84 / 193
第三章 アルプス王国のお姫様
第84話 トラブルを越えて王都到着⁉
しおりを挟む
錬金術を使えば見張りを立てる事なく野営ができる事がわかったカイン達は、翌日から王都までの道中を楽しんだ。魔物が出ればラックが狩り、錬金術でできそうな事を話し合いながらピクニック気分で歩き続けた。
走って移動していないので、一日に移動できる距離はそれ程長くないが、カインもラックもレベルが高く、体力の能力値も高い為、一日中歩いていてもそこまで疲労は溜まらなかった。
移動しながらもカインが気配察知で魔物を探し、その日のご飯を考えていく。ラックは食べる専門で料理は全くできなかったので料理はカインの担当だ。料理の能力はまだ神の奇跡からは開放されていない為、前世の知識を総動員して料理をしていくが、料理が特段うまいわけでもなく普通だった。
ラックは美味しいと食べてくれるが、手の込んだ料理は作れないし、立ち寄った村や町で食べる料理の方がはっきり言って美味しかった。カインにできるのは、焼く、炒める、煮込むぐらいだからだ。前世では一人暮らしだったし、特に料理に味を求めていなかったカインはここに来て前世でもっと料理の腕を磨いていればと後悔していた。錬金術を使っても素材から料理を作る事は出来なかった。
「ようやく王都に着いたな。」
「長かったにゃ。でも意外に楽しかったにゃ。お風呂も入れたしカインの料理もおいしかったにゃ。」
「そう言ってくれると助かるよ。」
(たしかにラックは俺が作った料理を美味しいにゃ。美味しいにゃって食べてくれてたもんな~。手軽な料理しか作れず逆に俺が申し訳なく思ったぐらいだし。)
「夜営だと宿代もかからないからお得だったにゃ。」
「まあなだけど、さすがにベッドは宿の方がよかっただろ?いくら簡易的に錬金術で作っても固かったしな。」
「それはたしかにそうにゃ。だけどゆっくり旅してお金が貯まって行くのはよかったにゃ。」
道中に狩った魔物は、食料として確保した以外は、立ち寄った村や町で売却していた。ギルドのある街ではギルドに、ギルドの村では、村長や商人に買い取ってもらっていた。魔物以外の食料のパンや野菜は町や村で購入する必要があったので、お金を払って購入したが、それ以外には特にお金を使う事はなかった。パンや野菜の食料代も道中に狩る魔物の素材で十分に払う事ができたので、シフォンを出て王都に来るまでに所持金はわずかだが増えていた。
それほど積極的に魔物を倒してきていないのでカイン達のレベルは上がってはいないが、今までは各エリアやダンジョンで魔物狩りをメインに行動していたカイン達にとってこの1カ月はある意味、ゆっくりと二人の時間を楽しんだのだった。
ただ、道中にトラブルが全くなかったわけではなかった。大量の魔物が出てきた訳でもなく、立ち寄った村でトラブルに巻き込まれたわけでもなく、盗賊にも襲われたわけでもない。ラックがある果実を食べすぎて1週間寝込んでしまったのだ。
事の発端は丁度シフォンと王都の真ん中ぐらい、シフォンを出て2週間程経ち、立ち寄った村を出ていつものように歩いていた時だった。ラックが美味しそうなにおいがするといい街道を外れて森へと入って行った。カインは森の中を進むラックを追いかける。追いつくとラックはすでに両手に果実を持っていた。紫色をしたあきらかに毒リンゴですと言っているような見た目のリンゴだった。
カインは、見た目からしてヤバいのでラックに食べるのを止めたが、ラックは美味しそうな匂いに今にもかぶりつきそうだった。そこでカインは紫色のリンゴを鑑定してラックにそれを伝えようとした。急いで鑑定し、細部までみなかったカインも悪かったのだが、鑑定結果は毒性はあるが人には作用しないという内容だった。その時、但し書きまで見ていればラックが紫色のリンゴを食べて一週間も寝込む事はなかったのだが、その時のカインは、人には作用しないの部分を見て、大丈夫みたいだ。とラックに伝えてしまったのだ。
そこからラックは、木に実っているリンゴを食べつくす勢いで、リンゴを食べた。美味しかったフロリダの町のリンゴを思い出したのだろう。何十個と一人でむしゃむしゃと食べたラックは、満足した後そのまま倒れたのだ。
食べすぎだろうとカインは思い、近くの村まで移動したが、そこからラックは1週間苦しんだのだ。回復魔法を掛けても一向によくならないラックに、カインが再度、紫色のリンゴを鑑定した時に理由がわかったのだ。
それは・・・
毒性を持つが人には作用しない。但し、猫には強い毒性を示す。死ぬことは無いが口にすると、長期間痛みと苦しみが襲う。回復魔法も効果がないため、口にした場合は、痛みと苦しみが引くまで耐えるしかない。
という内容だったからだ。そこでラックは死を意識し、カインはラックに付きっきりで看病した。死ぬことはないと鑑定にはあったが、今にも死にそうな程ラックが苦しんでいたため、一週間気が気でなかったのだ。
あれ以来カインは、鑑定する場合は必ず詳細まで確認しようと心に決めたのだった。
「ラック。リンゴで死にかけたのに普通にリンゴ食べてるけど、トラウマとかないのか?」
「紫色してないリンゴは大丈夫にゃ。アタシは学んだにゃ。紫色はダメにゃ。」
そんなトラブルを乗り越えて、カインとラックは王都に到着したのだった。
走って移動していないので、一日に移動できる距離はそれ程長くないが、カインもラックもレベルが高く、体力の能力値も高い為、一日中歩いていてもそこまで疲労は溜まらなかった。
移動しながらもカインが気配察知で魔物を探し、その日のご飯を考えていく。ラックは食べる専門で料理は全くできなかったので料理はカインの担当だ。料理の能力はまだ神の奇跡からは開放されていない為、前世の知識を総動員して料理をしていくが、料理が特段うまいわけでもなく普通だった。
ラックは美味しいと食べてくれるが、手の込んだ料理は作れないし、立ち寄った村や町で食べる料理の方がはっきり言って美味しかった。カインにできるのは、焼く、炒める、煮込むぐらいだからだ。前世では一人暮らしだったし、特に料理に味を求めていなかったカインはここに来て前世でもっと料理の腕を磨いていればと後悔していた。錬金術を使っても素材から料理を作る事は出来なかった。
「ようやく王都に着いたな。」
「長かったにゃ。でも意外に楽しかったにゃ。お風呂も入れたしカインの料理もおいしかったにゃ。」
「そう言ってくれると助かるよ。」
(たしかにラックは俺が作った料理を美味しいにゃ。美味しいにゃって食べてくれてたもんな~。手軽な料理しか作れず逆に俺が申し訳なく思ったぐらいだし。)
「夜営だと宿代もかからないからお得だったにゃ。」
「まあなだけど、さすがにベッドは宿の方がよかっただろ?いくら簡易的に錬金術で作っても固かったしな。」
「それはたしかにそうにゃ。だけどゆっくり旅してお金が貯まって行くのはよかったにゃ。」
道中に狩った魔物は、食料として確保した以外は、立ち寄った村や町で売却していた。ギルドのある街ではギルドに、ギルドの村では、村長や商人に買い取ってもらっていた。魔物以外の食料のパンや野菜は町や村で購入する必要があったので、お金を払って購入したが、それ以外には特にお金を使う事はなかった。パンや野菜の食料代も道中に狩る魔物の素材で十分に払う事ができたので、シフォンを出て王都に来るまでに所持金はわずかだが増えていた。
それほど積極的に魔物を倒してきていないのでカイン達のレベルは上がってはいないが、今までは各エリアやダンジョンで魔物狩りをメインに行動していたカイン達にとってこの1カ月はある意味、ゆっくりと二人の時間を楽しんだのだった。
ただ、道中にトラブルが全くなかったわけではなかった。大量の魔物が出てきた訳でもなく、立ち寄った村でトラブルに巻き込まれたわけでもなく、盗賊にも襲われたわけでもない。ラックがある果実を食べすぎて1週間寝込んでしまったのだ。
事の発端は丁度シフォンと王都の真ん中ぐらい、シフォンを出て2週間程経ち、立ち寄った村を出ていつものように歩いていた時だった。ラックが美味しそうなにおいがするといい街道を外れて森へと入って行った。カインは森の中を進むラックを追いかける。追いつくとラックはすでに両手に果実を持っていた。紫色をしたあきらかに毒リンゴですと言っているような見た目のリンゴだった。
カインは、見た目からしてヤバいのでラックに食べるのを止めたが、ラックは美味しそうな匂いに今にもかぶりつきそうだった。そこでカインは紫色のリンゴを鑑定してラックにそれを伝えようとした。急いで鑑定し、細部までみなかったカインも悪かったのだが、鑑定結果は毒性はあるが人には作用しないという内容だった。その時、但し書きまで見ていればラックが紫色のリンゴを食べて一週間も寝込む事はなかったのだが、その時のカインは、人には作用しないの部分を見て、大丈夫みたいだ。とラックに伝えてしまったのだ。
そこからラックは、木に実っているリンゴを食べつくす勢いで、リンゴを食べた。美味しかったフロリダの町のリンゴを思い出したのだろう。何十個と一人でむしゃむしゃと食べたラックは、満足した後そのまま倒れたのだ。
食べすぎだろうとカインは思い、近くの村まで移動したが、そこからラックは1週間苦しんだのだ。回復魔法を掛けても一向によくならないラックに、カインが再度、紫色のリンゴを鑑定した時に理由がわかったのだ。
それは・・・
毒性を持つが人には作用しない。但し、猫には強い毒性を示す。死ぬことは無いが口にすると、長期間痛みと苦しみが襲う。回復魔法も効果がないため、口にした場合は、痛みと苦しみが引くまで耐えるしかない。
という内容だったからだ。そこでラックは死を意識し、カインはラックに付きっきりで看病した。死ぬことはないと鑑定にはあったが、今にも死にそうな程ラックが苦しんでいたため、一週間気が気でなかったのだ。
あれ以来カインは、鑑定する場合は必ず詳細まで確認しようと心に決めたのだった。
「ラック。リンゴで死にかけたのに普通にリンゴ食べてるけど、トラウマとかないのか?」
「紫色してないリンゴは大丈夫にゃ。アタシは学んだにゃ。紫色はダメにゃ。」
そんなトラブルを乗り越えて、カインとラックは王都に到着したのだった。
14
あなたにおすすめの小説
ReBirth 上位世界から下位世界へ
小林誉
ファンタジー
ある日帰宅途中にマンホールに落ちた男。気がつくと見知らぬ部屋に居て、世界間のシステムを名乗る声に死を告げられる。そして『あなたが落ちたのは下位世界に繋がる穴です』と説明された。この世に現れる天才奇才の一部は、今のあなたと同様に上位世界から落ちてきた者達だと。下位世界に転生できる機会を得た男に、どのような世界や環境を希望するのか質問される。男が出した答えとは――
※この小説の主人公は聖人君子ではありません。正義の味方のつもりもありません。勝つためならどんな手でも使い、売られた喧嘩は買う人物です。他人より仲間を最優先し、面倒な事が嫌いです。これはそんな、少しずるい男の物語。
1~4巻発売中です。
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』
チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。
気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。
「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」
「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」
最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク!
本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった!
「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」
そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく!
神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ!
◆ガチャ転生×最強×スローライフ!
無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。
久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。
事故は、予想外に起こる。
そして、異世界転移? 転生も。
気がつけば、見たことのない森。
「おーい」
と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。
その時どう行動するのか。
また、その先は……。
初期は、サバイバル。
その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。
有名になって、王都へ。
日本人の常識で突き進む。
そんな感じで、進みます。
ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。
異世界側では、少し非常識かもしれない。
面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる