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3巻
3-2
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☆
僕はSクラス『文』のメンバーたちとDランクダンジョンを進んでいた。
Dランクダンジョンは初心者から中級者がよく利用するダンジョンで、階層は三十まである。十階層ごとに中ボスが出て、三十階層には大ボスがいる。
十階層ごとに転移魔法陣があり、そこから地上に戻ることもできるし、一度登録すると、地上から一気にその場所に『転移』することもできる。
僕は王都に来た頃にこのDランクダンジョンを攻略しているので、十階層、二十階層、三十階層にそれぞれ『転移』が可能だ。今回はメンバーのレベル上げのため、利用はしないが……
「ゴブリンがいるね。数は二体かな。ゴブリンの姿が見えたら魔法で攻撃してみよう。まずはセリーヌとジャンヌでやってみようか」
「「わかりましたわ」」
セリーヌは『火魔法』を使い、ジャンヌは『水魔法』を使ってゴブリンを攻撃した。
「『ファイヤーボール』」
「『ウォーターボール』」
魔法が当たるとゴブリンは消滅した。
「やりましたわ」
「当たりましたわ」
「うん。とりあえず魔法一撃で倒せる間はこんな感じで交代で魔法を使っていこうか。魔物は僕が見つけるから」
「「「「「はい」」」」」
それからは魔物が現れるたびにセリーヌ、ジャンヌ、ソフィア、ユウリ、リーネが順番に魔法を使ってすぐに倒していった。
道中は僕とジャンヌとソフィアが話しながら進み、それをセリーヌが見つめる。遅れてユウリとリーネがついてくる、という感じで一日が終了した。
「よし。五階層まで無事に来れたね。まだ最初だから魔物も強くないし大丈夫そうだね」
「そうですね。クリフ様が魔物を見つけてくれますし、距離もだいぶ離れた場所から魔法を使えるので、今のところは安心ですわ」
「良かった。けっこう魔物を倒したけど疲れてない?」
「「「大丈夫ですわ」」」
セリーヌ、ユウリ、リーネは大丈夫のようだ。
「魔力の方はMPポーションを飲みながらでしたので大丈夫でしたが、一日歩きっぱなしで体力的に疲れましたわ」
「同じくです」
ジャンヌとソフィアは一日中ダンジョンを探索する、ということが今までなかったので、体力が限界のようだった。
僕は『エリアヒール』を使って、みんなの体力を回復した。
しかし、体力が回復しても一日中ダンジョンを歩いたことによる精神的な疲労は簡単に取れるものじゃなかった。
「とりあえず目標の五階層まで来れたし、スイムたちも五階層にいるみたいだから合流しようか? 『転移』で移動するから僕につかまってくれるかな?」
僕の言葉を聞いたセリーヌたちは、我先にと僕に抱きついた。ユウリとリーネはその光景を眺めている。
「え~っと……そんながっつりつかまらなくても、僕に触れていれば一緒に『転移』はできるんだけど……」
「わかってますわ」
「「私もー」」
セリーヌはわかるけど、ジャンヌもソフィアもこんなに積極的だったか? まあこの状況はうれしい限りなんだけど……ってダメだダメだ。こんな顔セリーヌに見られたら……
ふと手をつないでいるセリーヌを見ると……無表情になっていた。
遅かった……セリーヌ怒ってるよ……。は~っ。セリーヌを優先しながら他の女性とも仲良くなる……ハーレムって思ってたより大変だな……
「それじゃ、ユウリとリーネがつかまれないから軽く触るだけにしてくれるかな?」
「しょうがないですわね」
「「は~い」」
全員が僕に触れたところで僕は『転移』を発動した。
現れたのはスイムたちのいる所だ。
「スイム。こっちはだいぶ魔物を倒したから、今日はここで終わろうと思ってるんだけど?」
「マスター!! こっちもそろそろ念話しようと思ってました。スイムの方も順調に魔物を倒しましたよ。と言ってもまだ五階層ですからそんなに苦労はしてないですよ」
「だよな。でも無事で良かった。一緒に夜営の準備をしてくれるか?」
「任せてください」
僕はスイムと一緒に夜営の準備を始めた。まず、『アイテムボックス』から大きなコテージを二つ出した。メンバーたちはテントなどを張って夜を過ごすと思っていたようで、大いに驚いていた。
「とりあえずコテージの中は食事ができるダイニングと寝る部屋があるから使ってね。あっ! あとお風呂もちゃんとあるから。ここは安全エリアだから見張りとかも必要ないし、疲れを残さないようにゆっくり休んでね」
「本当!?」
主にお風呂のところで女性陣から大歓声が上がった。
コテージを持ってきて正解だったな。ちょっと普通のダンジョン攻略とは違うけどセリーヌは王族だし、他にも貴族令嬢が多いからこれぐらいはしておかないと後で親に怒られそうだもんね。
メンバーたちはおそるおそるコテージに入っていく。
「すごーい!! 本当にダイニングも寝室もお風呂もある!! 外から見るとそんなに広くなさそうだったのに、どうして?」
「コテージの中は空間魔法で広くしてるんだよ。だから見た目以上に広いでしょ!!」
テントや馬車なんかに入ったら中がすごく広いってテンプレでしょ!
豪華な食事と快適な寝床にテンションが上がったSクラスのメンバーは「これぞ合宿だ!」といわんばかりに、トランプやガールズトークをして盛り上がっていた。
「楽しんでるところ悪いけど、明日からもダンジョン攻略は続くからそろそろ寝ようか?」
「あっ!? ダンジョンにいること忘れてた!!」
「「「「たしかに!!」」」」
ふ~。楽しんでくれて良かったよ。明日からもがんばろう!!
こうして楽しい楽しいダンジョン合宿は無事初日を終えたのだった。
☆
二日目からのダンジョン合宿は、全員のテンションがすごく高かった。
なぜなら……攻略を終えると、豪華な食事、リラックスできるお風呂、ふかふかのベッド、恋愛話を中心にしたガールズトークが待っているとわかったからだ。
昨日のコテージ作戦は大成功だったな。みんなのやる気が倍ぐらいになった気がする。今日は十階層のボスを倒すのが目標だから、早めに進んでいってボス部屋前で休憩してボスに挑むのがいいかな。たしか……十階層の中ボスはオークが五体だったよな? こっちも五人いるし、僕がヘイトを稼いでみんなに魔法で攻撃してもらえば大丈夫だよね。
「今日は十階層のボスまで行こう! それまでは昨日と同じように順番に魔法を使っていってね」
「「「「「は~い」」」」」
その後、ダンジョン攻略は非常に順調に進み、みんなのレベルも順調に上がっていった。
十階層のボスを目標にしていたが、気合いを入れて臨んだわりにはあっけなく終わってしまった。
みんなダンジョンに慣れてきたよな。まあSクラスで四年学んできたんだ。基本的にはエリート集団だもんな。これぐらいは軽くできるか……
順調に成長しているSクラスのみんなを見て、僕はDランクダンジョンぐらいなら無事に攻略できると確信したのだった。
僕の予想通り、そのあとは問題が起こることもなく進んでいった。
最終日に三十階層周辺で最後のレベル上げをしてボスを倒すことにした僕たちは、明日のボス戦に向けて、最後のダンジョン内での夜を楽しんでいた。
「クリフ様ー。こっちで一緒に話しましょうよ」
毎日毎日ガールズトークしてよく飽きないよな……あの輪に入るのは苦手だ……
僕は毎晩毎晩毎晩、セリーヌやジャンヌたちのガールズトークに参加させられていた。
参加すると、決まって内容は僕の冒険の話になる。
セリーヌたちはそれをウキウキしながら聞いてくれる。ただし、話をするのはいいんだけど……いや、話をするのもちょっと照れるんだけど……それよりもジャンヌとソフィアのスキンシップがやばい!! お酒なんてないはずなのに酔ってるの? って思うぐらいなんだもんな……
明日大ボス戦があることを理由に早々にガールズトークを切り上げさせる僕だった。
翌日、レベルが上がったメンバーたちで三十階層のボスに挑戦した。手ごたえはあったが、ボスの攻撃は全て僕が引き受けたため、セリーヌやジャンヌたちに脅威はなかった……はずだ。
ただただ、魔物という的に向かって魔法を繰り出すだけだった。
終わってみればあっけなくDランクダンジョンを攻略できた。
「攻略した!!」と言っていいのかは疑問があるが……
「よし! これでダンジョン合宿は終了だね。地上に戻ろうか?」
「ようやくですね。初めは不安もありましたがレベルも上がったし、ガールズトークも楽しかったです。やって良かったですね」
「そう言ってくれると僕もうれしいよ。今グランと念話で話したけど、マッシュたちも無事Cランクダンジョンをクリアしたみたいだよ」
するとリーネが反応した。
「本当!?」
リーネはマッシュの婚約者候補だし、やっぱり心配だよね。もしかして一緒にCランクダンジョンに行きたかったのかな……
「うん。誰もケガはしてないし、けっこう順調に行ったんだって」
「良かった」
リーネはそれを聞いてほっとしていた。
僕たちは転移魔法陣を使って地上に戻った。
地上に戻ると、僕たちの前に大ボス戦に挑んだスイムたちが待っていて、アリスから声をかけられた。
「クリフくん。ダンジョン合宿お疲れ様」
「アリスも! Dランクダンジョン攻略おめでとう!」
「攻略したって言っていいのかな? スイムちゃんの後ろで魔法撃ってただけだよ」
「それでも攻略したことには変わりないさ」
「クリフ様、これからどうしましょうか? 今日はこれで解散ですか?」
「いや。これから僕の家でダンジョン攻略の打ち上げをしようと思ってるよ」
「「「「打ち上げ!!」」」」
「うん。マッシュたちも僕の家に向かってもらってるんだ。やっぱり合宿の最後と言えば打ち上げだよね」
家に向かうと、既にグランとクインが打ち上げの準備をしていた。
「グラン、クイン、ただいま。Cランクダンジョン攻略おめでとう!」
「マスター! お帰りなのじゃ。マッシュたちはさすがSクラスじゃな。レベルも上がっていって、ボスも苦戦せずに倒せたぞ」
「それは良かった。大成功だったし打ち上げは盛大に行こうよ」
「はい。任せてください」
そして打ち上げが始まり、全員で騒ぎ、とても盛り上がった。
僕は外で風にあたりながら涼んでいた。こんな感じで大人数で宴会するのも楽しいな。マッシュもグランと話ができてずっとテンション高いし……
ダンジョン合宿では全員がレベルを10~15ほど上げることができた。
これで三大国交流戦の準備が整ったな。あとは何かすることあったかな……。まあそれは明日考えればいいか。
「クリフ様!! 見つけました!! 何してるんですか!? さあさあみんな待ってますよ!」
やべぇ! 見つかった。
セリーヌ、ジャンヌ、ソフィアの絡みから逃げていた僕だったが、ソフィアに見つかり家の中へ連れ戻されてしまった。
その後も夜遅くまでワイワイ騒いだ僕たちだった。
第48話 リースとの休日と強化!?
グランやスイムやクイン、それにSクラス全員が参加したダンジョン合宿&打ち上げだったが、僕の相棒ともいえるフェネックのリースの姿は、その中になかった。別にリースが家出したとか、僕のことを見限ったということではない。
僕が万が一のことを考えて、リースを宿屋のミーケのところに預けていたからだ。実際問題、僕は一緒に合宿に連れていきたかったが、セリーヌたちから反対されたのだ。ミーケは快くリースを預かってくれた。リースもミーケのことが好きなようで、「キキキー」とテンション高く鳴きながらミーケのもとに走っていった。
合宿が終わった当日、打ち上げ前に宿屋へリースを迎えに行ったのだが、ミーケの家でリースのお別れ会をすると言われたため、リースは打ち上げにも参加しなかったのだ。
その後無事にリースを迎えに行き、リース成分を補充しようと思った僕はリースと二人 (一人と一匹)で町を歩いていた。もちろんリースは僕の頭の上に乗っていた。
「さあリース。今日はいっぱい楽しもうな。まず最初はどこに行こうか? やっぱり食事だよな~。リースはどこか行きたいところはあるか?」
「キッキッ!!」
リースも言葉がしゃべれたらもっといいんだけどな~。まあなんとなく感情とかはわかるから、今のところ問題はないんだけど……。グランとかスイムみたいに、リースも成長したら言葉を話せるとかだとおもしろいんだけどな~。でも『人化』は反対だな。せっかくのモフモフ枠なのに、『人化』してしまうと色んな意味で面倒くさくなるし。成長か~……リースは魔物じゃないからレベルみたいなのもないし、その辺はどうなんだろ? ちょっと調べてみるのもおもしろいかもしれないな。それにグランなら何か知ってる可能性もあるし。それか、僕がリースの言葉がわかるようになるっていう方法もありだな。テイムを極めたらそういうスキルなんかもあるかもしれないし。
そんなことを考えながら、リースと何を食べようかと歩いていると、おなじみのキツネ耳姿にかわいらしいエプロンをつけたミーケが、ホウキで宿屋の入り口を掃除している姿を見かけた。
「キッ!」
ミーケを見かけるとリースは僕の頭から飛び降りてミーケに向かっていく。そしてミーケに突撃して、そのまま頭の上へと収まった。
「あっ!! リースちゃん、おはよう……ってクリフくんも。おはよう」
「おはようミーケ。朝から掃除?」
「うん。学校が休みの日は色々お手伝いしないとね。それにこうやって掃除してると、気分も晴れやかになるから。クリフくんはどうしたの?」
「ああ、しばらくリースと一緒にいなかったから、今日は二人でデートだよ」
「そっか~。リースちゃん、良かったね」
「ミーケ、このあたりでおいしい食事を出してくれるところって知ってる? せっかくだし今まで行ったことのないところがいいかな~って思って、リースとブラブラしてたんだけど」
「それなら、あそこのパン屋さんがいいと思うよ。最近できたんだけど評判がいいもん。リースちゃんと一緒に行きたかったんだけど、いつもいっぱいで行けなかったんだよ」
「へぇ~。そんなところがあるのか。ならちょうどいいね。そこに行ってみようかな。どこにあるか教えてくれる?」
「もちろん」
ミーケから新しくオープンしたパン屋の場所を教えてもらった僕は、ミーケの頭の上に陣取っていたリースを抱きかかえ、パン屋に向かった。
「あったあった。あ~。いっぱい並んでるな~。まあ特に急ぐこともないしゆっくり並ぶか」
僕はその後、行列の最後尾に並び、順番が来るのを待った。腕に抱いたリースをモフモフしながら待っていたので、特にストレスがたまったりすることはなかった。リースも僕になでられるのが気持ちいいのか、終始目を細めて気持ち良さそうにしていた。
こんな日もいいもんだな。うん、やっぱりリースはこのままがいいな。変に言葉がわかったり、強くなって魔物を倒したりされたら、こんなにまったりと過ごすこともなくなるかもしれないもんな~。リースが人の言葉をしゃべれるようにするとか、僕がリースの言葉をわかるようにするとか色々考えたけど、なしだな。
「リース。そろそろ中に入れるよ。今日は好きなものいっぱい選んでくれよ。一緒に食べよう」
「キキキー!」
リースがとても喜んでいるように見える。良かった。僕もリース成分を補充できたし、これで心置きなく三大国交流戦に臨めるな。
今のままの関係がいいと改めて思った僕はその後、パン屋にていくつかのパンと飲み物を頼み、テラス席でリースとともに、まったりと過ごしたのだった。
第49話 学校長からの呼び出し!?
ダンジョン合宿を終えて、四年Sクラスのメンバーは大きくレベルアップした。競技メンバーで集まって勉強会や打ち合わせなどを行う日々が続いていたが、合宿を経て各競技の練度が格段に上がった。
そんなある日、僕は学校長から呼ばれたので学校長室へ足を運んでいた。
「学校長! 失礼します」
僕はノックをして学校長室に入る。
「僕を呼んでいるということでしたが、何かありましたか?」
「うむ。まあとりあえず座ってくれ」
「はい」
僕は学校長が座るデスクの前のソファに腰かけた。
「ダンジョン合宿は成功だったみたいじゃな」
「そうですね。ケガもなく終えることができましたし、クラスメイトそれぞれがレベルを大きく上げたので、戦力が格段に上がりました。これで三大国交流戦も安心できると思います。あっ!! ダンジョン合宿の件は許可を出していただきありがとうございました」
「いや。構わんよ。わしだって今年の三大国交流戦はなんとしても勝ちたい。前回がふがいない結果だっただけにな」
「最下位だったんですよね。聞きました」
「それでじゃ。クリフくんを今日呼んだのは、その三大国交流戦についてなのじゃ」
「どういうことですか?」
「お主のいる四年生チームは過去最強のメンバーじゃろう。クリフくんがいるだけでも大きな戦力なのに、クラスメイトも戦力を上げた」
「はい」
「じゃが、三大国交流戦は四年生だけがんばっても優勝はできん!!」
「それは……」
「お主は生徒会長じゃろ? 自分のクラスだけでなく、三年生と二年生も見てやってくれんかのぉ~」
わかってはいたけど、僕のクラスが完全勝利しても三年生と二年生が負けたら優勝はできない。学校長の言ってることはよくわかるけど……
「実際に三年生と二年生のSクラスの生徒は、何もやってないんですか?」
「そういうわけではないのじゃ。ただ……」
「ただ?」
「お主も三年生の首席のアルフォンスくんは知ってるじゃろ?」
「もちろん! 同じ生徒会メンバーですから」
「アルフォンスくんはしっかりリーダーシップを発揮しておる。じゃが、あいつの目標は生徒会長。つまりお主じゃ。お主と比べると全然ダメだとネガティブになっておるのじゃ」
ああ、アルにはそういうところがあるよな。でも三年生はあいつがしっかりまとめてくれないと……僕は僕で色々やることがあるのに……
「なるほど……ではどうすればいいんですか?」
「三年生と二年生も、ダンジョン合宿をお願いできないじゃろうか? Cランクダンジョンを攻略しろとは言わんのじゃ。全員がDランクダンジョンを攻略できるレベルまで上げてほしいのじゃ」
「え……」
それはちょっと面倒くさいぞ。アルも実力はあるんだから、自分で考えて三年生をまとめてもらいたい……来年はあいつが生徒会長なんだから……
僕はSクラス『文』のメンバーたちとDランクダンジョンを進んでいた。
Dランクダンジョンは初心者から中級者がよく利用するダンジョンで、階層は三十まである。十階層ごとに中ボスが出て、三十階層には大ボスがいる。
十階層ごとに転移魔法陣があり、そこから地上に戻ることもできるし、一度登録すると、地上から一気にその場所に『転移』することもできる。
僕は王都に来た頃にこのDランクダンジョンを攻略しているので、十階層、二十階層、三十階層にそれぞれ『転移』が可能だ。今回はメンバーのレベル上げのため、利用はしないが……
「ゴブリンがいるね。数は二体かな。ゴブリンの姿が見えたら魔法で攻撃してみよう。まずはセリーヌとジャンヌでやってみようか」
「「わかりましたわ」」
セリーヌは『火魔法』を使い、ジャンヌは『水魔法』を使ってゴブリンを攻撃した。
「『ファイヤーボール』」
「『ウォーターボール』」
魔法が当たるとゴブリンは消滅した。
「やりましたわ」
「当たりましたわ」
「うん。とりあえず魔法一撃で倒せる間はこんな感じで交代で魔法を使っていこうか。魔物は僕が見つけるから」
「「「「「はい」」」」」
それからは魔物が現れるたびにセリーヌ、ジャンヌ、ソフィア、ユウリ、リーネが順番に魔法を使ってすぐに倒していった。
道中は僕とジャンヌとソフィアが話しながら進み、それをセリーヌが見つめる。遅れてユウリとリーネがついてくる、という感じで一日が終了した。
「よし。五階層まで無事に来れたね。まだ最初だから魔物も強くないし大丈夫そうだね」
「そうですね。クリフ様が魔物を見つけてくれますし、距離もだいぶ離れた場所から魔法を使えるので、今のところは安心ですわ」
「良かった。けっこう魔物を倒したけど疲れてない?」
「「「大丈夫ですわ」」」
セリーヌ、ユウリ、リーネは大丈夫のようだ。
「魔力の方はMPポーションを飲みながらでしたので大丈夫でしたが、一日歩きっぱなしで体力的に疲れましたわ」
「同じくです」
ジャンヌとソフィアは一日中ダンジョンを探索する、ということが今までなかったので、体力が限界のようだった。
僕は『エリアヒール』を使って、みんなの体力を回復した。
しかし、体力が回復しても一日中ダンジョンを歩いたことによる精神的な疲労は簡単に取れるものじゃなかった。
「とりあえず目標の五階層まで来れたし、スイムたちも五階層にいるみたいだから合流しようか? 『転移』で移動するから僕につかまってくれるかな?」
僕の言葉を聞いたセリーヌたちは、我先にと僕に抱きついた。ユウリとリーネはその光景を眺めている。
「え~っと……そんながっつりつかまらなくても、僕に触れていれば一緒に『転移』はできるんだけど……」
「わかってますわ」
「「私もー」」
セリーヌはわかるけど、ジャンヌもソフィアもこんなに積極的だったか? まあこの状況はうれしい限りなんだけど……ってダメだダメだ。こんな顔セリーヌに見られたら……
ふと手をつないでいるセリーヌを見ると……無表情になっていた。
遅かった……セリーヌ怒ってるよ……。は~っ。セリーヌを優先しながら他の女性とも仲良くなる……ハーレムって思ってたより大変だな……
「それじゃ、ユウリとリーネがつかまれないから軽く触るだけにしてくれるかな?」
「しょうがないですわね」
「「は~い」」
全員が僕に触れたところで僕は『転移』を発動した。
現れたのはスイムたちのいる所だ。
「スイム。こっちはだいぶ魔物を倒したから、今日はここで終わろうと思ってるんだけど?」
「マスター!! こっちもそろそろ念話しようと思ってました。スイムの方も順調に魔物を倒しましたよ。と言ってもまだ五階層ですからそんなに苦労はしてないですよ」
「だよな。でも無事で良かった。一緒に夜営の準備をしてくれるか?」
「任せてください」
僕はスイムと一緒に夜営の準備を始めた。まず、『アイテムボックス』から大きなコテージを二つ出した。メンバーたちはテントなどを張って夜を過ごすと思っていたようで、大いに驚いていた。
「とりあえずコテージの中は食事ができるダイニングと寝る部屋があるから使ってね。あっ! あとお風呂もちゃんとあるから。ここは安全エリアだから見張りとかも必要ないし、疲れを残さないようにゆっくり休んでね」
「本当!?」
主にお風呂のところで女性陣から大歓声が上がった。
コテージを持ってきて正解だったな。ちょっと普通のダンジョン攻略とは違うけどセリーヌは王族だし、他にも貴族令嬢が多いからこれぐらいはしておかないと後で親に怒られそうだもんね。
メンバーたちはおそるおそるコテージに入っていく。
「すごーい!! 本当にダイニングも寝室もお風呂もある!! 外から見るとそんなに広くなさそうだったのに、どうして?」
「コテージの中は空間魔法で広くしてるんだよ。だから見た目以上に広いでしょ!!」
テントや馬車なんかに入ったら中がすごく広いってテンプレでしょ!
豪華な食事と快適な寝床にテンションが上がったSクラスのメンバーは「これぞ合宿だ!」といわんばかりに、トランプやガールズトークをして盛り上がっていた。
「楽しんでるところ悪いけど、明日からもダンジョン攻略は続くからそろそろ寝ようか?」
「あっ!? ダンジョンにいること忘れてた!!」
「「「「たしかに!!」」」」
ふ~。楽しんでくれて良かったよ。明日からもがんばろう!!
こうして楽しい楽しいダンジョン合宿は無事初日を終えたのだった。
☆
二日目からのダンジョン合宿は、全員のテンションがすごく高かった。
なぜなら……攻略を終えると、豪華な食事、リラックスできるお風呂、ふかふかのベッド、恋愛話を中心にしたガールズトークが待っているとわかったからだ。
昨日のコテージ作戦は大成功だったな。みんなのやる気が倍ぐらいになった気がする。今日は十階層のボスを倒すのが目標だから、早めに進んでいってボス部屋前で休憩してボスに挑むのがいいかな。たしか……十階層の中ボスはオークが五体だったよな? こっちも五人いるし、僕がヘイトを稼いでみんなに魔法で攻撃してもらえば大丈夫だよね。
「今日は十階層のボスまで行こう! それまでは昨日と同じように順番に魔法を使っていってね」
「「「「「は~い」」」」」
その後、ダンジョン攻略は非常に順調に進み、みんなのレベルも順調に上がっていった。
十階層のボスを目標にしていたが、気合いを入れて臨んだわりにはあっけなく終わってしまった。
みんなダンジョンに慣れてきたよな。まあSクラスで四年学んできたんだ。基本的にはエリート集団だもんな。これぐらいは軽くできるか……
順調に成長しているSクラスのみんなを見て、僕はDランクダンジョンぐらいなら無事に攻略できると確信したのだった。
僕の予想通り、そのあとは問題が起こることもなく進んでいった。
最終日に三十階層周辺で最後のレベル上げをしてボスを倒すことにした僕たちは、明日のボス戦に向けて、最後のダンジョン内での夜を楽しんでいた。
「クリフ様ー。こっちで一緒に話しましょうよ」
毎日毎日ガールズトークしてよく飽きないよな……あの輪に入るのは苦手だ……
僕は毎晩毎晩毎晩、セリーヌやジャンヌたちのガールズトークに参加させられていた。
参加すると、決まって内容は僕の冒険の話になる。
セリーヌたちはそれをウキウキしながら聞いてくれる。ただし、話をするのはいいんだけど……いや、話をするのもちょっと照れるんだけど……それよりもジャンヌとソフィアのスキンシップがやばい!! お酒なんてないはずなのに酔ってるの? って思うぐらいなんだもんな……
明日大ボス戦があることを理由に早々にガールズトークを切り上げさせる僕だった。
翌日、レベルが上がったメンバーたちで三十階層のボスに挑戦した。手ごたえはあったが、ボスの攻撃は全て僕が引き受けたため、セリーヌやジャンヌたちに脅威はなかった……はずだ。
ただただ、魔物という的に向かって魔法を繰り出すだけだった。
終わってみればあっけなくDランクダンジョンを攻略できた。
「攻略した!!」と言っていいのかは疑問があるが……
「よし! これでダンジョン合宿は終了だね。地上に戻ろうか?」
「ようやくですね。初めは不安もありましたがレベルも上がったし、ガールズトークも楽しかったです。やって良かったですね」
「そう言ってくれると僕もうれしいよ。今グランと念話で話したけど、マッシュたちも無事Cランクダンジョンをクリアしたみたいだよ」
するとリーネが反応した。
「本当!?」
リーネはマッシュの婚約者候補だし、やっぱり心配だよね。もしかして一緒にCランクダンジョンに行きたかったのかな……
「うん。誰もケガはしてないし、けっこう順調に行ったんだって」
「良かった」
リーネはそれを聞いてほっとしていた。
僕たちは転移魔法陣を使って地上に戻った。
地上に戻ると、僕たちの前に大ボス戦に挑んだスイムたちが待っていて、アリスから声をかけられた。
「クリフくん。ダンジョン合宿お疲れ様」
「アリスも! Dランクダンジョン攻略おめでとう!」
「攻略したって言っていいのかな? スイムちゃんの後ろで魔法撃ってただけだよ」
「それでも攻略したことには変わりないさ」
「クリフ様、これからどうしましょうか? 今日はこれで解散ですか?」
「いや。これから僕の家でダンジョン攻略の打ち上げをしようと思ってるよ」
「「「「打ち上げ!!」」」」
「うん。マッシュたちも僕の家に向かってもらってるんだ。やっぱり合宿の最後と言えば打ち上げだよね」
家に向かうと、既にグランとクインが打ち上げの準備をしていた。
「グラン、クイン、ただいま。Cランクダンジョン攻略おめでとう!」
「マスター! お帰りなのじゃ。マッシュたちはさすがSクラスじゃな。レベルも上がっていって、ボスも苦戦せずに倒せたぞ」
「それは良かった。大成功だったし打ち上げは盛大に行こうよ」
「はい。任せてください」
そして打ち上げが始まり、全員で騒ぎ、とても盛り上がった。
僕は外で風にあたりながら涼んでいた。こんな感じで大人数で宴会するのも楽しいな。マッシュもグランと話ができてずっとテンション高いし……
ダンジョン合宿では全員がレベルを10~15ほど上げることができた。
これで三大国交流戦の準備が整ったな。あとは何かすることあったかな……。まあそれは明日考えればいいか。
「クリフ様!! 見つけました!! 何してるんですか!? さあさあみんな待ってますよ!」
やべぇ! 見つかった。
セリーヌ、ジャンヌ、ソフィアの絡みから逃げていた僕だったが、ソフィアに見つかり家の中へ連れ戻されてしまった。
その後も夜遅くまでワイワイ騒いだ僕たちだった。
第48話 リースとの休日と強化!?
グランやスイムやクイン、それにSクラス全員が参加したダンジョン合宿&打ち上げだったが、僕の相棒ともいえるフェネックのリースの姿は、その中になかった。別にリースが家出したとか、僕のことを見限ったということではない。
僕が万が一のことを考えて、リースを宿屋のミーケのところに預けていたからだ。実際問題、僕は一緒に合宿に連れていきたかったが、セリーヌたちから反対されたのだ。ミーケは快くリースを預かってくれた。リースもミーケのことが好きなようで、「キキキー」とテンション高く鳴きながらミーケのもとに走っていった。
合宿が終わった当日、打ち上げ前に宿屋へリースを迎えに行ったのだが、ミーケの家でリースのお別れ会をすると言われたため、リースは打ち上げにも参加しなかったのだ。
その後無事にリースを迎えに行き、リース成分を補充しようと思った僕はリースと二人 (一人と一匹)で町を歩いていた。もちろんリースは僕の頭の上に乗っていた。
「さあリース。今日はいっぱい楽しもうな。まず最初はどこに行こうか? やっぱり食事だよな~。リースはどこか行きたいところはあるか?」
「キッキッ!!」
リースも言葉がしゃべれたらもっといいんだけどな~。まあなんとなく感情とかはわかるから、今のところ問題はないんだけど……。グランとかスイムみたいに、リースも成長したら言葉を話せるとかだとおもしろいんだけどな~。でも『人化』は反対だな。せっかくのモフモフ枠なのに、『人化』してしまうと色んな意味で面倒くさくなるし。成長か~……リースは魔物じゃないからレベルみたいなのもないし、その辺はどうなんだろ? ちょっと調べてみるのもおもしろいかもしれないな。それにグランなら何か知ってる可能性もあるし。それか、僕がリースの言葉がわかるようになるっていう方法もありだな。テイムを極めたらそういうスキルなんかもあるかもしれないし。
そんなことを考えながら、リースと何を食べようかと歩いていると、おなじみのキツネ耳姿にかわいらしいエプロンをつけたミーケが、ホウキで宿屋の入り口を掃除している姿を見かけた。
「キッ!」
ミーケを見かけるとリースは僕の頭から飛び降りてミーケに向かっていく。そしてミーケに突撃して、そのまま頭の上へと収まった。
「あっ!! リースちゃん、おはよう……ってクリフくんも。おはよう」
「おはようミーケ。朝から掃除?」
「うん。学校が休みの日は色々お手伝いしないとね。それにこうやって掃除してると、気分も晴れやかになるから。クリフくんはどうしたの?」
「ああ、しばらくリースと一緒にいなかったから、今日は二人でデートだよ」
「そっか~。リースちゃん、良かったね」
「ミーケ、このあたりでおいしい食事を出してくれるところって知ってる? せっかくだし今まで行ったことのないところがいいかな~って思って、リースとブラブラしてたんだけど」
「それなら、あそこのパン屋さんがいいと思うよ。最近できたんだけど評判がいいもん。リースちゃんと一緒に行きたかったんだけど、いつもいっぱいで行けなかったんだよ」
「へぇ~。そんなところがあるのか。ならちょうどいいね。そこに行ってみようかな。どこにあるか教えてくれる?」
「もちろん」
ミーケから新しくオープンしたパン屋の場所を教えてもらった僕は、ミーケの頭の上に陣取っていたリースを抱きかかえ、パン屋に向かった。
「あったあった。あ~。いっぱい並んでるな~。まあ特に急ぐこともないしゆっくり並ぶか」
僕はその後、行列の最後尾に並び、順番が来るのを待った。腕に抱いたリースをモフモフしながら待っていたので、特にストレスがたまったりすることはなかった。リースも僕になでられるのが気持ちいいのか、終始目を細めて気持ち良さそうにしていた。
こんな日もいいもんだな。うん、やっぱりリースはこのままがいいな。変に言葉がわかったり、強くなって魔物を倒したりされたら、こんなにまったりと過ごすこともなくなるかもしれないもんな~。リースが人の言葉をしゃべれるようにするとか、僕がリースの言葉をわかるようにするとか色々考えたけど、なしだな。
「リース。そろそろ中に入れるよ。今日は好きなものいっぱい選んでくれよ。一緒に食べよう」
「キキキー!」
リースがとても喜んでいるように見える。良かった。僕もリース成分を補充できたし、これで心置きなく三大国交流戦に臨めるな。
今のままの関係がいいと改めて思った僕はその後、パン屋にていくつかのパンと飲み物を頼み、テラス席でリースとともに、まったりと過ごしたのだった。
第49話 学校長からの呼び出し!?
ダンジョン合宿を終えて、四年Sクラスのメンバーは大きくレベルアップした。競技メンバーで集まって勉強会や打ち合わせなどを行う日々が続いていたが、合宿を経て各競技の練度が格段に上がった。
そんなある日、僕は学校長から呼ばれたので学校長室へ足を運んでいた。
「学校長! 失礼します」
僕はノックをして学校長室に入る。
「僕を呼んでいるということでしたが、何かありましたか?」
「うむ。まあとりあえず座ってくれ」
「はい」
僕は学校長が座るデスクの前のソファに腰かけた。
「ダンジョン合宿は成功だったみたいじゃな」
「そうですね。ケガもなく終えることができましたし、クラスメイトそれぞれがレベルを大きく上げたので、戦力が格段に上がりました。これで三大国交流戦も安心できると思います。あっ!! ダンジョン合宿の件は許可を出していただきありがとうございました」
「いや。構わんよ。わしだって今年の三大国交流戦はなんとしても勝ちたい。前回がふがいない結果だっただけにな」
「最下位だったんですよね。聞きました」
「それでじゃ。クリフくんを今日呼んだのは、その三大国交流戦についてなのじゃ」
「どういうことですか?」
「お主のいる四年生チームは過去最強のメンバーじゃろう。クリフくんがいるだけでも大きな戦力なのに、クラスメイトも戦力を上げた」
「はい」
「じゃが、三大国交流戦は四年生だけがんばっても優勝はできん!!」
「それは……」
「お主は生徒会長じゃろ? 自分のクラスだけでなく、三年生と二年生も見てやってくれんかのぉ~」
わかってはいたけど、僕のクラスが完全勝利しても三年生と二年生が負けたら優勝はできない。学校長の言ってることはよくわかるけど……
「実際に三年生と二年生のSクラスの生徒は、何もやってないんですか?」
「そういうわけではないのじゃ。ただ……」
「ただ?」
「お主も三年生の首席のアルフォンスくんは知ってるじゃろ?」
「もちろん! 同じ生徒会メンバーですから」
「アルフォンスくんはしっかりリーダーシップを発揮しておる。じゃが、あいつの目標は生徒会長。つまりお主じゃ。お主と比べると全然ダメだとネガティブになっておるのじゃ」
ああ、アルにはそういうところがあるよな。でも三年生はあいつがしっかりまとめてくれないと……僕は僕で色々やることがあるのに……
「なるほど……ではどうすればいいんですか?」
「三年生と二年生も、ダンジョン合宿をお願いできないじゃろうか? Cランクダンジョンを攻略しろとは言わんのじゃ。全員がDランクダンジョンを攻略できるレベルまで上げてほしいのじゃ」
「え……」
それはちょっと面倒くさいぞ。アルも実力はあるんだから、自分で考えて三年生をまとめてもらいたい……来年はあいつが生徒会長なんだから……
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