26 / 33
26話
しおりを挟む
カーラと朝食を食べているとアンテも合流した
ベルゼもラミアと朝食に来ており、食事が終わる頃ベルゼに声をかけた
「ベルゼ、ちょっといいか?」
二人で食堂を出ると歩きながら話した
「ベルゼ、ここの学園長の場所わかるか?」
「一応、学園長室なら…なにされるんです?」
「俺らだけ女神の祝福を受けてないとか勇者名授かってないのは知ってたか?」
「そんな仕組みがあったんですね」
ベルゼは興味なさそうに返答した
知らないということはやはり俺たちだけそんな儀式の存在すら知らされていない。おそらく学園長は俺たちが何者なのか知っていて放置している
「ベルゼ、学園長は俺たちが何者か知っていると思うぞ」
「まぁいいんじゃないですか?私は魔王城に帰りたいです」
ベルゼは大きなため息をついた
「まだ未練あんのか…送ってやろうか?」
ベルゼは真顔になる
「ヴァンパイアにエキドナまで手にかけたのに帰れるわけないじゃないですか何考えてるんですか。常識を疑いますね」
「堂々と謀反報告するやつが言う事か」
ルーシーも真顔になった
「で、学園長に会いに行こうと思うんだが…」
ベルゼは呆れた
「本当に戦うこと以外無能ですね…学園長はアテナ、戦神ですよ。当然我々が魔神であることくらい知ってます」
「マジで?」
ベルゼは頷く
「大マジです」
「じゃなんで俺らの入学許可したんだよ」
「そんなの知りませんよ。ジークがいたからイケると思って入学したんですから」
「うーむ、じゃあますます気になるから学園長室に案内しろ」
…
学園長室前
学園長室の扉からはどこからともなく光が溢れ、神々しい雰囲気が漂ってくる。ベルゼと二人で扉の前まで来るとベルゼの顔色が悪い
「どうした?汗がすごいぞ」
「ジークはなんで平気なんですか…この神聖力に当てられて私はお腹痛いです」
「修行が足りねーんじゃねーの?お前魔神のクセに弱すぎるだろ」
ベルゼは青い顔をしながら睨む
「これでも序列1位です。本来堕落した悪魔である我々が修行だの努力すること自体がおかしいんですよ。私が弱いのではなくジークが強すぎるんです」
「大戦の伝説に憧れてたくさん魔界で殺したからな!」
腰に手を当てふんぞり返る
ベルゼはため息をついた
「ほんとですよ、魔界の同胞を殺した数の記録はジークが過去最大で2位との差は二度と埋まらないと言われてます」
学園長室の扉が開き、光が二人を包む
光の中から美しい女性が現れ、二人に向かって声をかけた
「いつまで扉の前にいるんですか。待ちくたびれちゃいましたよ」
ルーシーは女神に目をやる
「あ…」
ベルゼはお腹を抱え、内股で足をガクガク揺らし立っているのも辛そうだ
アテネはベルゼを見て哀れむ表情を見せると室内に案内した
「ベルゼさん、こちらの紅茶をどうぞ。胃腸薬もあるのでご一緒にいかがですか?」
「あ、あ、あ、ありがとうございます…」
ベルゼは震える手で胃腸薬を口に含むと紅茶と一緒に流し込んだ
数秒で嘘のように汗が引き、足の震えも止まる
「あ、お腹痛くないですね。助かりました、ありがとうございます」
「いえいえ、ご無理なさらないでくださいね」
「はい、御親切にどうも」
アテナは上品な振る舞いでルーシーへ向きなおす
「こんにちはルシファー。お会いするのは初めてですね」
「初めましてアテネ。本名で呼ばれたのは久しぶりだ」
「アテナです。こんな失礼が許されるのは貴女くらいですよ、今日は何か用事があったのではないのですか?」
アテナは不機嫌そうに口を尖らせる
「あ、ごめん。えっと…なんで俺たちの入学を許可したんだ?」
「許可も何も勝手に入ってきたんです。貴女に勝てる神はいません。どうやって追い出そうか思案していたら勝手に勇者育て始めるし学園長としての信仰も薄くなっていくしゼウス様には怒られるし散々な目にあってるんですよ」
ベルゼが同情するように何度も頷く
「いやだって勇者が弱すぎて父王の残した伝説に残るような戦いができないんじゃしょうがないだろ」
アテナは額に手を当て首を振る
「はぁ…初代勇者は異世界から召喚され様々な神々の祝福を受けて前魔王との戦いに勝ち、この学園を築きました。その後寿命を全うし私がその後の運営を行っていますが勇者は弱くなっておりません。むしろ初代より強く質も高くなっております」
ルーシーは疑惑の目を向ける
「うそつけよ、ビンタ一発とか通り過ぎるだけで死ぬんだぞ」
「貴女が強くなりすぎてるんです。前魔王の1万倍ですよ?」
「俺そんなに強いのか?」
「ええ、もう神界にも敵う相手はいません。困ってるんです」
アテナはうつむいて話す
「ゼウス様は貴女が入学してから2回目の魔王の目鎮圧以降、勇者育成報告書の返事も寄こさなくなりました。おかげで小言から解放されて肩こりも解消し、寝不足も解消しました」
「いいことだらけじゃねーか」
「とにかくっ!もうルシファーを倒せるのは貴女が育てた勇者しかいないんです。責任もって勇者育ててください」
「お前もっと仕事しろよ」
ベルゼもラミアと朝食に来ており、食事が終わる頃ベルゼに声をかけた
「ベルゼ、ちょっといいか?」
二人で食堂を出ると歩きながら話した
「ベルゼ、ここの学園長の場所わかるか?」
「一応、学園長室なら…なにされるんです?」
「俺らだけ女神の祝福を受けてないとか勇者名授かってないのは知ってたか?」
「そんな仕組みがあったんですね」
ベルゼは興味なさそうに返答した
知らないということはやはり俺たちだけそんな儀式の存在すら知らされていない。おそらく学園長は俺たちが何者なのか知っていて放置している
「ベルゼ、学園長は俺たちが何者か知っていると思うぞ」
「まぁいいんじゃないですか?私は魔王城に帰りたいです」
ベルゼは大きなため息をついた
「まだ未練あんのか…送ってやろうか?」
ベルゼは真顔になる
「ヴァンパイアにエキドナまで手にかけたのに帰れるわけないじゃないですか何考えてるんですか。常識を疑いますね」
「堂々と謀反報告するやつが言う事か」
ルーシーも真顔になった
「で、学園長に会いに行こうと思うんだが…」
ベルゼは呆れた
「本当に戦うこと以外無能ですね…学園長はアテナ、戦神ですよ。当然我々が魔神であることくらい知ってます」
「マジで?」
ベルゼは頷く
「大マジです」
「じゃなんで俺らの入学許可したんだよ」
「そんなの知りませんよ。ジークがいたからイケると思って入学したんですから」
「うーむ、じゃあますます気になるから学園長室に案内しろ」
…
学園長室前
学園長室の扉からはどこからともなく光が溢れ、神々しい雰囲気が漂ってくる。ベルゼと二人で扉の前まで来るとベルゼの顔色が悪い
「どうした?汗がすごいぞ」
「ジークはなんで平気なんですか…この神聖力に当てられて私はお腹痛いです」
「修行が足りねーんじゃねーの?お前魔神のクセに弱すぎるだろ」
ベルゼは青い顔をしながら睨む
「これでも序列1位です。本来堕落した悪魔である我々が修行だの努力すること自体がおかしいんですよ。私が弱いのではなくジークが強すぎるんです」
「大戦の伝説に憧れてたくさん魔界で殺したからな!」
腰に手を当てふんぞり返る
ベルゼはため息をついた
「ほんとですよ、魔界の同胞を殺した数の記録はジークが過去最大で2位との差は二度と埋まらないと言われてます」
学園長室の扉が開き、光が二人を包む
光の中から美しい女性が現れ、二人に向かって声をかけた
「いつまで扉の前にいるんですか。待ちくたびれちゃいましたよ」
ルーシーは女神に目をやる
「あ…」
ベルゼはお腹を抱え、内股で足をガクガク揺らし立っているのも辛そうだ
アテネはベルゼを見て哀れむ表情を見せると室内に案内した
「ベルゼさん、こちらの紅茶をどうぞ。胃腸薬もあるのでご一緒にいかがですか?」
「あ、あ、あ、ありがとうございます…」
ベルゼは震える手で胃腸薬を口に含むと紅茶と一緒に流し込んだ
数秒で嘘のように汗が引き、足の震えも止まる
「あ、お腹痛くないですね。助かりました、ありがとうございます」
「いえいえ、ご無理なさらないでくださいね」
「はい、御親切にどうも」
アテナは上品な振る舞いでルーシーへ向きなおす
「こんにちはルシファー。お会いするのは初めてですね」
「初めましてアテネ。本名で呼ばれたのは久しぶりだ」
「アテナです。こんな失礼が許されるのは貴女くらいですよ、今日は何か用事があったのではないのですか?」
アテナは不機嫌そうに口を尖らせる
「あ、ごめん。えっと…なんで俺たちの入学を許可したんだ?」
「許可も何も勝手に入ってきたんです。貴女に勝てる神はいません。どうやって追い出そうか思案していたら勝手に勇者育て始めるし学園長としての信仰も薄くなっていくしゼウス様には怒られるし散々な目にあってるんですよ」
ベルゼが同情するように何度も頷く
「いやだって勇者が弱すぎて父王の残した伝説に残るような戦いができないんじゃしょうがないだろ」
アテナは額に手を当て首を振る
「はぁ…初代勇者は異世界から召喚され様々な神々の祝福を受けて前魔王との戦いに勝ち、この学園を築きました。その後寿命を全うし私がその後の運営を行っていますが勇者は弱くなっておりません。むしろ初代より強く質も高くなっております」
ルーシーは疑惑の目を向ける
「うそつけよ、ビンタ一発とか通り過ぎるだけで死ぬんだぞ」
「貴女が強くなりすぎてるんです。前魔王の1万倍ですよ?」
「俺そんなに強いのか?」
「ええ、もう神界にも敵う相手はいません。困ってるんです」
アテナはうつむいて話す
「ゼウス様は貴女が入学してから2回目の魔王の目鎮圧以降、勇者育成報告書の返事も寄こさなくなりました。おかげで小言から解放されて肩こりも解消し、寝不足も解消しました」
「いいことだらけじゃねーか」
「とにかくっ!もうルシファーを倒せるのは貴女が育てた勇者しかいないんです。責任もって勇者育ててください」
「お前もっと仕事しろよ」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
4
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる