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2章-2節.ヘルデス家の争続に巻き込まれた私は…
44.鍵の真骨頂を知ります。
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貴族の争続に巻き込まれた私は、何とか切り抜けたものの遺産の鍵を握ってしまっていた。
その鍵で遺産を品定めしていた所、隠し通路を発見。そのまま探索すると、マサールさんの血塗られた遺産を目の当たりにした。
そして今、私たちはその血塗られた遺産を一通り調べている。
「それにしても……王都にはこんな凄いものがあるのか。」
ブローチを眺めて呟く。
「いえ…それものすっっっっごくレアですよ。話には聞いていましたが、見るのは僕も初めてです。まさか、実在してたとは……」
「さっきも言ってたな。そんなに珍しいのか?」
「珍しいどころではありません。もはや伝説級の代物ですね。」
「伝説……ねぇ。(シュクッ)」
「扉がなきゃ中のものを取り出せないなんて使い勝手が悪いもんな。マジックバックに後釜を取られたクチか。」
この世界にも、型落ちモデルってヤツがあるんだな。
「いえ、扉が無くても取り出せますよ?」
「え………?」
「中に入るには扉が必要ですけど、取り出すだけなら扉無しでも出来ます。」
「………どうやって?」
見たところ、袋みたいに手を突っ込める所はなさそうだけど……
「じゃあ試しに、手のひらを出してさっきの部屋の金貨を強く念じてみてください。」
「あ、うん。(スッ)」
金貨……ねぇ。そういえば凄い量だったな。
「(スォン) 」
〈ジャラジャラジャラ……〉
「うぉっ!?」
手のひらから、金貨に銀貨がザックザク……
「……湧水みたいだな。」
言い得て妙。テルマの言い回しは言い得て妙だった。
「さっきの部屋から、金貨が送り出されているんです。もちろん、他の骨董品や美術品でも同じ様に取り出せますし、ブローチを持っている限りどこでも出来ます。」
つまり、片手間に遺産の整理が出来るって訳か………とんでもないな。
「もちろん、収納も出来ますよ。手に触れて置きたい場所を思い浮かべれば……」
「(シャシャシャシャシャ)……便利だな。」
手に吸い込まれる様にして金貨が吸い込まれていく。
「これって逆に入らないものってあるのか?」
「良い質問ですね。生き物や部屋に入らない大きさだと入りません。」
なるほど。それでも充分凄いけど。
「けどよ。だとしたら、何でさっきみたいな周りくどい開け方があるんだ?今やったみたいに直接取り出したり入れたりした方が手っ取り早いし、必要ないだろ。」
「えぇ、普通はそう考えますね。そこが肝なんですよ。」
「え?」
「わざと手間がかかる方法をする事で、鍵が本体である事をカモフラージュしているんですよ。」
「……と、言うと?」
「鍵穴に差し込む事、捻る事、そして所有者が使用すること。例の方法だと、扉を鍵で開ける時と同様に必ずこの3つの作業を行わなければなりません。それだけ手間取る故に、たとえ見られたとしてもブローチがマジックバックの上位互換とは気付かれません。それどころか派生品とすら思われないでしょうね。宝物庫の鍵を開けて入っていく様に見える訳ですからせいぜいが隠し鍵といった所ですね。すると、周囲は宝の所在を扉の奥と誤解します。もし宝を盗もうとするならば、そんな面倒くさい鍵を奪うよりも扉の方を破壊する事でしょう。しかし、扉を破壊しても宝は手に入らない。しかも、例え鍵を盗まれたとしても所有者以外には鍵としての機能を発揮しない。よって、宝は守られると言う訳です。遺産の相続にこれだけうってつけの鍵があるでしょうか?」
「………なるほどな。」
よく考えて作られてるな。
「……って、今更だけど随分と詳しいんだな。」
「えぇ、恐らくこの鍵の制作には僕の爺ちゃんも関わってますから。」
「そうか。お前の爺ちゃんが……え?」
「お前の爺ちゃんが作ったのか。すげぇな。」
「はい!爺ちゃんは凄い人なんです!!」
「お、おぉ…そうか。」
今、サラッと凄い事言ってなかったか?深掘り……いや、やめとくか。
「というか、マサールさんと面識はあったのか?」
「いえ、爺ちゃんのお客さんについてはよく知りません。そこは凄く厳しい人でしたから。」
「この鍵の製法、その他について知っている職人や関係者はいるのか?」
「1年前に爺ちゃんが亡くなってから僕1人だけです。兄すらも知りません。製法についても詳しいことは聞かされてないですし、僕も今はしがない商人見習いですしね。」
「………そうか。」
何というか、巻き込んでしまったのは偶然だったが、こいつ……思ってたより凄い奴なのかもしれない。
こんな事言うと怒られるかもしれないが、巻き込んでしまったのがこいつで本当に良かったと思ってる。
その鍵で遺産を品定めしていた所、隠し通路を発見。そのまま探索すると、マサールさんの血塗られた遺産を目の当たりにした。
そして今、私たちはその血塗られた遺産を一通り調べている。
「それにしても……王都にはこんな凄いものがあるのか。」
ブローチを眺めて呟く。
「いえ…それものすっっっっごくレアですよ。話には聞いていましたが、見るのは僕も初めてです。まさか、実在してたとは……」
「さっきも言ってたな。そんなに珍しいのか?」
「珍しいどころではありません。もはや伝説級の代物ですね。」
「伝説……ねぇ。(シュクッ)」
「扉がなきゃ中のものを取り出せないなんて使い勝手が悪いもんな。マジックバックに後釜を取られたクチか。」
この世界にも、型落ちモデルってヤツがあるんだな。
「いえ、扉が無くても取り出せますよ?」
「え………?」
「中に入るには扉が必要ですけど、取り出すだけなら扉無しでも出来ます。」
「………どうやって?」
見たところ、袋みたいに手を突っ込める所はなさそうだけど……
「じゃあ試しに、手のひらを出してさっきの部屋の金貨を強く念じてみてください。」
「あ、うん。(スッ)」
金貨……ねぇ。そういえば凄い量だったな。
「(スォン) 」
〈ジャラジャラジャラ……〉
「うぉっ!?」
手のひらから、金貨に銀貨がザックザク……
「……湧水みたいだな。」
言い得て妙。テルマの言い回しは言い得て妙だった。
「さっきの部屋から、金貨が送り出されているんです。もちろん、他の骨董品や美術品でも同じ様に取り出せますし、ブローチを持っている限りどこでも出来ます。」
つまり、片手間に遺産の整理が出来るって訳か………とんでもないな。
「もちろん、収納も出来ますよ。手に触れて置きたい場所を思い浮かべれば……」
「(シャシャシャシャシャ)……便利だな。」
手に吸い込まれる様にして金貨が吸い込まれていく。
「これって逆に入らないものってあるのか?」
「良い質問ですね。生き物や部屋に入らない大きさだと入りません。」
なるほど。それでも充分凄いけど。
「けどよ。だとしたら、何でさっきみたいな周りくどい開け方があるんだ?今やったみたいに直接取り出したり入れたりした方が手っ取り早いし、必要ないだろ。」
「えぇ、普通はそう考えますね。そこが肝なんですよ。」
「え?」
「わざと手間がかかる方法をする事で、鍵が本体である事をカモフラージュしているんですよ。」
「……と、言うと?」
「鍵穴に差し込む事、捻る事、そして所有者が使用すること。例の方法だと、扉を鍵で開ける時と同様に必ずこの3つの作業を行わなければなりません。それだけ手間取る故に、たとえ見られたとしてもブローチがマジックバックの上位互換とは気付かれません。それどころか派生品とすら思われないでしょうね。宝物庫の鍵を開けて入っていく様に見える訳ですからせいぜいが隠し鍵といった所ですね。すると、周囲は宝の所在を扉の奥と誤解します。もし宝を盗もうとするならば、そんな面倒くさい鍵を奪うよりも扉の方を破壊する事でしょう。しかし、扉を破壊しても宝は手に入らない。しかも、例え鍵を盗まれたとしても所有者以外には鍵としての機能を発揮しない。よって、宝は守られると言う訳です。遺産の相続にこれだけうってつけの鍵があるでしょうか?」
「………なるほどな。」
よく考えて作られてるな。
「……って、今更だけど随分と詳しいんだな。」
「えぇ、恐らくこの鍵の制作には僕の爺ちゃんも関わってますから。」
「そうか。お前の爺ちゃんが……え?」
「お前の爺ちゃんが作ったのか。すげぇな。」
「はい!爺ちゃんは凄い人なんです!!」
「お、おぉ…そうか。」
今、サラッと凄い事言ってなかったか?深掘り……いや、やめとくか。
「というか、マサールさんと面識はあったのか?」
「いえ、爺ちゃんのお客さんについてはよく知りません。そこは凄く厳しい人でしたから。」
「この鍵の製法、その他について知っている職人や関係者はいるのか?」
「1年前に爺ちゃんが亡くなってから僕1人だけです。兄すらも知りません。製法についても詳しいことは聞かされてないですし、僕も今はしがない商人見習いですしね。」
「………そうか。」
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こんな事言うと怒られるかもしれないが、巻き込んでしまったのがこいつで本当に良かったと思ってる。
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