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第三章 アルプス王国のお姫様
第144話 神の世界の癒しアイドル『スライム・リンリン』
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「持ってきたっす。リンリンこれを見るっす。オイラと父ちゃんに母ちゃん、それにリンリンが一緒に写ってる写真っす。」
戻ってきた林太郎が持っていた写真に写っていたのは、4匹のスライムだった。
「う~ん。アタシにはわからないっす。」
「そうだな。俺もこの写真のスライムがスズかどうかは・・・判断つかないな。」
「僕は・・・この写真に写ってるのは、僕の気がするっす。なんとなくっすけど。」
「そうっすよね。やっぱりリンリンっす。オイラは、お兄ちゃんは会いたかったっす。」
人通しであれば手を広げて抱き合ったであろう場面だが、林太郎もスズもスライムだ。お互いが身体を寄せ合ってポヨンポヨンしていた。
「林太郎さん・・・聞きたい事があるっす。このまま僕が記憶を取り戻したら、林太郎さんの世界に戻らないと行けなくなるんすか?」
「それは・・・いや、簡単には戻れないっす。召喚魔法に答えたって事は、呼び出した本人が死ぬか。召喚魔法の契約を解除しないと戻る事はできないっす。」
「それを聞いて安心したっす。僕はカイン様とラック様の傍から離れたくないっす。記憶が戻っても、カイン様達と一緒に冒険したいっす。それに・・・僕はスズっす。」
「そうっすか・・・。もしかしたら女神様の情報がこの世界に漏れないように女神様がリンリンの記憶を封印したのかもしれないっすね。オイラとしては悲しいっすけど・・・」
「林太郎さん・・・」
「できればオイラの事は兄と呼んでほしいっす。オイラの妹には変わらないんすから。」
「・・・お兄ちゃん。僕も家族に会えたのはうれしいっす。」
「リンリン。」
「スズ・・・良いのか?林太郎さんも言ってたけど、俺が召喚魔法の契約を解除したら家族の元に戻れるんだぞ?」
「いいんす。記憶が無くても、カイン様やラック様達に出会えて、ゴルちゃんやシシルちゃんと友達になって、お兄ちゃんとも会えたっす。逆に召喚魔法を解除しないでほしいっす。記憶はないっすけど、僕がカイン様の召喚魔法に答えたって事は何か理由があったはずっす。それに・・・それに、カイン様なら僕を連れてきっと女神様の世界にも行く気がするっす。」
「たしかにそうにゃ。カインならあり得るにゃ。それにカインには転移魔法があるにゃ。スズが会いたくなったら、いつでもここに来ればいいにゃ。そうすれば林太郎に会えるにゃ。」
「カインって言ったっすね。転移魔法が使えるんすか?さすが、スケ美さんが恐れていただけはあるっすね。」
「俺の事を知ってるのか?」
「スケ美ちゃんから聞いてるっす。オイラにもバースの魔法は勘弁してほしいっす。消滅魔法とか反則もいいとこっす。オイラはスライムっすよ。どんなゲームでもスライム相手に消滅魔法を使うプレイヤーなんていないっす。」
「それはたしかにそうにゃ。」
「オイラなんて、戦闘力たったの5か、ゴミだな。と言われる存在っす。というか妹とは戦えないっす。試練はクリアで問題ないっす。」
「いいのかそれで?てかやっぱり林太郎さんもそういったネタを知ってるんだな。スズもどこで知ったんだってネタをいくつかぶっこんでくるからな。」
「それはオイラが教えたっす。妹と一緒にアニメを見たのは楽しい思い出っす。」
「なら試練はクリアでいいにゃ?アタシ達は試練をクリアしたら身代わりの指輪をスズに付けてあげたかったにゃ。」
「もちろんっす。妹に付けてくれるならなおさらっす。これがあれば危険な目にあっても一回は助かるっす。」
「ありがとう林太郎さん。よかったらスズの事をもっと教えてくれないか?」
「もちろんっすよ。オイラも久々にリンリンに会えたんす。もっとリンリンと話したいっす。」
そうして、エクストラステージはあっさりとクリアし、ティータイムへと移行いたのだった。
そして、林太郎によるリンリンの話が始まった。林太郎の住む世界で、癒しアイドルと呼ばれているリンリンを褒める話が大半であった。
「すごいにゃスズ。癒しアイドルならかなりの有名人にゃ。」
「記憶がないとは言え、はずかしいっす。お兄ちゃん。あんまり僕の事を教えないでほしいっす。」
「まだまだあるっすよ。リンリンはモテモテっすから。お兄ちゃんとしては可愛い妹に近づく輩は瞬殺してたんすが、リンリンはすぐに知らない人について行くっす。お兄ちゃんは毎回毎回、迷子になったリンリンを探すのに苦労したっす。」
「「それは・・・」」
(スズの知らない人について行く癖は一緒だな。そして誰からも好かれる所も一緒だ。)
「そう言えば林太郎さんは人化ってできないのか?」
「人化っすか?もちろんできるっすよ。」
林太郎はそう言うと、スライム姿から人の姿になった。白い髪の8歳ぐらいの少年の姿に。
「すごいにゃ。」
「召喚される前はスズも人化できたのか?」
「リンリンは覚えてないっすね。アレを覚えるのは3歳になった時っすから。」
「3歳か・・・。なら後1年でスズも人化できるようになるって事か。」
「僕もお兄ちゃんみたいに人化できるようになるんすね。よかったっす。これでもっとカイン様の役に立つ事ができるっす。」
「人化できたら又ここに来てほしいっす。リンリンが人化した時の為にたくさん服を買ってるっす。ついつい可愛い服を見かけたら買っちゃうっすよ。」
「そうだな。林太郎さんの世界にいくのって確か身代わりの指輪を5つ集めないといけないんだったよな?」
「そうっす。カインは既に3つの指輪を持ってるっすよね?後2つっす。だけど、残り2つを手に入れるのはかなり難しいっすよ。」
「そうなのか?」
カイン達とスライム林太郎の話は、残りの赤亀ダンジョンと黒亀ダンジョンの話へと入って行くのだった。
戻ってきた林太郎が持っていた写真に写っていたのは、4匹のスライムだった。
「う~ん。アタシにはわからないっす。」
「そうだな。俺もこの写真のスライムがスズかどうかは・・・判断つかないな。」
「僕は・・・この写真に写ってるのは、僕の気がするっす。なんとなくっすけど。」
「そうっすよね。やっぱりリンリンっす。オイラは、お兄ちゃんは会いたかったっす。」
人通しであれば手を広げて抱き合ったであろう場面だが、林太郎もスズもスライムだ。お互いが身体を寄せ合ってポヨンポヨンしていた。
「林太郎さん・・・聞きたい事があるっす。このまま僕が記憶を取り戻したら、林太郎さんの世界に戻らないと行けなくなるんすか?」
「それは・・・いや、簡単には戻れないっす。召喚魔法に答えたって事は、呼び出した本人が死ぬか。召喚魔法の契約を解除しないと戻る事はできないっす。」
「それを聞いて安心したっす。僕はカイン様とラック様の傍から離れたくないっす。記憶が戻っても、カイン様達と一緒に冒険したいっす。それに・・・僕はスズっす。」
「そうっすか・・・。もしかしたら女神様の情報がこの世界に漏れないように女神様がリンリンの記憶を封印したのかもしれないっすね。オイラとしては悲しいっすけど・・・」
「林太郎さん・・・」
「できればオイラの事は兄と呼んでほしいっす。オイラの妹には変わらないんすから。」
「・・・お兄ちゃん。僕も家族に会えたのはうれしいっす。」
「リンリン。」
「スズ・・・良いのか?林太郎さんも言ってたけど、俺が召喚魔法の契約を解除したら家族の元に戻れるんだぞ?」
「いいんす。記憶が無くても、カイン様やラック様達に出会えて、ゴルちゃんやシシルちゃんと友達になって、お兄ちゃんとも会えたっす。逆に召喚魔法を解除しないでほしいっす。記憶はないっすけど、僕がカイン様の召喚魔法に答えたって事は何か理由があったはずっす。それに・・・それに、カイン様なら僕を連れてきっと女神様の世界にも行く気がするっす。」
「たしかにそうにゃ。カインならあり得るにゃ。それにカインには転移魔法があるにゃ。スズが会いたくなったら、いつでもここに来ればいいにゃ。そうすれば林太郎に会えるにゃ。」
「カインって言ったっすね。転移魔法が使えるんすか?さすが、スケ美さんが恐れていただけはあるっすね。」
「俺の事を知ってるのか?」
「スケ美ちゃんから聞いてるっす。オイラにもバースの魔法は勘弁してほしいっす。消滅魔法とか反則もいいとこっす。オイラはスライムっすよ。どんなゲームでもスライム相手に消滅魔法を使うプレイヤーなんていないっす。」
「それはたしかにそうにゃ。」
「オイラなんて、戦闘力たったの5か、ゴミだな。と言われる存在っす。というか妹とは戦えないっす。試練はクリアで問題ないっす。」
「いいのかそれで?てかやっぱり林太郎さんもそういったネタを知ってるんだな。スズもどこで知ったんだってネタをいくつかぶっこんでくるからな。」
「それはオイラが教えたっす。妹と一緒にアニメを見たのは楽しい思い出っす。」
「なら試練はクリアでいいにゃ?アタシ達は試練をクリアしたら身代わりの指輪をスズに付けてあげたかったにゃ。」
「もちろんっす。妹に付けてくれるならなおさらっす。これがあれば危険な目にあっても一回は助かるっす。」
「ありがとう林太郎さん。よかったらスズの事をもっと教えてくれないか?」
「もちろんっすよ。オイラも久々にリンリンに会えたんす。もっとリンリンと話したいっす。」
そうして、エクストラステージはあっさりとクリアし、ティータイムへと移行いたのだった。
そして、林太郎によるリンリンの話が始まった。林太郎の住む世界で、癒しアイドルと呼ばれているリンリンを褒める話が大半であった。
「すごいにゃスズ。癒しアイドルならかなりの有名人にゃ。」
「記憶がないとは言え、はずかしいっす。お兄ちゃん。あんまり僕の事を教えないでほしいっす。」
「まだまだあるっすよ。リンリンはモテモテっすから。お兄ちゃんとしては可愛い妹に近づく輩は瞬殺してたんすが、リンリンはすぐに知らない人について行くっす。お兄ちゃんは毎回毎回、迷子になったリンリンを探すのに苦労したっす。」
「「それは・・・」」
(スズの知らない人について行く癖は一緒だな。そして誰からも好かれる所も一緒だ。)
「そう言えば林太郎さんは人化ってできないのか?」
「人化っすか?もちろんできるっすよ。」
林太郎はそう言うと、スライム姿から人の姿になった。白い髪の8歳ぐらいの少年の姿に。
「すごいにゃ。」
「召喚される前はスズも人化できたのか?」
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「そうっす。カインは既に3つの指輪を持ってるっすよね?後2つっす。だけど、残り2つを手に入れるのはかなり難しいっすよ。」
「そうなのか?」
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