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弟子が模擬レースに出るようです
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「マーゲライトはどこにいるの?」
オレとレッカさんは群衆のなかにいた。
平地――。
ドラゴンとその竜騎手志願の者たちが、地面に引かれた線の手前に整列している。
いろんな色のドラゴンが並ぶさまはキラびやかだった。色とりどりのドラゴンの鱗が陽光を受けて輝いている。
「真ん中あたりだって聞いてますけど。見つけられませんね」
「全部で何匹いるのかしら?」
「32匹です。今回はそのなかから1着になった者に免許をあたえることになっているそうですよ」
「スタート位置はどうやって決まるの?」
「くじ引きです。真ん中はあんまり当たりくじとは言えないですねぇ。最初に抜け出せると良いですが。下手をすると群れにモミクチャにされますから」
スタートラインで並ぶ竜騎手志願者たちは、みんな緊張した面持ちだ。これから免許を獲得するぞと意気込み緊張した竜騎手とはウラハラに、取り囲む観衆たちは賑わっていた。
オレとレッカさんも、賑わう観衆のなかにいるのだった。
マーゲライトの悪だくみは見事に成功した。 レッカさんを連れ出すことに成功した。
前日の夜から都市ブレイブンを出立した。おかげで最前列のイチバン良い位置を確保することができた。
ドラゴンレースには専用の施設がひとつもない。舞台は空だから準備の必要はないのだ。観衆もまわりを囲んでいるだけだ。
ドラゴンたちが並ぶスタート位置は人気だった。
平地の向こうには、ペペラッパ山が見える。山嶺は白く染まり、遠くから見るだけでも山の険しさがわかる。ペペラッパ山を周って、イチバン最初に戻ってきたドラゴンが優勝ということになっている。
オレたちのいるスタート位置が、ゴールでもある。
「大丈夫かな。マーゲライト」
「実力は充分です。あとは焦りさえしなければ――ってところですかね。毎回焦って事故ってるらしいですから」
「焦る必要なんてないのに、マーゲライトはどうして焦っちゃうんだろ」
と、レッカさんは首をかしげた。
「誰だって下積み時代は厭でしょうからね。さっさと成功したいと思うのがふつうです」
「アグバもそうだったの?」
「そうでしたね。そうだった気がします」
「模擬レースだっていうのにすごい人ね」
と、レッカさんはあたりを見渡してそう言った。
「ドラゴンレースが盛り上がってる証拠ですね」
互いに大きな声で話さないと、声を聞き取れないほどだった。
「まわりの人に押し流されちゃいそう。アグバにつかまってても良い?」
「ええ」
レッカさんはオレの左腕に絡みついてきた。了承はしたものの、そんなに大胆にくっついて来るとは思わなかった。左腕に集中した。レッカさんのカラダの感触とその温度を感じることが出来た。
「これで押されてもはぐれることはないわね」
「わざとやってるでしょう」
「バレた?」
「ずっとカラカわれっぱなしだと、男の沽券にかかわりますから」
「だけど、こうしていないと、はぐれちゃいそうだから」
「それはまぁ、すごい人ですからね」
周りは賑わっているというの、オレとレッカさんのあいだにだけ沈黙が生まれた。なんとも気まずい沈黙だった。平然と見えるように努力した。
オレが緊張していることなんて、レッカさんは見通しているのだろう。オレのカラダの強張りや、心臓の高鳴り……そういったものは、左手を通して、レッカさんの心臓に伝わっている気がした。
「マーゲライトがいましたよ」
気まずい沈黙を破るがために、オレはマーゲライトがいる場所を指さした。
鮮やかなマーゲライトの髪の色や、緑がかったドラゴンの色がが目印になった。この距離ではさすがに表情までは読み取れない。きっと緊張した面持ちをしていることだろう。
焦るなよ、とオレは心のなかで語りかけた。心配ないだろうと踏んでいたオレだったが、こうして実際にマーゲライトがレースに出るところを見ると緊張してきた。レッカさんが与えてくる緊張もあいまっているのかもしれない。
「アグバが竜騎手免許を取った日は、どんな感じだったの? ヤッパリこんな感じだった?」
「オレのときは、すごい雨でしたね。嵐みたいな」
「その日も雨に降られたの?」
「なんだか、ここぞって大事なときに嵐に遭うみたいなんですよね。オレ。オレの運が悪いのか、クロの運が悪いのか」
クロはいまホンスァといっしょに、近くにあった宿の竜舎にあずけていた。
今日は一晩その宿で宿泊して帰る予定になっている。
「嵐なのに中止にはならなかったのね」
「天気も勝負のうちですからね。雨が得意なドラゴンもいますから」
「クロは雨には強いの?」
「いや。クロに天候は関係ありません。晴れてようが、雪が降ってようが、飛ぶぞと決めたら死に物狂いで猛進します。そういうドラゴンです」
オレのときは天候が悪かったから、観衆もすくなかった。クロの名前があまり世間に知られていないのは、そのせいもあるのかもしれない。
「今日は快晴ね」
と、レッカさんは空を見上げてそう言った。
「ええ。風もそんなに吹いてないですし、マーゲライトは飛びやすいと思いますよ。まぁ、ほかのドラゴンも飛びやすいでしょうけど」
さあ、賭けた賭けた――という声が近づいてきた。
免許を取るための模擬レースだと言うのに、賭博のほうも盛況らしい。
賭博に賑わう声でバサックさんの話を思い出した。全財産を賭けたという話だ。オレも賭けてみようという気になった。
「マーゲライトに10シルバーかけよう」
と、オレはブックメーカーに声をかけた。
「やめとけ。やめとけ。マーゲライトはハズレクジだぜ」
と、若い男のブックメーカーはそう言った。
「どうしてわかる?」
と、オレは腹立たしい気持ちをおさえて尋ねた。
ブックメーカーからしてみれば、ハズレクジを買う客なんざ、ただのカモのはずだ。なのにそう助言をした。親切心に違いなかった。それがわかったから怒れなかった。
「マーゲライトは前もその前も大きなヘマをやらかしてるんだ。マーゲライトに賭けようなんてするバカは誰もいませんよ」
「下馬評では、誰が1番人気なんです?」
「イチバン奥に並んでるヤツですよ」
「ん?」
ブックメーカーが指をさして教えてくれた。指の先に目を向けると、白銀のドラゴンが並んでいるのが見て取れた。乗り手はどんなヤツなんだろうか――と目を凝らして見ると、知っている顔だった。
「チェインじゃないか!」
「なんでぃ。お知り合いですか? だったらあっちの白銀のドラゴンに賭けるのが無難ってもんですよ」
「わざわざ助言をありがとう。だけどオレはマーゲライトに賭けるよ」
「変わらず10シルバーで?」
「ああ」
オレは博打なんてしたことはない。10シルバーも賭けるのは勇気のいる行為だった。あまりに少額ではマーゲライトに失礼だと思ったのだ。
オレは娯楽として博打をするのではない。マーゲライトが勝つことを祈願して金を賭けるのだ。
「物好きなダンナもいたもんだ。まぁ、私はかまいませんがね」
毎度ありぃ――とブックメーカーは10シルバーを受けとり、そしてオレに、マーゲライトの賭け券をわたしてきた。
マーゲライトは本番に弱いのかもしれない。彼女が優秀であることは、日頃の飛行を見ればすぐにわかることだ。マーゲライトのことをハズレクジだと言ったブックメーカーの見る目のなさを憐れに思った。
ブックメーカーの視野の狭さは、ロクサーナにも言えることだと気づいた。ロクサーナも、弱ったクロを見て、みすぼらしいと侮辱した。それはロクサーナがクロの本質に気づけなかったからだ。
「人は結果しか見ないし、結果しか見ようとはしませんね」
と、オレはそう呟いた。
「いつからアグバは哲学者になったの?」
と、レッカさんがそう茶化してきた。
「たった今ですよ。人の視野の狭さというか、器の小ささに幻滅したところです。いくら優秀でも結果を出せなきゃバカにされるんだと思うと悲しくなりますね」
「あまり多くを見ないから楽しく生きられるのかもしれないわ」
「かもしれませんね」
金だけでなく気持ちも賭けようと決めた。
もしこのレースでマーゲライトが一着になり無事に免許をとることができたら、オレはレッカさんに告白しよう。
マーゲライトが一着になり損ねたら、この気持ちは胸に秘めておこう。
陳腐な賭けだ。我ながらそう思う。
オレの口からレッカさんへの思いを伝えるには、なにか背中をもうひと押ししてくれるものが必要だったのだ。
「チェインが来ているなんて驚いたわ」
「オレも意外でした。まぁ、他人を煽るような飛行ができるんですから、強敵には違いありません」
「そろそろじゃない? なんだかすごく緊張してきた」
「ええ。はじまります」
笛の音が、鳴りひびく。
並んでいたドラゴンたちがいっせいに飛び立った。
オレとレッカさんは群衆のなかにいた。
平地――。
ドラゴンとその竜騎手志願の者たちが、地面に引かれた線の手前に整列している。
いろんな色のドラゴンが並ぶさまはキラびやかだった。色とりどりのドラゴンの鱗が陽光を受けて輝いている。
「真ん中あたりだって聞いてますけど。見つけられませんね」
「全部で何匹いるのかしら?」
「32匹です。今回はそのなかから1着になった者に免許をあたえることになっているそうですよ」
「スタート位置はどうやって決まるの?」
「くじ引きです。真ん中はあんまり当たりくじとは言えないですねぇ。最初に抜け出せると良いですが。下手をすると群れにモミクチャにされますから」
スタートラインで並ぶ竜騎手志願者たちは、みんな緊張した面持ちだ。これから免許を獲得するぞと意気込み緊張した竜騎手とはウラハラに、取り囲む観衆たちは賑わっていた。
オレとレッカさんも、賑わう観衆のなかにいるのだった。
マーゲライトの悪だくみは見事に成功した。 レッカさんを連れ出すことに成功した。
前日の夜から都市ブレイブンを出立した。おかげで最前列のイチバン良い位置を確保することができた。
ドラゴンレースには専用の施設がひとつもない。舞台は空だから準備の必要はないのだ。観衆もまわりを囲んでいるだけだ。
ドラゴンたちが並ぶスタート位置は人気だった。
平地の向こうには、ペペラッパ山が見える。山嶺は白く染まり、遠くから見るだけでも山の険しさがわかる。ペペラッパ山を周って、イチバン最初に戻ってきたドラゴンが優勝ということになっている。
オレたちのいるスタート位置が、ゴールでもある。
「大丈夫かな。マーゲライト」
「実力は充分です。あとは焦りさえしなければ――ってところですかね。毎回焦って事故ってるらしいですから」
「焦る必要なんてないのに、マーゲライトはどうして焦っちゃうんだろ」
と、レッカさんは首をかしげた。
「誰だって下積み時代は厭でしょうからね。さっさと成功したいと思うのがふつうです」
「アグバもそうだったの?」
「そうでしたね。そうだった気がします」
「模擬レースだっていうのにすごい人ね」
と、レッカさんはあたりを見渡してそう言った。
「ドラゴンレースが盛り上がってる証拠ですね」
互いに大きな声で話さないと、声を聞き取れないほどだった。
「まわりの人に押し流されちゃいそう。アグバにつかまってても良い?」
「ええ」
レッカさんはオレの左腕に絡みついてきた。了承はしたものの、そんなに大胆にくっついて来るとは思わなかった。左腕に集中した。レッカさんのカラダの感触とその温度を感じることが出来た。
「これで押されてもはぐれることはないわね」
「わざとやってるでしょう」
「バレた?」
「ずっとカラカわれっぱなしだと、男の沽券にかかわりますから」
「だけど、こうしていないと、はぐれちゃいそうだから」
「それはまぁ、すごい人ですからね」
周りは賑わっているというの、オレとレッカさんのあいだにだけ沈黙が生まれた。なんとも気まずい沈黙だった。平然と見えるように努力した。
オレが緊張していることなんて、レッカさんは見通しているのだろう。オレのカラダの強張りや、心臓の高鳴り……そういったものは、左手を通して、レッカさんの心臓に伝わっている気がした。
「マーゲライトがいましたよ」
気まずい沈黙を破るがために、オレはマーゲライトがいる場所を指さした。
鮮やかなマーゲライトの髪の色や、緑がかったドラゴンの色がが目印になった。この距離ではさすがに表情までは読み取れない。きっと緊張した面持ちをしていることだろう。
焦るなよ、とオレは心のなかで語りかけた。心配ないだろうと踏んでいたオレだったが、こうして実際にマーゲライトがレースに出るところを見ると緊張してきた。レッカさんが与えてくる緊張もあいまっているのかもしれない。
「アグバが竜騎手免許を取った日は、どんな感じだったの? ヤッパリこんな感じだった?」
「オレのときは、すごい雨でしたね。嵐みたいな」
「その日も雨に降られたの?」
「なんだか、ここぞって大事なときに嵐に遭うみたいなんですよね。オレ。オレの運が悪いのか、クロの運が悪いのか」
クロはいまホンスァといっしょに、近くにあった宿の竜舎にあずけていた。
今日は一晩その宿で宿泊して帰る予定になっている。
「嵐なのに中止にはならなかったのね」
「天気も勝負のうちですからね。雨が得意なドラゴンもいますから」
「クロは雨には強いの?」
「いや。クロに天候は関係ありません。晴れてようが、雪が降ってようが、飛ぶぞと決めたら死に物狂いで猛進します。そういうドラゴンです」
オレのときは天候が悪かったから、観衆もすくなかった。クロの名前があまり世間に知られていないのは、そのせいもあるのかもしれない。
「今日は快晴ね」
と、レッカさんは空を見上げてそう言った。
「ええ。風もそんなに吹いてないですし、マーゲライトは飛びやすいと思いますよ。まぁ、ほかのドラゴンも飛びやすいでしょうけど」
さあ、賭けた賭けた――という声が近づいてきた。
免許を取るための模擬レースだと言うのに、賭博のほうも盛況らしい。
賭博に賑わう声でバサックさんの話を思い出した。全財産を賭けたという話だ。オレも賭けてみようという気になった。
「マーゲライトに10シルバーかけよう」
と、オレはブックメーカーに声をかけた。
「やめとけ。やめとけ。マーゲライトはハズレクジだぜ」
と、若い男のブックメーカーはそう言った。
「どうしてわかる?」
と、オレは腹立たしい気持ちをおさえて尋ねた。
ブックメーカーからしてみれば、ハズレクジを買う客なんざ、ただのカモのはずだ。なのにそう助言をした。親切心に違いなかった。それがわかったから怒れなかった。
「マーゲライトは前もその前も大きなヘマをやらかしてるんだ。マーゲライトに賭けようなんてするバカは誰もいませんよ」
「下馬評では、誰が1番人気なんです?」
「イチバン奥に並んでるヤツですよ」
「ん?」
ブックメーカーが指をさして教えてくれた。指の先に目を向けると、白銀のドラゴンが並んでいるのが見て取れた。乗り手はどんなヤツなんだろうか――と目を凝らして見ると、知っている顔だった。
「チェインじゃないか!」
「なんでぃ。お知り合いですか? だったらあっちの白銀のドラゴンに賭けるのが無難ってもんですよ」
「わざわざ助言をありがとう。だけどオレはマーゲライトに賭けるよ」
「変わらず10シルバーで?」
「ああ」
オレは博打なんてしたことはない。10シルバーも賭けるのは勇気のいる行為だった。あまりに少額ではマーゲライトに失礼だと思ったのだ。
オレは娯楽として博打をするのではない。マーゲライトが勝つことを祈願して金を賭けるのだ。
「物好きなダンナもいたもんだ。まぁ、私はかまいませんがね」
毎度ありぃ――とブックメーカーは10シルバーを受けとり、そしてオレに、マーゲライトの賭け券をわたしてきた。
マーゲライトは本番に弱いのかもしれない。彼女が優秀であることは、日頃の飛行を見ればすぐにわかることだ。マーゲライトのことをハズレクジだと言ったブックメーカーの見る目のなさを憐れに思った。
ブックメーカーの視野の狭さは、ロクサーナにも言えることだと気づいた。ロクサーナも、弱ったクロを見て、みすぼらしいと侮辱した。それはロクサーナがクロの本質に気づけなかったからだ。
「人は結果しか見ないし、結果しか見ようとはしませんね」
と、オレはそう呟いた。
「いつからアグバは哲学者になったの?」
と、レッカさんがそう茶化してきた。
「たった今ですよ。人の視野の狭さというか、器の小ささに幻滅したところです。いくら優秀でも結果を出せなきゃバカにされるんだと思うと悲しくなりますね」
「あまり多くを見ないから楽しく生きられるのかもしれないわ」
「かもしれませんね」
金だけでなく気持ちも賭けようと決めた。
もしこのレースでマーゲライトが一着になり無事に免許をとることができたら、オレはレッカさんに告白しよう。
マーゲライトが一着になり損ねたら、この気持ちは胸に秘めておこう。
陳腐な賭けだ。我ながらそう思う。
オレの口からレッカさんへの思いを伝えるには、なにか背中をもうひと押ししてくれるものが必要だったのだ。
「チェインが来ているなんて驚いたわ」
「オレも意外でした。まぁ、他人を煽るような飛行ができるんですから、強敵には違いありません」
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