薬師の名門ブレルスクに入学した私は、退学するまで暴れます。〜少年アレクの倫理で殴る学園ファンタジー〜

鮒捌ケコラ

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2章-4節. 停学期間を折り返した私は…

39.思わぬ邂逅をします。

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〈ヴォン〉

「「「………」」」

 着いた。何だか久しぶりにえげつない時間の歪みを感じた気がする………流石迷宮ダンジョンだな。

 さて、周りの状況は……

〈もわわわわ………〉

 辺り一面に煙が立ち込めている。だが、魔物の気配はない。音からして石造りの狭い部屋の様だが、出入り口らしきものはある。密室では無い。

「……魔物はいないみたいだな。」
「即死のトラップもありませんでしたね。」
「よしハクレン、一旦戻れ。」
“「(スゥゥゥゥゥ……)」“

 この煙ハクレンだったのか。毒ガス対策だったんだろうが、いつのまに出したんだか。

 そして、煙が晴れていくと、予想通り石で出来た壁に囲まれた部屋だった。

「えっ?ここって……」
「知ってるのかオルブ?」
水無月ミナヅキの入り口ですよ!ここ!」
「「ミナヅキ??」」
「王都に幾つかある未到破迷宮ダンジョンの一つですよ!僕も50階層フロアまでは行った事はありますが、まさか水無月ミナヅキだったとは…」

 転移ワープ直後、オルブは見覚えが無いと言っていた。

 という事は、50階層フロアより深いのは確かだ。

 さらに、迷い込んだ私たちは帰還用の転移陣ワープゲートがある階層フロアまで8階層フロア踏破した。

 つまり、私たちが迷い込んだ階層フロアは前の転移陣ワープゲートがある階層フロアから42階層フロア目で、少なく見積もっても地上から92階層フロア目だった事になる。

 そうなると、あの魔術羊皮紙スクロールの落とし主は冒険者としては相当な実力者という事になるのか。

 まぁ、どんな手練ベテランだろうと、魔術羊皮紙スクロールのポイ捨ては関心出来ないけど。

「で、結局俺らは地上に戻れたと考えていいのか?」
「はい。あそこの階段から、すぐに街へ戻れます。」

 まぁ、何はともあれ地上に戻れたみたいで良かった。

「そうか……で?その水無月ミナヅキって迷宮ダンジョンは、お前んちの近くなのか?」
「……いえ、若干離れてます。」
「……そうか。」

 てなると、また街中を護送する事になるのか。いっそ屋敷ウチに連れ帰った方が早いかな?

「「「(コツコツコツコツ……)」」」
「「っ……」」

 階段の方から、誰かが来る。人数は3人、年齢は9歳前後だ。

 階段の上にも3人……こっちは大人みたいだ。

「ったく、やってらんねぇよなぁ。」
「あぁ、全くだ。もうかれこれ何日になるんだろうなぁ。」
「こんだけ音沙汰が無いんだから、いい加減諦めろってのに……」
「いやいや、ヤツらの執念からしてそれは無理な話だろ。」
「それに、アイツらやたらと勘は鋭いからな。野生の勘って言うの?的外れな様で結構当たるんだから。」
「そうそう、ある意味冒険者向きだよなぁ。」
「いやいや、だからってここにオルブが居る訳…………………………居たわ。」
「「マジかよ。」」

 見覚えのある3人と目が合う。私たちがヘルデス邸からの追手を蒔くのに協力して貰った冒険者達だ。

「オルブ?お前何でこんな所に居るんだ?そこの美人さんと迷宮ダンジョン愛引きデートか?」
「残念ながら違うよ。配達の途中で追われてた所をアレクさん達に助けて貰ってね。ついでに送って貰ってるんだよ。」
「あ、その人アレクなのね。やっぱ美人だよなぁ。」
「……はは~ん、なるほど。愛引きデートの途中に割り込んだ感じか。」
「つか、そっちはテルマか?身なりが良いと見違えるな。」
「そいつはどうも。そういうお前らも、色違いのスカーフなんてめかし込んでるな。」

 テルマが言う様に、彼らもそれぞれが赤・青・黄のスカーフを身に着けている。心なしか、少し緊張もしているみたいだ。

「…まぁな。俺らもこれくらいのオシャレはするさ。」
「けど、流石にテルマほどファッションセンスは良くないからこれで精一杯さ。」
「いっそお前からって奴を指南願いたいくらいだな。」

 コイツら、私の事を警戒してるだろうに茶化すのか。それが冒険者のさがなのか……まぁ、前世とかでもあった茶化され方だし、わざわざ否定するのも面倒だな。

「………それを言うなら、だろ?(ドッドッドッドッ)」
「あれ?違ったか。すまん。」

 だからテルマ、落ち着けって。心配しなくても、別に暴れたりなんてしないから。
















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