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32話
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勇者たちはまた魔界に現れた
魔王城の玉座にたどり着くと座っている俺を見て驚きを隠せないでいる
「やはり、本物は隠れていたか…」
ミストはそういうと盾を構える
ラミアが杖をルシファーに向ける
「魔王のクセに隠れるなんて器が小さいですわ、今日であなたは終わりですわよ」
カーラとアンテも戦闘態勢に入った
思えば長い旅だった、ルシファーは今までの思い出に浸りながら玉座を立ち
ゆっくりと勇者たちに歩を進める
「よく俺までたどり着いたな。今度は通り過ぎるだけで死んでくれるなよ」
ルシファーは次の一歩を踏み出すと地面を蹴り、勢いよくミストが構えた盾に体当たりをする
「うおおお!!!」
ミストは全力で踏ん張り両腕で盾を支え、数メートル後退しながら耐えた
「ハハハ!それでこそ勇者だ!いいぞ。もっとやろう!さぁ続きだ!」
ルシファーは元の位置まで飛び退くと呪文を唱え始める
「我が名サタンの名において命ずる!闇よ!影よ!夜よ!暗がりよ!あらゆる黒なる者どもの力を我が身に宿せ!」
ルシファーに黒い霧が吸い込まれていき、邪悪なオーラがみるみる大きくなっていく
「さぁ、準備はいいぞ。かかってこい」
「くっ…なんて大きなオーラ…アンテ、援護お願い」
「はいです!防護障壁を使いますぅ」
アンテが全員に防護障壁を展開し、結界を張る
カーラが溜めの動作に入るとラミアが呪文を唱えた
「フーティ・フー・ハージ、イ・ヴォン・スーフ。炎の化身イーフリート!邪悪を清むる業火となりて剣の道を灰と化せ!」
”ル・フードゥ・ノー・フェ”
ルシファーを囲むように黒い炎が集まり大きな火柱を形成する
「黒よ。我が息に宿れ!第一圏の力、辺獄!」
ルシファーが大きく息を吸い。吐き出すと地面を抉る衝撃波が黒い炎を打ち消し勇者たちに襲い掛かる
”聖騎士の護光”
ミストが盾を構えて大きな光の壁を展開すると衝撃波が受け止められる
同時にカーラが飛び出し逆袈裟に剣を切り上げる
”魔人斬り”あーんど!”三段斬り”!
「黒よ!我が腕に宿れ!第二圏の力!愛欲!」
ルシファーが左手をかざすと暴風が吹き荒れカーラの斬撃ごと押し流していく
カーラは風に流されつつも着地するとアンテの結界へ戻っていった
ミストの護り、アンテの守りは固く、これくらいではびくともしない
ラミアが魔術を使い、カーラが斬撃で攻める
何度か繰り返し、そのたびに黒の力を使って回避するルシファー
お互い致命打にならず長引いていく
しびれを切らしたカーラが大きく構えてまた溜めの動作に入る
援護するようにミストがじりじりと前線を押し上げルシファーとの距離を詰めるとカーラが飛び込んでくる、3打ほど斬撃を受け止め。叩き落すとカーラは地面に打ち付けられた
援護するようにミストが飛び込んでくる、盾での体当たりでルシファーを押しのけるとカーラを庇うように前に立つ
「黒よ!我が腕に宿れ!第八圏の力!悪意!」
ルシファーがミストの盾を殴る
一瞬力ない打撃にミストは不思議な表情を浮かべてそっと様子を見ると目の前が赤くなった
目、耳、鼻、口から大量に血を流して座り込む
ミストは自分の体が重い病にかかったような感覚に陥った、五感を奪われ苦しいはずが悶える事すらできないほどに体がまったくいう事を聞かない
ガクガクと揺れながら血を流し続け、呼吸ができないまま顔色が赤黒くなっていく
「黒よ!我が脚に宿れ!第九圏の力!裏切者!」
ルシファーはミストを蹴り上げるとすさまじい勢いで壁を突き破り数キロ先まで一瞬で飛んでいく
ミストに庇われていたカーラが隙を見て斬りつけてくる
能力を使ったばかりのルシファーの脚を斬りつけると傷口から勢いよく黒い煙が立ち上る
カーラは畳みかけるように次の斬撃を繰り出すとルシファーは左腕でガードするも腕は裂け、またも黒い煙が立ち上る
ルシファーは距離を取るとカーラもアンテの結界まで戻る
「ここまで受けきったのはお前たちが初だ」
「あんたの呪文…見覚えがある」
カーラは言う
「ルーシーみたい…」
ルシファーは懐かしい気持ちに包まれ鼻で笑う
「気のせいだろ」
ルシファーは次の呪文を唱える
「第三圏貪欲の六芒!第七圏暴力の六芒!暗き奈落の蛇よ影より出でよ我が意思に応え敵を喰らえ!」
ルシファーの影から巨大な蛇が現れ荒々しく勇者たちに向かう
カーラが唱える
「雷神トール!我が剣に宿りて影を照らす光とならん!」
”神雷閃”
カーラの剣が光り輝き剣を横に振るうと巨大な刃が蛇を切り裂いた
「やっぱり…」
カーラの疑いは確信に変わった。妄魔創成を他者が利用できるのは勇者として力不足だった時代によく利用していたからだ。
ルシファーの動きは止まり、腰に手を当て勇者たちを見つめる
「だとしたらどうするんだ?俺は紛れもなく魔王だ」
「ボクたちを騙してたの?いなくなってから皆心配したんだよ」
「俺と戦いうる強者を求めて育成しただけだ。お前たちだったのはたまたまだよ」
カーラはギリギリと剣を握りしめ、睨みつける
「バカ…アンテもボクも、ルーシーが大好きだったんだ…」
カーラは歯を食いしばると大きく剣を振り上げ。もう一度構えなおす
「天空の覇者ゼウス!怒りを刃に!汝の威光を我が身に宿せ!」
カーラの剣に雷が宿り、体が薄く輝くと剣を横に薙ぐ
雷の波がルシファーに飛ぶと同時に地面を蹴って跳躍した
「あんたが魔王なんかやってるから!倒さなくちゃいけないじゃん!」
魔王城の玉座にたどり着くと座っている俺を見て驚きを隠せないでいる
「やはり、本物は隠れていたか…」
ミストはそういうと盾を構える
ラミアが杖をルシファーに向ける
「魔王のクセに隠れるなんて器が小さいですわ、今日であなたは終わりですわよ」
カーラとアンテも戦闘態勢に入った
思えば長い旅だった、ルシファーは今までの思い出に浸りながら玉座を立ち
ゆっくりと勇者たちに歩を進める
「よく俺までたどり着いたな。今度は通り過ぎるだけで死んでくれるなよ」
ルシファーは次の一歩を踏み出すと地面を蹴り、勢いよくミストが構えた盾に体当たりをする
「うおおお!!!」
ミストは全力で踏ん張り両腕で盾を支え、数メートル後退しながら耐えた
「ハハハ!それでこそ勇者だ!いいぞ。もっとやろう!さぁ続きだ!」
ルシファーは元の位置まで飛び退くと呪文を唱え始める
「我が名サタンの名において命ずる!闇よ!影よ!夜よ!暗がりよ!あらゆる黒なる者どもの力を我が身に宿せ!」
ルシファーに黒い霧が吸い込まれていき、邪悪なオーラがみるみる大きくなっていく
「さぁ、準備はいいぞ。かかってこい」
「くっ…なんて大きなオーラ…アンテ、援護お願い」
「はいです!防護障壁を使いますぅ」
アンテが全員に防護障壁を展開し、結界を張る
カーラが溜めの動作に入るとラミアが呪文を唱えた
「フーティ・フー・ハージ、イ・ヴォン・スーフ。炎の化身イーフリート!邪悪を清むる業火となりて剣の道を灰と化せ!」
”ル・フードゥ・ノー・フェ”
ルシファーを囲むように黒い炎が集まり大きな火柱を形成する
「黒よ。我が息に宿れ!第一圏の力、辺獄!」
ルシファーが大きく息を吸い。吐き出すと地面を抉る衝撃波が黒い炎を打ち消し勇者たちに襲い掛かる
”聖騎士の護光”
ミストが盾を構えて大きな光の壁を展開すると衝撃波が受け止められる
同時にカーラが飛び出し逆袈裟に剣を切り上げる
”魔人斬り”あーんど!”三段斬り”!
「黒よ!我が腕に宿れ!第二圏の力!愛欲!」
ルシファーが左手をかざすと暴風が吹き荒れカーラの斬撃ごと押し流していく
カーラは風に流されつつも着地するとアンテの結界へ戻っていった
ミストの護り、アンテの守りは固く、これくらいではびくともしない
ラミアが魔術を使い、カーラが斬撃で攻める
何度か繰り返し、そのたびに黒の力を使って回避するルシファー
お互い致命打にならず長引いていく
しびれを切らしたカーラが大きく構えてまた溜めの動作に入る
援護するようにミストがじりじりと前線を押し上げルシファーとの距離を詰めるとカーラが飛び込んでくる、3打ほど斬撃を受け止め。叩き落すとカーラは地面に打ち付けられた
援護するようにミストが飛び込んでくる、盾での体当たりでルシファーを押しのけるとカーラを庇うように前に立つ
「黒よ!我が腕に宿れ!第八圏の力!悪意!」
ルシファーがミストの盾を殴る
一瞬力ない打撃にミストは不思議な表情を浮かべてそっと様子を見ると目の前が赤くなった
目、耳、鼻、口から大量に血を流して座り込む
ミストは自分の体が重い病にかかったような感覚に陥った、五感を奪われ苦しいはずが悶える事すらできないほどに体がまったくいう事を聞かない
ガクガクと揺れながら血を流し続け、呼吸ができないまま顔色が赤黒くなっていく
「黒よ!我が脚に宿れ!第九圏の力!裏切者!」
ルシファーはミストを蹴り上げるとすさまじい勢いで壁を突き破り数キロ先まで一瞬で飛んでいく
ミストに庇われていたカーラが隙を見て斬りつけてくる
能力を使ったばかりのルシファーの脚を斬りつけると傷口から勢いよく黒い煙が立ち上る
カーラは畳みかけるように次の斬撃を繰り出すとルシファーは左腕でガードするも腕は裂け、またも黒い煙が立ち上る
ルシファーは距離を取るとカーラもアンテの結界まで戻る
「ここまで受けきったのはお前たちが初だ」
「あんたの呪文…見覚えがある」
カーラは言う
「ルーシーみたい…」
ルシファーは懐かしい気持ちに包まれ鼻で笑う
「気のせいだろ」
ルシファーは次の呪文を唱える
「第三圏貪欲の六芒!第七圏暴力の六芒!暗き奈落の蛇よ影より出でよ我が意思に応え敵を喰らえ!」
ルシファーの影から巨大な蛇が現れ荒々しく勇者たちに向かう
カーラが唱える
「雷神トール!我が剣に宿りて影を照らす光とならん!」
”神雷閃”
カーラの剣が光り輝き剣を横に振るうと巨大な刃が蛇を切り裂いた
「やっぱり…」
カーラの疑いは確信に変わった。妄魔創成を他者が利用できるのは勇者として力不足だった時代によく利用していたからだ。
ルシファーの動きは止まり、腰に手を当て勇者たちを見つめる
「だとしたらどうするんだ?俺は紛れもなく魔王だ」
「ボクたちを騙してたの?いなくなってから皆心配したんだよ」
「俺と戦いうる強者を求めて育成しただけだ。お前たちだったのはたまたまだよ」
カーラはギリギリと剣を握りしめ、睨みつける
「バカ…アンテもボクも、ルーシーが大好きだったんだ…」
カーラは歯を食いしばると大きく剣を振り上げ。もう一度構えなおす
「天空の覇者ゼウス!怒りを刃に!汝の威光を我が身に宿せ!」
カーラの剣に雷が宿り、体が薄く輝くと剣を横に薙ぐ
雷の波がルシファーに飛ぶと同時に地面を蹴って跳躍した
「あんたが魔王なんかやってるから!倒さなくちゃいけないじゃん!」
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