辺境伯家次男は転生チートライフを楽しみたい

ベルピー

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第十一章 新大陸ウエストディザイア

第345話 出発前のアレコレ

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神界から戻ってきたクリフは、早速家族全員を集めた。家族を残して新大陸へ行く事を伝えなければならないからだ。

(あ~なんか単身赴任を言われた旦那の気分だな。これがそうなんだ~。悪い事した訳じゃないのにすごい言いづらい・・・)

「家族全員緊急で呼ぶなんてどうしたんですか?」

「セリーヌ・・・ああ。実は・・・実は、神様からの依頼があって皆とお別れになりそうなんだ。」

「「「「「えっ!?」」」」」

「「「「「どういう事!?」」

「え~っとその・・・ちょっと俺もまだ整理できてないから、神界に行った時の事から説明するよ。創造神様に会いに行ったらこの世界の歴史について話されたんだ。それが・・・」

クリフは、この世界には、もう一つ別の大陸が存在する事。そこに封印していたアシュラという破壊神の封印が解けた事。放っておくと、こちらの大陸が滅んでしまう可能性がある事など、神界で聞いた話をそっくりそのまま伝えた。

「うそ・・・じゃないわよね?」

「もちろん。俺だってこんな事がなかったら皆から離れようなんて思わないよ。」

「グラン?あなたは知ってた?この世界に別の大陸があるって。」

「我も初めて知ったな。この世界をグルっと一周した事はあったが、我でもそのような大陸は見つける事はできなかったぞ。」

「グランでも見つけられない所・・・そんな所にクリフが、たった一人で。」

「そんなに心配しなくても大丈夫だよ。向こうの大陸からこっちの大陸に行く手段はあるみたいだから、それをすぐに見つければこっちとの行き来もできるようになるさ。それに俺の実力は皆知ってるだろ?」

「マスターよ。嘘はいかんぞ。神の力を使って向こうの大陸に行くという話じゃが、マスター程の力を持ったモノがいきなり現れれば向こうにすぐにバレるはずじゃ。バレないように力を封印していくのではないか?」

「ギクッ!!」

「貴方。それは本当なの?」

「いや・・・えっと、その・・・はい。能力は全て1000程度に抑えての移動になると言われてます。」

(あ~これはバレたくなかったのに速攻でバレたじゃん。どうしよ??行かない選択肢はないんだから、土下座してお願いするか?)

「もう、隠し事はしないでください。どうせ言うと皆が心配するとか、行くのを止めようとするって思ったんでしょうけど、私達を舐めすぎです。私達はそんな事しませんよ。」

「えっ!?」

「もちろん貴方を離れ離れになるのはつらいですが、貴方が行かなければいけない事は話を聞いてすぐにわかりました。皆、貴方の力になりたいんです。隠し事なしで全て話してください。」

「セリーヌ・・・。ごめん。わかったよ。でも能力を封印する以外の事は全て話したよ。俺が向こうに言ってる間に向こうからこっちに来る人がいるかもしれないし、その辺の警戒はしておいてほしいからね。」

「クリフ?ちなみにその大陸っていうのは、この地図のどの辺になるのかしら?」

ナリアが取り出したのは、王国、帝国、聖国、魔国、世界樹の大陸まで含めた世界地図だった。

「ナリア!?この地図どうしたの?」

「これから必要になると思って、それぞれの国と、グランにお願いして調べて作ったのよ。それよりここがイーストディザイアだとして、ウエストディザイアはどこにあるの?」

「え~っとゴメン。詳しい場所は聞いてないんだ。」

「なら今すぐ神様に聞いて来て頂戴。」

「えっ今?」

「もちろん。大事な事よ。すぐに言ってきて。はい。この地図をもって聞いてきて!」

ナリアに地図を渡されたクリフは、先ほどまでいた神界へ転移した。創造神にjどうしたのかと聞かれたが、すぐに戻らないとナリアに又怒られると思ったクリフは、ウエストディザイアの場所だけを聞いて、すぐに屋敷へと戻った。

「聞いて来たよ。ここがウエストディザイアみたい。結界で隠してるから、そこに行こうとすると、逆側まで一気に出ちゃうみたい。」

ウエストというだけあって、イーストディザイアの大陸から西に進んだ所にその大陸はあるとの事だった。

「場所が分かればいいの。クリフが行ったっきり戻ってこない事も考えらえるもの。私達は私達で、ウエストディザイアに行く方法を考えるわ。」

「ナリア・・・」

「当たり前でしょ。私達は家族なのよ。それに、貴方だけに世界の命運を背負わせるなんてそんな事できないわ。私達だって力になれるのよ。」

ウエストディザイアに行く方法から、向こうの大陸から来たであろう邪神関係の調査など、クリフとの別れを悲しむどころか、皆これからできる事を意見し合っていて。

「みんな・・・ありがとう。俺・・・みんなと結婚してよかった。家族になれてよかったよ。一日でも早く戻って来れるように俺も頑張る。」

「ええ。必ず帰ってきてね。まあ帰りが遅かったらこっちから乗り込むから期待してくれていいわ。」

(家族っていいな。これが一人じゃないって事なんだな。皆とこれから先楽しく過ごしていくためにも、アシュラを止めないとな。)

「1カ月後には出発になると思う。各国の主要な人達には伝えておこうと思う。大事な事だし。だけど、世界中の人が知ってしまうと混乱するだろうから、その辺は話し合って決めて行こうと思う。」

「わかったわ。早速行動していきましょ。」

そうして、クリフ達はウエストディザイアに行くための準備を進めるのだった。
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