4 / 27
最速だって言えますか?
しおりを挟む
宿――。
いまごろクロは竜舎で休んでいることだろう。オレもまた疲労がたまっていた。
眠って休んだほうが良いとわかっても、眠る気になんてなれなかった
残り50Mのところで、墜落してしまったこと。ジオに龍騎手免許を剥奪されてしまったこと。ロクサーナにクロをバカにされたこと――。 オレの胸裏には屈辱や怒気が渦巻いているのだった。
窓のない部屋を一室借りていた。オレは部屋には入らずロビーで酒を飲むことにした。
1階はバーになっていた。日が暮れるにつれて、天井から吊るされていたカンテラに店の人が明かりを灯しはじめた。
酔客が増えてゆき、バーは盛大に賑わうことになった。非常に明るい酒だった。ドラゴンレースのことで盛り上がっているのだ。
「やっぱりジオさまは速かったな」「国王陛下のお気にいりなんだろ」「そう。我がヘブンガルド王国を代表する龍騎手だってことだ」……とみんな今日の優勝者であるジオのことをホめたたえていた。
オレはちびちびと味のしないブドウ酒に口をつけながら、そんな話を聞いていた。
「こんな日だって言うのに、暗い顔をしているのね」
カウンターにいた女性が声をかけてきた。
女主人――にしては年若いように思う。看板娘といったところか。
赤毛を三つ編みにした女性だった。肌はキレイだが、目元にはソバカスがあった。目元のソバカスさえなければ貴族の娘だと言われても信じてしまうところだ。国王陛下の側室だと言われても信じるだろう。ソバカスがあることで、美人というよりも愛嬌のある女性といった印象に変えてしまっていた。
胸元が大きく開いたウェイトレスの服を着ている。開いた胸元は男たちを酒場に誘うための武器というわけだ。
「喜んでいる人たちばかりじゃ、釣りあいが取れないでしょう」
と、オレは茶化した。
「あら。面白い言い回しね。でも今日は年に1度の国王陛下主催のドラゴンレースがあったでしょう。ヘブンガルド王国でイチバン大きな試合よ。おかげでみんな大盛り上がりよ」
「みたいですね」
テーブル席のほうから笑いが湧いていた。ゴール直前で落っこちたヤツがいてな――なんて話題になっているのかもしれない。
「それと釣りあうだけの絶望をお抱え?」
「今のオレは世界でもっとも不幸な男なんですから」
嵐に見舞われ、試合にはトンデモナイ負け方をして、あげくのはてにはミノタウロスの肉もクロに買ってやれなかった。売りきれだということだ。良いことなんてひとつもない。
「溜めこまないで話してみなさいよ。私がその絶望の重さをはかってあげるから」
話す気になんてなれなかった。
試合に負けたことが、どうしても言い訳がましくなってしまうからだった。ロクサーナに言い訳だと思われたのが効いているのかもしれない。
なぜかオレは口を開いてしまった。ろくに味のしないブドウ酒のせいか、あるいはこの看板娘のソバカスのせいかもしれない。
話した。
看板娘は淡々とグラスを拭きながらも、オレの話に耳を傾けてくれていた。
「じゃあ、あなたが、墜落した龍騎手なのね」
「ええ」
「私も見てたわ。ゴール直前で急に墜落しちゃったのよね。まるで死んじゃったみたいな落っこち方だったからドキッとしたわ」
「嵐さえなければオレは勝てたんです。クロのスピードはあんなもんじゃない」
この看板娘から見たら、やはりただの負け惜しみにしか聞こえないだろう。今日1位になれなかった龍騎手は、みんな同じセリフを吐いているはずだ。
いいや。ほかの龍騎手と、オレとでは確実に違うことがある。残り50Mでオレは勝利を確信していたということだ。あのまま飛んでいれば、確実に勝っていたはずなのだ。
「ジオよりも速い?」
「もちろん」
「ジオは貴族の出自でね。ヘブンガルド王国のドラゴンだけじゃなくて、世界中からもっとも速いドラゴンを選別して、その2匹を掛け合わせて卵を産ませたのだそうよ」
「ホントですか?」
「さあ。事実かどうかはわからないけど」
「じゃあ、デマでしょう。そんな速い親龍から生まれたにしては遅すぎる。どんなドラゴンだったかすら覚えてませんよ」
ウソぶいた。
ジオが乗っていたのは、白銀のカラダをしたドラゴンだ。オレはちゃんと覚えていた。白銀のウロコはもっとも高貴なドラゴンだと言われている。そういう血脈だってことだ。
「ねぇ。不幸な龍騎手さん」
と、看板娘は前かがみになって見せた。胸元を見せようとしているのだとわかった。魂胆がわかったから、オレは意地でもそこに目がゆかないように気をつけた。意味なんてない。ただの意地だ。
「なんですか。酒場の看板娘さん」
「これからどうするおつもり?」
「もう少しロクサーナ組合に頭を下げてみるか。あるいは別の都市で運び屋として雇ってもらうか――ですね」
「素直に故郷に戻る気はないんだ?」
「ええ」
帰るのは惜しい。
負けて帰るわけにはいかないという意地もある。それ以上に、クロという才能を、田舎で埋もれさせるのが惜しい。
クロのことを考えた。
ミノタウロスの肉がないとわかって、すこしスねてしまっている。代わりにべつの肉を置いてきたが、いじけてしまって口をつけようとはしなかった。たぶん今も食べてないだろう。
明日の朝には機嫌もなおっているはずだ。もう眠ってるだろうか?
それともオレと同じく、敗北に心を乱しているかもしれない。
「自分のドラゴンが最速だって、私の目を見ても言える?」
「言えますけど、それがなんですか?」
「美女の目を見ながら、本音を吐けるならたいしたもんだと思ってね」
「自分で美女って言っちゃうんですか」
「あなたもそうでしょう? 自分のドラゴンが最速だって言えるんでしょ?」
さすがは酒場の娘だ。
うまく会話に乗せられている。
酒場の娘と商人とだけはケンカをしてはならない。母にそう教わった。
試されているのなら、挑んでやろう。
オレは看板娘の目を覗きこんだ。赤い虹彩を宿した瞳をしていた。陳腐な言い回しだが、まるで宝石みたいな目だ。
「オレのドラゴンは世界最速だし、オレは最速の龍騎手ですよ」
まさかオレが本気で言うとは思っていなかったのか、逆に看板娘のほうがたじろぐ気配があった。
看板娘はそのソバカスのある頬を、わずかに染めていた。
「威勢が良いのね」
「真実を語ったまでですよ」
看板娘はカウンターテーブルの端に置いてあった羽根ペンを手にとった。スラスラと何か書きはじめた。1枚のパピルス紙をオレに渡してきた。どうやらどこかの番地らしいということはわかった。
「これは?」
「明日の朝。そこに行くと良いわ。もしかしたら、何か仕事をもらえるかもしれない」
「仕事って言っても、オレはドラゴンに乗ることしか出来ませんよ」
「だからそういう仕事よ。運送者組合の場所だから」
運送業組合の場所? 聞いたとたんに良いが覚めた。
「都市ブレイブンでは、ロクサーナ組合が運び屋の仕事を牛耳ってるって聞きましたよ」
いや。
牛耳ってるというような言い方はしていなかったか……。でもそれに似たようなことを、あのトラのような風貌の女が言っていた。
看板娘は曖昧に笑った。
「まあね。実質、ロクサーナ組合一強よ。だけど廃業寸前の運送者組合がいちおうあるのよ」
「なんてところですか?」
「ゴドルフィン組合」
「ゴドルフィン……。わかりました。今から行ってきます」
「今は夜だからやってないわよ。それにドラゴンもあなたも休んだほうが良いでしょう」
たしかにその通りだ。
浮かせた腰を、もう一度イスに落とした。
「でもどうしてオレに仕事を紹介してくれたんですか?」
「あなたのドラゴンって、あの黒いドラゴンでしょ。ちょっと痩せ細って、鱗の輝きがくすんでるドラゴン」
「ええ、まぁ」
言葉を選んでもそういうふうに見えてしまっているのだろう。
今日かけられた言葉のなかではマシな表現だと感じた。
「あなたの言葉を信じる気になったわ。体調がもとに戻れば、きっと良いドラゴンになるわ」
「オレの負け惜しみかもしれませんよ」
「あなたの目つきが真剣だったもの。なんだか口説かれているような気さえしたわ。私、人を見る目だけはあるのよ。酒場の娘だもの」
「ありがとうございます。あの……お名前をお聞きしてもよろしいでしょうか?」
「レッカよ」
「オレはアグバ」
「良い名前ね」
「お互いに」
もらったパピルス紙を、懐にしまいこんだ。
気が付けば心のなかにわだかまっていたものが、軽くなっていた。味のしないブドウ酒のおかげでないことだけは確かだ。
レッカさんはもう上体を起こして、ほかの酔客の相手をしていた。
前かがみになっているときに、その胸元を見ておけば良かったとすこしだけ後悔した。
いまごろクロは竜舎で休んでいることだろう。オレもまた疲労がたまっていた。
眠って休んだほうが良いとわかっても、眠る気になんてなれなかった
残り50Mのところで、墜落してしまったこと。ジオに龍騎手免許を剥奪されてしまったこと。ロクサーナにクロをバカにされたこと――。 オレの胸裏には屈辱や怒気が渦巻いているのだった。
窓のない部屋を一室借りていた。オレは部屋には入らずロビーで酒を飲むことにした。
1階はバーになっていた。日が暮れるにつれて、天井から吊るされていたカンテラに店の人が明かりを灯しはじめた。
酔客が増えてゆき、バーは盛大に賑わうことになった。非常に明るい酒だった。ドラゴンレースのことで盛り上がっているのだ。
「やっぱりジオさまは速かったな」「国王陛下のお気にいりなんだろ」「そう。我がヘブンガルド王国を代表する龍騎手だってことだ」……とみんな今日の優勝者であるジオのことをホめたたえていた。
オレはちびちびと味のしないブドウ酒に口をつけながら、そんな話を聞いていた。
「こんな日だって言うのに、暗い顔をしているのね」
カウンターにいた女性が声をかけてきた。
女主人――にしては年若いように思う。看板娘といったところか。
赤毛を三つ編みにした女性だった。肌はキレイだが、目元にはソバカスがあった。目元のソバカスさえなければ貴族の娘だと言われても信じてしまうところだ。国王陛下の側室だと言われても信じるだろう。ソバカスがあることで、美人というよりも愛嬌のある女性といった印象に変えてしまっていた。
胸元が大きく開いたウェイトレスの服を着ている。開いた胸元は男たちを酒場に誘うための武器というわけだ。
「喜んでいる人たちばかりじゃ、釣りあいが取れないでしょう」
と、オレは茶化した。
「あら。面白い言い回しね。でも今日は年に1度の国王陛下主催のドラゴンレースがあったでしょう。ヘブンガルド王国でイチバン大きな試合よ。おかげでみんな大盛り上がりよ」
「みたいですね」
テーブル席のほうから笑いが湧いていた。ゴール直前で落っこちたヤツがいてな――なんて話題になっているのかもしれない。
「それと釣りあうだけの絶望をお抱え?」
「今のオレは世界でもっとも不幸な男なんですから」
嵐に見舞われ、試合にはトンデモナイ負け方をして、あげくのはてにはミノタウロスの肉もクロに買ってやれなかった。売りきれだということだ。良いことなんてひとつもない。
「溜めこまないで話してみなさいよ。私がその絶望の重さをはかってあげるから」
話す気になんてなれなかった。
試合に負けたことが、どうしても言い訳がましくなってしまうからだった。ロクサーナに言い訳だと思われたのが効いているのかもしれない。
なぜかオレは口を開いてしまった。ろくに味のしないブドウ酒のせいか、あるいはこの看板娘のソバカスのせいかもしれない。
話した。
看板娘は淡々とグラスを拭きながらも、オレの話に耳を傾けてくれていた。
「じゃあ、あなたが、墜落した龍騎手なのね」
「ええ」
「私も見てたわ。ゴール直前で急に墜落しちゃったのよね。まるで死んじゃったみたいな落っこち方だったからドキッとしたわ」
「嵐さえなければオレは勝てたんです。クロのスピードはあんなもんじゃない」
この看板娘から見たら、やはりただの負け惜しみにしか聞こえないだろう。今日1位になれなかった龍騎手は、みんな同じセリフを吐いているはずだ。
いいや。ほかの龍騎手と、オレとでは確実に違うことがある。残り50Mでオレは勝利を確信していたということだ。あのまま飛んでいれば、確実に勝っていたはずなのだ。
「ジオよりも速い?」
「もちろん」
「ジオは貴族の出自でね。ヘブンガルド王国のドラゴンだけじゃなくて、世界中からもっとも速いドラゴンを選別して、その2匹を掛け合わせて卵を産ませたのだそうよ」
「ホントですか?」
「さあ。事実かどうかはわからないけど」
「じゃあ、デマでしょう。そんな速い親龍から生まれたにしては遅すぎる。どんなドラゴンだったかすら覚えてませんよ」
ウソぶいた。
ジオが乗っていたのは、白銀のカラダをしたドラゴンだ。オレはちゃんと覚えていた。白銀のウロコはもっとも高貴なドラゴンだと言われている。そういう血脈だってことだ。
「ねぇ。不幸な龍騎手さん」
と、看板娘は前かがみになって見せた。胸元を見せようとしているのだとわかった。魂胆がわかったから、オレは意地でもそこに目がゆかないように気をつけた。意味なんてない。ただの意地だ。
「なんですか。酒場の看板娘さん」
「これからどうするおつもり?」
「もう少しロクサーナ組合に頭を下げてみるか。あるいは別の都市で運び屋として雇ってもらうか――ですね」
「素直に故郷に戻る気はないんだ?」
「ええ」
帰るのは惜しい。
負けて帰るわけにはいかないという意地もある。それ以上に、クロという才能を、田舎で埋もれさせるのが惜しい。
クロのことを考えた。
ミノタウロスの肉がないとわかって、すこしスねてしまっている。代わりにべつの肉を置いてきたが、いじけてしまって口をつけようとはしなかった。たぶん今も食べてないだろう。
明日の朝には機嫌もなおっているはずだ。もう眠ってるだろうか?
それともオレと同じく、敗北に心を乱しているかもしれない。
「自分のドラゴンが最速だって、私の目を見ても言える?」
「言えますけど、それがなんですか?」
「美女の目を見ながら、本音を吐けるならたいしたもんだと思ってね」
「自分で美女って言っちゃうんですか」
「あなたもそうでしょう? 自分のドラゴンが最速だって言えるんでしょ?」
さすがは酒場の娘だ。
うまく会話に乗せられている。
酒場の娘と商人とだけはケンカをしてはならない。母にそう教わった。
試されているのなら、挑んでやろう。
オレは看板娘の目を覗きこんだ。赤い虹彩を宿した瞳をしていた。陳腐な言い回しだが、まるで宝石みたいな目だ。
「オレのドラゴンは世界最速だし、オレは最速の龍騎手ですよ」
まさかオレが本気で言うとは思っていなかったのか、逆に看板娘のほうがたじろぐ気配があった。
看板娘はそのソバカスのある頬を、わずかに染めていた。
「威勢が良いのね」
「真実を語ったまでですよ」
看板娘はカウンターテーブルの端に置いてあった羽根ペンを手にとった。スラスラと何か書きはじめた。1枚のパピルス紙をオレに渡してきた。どうやらどこかの番地らしいということはわかった。
「これは?」
「明日の朝。そこに行くと良いわ。もしかしたら、何か仕事をもらえるかもしれない」
「仕事って言っても、オレはドラゴンに乗ることしか出来ませんよ」
「だからそういう仕事よ。運送者組合の場所だから」
運送業組合の場所? 聞いたとたんに良いが覚めた。
「都市ブレイブンでは、ロクサーナ組合が運び屋の仕事を牛耳ってるって聞きましたよ」
いや。
牛耳ってるというような言い方はしていなかったか……。でもそれに似たようなことを、あのトラのような風貌の女が言っていた。
看板娘は曖昧に笑った。
「まあね。実質、ロクサーナ組合一強よ。だけど廃業寸前の運送者組合がいちおうあるのよ」
「なんてところですか?」
「ゴドルフィン組合」
「ゴドルフィン……。わかりました。今から行ってきます」
「今は夜だからやってないわよ。それにドラゴンもあなたも休んだほうが良いでしょう」
たしかにその通りだ。
浮かせた腰を、もう一度イスに落とした。
「でもどうしてオレに仕事を紹介してくれたんですか?」
「あなたのドラゴンって、あの黒いドラゴンでしょ。ちょっと痩せ細って、鱗の輝きがくすんでるドラゴン」
「ええ、まぁ」
言葉を選んでもそういうふうに見えてしまっているのだろう。
今日かけられた言葉のなかではマシな表現だと感じた。
「あなたの言葉を信じる気になったわ。体調がもとに戻れば、きっと良いドラゴンになるわ」
「オレの負け惜しみかもしれませんよ」
「あなたの目つきが真剣だったもの。なんだか口説かれているような気さえしたわ。私、人を見る目だけはあるのよ。酒場の娘だもの」
「ありがとうございます。あの……お名前をお聞きしてもよろしいでしょうか?」
「レッカよ」
「オレはアグバ」
「良い名前ね」
「お互いに」
もらったパピルス紙を、懐にしまいこんだ。
気が付けば心のなかにわだかまっていたものが、軽くなっていた。味のしないブドウ酒のおかげでないことだけは確かだ。
レッカさんはもう上体を起こして、ほかの酔客の相手をしていた。
前かがみになっているときに、その胸元を見ておけば良かったとすこしだけ後悔した。
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
英雄一家は国を去る【一話完結】
青緑 ネトロア
ファンタジー
婚約者との舞踏会中、火急の知らせにより領地へ帰り、3年かけて魔物大発生を収めたテレジア。3年振りに王都へ戻ったが、国の一大事から護った一家へ言い渡されたのは、テレジアの婚約破棄だった。
- - - - - - - - - - - - -
ただいま後日談の加筆を計画中です。
2025/06/22
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる