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新婚生活?

結婚式はいつですか

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お腹が急に苦しくなって、ずっとうずくまってた。
ラウさんもそばにいてくれたから、ちょっとだけ痛いのが無くなったけど、痛すぎて泣いちゃうくらいにいたかった。

何分か奮闘していたら、何か出てきそうな感じがして、急いで下着を脱いだら、なんと卵がでてきた。


ピンクと黄色のかわいい模様で、嬉しかった。

「ラウさん!僕とラウさんの子が産まれました!」
「そうだな、嬉しい…この子が次期大神だからね」
「ふぇ?!そうなんですか?!」

みんなのあこがれの存在の大神様を僕が産んでしまうなんて…人生分からないものだ。

でも、嬉しいな。ラウさんとの家族の形ができた感じがして。


「子も生まれたことだし、結婚式をしよう」
「けっこんしき…」
「来週辺りにするから、楽しみにしておいて」

いや早過ぎないですか?!普通はそのくらいなのかな。僕、ラウさんと結ばれた余韻が消えなくて、幸せすぎるのに、来週もっと幸せになるなんて。こんなに幸せになっていいのだろうか?


「そういえば、この赤ちゃん、どうやって温めるのですか?」
「いや、もう産まれるから大丈夫だよ」
「んぇ?」






驚いて硬直していたら。







ーーーーパキパキ








と、卵のひびわれる音がした。
咄嗟にベッドに卵を置いて、観察してみると。

赤ちゃんが上の方から頭を出した。
髪の色は金色、目は黒色。
髪はラウさんに似たけど、目は僕に似てしまったみたいだ。

でも、ラウさん怒らないし、幸せそうな顔してるから…気にしなくてもいいのかな。

顔も、僕に似ているかもしれない。でも、髪の色が大好きな人と一緒だから、可愛らしく思う。

羽は赤ちゃんにしては大きくて、よかった。羽は大きい方がいいもんね。




「きゃっきゃっ!」
「ふぇ?」


赤ちゃんが僕の方を見て笑う。どうしたのだろう?


「ほら、シーちゃんのことお母さんだと思ってるんだよ。」
「そ、そうなんだ…」


漠然とする。そっか、僕もうお母さんなんだ。





愛しく思えて、抱っこした。ふわふわしてて、可愛いな。





「この子の名前、どうする?」
「僕、人間界のゼラニウムって花が好きだから、そこからとってゼラムくん、どうかな」
「いいね、そうしようか!」
「ゼラ厶くん、よろしくね」
「あい!!!」


まるでこちらの言っていることがわかっているような反応に、嬉しくて笑いがこぼれた。








♪。.:*・゜♪。.:*・゜♪。.:*・゜♪。.:*・゜




僕とシーちゃんが出会ったのは、ずっと前の幼い日。

僕はシーちゃんより二歳年上で、現在僕十八歳のシーちゃん十六歳。


でも出会ったのは、僕が五歳の時。


家の近くの公園で、僕は泣いていた。大神様になるのが不安で、お父様のようになれるのか不安で。



影で泣いていたのに、小さいシーちゃんは僕のことを見つけてくれたんだ。



それを騒ぎもしないで、静かに寄り添ってくれていた。
それが嬉しくて、シーちゃんのことが大好きになったんだ。




もうずっと前のことだからかシーちゃんは忘れてしまっているけれど、僕にとっては大切な思い出。



ゼラ厶くんもこんなふうに幸せになって欲しいな。

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