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1章-1節.薬師の名門ブレルスクに入学した私は…
4.恩を返されるまで粘られます。
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「………はぁ」
明日からどうするかな。もう学べる事も、通い続ける理由も無い。このまま授業を受けていたら学ぶ意欲すら失いそうだ。
王都立の図書館にでも行ってみるかな。
結構遠いから、授業終わりに毎日立ち寄る事は出来ないが、もし良さげな本があれば借りたい。
授業の席を自由に選べる時は、最前列で受けるのが私のポリシーだが、後ろの方の席に座って借りた本を読むってのもありだな。
いや…いっそ必要単位数分の授業以外はサボってしまおうか。
「…!……!」
「……ん?」
誰か居る。かがみ込んでいるのか?見たところ、女子の様だ。
「(タッタッタッタッ)」
「ど、どうすれば……」
「どうされたんですか?」
「えっ!?あっ!?」
少女に声をかける。よく見ると、包帯だらけだ。
「失礼、かがみ込んでいた様ですので……どこか体調を崩されているのでは?」
「あっいえ、私ではなく……この子が……」
“「……ミゥ……」"
狼狽える少女の手には衰弱した仔猫が抱かれていた。
「道端に倒れてて、怪我してるみたいなんです。だから、治してあげたくて……」
なるほど。それで困っていたのか。
「ちょっと見せてください。」
「え……?」
「あぁ、そのまま抱き抱えてて貰えますか?」
「は…はい!」
仔猫を診る。…どうやら足を折ったみたいだな。これなら直ぐに治せる。
「(ゴトッ)ちょっとそのまま持っていてくださいね。」
「はい!」
念の為、鞄を持ち歩いていて幸いしたな。
「(パカッ)…(ピシュルルルッ)」
取り敢えず、当て木して固定すれば問題ないだろう。ついでに鎮痛作用のある軟膏を……いや、やめておいた方が良いな。
「(キュッ)これでよし、と。」
「あ、あの……これは……」
「あぁ、大丈夫ですよ。ただの骨折です。出血もしてなかったみたいですし、感染症の心配もないでしょう。1ヶ月程度で、また自分で走れる様になりますよ。」
「本当ですか!」
「え、えぇもちろん。骨折については、これで問題ありません。問題は、治るまでの間この子の世話を誰がするかです。」
しばらく安静にさせてやる必要があるけど、うちにはモコが居るしなぁ。
「あのっ!」
「はい、なんでしょう?」
「その…差し出がましいお願いで、非常に恐縮なのですが…」
やっぱりそうだよな。ほとんどの学生は学生寮に住んでる。彼女も例外ではないだろう。学生寮に仔猫を入れるわけにはいかないだろうから、必然的に私が面倒を見る事になる。
まぁ、なんとかモコを説得するしかないな。
「聞きましょう。何ですか?」
「御尊名を……賜れないでしょうか?」
「わかりました。では………えっ?」
御尊名……?って、要は名前…だよな?私の名前を……?
「……私の名前ですか?」
「すっ…すみません!わたっ…私は、カンナと申します!」
いや、先に名乗れって意味ではなく……
「この子を助けていただきありがとうございます!この御恩は、必ずお返しします!!」
少女は、さっきよりもさらに謙った言い回しで言葉を続ける。
「しかし……今の私にはこの御恩にお返し出来るものがありません。」
あー、なるほど。後日、お礼がしたいから名前を知りたいと。
「いえいえ、お返しなんて気にしないでください。大したことはしていませんので。」
「そうはいきません!」
「っ!?」
「……失礼致しました。先程、この子に施してくれた処置……とても美しいものでした。その手際から、あなた様が大変高い技術をお持ちである事が窺えます。もしかして、高名な薬師貴族様ではありませんか?」
高い技術って……ただ足を固定しただけなんだけど。そもそも、貴族でもないし。
「これだけの事をしていただきながら何のお返しもしないなんて、許されません!後日、必ず御礼に参ります。是非とも、その御尊名を賜まる事は出来ないでしょうか?」
「………」
困った事になったな。どうしたものか。
明日からどうするかな。もう学べる事も、通い続ける理由も無い。このまま授業を受けていたら学ぶ意欲すら失いそうだ。
王都立の図書館にでも行ってみるかな。
結構遠いから、授業終わりに毎日立ち寄る事は出来ないが、もし良さげな本があれば借りたい。
授業の席を自由に選べる時は、最前列で受けるのが私のポリシーだが、後ろの方の席に座って借りた本を読むってのもありだな。
いや…いっそ必要単位数分の授業以外はサボってしまおうか。
「…!……!」
「……ん?」
誰か居る。かがみ込んでいるのか?見たところ、女子の様だ。
「(タッタッタッタッ)」
「ど、どうすれば……」
「どうされたんですか?」
「えっ!?あっ!?」
少女に声をかける。よく見ると、包帯だらけだ。
「失礼、かがみ込んでいた様ですので……どこか体調を崩されているのでは?」
「あっいえ、私ではなく……この子が……」
“「……ミゥ……」"
狼狽える少女の手には衰弱した仔猫が抱かれていた。
「道端に倒れてて、怪我してるみたいなんです。だから、治してあげたくて……」
なるほど。それで困っていたのか。
「ちょっと見せてください。」
「え……?」
「あぁ、そのまま抱き抱えてて貰えますか?」
「は…はい!」
仔猫を診る。…どうやら足を折ったみたいだな。これなら直ぐに治せる。
「(ゴトッ)ちょっとそのまま持っていてくださいね。」
「はい!」
念の為、鞄を持ち歩いていて幸いしたな。
「(パカッ)…(ピシュルルルッ)」
取り敢えず、当て木して固定すれば問題ないだろう。ついでに鎮痛作用のある軟膏を……いや、やめておいた方が良いな。
「(キュッ)これでよし、と。」
「あ、あの……これは……」
「あぁ、大丈夫ですよ。ただの骨折です。出血もしてなかったみたいですし、感染症の心配もないでしょう。1ヶ月程度で、また自分で走れる様になりますよ。」
「本当ですか!」
「え、えぇもちろん。骨折については、これで問題ありません。問題は、治るまでの間この子の世話を誰がするかです。」
しばらく安静にさせてやる必要があるけど、うちにはモコが居るしなぁ。
「あのっ!」
「はい、なんでしょう?」
「その…差し出がましいお願いで、非常に恐縮なのですが…」
やっぱりそうだよな。ほとんどの学生は学生寮に住んでる。彼女も例外ではないだろう。学生寮に仔猫を入れるわけにはいかないだろうから、必然的に私が面倒を見る事になる。
まぁ、なんとかモコを説得するしかないな。
「聞きましょう。何ですか?」
「御尊名を……賜れないでしょうか?」
「わかりました。では………えっ?」
御尊名……?って、要は名前…だよな?私の名前を……?
「……私の名前ですか?」
「すっ…すみません!わたっ…私は、カンナと申します!」
いや、先に名乗れって意味ではなく……
「この子を助けていただきありがとうございます!この御恩は、必ずお返しします!!」
少女は、さっきよりもさらに謙った言い回しで言葉を続ける。
「しかし……今の私にはこの御恩にお返し出来るものがありません。」
あー、なるほど。後日、お礼がしたいから名前を知りたいと。
「いえいえ、お返しなんて気にしないでください。大したことはしていませんので。」
「そうはいきません!」
「っ!?」
「……失礼致しました。先程、この子に施してくれた処置……とても美しいものでした。その手際から、あなた様が大変高い技術をお持ちである事が窺えます。もしかして、高名な薬師貴族様ではありませんか?」
高い技術って……ただ足を固定しただけなんだけど。そもそも、貴族でもないし。
「これだけの事をしていただきながら何のお返しもしないなんて、許されません!後日、必ず御礼に参ります。是非とも、その御尊名を賜まる事は出来ないでしょうか?」
「………」
困った事になったな。どうしたものか。
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