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2章-2節.ヘルデス家の争続に巻き込まれた私は…
25.変装を解く事にしました。
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《ギィィィィ……バタンッ》
「(ハァッ…ハァッ…ハァ…)……撒いたか?」
「あぁ、流石に子供相手に狭い路地裏は分が悪かったみたいだな。」
「早く着替えましょう。誰かに見られる前に。」
ここは空き家、随分とボロい。たった今、ヘルデス邸から逃げて来た私たちは、ここで変装を解く事にした。
さて、ここで現況の整理をしよう。
今朝方、私とテルマは遺産相続争い中のヘルデス家を訪れた。何でも、ヘルデス家の連中は私が遺産相続の鍵を握っている『重要参考人』ではないかと考えて探し回っていたらしい。
しかし、私は全く以って身に覚えが無い。だから、その誤解を解いてヘルデス家で行われている遺産相続争いからフェードアウトするために直談判をしに行った。
その結果、何とか誤解を解くことは出来たが結局巻き込まれて暗号の解読を迫られ、事の成り行きで迷宮攻略まで命じられてしまった。
まぁ、それ自体は難なく…ていうかあっさり攻略出来たんだが……ここで問題が発生した。
宝を見つけられなかった。
厳密に言えば、交渉の材料になりうる宝を見つけられなかったのだ。
見つけられたのは、沢山のメタルリザードと黄金色の金属塊だけだった。
マサールさんの遺産が契約書や利権書の類なら、交渉の余地があったんだが……残念ながら見つけられなかった。
しかも、無関係のオルブを人質にしようとした連中に対して私はかなーりキツめに威嚇をしてしまった。連中から危険視されているのは目に見えているだろうから、そのまま戻れば、貴族間である事ない事あれこれ吹き込まれかねない。そんな事になれば、王都での生活はままならなくなるだろう。
そこで、私たちは口裏を合わせてとある作戦を立てた。
まず、口封じの為に馬鹿どもを迷宮へ誘い込んで閉じ込める。
その為に必要な事は2つ。一つは、迷宮に急いで潜らねばならない理由をでっち上げること。もう一つは、迷宮の中が安全であると誤認させることだ。
そして、この二つの嘘を成立させる為に私たちは外部から現れた冒険者の子供たちを演じた。
これなら、馬鹿どもに第三者に掻っ攫われる危機感を抱かせつつ、迷宮そのものへの危機感をある程度払拭出来る。
おまけに、この一件から完全に私たちの存在をフェードアウトさせられるおまけ付きだ。
もちろん、変装がバレる危険性だってあった。もしバレれば、最悪の事態は免れなくなっただろう。今更自分で言うのもなんだが、これは酷く脆い案だった。
だからこそ、やる意味があると思った。
『そんな事はしないだろう』という相手の思い込みによって、逆に気付かれる事はないと確信していたからだ。
そして、狙い通り私たちは気付かれる事はなかった。
「(シュルルッ)……それにしても焦りましたね。金塊を見せた瞬間に目の色を変えちゃって…………本当に、大丈夫ですよね?」
「気持ちはわかる。所謂金の亡者だったもんな。」
本物の亡者の方が幾分かマシかもしれない。
「けど、連中の狙いはあくまで遺産だ。俺たちそのものを深追いする理由もないだろ。」
「そんな暇があれば、談話室を調べるだろうからな。」
「……ですよね?そう考えても良いですよね??」
そうして次に、迷宮の入り口を閉じてヘルデス家の人間達に遺産の発見を伝える。
本来ならヘルデス邸の人々のヘイトを全てあの男に向けるつもりだったが……いきなり襲い掛かって来たのは誤算だったな。
「僕もう絶ッッ対あの屋敷に近づきません。契約も全部取り消す様に兄に働きかけます。」
「まぁ……当然だろうな。」
「完全に終わったな。ヘルデス家。」
商人とは情報と信用が命。オルブの兄を介して悪評は瞬く間に広がるだろう。
「さて…と、これで私はダンカではなくアレクだ。」
「そして、俺はアイクじゃなくてテルマだな。」
「僕も、カルボからオルブに戻りました。」
これで、私たちはこの一件から完全に無縁となった………なったんだよな???
「(ハァッ…ハァッ…ハァ…)……撒いたか?」
「あぁ、流石に子供相手に狭い路地裏は分が悪かったみたいだな。」
「早く着替えましょう。誰かに見られる前に。」
ここは空き家、随分とボロい。たった今、ヘルデス邸から逃げて来た私たちは、ここで変装を解く事にした。
さて、ここで現況の整理をしよう。
今朝方、私とテルマは遺産相続争い中のヘルデス家を訪れた。何でも、ヘルデス家の連中は私が遺産相続の鍵を握っている『重要参考人』ではないかと考えて探し回っていたらしい。
しかし、私は全く以って身に覚えが無い。だから、その誤解を解いてヘルデス家で行われている遺産相続争いからフェードアウトするために直談判をしに行った。
その結果、何とか誤解を解くことは出来たが結局巻き込まれて暗号の解読を迫られ、事の成り行きで迷宮攻略まで命じられてしまった。
まぁ、それ自体は難なく…ていうかあっさり攻略出来たんだが……ここで問題が発生した。
宝を見つけられなかった。
厳密に言えば、交渉の材料になりうる宝を見つけられなかったのだ。
見つけられたのは、沢山のメタルリザードと黄金色の金属塊だけだった。
マサールさんの遺産が契約書や利権書の類なら、交渉の余地があったんだが……残念ながら見つけられなかった。
しかも、無関係のオルブを人質にしようとした連中に対して私はかなーりキツめに威嚇をしてしまった。連中から危険視されているのは目に見えているだろうから、そのまま戻れば、貴族間である事ない事あれこれ吹き込まれかねない。そんな事になれば、王都での生活はままならなくなるだろう。
そこで、私たちは口裏を合わせてとある作戦を立てた。
まず、口封じの為に馬鹿どもを迷宮へ誘い込んで閉じ込める。
その為に必要な事は2つ。一つは、迷宮に急いで潜らねばならない理由をでっち上げること。もう一つは、迷宮の中が安全であると誤認させることだ。
そして、この二つの嘘を成立させる為に私たちは外部から現れた冒険者の子供たちを演じた。
これなら、馬鹿どもに第三者に掻っ攫われる危機感を抱かせつつ、迷宮そのものへの危機感をある程度払拭出来る。
おまけに、この一件から完全に私たちの存在をフェードアウトさせられるおまけ付きだ。
もちろん、変装がバレる危険性だってあった。もしバレれば、最悪の事態は免れなくなっただろう。今更自分で言うのもなんだが、これは酷く脆い案だった。
だからこそ、やる意味があると思った。
『そんな事はしないだろう』という相手の思い込みによって、逆に気付かれる事はないと確信していたからだ。
そして、狙い通り私たちは気付かれる事はなかった。
「(シュルルッ)……それにしても焦りましたね。金塊を見せた瞬間に目の色を変えちゃって…………本当に、大丈夫ですよね?」
「気持ちはわかる。所謂金の亡者だったもんな。」
本物の亡者の方が幾分かマシかもしれない。
「けど、連中の狙いはあくまで遺産だ。俺たちそのものを深追いする理由もないだろ。」
「そんな暇があれば、談話室を調べるだろうからな。」
「……ですよね?そう考えても良いですよね??」
そうして次に、迷宮の入り口を閉じてヘルデス家の人間達に遺産の発見を伝える。
本来ならヘルデス邸の人々のヘイトを全てあの男に向けるつもりだったが……いきなり襲い掛かって来たのは誤算だったな。
「僕もう絶ッッ対あの屋敷に近づきません。契約も全部取り消す様に兄に働きかけます。」
「まぁ……当然だろうな。」
「完全に終わったな。ヘルデス家。」
商人とは情報と信用が命。オルブの兄を介して悪評は瞬く間に広がるだろう。
「さて…と、これで私はダンカではなくアレクだ。」
「そして、俺はアイクじゃなくてテルマだな。」
「僕も、カルボからオルブに戻りました。」
これで、私たちはこの一件から完全に無縁となった………なったんだよな???
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