夢世界ナル

白蓮

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2話-6 アルテイシア王国

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 少し時間が立っていたが、私はそこから動かずにいた。遠くではなにか叫ぶ声と金属音のような音が響き渡る。私以外にも誰かが戦っている。
「早くこの世界の核を破壊しないと」
 私は立ち上がり、置いていた鎌を拾い上げる。
 まず、この世界について色々と調べないといけない。この世界は街並みからして、大きな都市と思った。なら、なんらかの国を模様してるのではないかと考えに至った。
 街のどこかにこの国についての情報、もしくは核となる物が分かるかもしれない。
「上を伝っての移動は厳しそうね」
『ああ、今はこの部屋から調べるべきだ。外には巡回する兵士がいるようだ』
「了解何から調べようか」
 そこらにあった本や机、引き出し等を調べた。だが、肝心の情報はあまり出てこない。関係ない話や情報が多い。
 国に関する名前が分かった。『アルテイシア王国』、日本語ではない見た事ない文字でそう書いてあった地図があった。
 文字は何語かさえ分からないが、理解は出来る。出来てしまう。
「国名だけど、いいよね」
 それ以降何もない部屋、そのままここを後にした。
 玄関から警戒するようにゆっくりと出る。周りを警戒しながら、通路を素早く移動する。だが、どこかで「発見した。探せ」などの声なども聞こえる。
 別の人も戦闘している。彼女らや彼らに合流する事を優先せねば。
 だが、
「おや、ここで何をしてるのですか?」
 騎士風の格好した若い男性に声を掛けられた。その者は他の兵士と違い、襲う行為はしてこない。
「・・・武器を持っていますね。何しようとしているかは不明ですが、国に害ある者なら、ここで斬らせてもらいます」
 彼は腰に装着していた剣の鞘へと手を伸ばした。
 他の兵士とは違う。まだ話が出来る人。
 油断せず、私は武器を構える。
「他の兵士と違って、やけに冷静ですね」
「他の兵士ですか?」
「えぇ、見るなりいきなり襲ってきた連中ではありませんか?」
「はは、これは失敬」
 彼は鞘から手を離した。
「これはこれは飛んだ無礼をしました」
 彼はそういうと紳士らしく礼お辞儀を始めた。
「私はアルテイシア王国の騎士の一つを任されてます『ガルドラ』と申します。どうか、その武器を納めください」
 彼はそう言いながら、こちらの様子を伺う。この兵士は確かに他と違う。だが、何か人間性的なものが感じられない。
 核となる物の正体は現状不明のまま。彼に頼る他ないかもしれない。
「あなたの名前は?」
 彼は私に聞く。名前は何かと・・・。
「ルナ・・・」
 小さく呟く。それを聞いた彼は穏やかな表情を作りながら、言葉を続けた。
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