薬師の名門ブレルスクに入学した私は、退学するまで暴れます。〜少年アレクの倫理で殴る学園ファンタジー〜

鮒捌ケコラ

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2章-4節. 停学期間を折り返した私は…

38.決断します。

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 迷宮ダンジョンに迷い込み、探索を進めた私たちは、遂に脱出目前に辿り着いた。

 だが、厄介な事に転移陣ワープゲートは一つではなかった。

「本来なら、転移陣ワープゲートは多くても2つだけの筈です。4つもあるだなんて聞いたこともありません。」
「じゃあ、4つのウチ2つが転移陣ワープゲートに見せかけたトラップって可能性は?」
「無いとは言い切れませんね。」
転移ワープ先の無い階層フロアって事も?」
「あり得ますね。」

 帰還目前でこれはキツイな。

 トラップならまだ良い。だが、当てずっぽうで余計深く降りる事になったり、袋小路みたいな階層フロアに行く訳にはいかない。

 これは八方塞がりだな。

「いっそのこと、地上まで掘り上げようかな?」
「それ良いな。」
「早速始めましょう。」
「……いやいや、もう8回も転移ワープしてるから何処の地下かもわからないだろ。」
「けど、上を目指せば間違いなく地上には出られる。この際、一旦地上に出た方が手っ取り早いだろ。」
「少なくとも、ここからまた50階層フロア踏破して転移陣ワープゲートを見つけるよりもずっと確実な方法ではありますね。」
「オルブ?迷宮ダンジョンに迷い込んだ直後と意見が反転してないか?」
「何というか……もうどうでもよくなってきました。そもそも、ここまでの踏破が正攻法だと言えるのでしょうか?」
「………」

 返す言葉もない。

「わかった。けど、地上まで強行掘削パワードリリングするのは帰還用の転移陣ワープゲートを当てられなかった時で良いか?」
「構いませんが……もし転移ワープ先が毒ガスの満ちたトラップ階層フロアとかだったらどうするんですか?」
「そういう場合もあり得るから、私が先に転移ワープして場を整えるよ。2人は1分くらい時間を置いてから転移ワープしてくれ。」
「わかりました。」
「その方法で、俺も文句はない。」

 よし、何とか留めることは出来た。

 ただ……ここで当てられなければ、やらざるを得ないだろう。

 状況を整理しよう。

 テルマ曰く、中央に対して4方向に一つずつ置かれた台座らしきものがあるらしい。

 ここへ来る道中にその一つを見てきたが、オルブ曰く仕掛けのたぐいは見られなかったらしい。恐らく他の3つも同様だろう。

 そして、私の目には別のものに映った。大皿だ。

 どういう訳か、その台座は何かを誘き寄せる為に拵えた大皿の様に感じてならなかった。

 そこで、ここまでの事を踏まえてこの階層フロアの謎解きを考察してみた。

 恐らく、あの台座は真ん中に据えられていた巨大スライムを誘き寄せる為のものだったのだろう。

 スライムが1方向に誘き寄せられる事で、反対側の転移陣ワープゲートが現れる。それによって次の階層フロア又は外へと転移ワープする仕掛けなのだと考えられる。

 そして、巨大スライムを吸収した今、好きに選べる状況となったのだろう。

 その辺り、プヨはどう思う?

“「………」“

 プヨ?何でさっきから……あっ!?そう言えば、黙る様に言ってたっけ。それも2回も。

 ごめんプヨ。自由に喋ってくれ。

《…えっ…あっ、失礼……こちらこそ、差し出がましい真似をしてしまい、申し訳ありませんでした。》

 いいや、非は私にある。

 黙れって言ったり、喋れって言ったり、勝手な事を言って………本当にごめんな。

 みっともないもんだな。自分の事を棚に上げて相棒を……

《それ以上、自身を貶めないでください。私はそれを望みません。》

 ……わかった。

《帰還用は緑色の転移陣ワープゲートです。過去の記憶を辿ると、そもそも到達者すら居なかったみたいですが。》

「ありがとう。」
「どうしたアレク?」
「帰り道がわかった。」
「「へ?」」
「緑に光っている転移陣ワープゲートだ。まずは私が…」
「「(ガシッ)」」
「……ん?」
「じゃ、さっさと行こうか。3。」
「えぇ、行きましょう。3。」
「えっ?」
「重大な選択をお前に押し付けて、自分達は安全地帯で傍観なんて……そんなみっともない真似はゴメンだな。」
「まぁ、僕らにとって1番の危険は、アレクさんから離れる事ですけどね。」
「たった今、お前は断言した。お前が確信を持って進むって言うなら、俺たちもとことん着いていく。」
「でも、もし何かあったら助けてくださいね?」
「………わかった。」

 止めるのは無粋だな。

「じゃあ、行くぞ。」
「「(ゴクリ)」」

 こんな事を言ってしまえば色々と終わってしまうが……



 巻き込んだのが、この2人で良かったのかもしれない。



〈シュンッ………〉

 そうして、私たちは転移ワープした。

 行先は、地上ちじょうか、はたまた深淵しんえんか……

























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