辺境伯家次男は転生チートライフを楽しみたい

ベルピー

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第十章 家族の時間

第322話 グランと7人の魔王 1

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(今日はラミア族のラミクイだったな。さてどうなる事やら・・・)

昨日、グランからエメラルドにスライム族の魔王が変更になる事を他の魔王に伝える為、どのような順番で訪問するか決めていた。その時に各魔王の特徴を聞いて順番を決めていたのだ。

七大魔王
スライム族:グラン
オーク族:オーキン(ただの気の良いおっさん)
ラミア族:ラミクイ(オーキン好き)
スケルトン族:スケキン(バカ)
ハーピィ族:ハピクイ(人間好き)
ゴブリン族:ゴブキン(エロ親父)
ドラゴン族:ドラキン(戦闘狂)

話がしやすい魔王を先に片づけて、めんどくさそうな魔王は後回しにした形だ。特にゴブキンとドラキンが問題児で、ゴブキンはひたすらにエロい。グランとエメラルドを気持ちの悪い目で終始見てくる事が予想されるために最後の方にしていた。そしてドラキンは戦闘狂だった。グランと対峙すれば100%に近い確率で戦闘が起こるし、それは周囲を巻き込み何日間も行われる可能性がある為、一番最後にしたのだった。

「ラミクイの所は話をしに行くだけで終わるんだったよな?」

「そうじゃ。我が昨日オーキンの所に行った事はもう知っていると思うからのぉ。その時の話とラミクイがいかにオーキンの事を愛してるのかを終始聞かされるだけじゃ。まあ今回は我もマスターの事を話すからその辺りの話が長くなる気はするがのぉ。」

「ラミクイ様はオーキン様の事が好きなのですが、奥手で直接会いに行ったりはせずにただただオーキン様の情報を集めてるだけなんだ。アタシも姉様とラミクイ様の所に行った事はあるが一日中オーキンの話をしていたぞ。」

「なるほどな。要はうちでしてる女子会が始まるって事だな。」

「まあそうじゃな。マスターに召喚されるまでは我もラミクイの話は毎回鬱陶しく思っておったのじゃが、セリーヌ達とする女子会はけっこう楽しいからのぉ。今回は意外と楽しめるかもしれぬな。」

「そうか。なら俺はお茶とケーキでも出そうか?」

「そうじゃな。ラミクイも喜ぶじゃろ。」

そうして、クリフ達はラミア族のいるラミア島へと向かった。もちろんクリフがグランをお姫様抱っこし、エメラルドはスライムの姿になっている。転移で移動した方が早いのだが、グランが頑なに移動はこれじゃと言い放った。

ちなみに、スライム族やラミア族など魔王がいる島に名前はない。種族名そのままにスライム島、ラミア島とクリフが適当に名前を付けたのだ。

ラミア島へと入り、ラミクイが住んでいる城に近づくと、城の前には腕を組んでいる一体のラミアがいた。ラミアとは、下半身が蛇で上半身が人型の魔物だ。もちろんラミア族も人化する事はできるが、クリフ達の視線の先にいたラミアは人化する事なく、腕を組んでただただこちらを睨んでいた。

「なんじゃ魔王自らお出迎えか?」

「ん?あそこで腕を組んでるのが魔王なのか?」

「そうじゃ。ラミア族の魔王、ラミクイじゃ。」

(なんか怒ってるっぽいけど?たしかオーキンの事が好きって言ってたから昨日オーキンに会った事に対して怒ってるのか?いやでもオーキンに会ったらラミクイの所に行って詳細を話すとキャッキャ言って喜ぶって話だったよな?何か問題でもあったか?)

クリフは、視線の先に見えるラミクイが腕を組んで城の前にいる理由を考えてが、全くわからず、グランを抱えたままラミクイの前へと降り立った。何か声を掛けようと思ったその時、ラミクイがクリフに近づいて来て声を掛けた。

「グラン!何してるのよそれ!?それってお、お、お姫様抱っこよね!?どういう事?しばらく見ないと思ったら自分だけ彼氏見つけるなんてどういう事よ!!事と次第によっちゃどうなるかわかってるんでしょうね?それに・・・お姫様よ!!なんて羨ましい・・・」

「久しいのラミクイ。どうじゃ羨ましいじゃろ?お主も早くオーキンに想いを伝えれば良いじゃろ?オーキンにしてもらえばよいではないか?それにマスターは彼氏ではなく旦那じゃ。我はマスターと結婚して夫婦になったのじゃ。」

「えーーー!!それホント!?グランが?あの戦闘狂のグランが?戦う事しか興味のないグランが結婚!?しかも私よりも先に?ありえない。ありえないわ・・・」

(なるほど。オーキンの事に怒ってるんじゃなくて、グランが御姫様抱っこされてる事に怒って、城から出て待ってたって事か。ならここは俺がうまくおさめるか。)

クリフは、グランとエメラルドを下すとそのままラミクイに話掛けた。

「ラミクイ様お初にお目に掛かります。グランの旦那のクリフと申します。ここでは落ち着いて話もできませんので、良ければ座ってゆっくり話しませんか?ラミクイ様が気に入ると思って美味しいお茶とケーキも用意しています。どうでしょうか?」

「え・・・あ・・・そうですね・・・わかり・・・ました。」

「マスターよ。ラミクイは男性を前にすると緊張してあまり話せなくなるのじゃ。ラミクイよ。お主が喜ぶお菓子を持ってきたのじゃ。お菓子でも食べながら話をしようぞ。我とマスターの愛の物語を聞かせてやるのじゃ。」

そうしてクリフ達は、ラミクイとともにラミクイ城へと入っていくのであった。
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