを受けてしまう。だからこれは見せられないんだ、残念だが諦めてくれ」
「ノリノリじゃないですかぁ…もしかして幼い頃に日記とか書いてましたぁ?」
「な、なんでわかるんだ」
アンテはぐいぐいと迫ってくる、自慢の巨大な胸を押しあてながら満足そうに話しかけてくる
「その日記ぃ…人に見せられないような唄とか書いてるんでしょぉ?」
「う、うるさい!呪文の練習だよ!」
「うふふぅ、ルーシーかわいいですねぇ。わたくしもるーちんって呼んでいいですかぁ?」
ルーシーは振り返り、背中を向ける
「くっ…生意気な小娘だな…勝手にしろ!」
「うふふぅ。るーちん~♪」
アンテは抱き着くと耳に息を吹きかけてくる
ルーシーはゾクゾクとする感覚を覚え、アンテを突き放した
「ちょ!やめろ!くすぐったいな…」
「いつかみ~んなで愛の真理を探求し~ましょ」
カーラは爪を噛み、悔しそうな顔をしながらルーシーを眺めていた
…
学園を出て二日ほど経った
あてどもない旅を続けるのは効率が悪い、街に寄って情報を集める事にしたが、自分たちがどこにいるかもわからないため更に迷い続ける
ようやく街道を見つけた時に商人の馬車らしきものがグリフォンに襲われている場面へ出くわした
カーラが叫ぶ
「ルーちん!アンテ!助けに行こう!」
ルーシーたちは馬車の元へ駆け寄るとグリフォンと相対する
商人が助けを求めてきた
「あ、あ、あんたち勇者か!?た、助けてくれぇぇ」
カーラが呼びかける
「ここはあたしたちに任せて!早く離れなさい!」
商人は慌てて馬車に乗ると礼を言いながら馬車を走らせる
ルーシーはカーラに質問した
「グリフォンと戦った経験は?」
「ある…けど倒せてない…」
「よくそれで挑む気になったな…」
「勇者だからね!避けてらんない!」
(勇気は過ぎれば蛮勇だが…まぁ、好感は持てる)
グリフォンが威嚇し、カーラに飛び掛かる
カーラは大剣でグリフォンの爪を防ぐ、爪が一部防具にひっかかり、さっそく左胸の装甲が外れてしまう
「くっ…防具が…」
「早すぎない?スキルなの?」
「うるさいな!いつもの事です!」
アンテが声をかける
「防護障壁を張るよぉ」
アンテは目を閉じ、本を開くとひとりでにページがめくれ、と3人が光の幕に覆われた
「これでダメージ軽減できますわぁ。次は攻撃力があがる呪文を唱えますぅ」
そう言うとアンテはまた目を閉じ、仰々しい呪文を唱え始めた
「光に抱かれし我らが女神よ、強大な敵を打ち破る猛き肉の脈動を!激しく燃ゆる血流を!その御名において我らに寵愛を授け給え!」
ルーシーに呪文のイメージが流れ込んでくる
その美しい呪文にルーシーの妄魔創成が反応し、血液の流れが早く、鼓動が強くなるのを感じ、いつもより筋肉が大きくなる
カーラはより顕著に効果が表れた
「なにこれ、いつものアンテの魔法じゃない…すごい力が溢れてくる」
ゾットに帰還石を貰って各々準備を済ませた
正門前で待っているとアンテとカーラがやってくる
「ルーちんお待たせー!」
カーラとアンテが一緒になって正門で合流すると、アンテが話しかけてくる
「ルーシー、カーラ。誘ってくれてありがとぉ」
カーラが話す
「いいってことよー!旅するのにアンテの支援があると心強いからねー」
「うふふぅ、ありがとぉ。カーラってねぇ、すぐ防具をボロボロにしちゃうから、わたくしの修復魔法がないとす~ぐ裸になっちゃうのよぉ」
「アハー!アンテそういう事言わないの!はずかしー」
「うふふぅ」
(こいつら付き合ってんのか?そういえばアンテはマッチョとつるんでたな、カーラは筋肉質だし好みなんだろう)
アンテとカーラはかなり仲が良いように見えた
そういえばアンテのマッチョたちがいない、いつもいるわけじゃないんだろうか
ルーシーがアンテに話しかける
「アンテ、取り巻きのゴリラたちはいつも一緒にいるわけじゃないのか?」
アンテは不機嫌な顔をしながら反論する
「んもぅ!彼らは “にくきゅう” 部隊ですよぉ。かわいいでしょぉ?」
「見た目と大幅な乖離があるな、いったいどういう意味だ」
「えーっとぉ、たしかぁ。蠢く筋肉の宮殿。略してにくきゅうって言ってましたぁ」
「見た目通りだったわ、何も問題ない」
(しかも闇属性だな、蠢くあたりが)
「そうでしょぉ?さすがに大人数での旅になると食料の問題があるので彼らにはお留守番してもらいましたぁ」
(意外と気が回るのんびりさんだ)
アンテが思い出したようにルーシーに質問する
「そういえばぁ、ルーシーの呪文ってかっこいいですよねぇ。恥ずかしくないんですかぁ?」
「それ褒めてんの?けなしてんの?」
「えー…褒めてますよぉ」
(そういえば天然だったな…)
「俺のスキルは具体的なイメージができる呪文じゃないとダメなんだよ!威力を求めれば必然的に長くしないといけないし。そういう制約なの!しかたないんだよ。」
「ほぅ~。そうなんですねぇ~、いつも右腕を隠してらっしゃるので危険な制約を隠していらっしゃるのかと思いましたぁ」
ルーシーは満足げな顔で話す
「気になるか?俺の右腕には以前戦った黒龍とその炎が宿っていてな。人の目に長時間晒すと俺がダメージを受けてしまう。だからこれは見せられないんだ、残念だが諦めてくれ」
「ノリノリじゃないですかぁ…もしかして幼い頃に日記とか書いてましたぁ?」
「な、なんでわかるんだ」
アンテはぐいぐいと迫ってくる、自慢の巨大な胸を押しあてながら満足そうに話しかけてくる
「その日記ぃ…人に見せられないような唄とか書いてるんでしょぉ?」
「う、うるさい!呪文の練習だよ!」
「うふふぅ、ルーシーかわいいですねぇ。わたくしもるーちんって呼んでいいですかぁ?」
ルーシーは振り返り、背中を向ける
「くっ…生意気な小娘だな…勝手にしろ!」
「うふふぅ。るーちん~♪」
アンテは抱き着くと耳に息を吹きかけてくる
ルーシーはゾクゾクとする感覚を覚え、アンテを突き放した
「ちょ!やめろ!くすぐったいな…」
「いつかみ~んなで愛の真理を探求し~ましょ」
カーラは爪を噛み、悔しそうな顔をしながらルーシーを眺めていた
…
学園を出て二日ほど経った
あてどもない旅を続けるのは効率が悪い、街に寄って情報を集める事にしたが、自分たちがどこにいるかもわからないため更に迷い続ける
ようやく街道を見つけた時に商人の馬車らしきものがグリフォンに襲われている場面へ出くわした
カーラが叫ぶ
「ルーちん!アンテ!助けに行こう!」
ルーシーたちは馬車の元へ駆け寄るとグリフォンと相対する
商人が助けを求めてきた
「あ、あ、あんたち勇者か!?た、助けてくれぇぇ」
カーラが呼びかける
「ここはあたしたちに任せて!早く離れなさい!」
商人は慌てて馬車に乗ると礼を言いながら馬車を走らせる
ルーシーはカーラに質問した
「グリフォンと戦った経験は?」
「ある…けど倒せてない…」
「よくそれで挑む気になったな…」
「勇者だからね!避けてらんない!」
(勇気は過ぎれば蛮勇だが…まぁ、好感は持てる)
グリフォンが威嚇し、カーラに飛び掛かる
カーラは大剣でグリフォンの爪を防ぐ、爪が一部防具にひっかかり、さっそく左胸の装甲が外れてしまう
「くっ…防具が…」
「早すぎない?スキルなの?」
「うるさいな!いつもの事です!」
アンテが声をかける
「防護障壁を張るよぉ」
アンテは目を閉じ、本を開くとひとりでにページがめくれ、と3人が光の幕に覆われた
「これでダメージ軽減できますわぁ。次は攻撃力があがる呪文を唱えますぅ」
そう言うとアンテはまた目を閉じ、仰々しい呪文を唱え始めた
「光に抱かれし我らが女神よ、強大な敵を打ち破る猛き肉の脈動を!激しく燃ゆる血流を!その御名において我らに寵愛を授け給え!」
ルーシーに呪文のイメージが流れ込んでくる
その美しい呪文にルーシーの妄魔創成が反応し、血液の流れが早く、鼓動が強くなるのを感じ、いつもより筋肉が大きくなる
カーラはより顕著に効果が表れた
「なにこれ、いつものアンテの魔法じゃない…すごい力が溢れてくる」
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