異世界マジカルエステ〜あの子の穴で無双する僕の棒〜

ああああ

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テレワークの合間に書きました。

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ぬちゃり。
たっぷりとローションを塗った棒が、ゆっくりと妹の中に入っていく。
はっ、と短く漏れた吐息。伝わる緊張。

「大丈夫、優しくするから」
「うん……」

普段の強気な姿からは想像もできない、しおらしい態度を見せる彼女に総司は己の棒を巧みに使って内部を擦り上げる。入り口近くの固い部分をそっとつまみ、軽く引っ張ると華奢な身体がぴくりと震えた。

「そ、そこ、だめ」
「……痛かった?」

奥のほうに挿し込まれた棒に妹が顔をしかめると、総司が心配そうに訊ねる。彼女はくすりと笑って、彼の腿をとんと叩いた。

「気持ちいいよ、お兄ちゃん」
「……っ、もうすぐだから」 

ぬちゅっ、くちゅっ
総司の棒が小刻みに震え、そして。

「ほら、こんな大っきいのとれたよ♡」
「やっ、ちょっとバカ!見せないでよ!」

小指の先ほどもある耳垢を目の前に晒してやると、彼女は顔を真っ赤にして総司の腿をばんばん叩いたーー。



「……夢、か」

頬が濡れていた。
幸せな日々はもう戻らないのだ。
妹が結婚して家を出てしまったから。

「……うっ!」

しまった思い出し過ぎて発作が!
耳かき……今すぐ耳かきがしたい!薬、薬を。
安定剤をざらざらと流し込み、耳の模型に綿棒を突っ込む。心臓がバクバクと鳴り、手が震える。息苦しさも中々消えない。

ちりん
鈴の音がして、飼い猫のグレーテルが膝の上に飛び乗り丸くなった。
ふかふかの耳は昨日掃除したばかりで耳垢ひとつない。というか、あまり頻繁にやると傷付いて病気になる。

今年の春、勤めていた耳かき専門店が倒産した。
世界的に蔓延している感染症のため、人と人との距離が遠くなったからだ。
誰にも負けないテクニックがあると自負しているが、男のエステシャンは門が狭く、いまだ再就職できずにいた。

「……もう、いいかな?なあ、グレ」

金色の瞳がじっと僕をみている。
胸が苦しくて、呼吸がうまくできなくて、きっと、あとほんの少し諦めたら、僕は終わるんだろう。

「ごめんね、ごはんは向かいの田崎さんにもらって」

もし生まれ変われるなら、耳のすごく汚い人たちが毎日行列を作るような世界に行きたい。
僕はグレーテルを撫でながらそんな夢みたいなことを考え、笑った。
ちりん。鈴の音がした。

『続いてのニュースです。男性が自宅で死亡しているのを近隣の住民が発見しました。男性は27歳無職の耳垣総司さんと見られ、警察の調べでは死因は耳フェチによるものだとーー』



ぺちぺち
頬が叩かれる。
僕は眠っていたようで、目を開けると強い日差しを遮るように誰かが顔の上にいた。頬にチクチクと硬い草の葉が当たっている。
目が慣れてちゃんと見てみると、とても綺麗な人だった。褐色の肌に明るい金色のボブ、瞳は深いブルーで彫りが深い。ファンタジーに出てくるような胸と腰まわりを隠す革の服と、背中に担いだ長弓。歳はどれくらいだろう。若いとは思う。

「えっと……Hello、Where is this?」
「……」

その人はじっと僕を見るばかりで何も言わない。英語じゃ駄目かな、困ったな……。

「……」

僕が苦笑いをして首を傾げると、口をパクパクと動かして眉根を寄せる。もしかして喋れないのか。

「Could you understand my English?」
「……」

パクパク
そんなやり取りを少しばかりやっていると、突然彼女は大きく息を吸い。

「"声"を!使うなら!もっと!デカい声!だせ!」

と、日本語で叫んだ。覆いかぶさるような至近距離で、耳がキーンとする大声だった。
飛沫がどうとか言うレベルじゃなかった。



『信じられん。読唇術もアイコンタクトも使えんとは』

大声で意思疎通を試みて、ぜぇはぁしながら結局筆談に落ち着いた。
うん。思いっきり日本語だわ。見た目外国人の娘さんが高度な漢字書いててシュール。

情報を整理すると、どうも異世界らしい。地名とかがさっぱりわからん。この辺りはキコエーヌ王国のナンチョウ自治区というらしく、この娘さんはツマリさんと言うそうだ。
だいたいお察しかと思うけど、この世界の人は耳がすごく汚い。生まれてから死ぬまで耳掃除というものをしないそうで、耳は幼少期に聞こえなくなるのが普通だとか。

「うっ!?くっ!」
『どうしたソージ』

ヤバい発作だ。右手が疼く。

「はぁっ、はぁっ……耳ッ!」

こんな汚い耳がすぐそばにあるのだ。我慢なんてできるはずもなく、僕はツマリをガバっと押し倒した。

『貴様!突然何をする!』

この期に及んで律儀に筆談。案外冷静かもしれないツマリに、僕は大きく息を吸って叫ぶ。

「あなたの!耳をっ!掃除させて!ください!」
「ぁあ!?なんだって!?」
「耳穴を!キレイに!したい!」
「聞こえんぞ!!」

ああもう!難聴かよ!これはシンプルに叫ばないと喉がツライぞ。

「穴を!棒で!ヤらせて!」
「はっ……破廉恥なっっ!」

そこは聞こえんのかよ!



ソージに穴をほじらせろと言われた時、私は不覚にもキュンと来てしまった。村の狩人として時には男衆すら圧倒してしまう私に、そんな直球を面と向かって言う男は居なかったのだ……まぁ、勘違いだったわけだが。

私は今ソージの膝に無防備に頭を乗せ、彼の棒を受け入れようとしている。
柄にもなく緊張する私に、ソージは髪を撫で耳たぶをつまむ。その口元が『キレイだね』と動き、顔が熱くなった。
そして穏やかな笑みから慌てて顔を背けると、ひやりと冷たい液体が耳穴に垂らされた。

なんだこれはッ!?
そこから先は余り思い出したくもないが、語らずにもいられない。
私はソージの手で何度もはしたない声をあげ、悶えた。
カリカリと何度も中を擦られ、私の耳から取れた汚れを見せつけられ、仕上げにふぅっと息を吹きかけられヘトヘトになった。そんな私に彼は追い打ちをかけたのだ。

「じゃあ次は反対側ね♡」

何ということか。右の耳をほじられたら左の耳を差し出せと?ここまでですでにトロトロにされているのに、そんな事されたらおかしくなってしまう!世界が変わってしまう!
あっ、だめ、気持ち……イイ!!

って私の声デカっ!



ふぅっと息を吹きかけて、左耳の掃除も完了した。
いや、すごい大物がばんばん取れて超気持ちいい。
そして改めて見るとツマリの耳は形がすごくキレイだ。なだらかなフォーム、芸術的な渦。大きすぎず小さすぎない僕好みの耳たぶ。

「あぁ、お嫁さんにしたい」
「そっ……それは、駄目だ」

つい声に出てしまった願望に、ツマリが悔しそうに応えた。嫌悪感ではないその顔に少し気になってしまう。

「風の音、虫の声、世界はこんなにも美しい……変えてくれたのはお前だ、ソージ」

「恩人であるお前に報いたいし、その……これからも耳かきしてもらいたい気持ちもあるんだが」

「今日、私は族長の息子の12番目の妻にさせられてしまうんだ」
 
僕の膝から身を起こしたツマリはそう言って悲しそうに目を伏せた。
彼女の部族では強い男が女を気に入ると、その父や夫と決闘して奪う事ができるという。もちろん普通に恋愛結婚もあるそうだが。
家族を亡くし身寄りのないツマリはこれまでその仕来りとは無関係だったが、このたび族長判断でツマリ自身が自分を賭けて決闘する事になったのだ。
それでその決闘の場所がここで、早めに来て一人鍛錬をしていたそうだ。

「族長の息子リスンは一族に伝わる秘技"死神歩法"を使いこなせるんだ。一度使われると姿が全く見えなくなる。見えさえすれば私の弓はなんでも射抜けるのにな」

絶望的な表情。やけっぱちだからすんなり耳かきさせてくれたのかな。日本では男が急に耳かきさせてなんて言うと通報案件だしね。
まあ、せっかく早く来たんだし罠でも仕掛けようか。

「だめだバカモノ!神聖な決闘なんだぞ!」

そうは言っても、話を聞く限り相手に神聖さは全くないような気がする。
と、そこへ蛮族っぽい見た目の屈強な男が3人、遠くから歩いてくるのが見えた。



「ただいまより!キコーエンの娘!ツマリを賭けて!決闘を!執り行う!両者!前へ!」

儀式は声を使うらしく、立会人の壮年の族長は今にも血反吐はきそうなガラガラ声を張り上げる。
真っ黒に日焼けした力士みたいな大男、リスンとスラリとした美女ツマリが無言で向かい合った。
……いや、よく見たら口をパクパクやりあっている。

「……?………!」
「……。……」
「……!……!!」

たぶん、挑発の応酬みたいなことをしてるんじゃないかな。それでリスンがキレて技名的なやつを叫んだんだと思う。
次の瞬間、腰を低く落としたリスンがフッと視界から消えた。

ざざざっ
右手側から草の葉を踏む物音がして僕とツマリがそちらの方を見ると、唖然とした顔のリスンがいた。

「……!?……!」
(バカな!?死神歩法が見破られただとっ!)

さすが読唇術とアイコンタクトで会話してきた部族である。なんとなく分かりやすい表情してくれる。

「……。……。……!」
(ふふん。どうせマグレだ。もう一度行くぞ!) 
 
ずざざざぁー
消えるのはほんと凄いと思うんだ。だけどその技ね、相手が難聴前提だよね?
口をアングリと開けて大粒の汗をダラダラ流すリスンを、ツマリが容赦なく射抜いた。



「んっ♡んおっ♡んほおおお♡」
「はいはい、危ないから暴れないでね」

僕の膝の上で悶ながら耳かきされているのは鍛冶屋のキカザールさん、56歳男性。本日最後のお客さんである。
あの決闘のあと、ツマリが次期族長になり僕はその婚約者になった。そしてその権力で村に耳かきエステを開業したのである。
これがものすごく繁盛していて、今じゃ近隣の村からも汚い耳の人たちが行列を作ってやってくる。

「ふぅっ。はい、キレイになりましたよ」
「はぁはぁ、しゅご……かった♡もっとぉ♡」
「次は2週間後ですよー」

目下の悩みは、手持ちの綿棒が尽きそうだという事だ。村の人たちは使いさしでいいと言うけど、衛生的に僕の方が許せない。
しかし綿から自作するのは難しく、木の耳かき棒を用意してみたが僕のテクニックを存分に発揮できるかというとそれも怪しい。

「ソージ!また考え事か?」

ぽすんと膝に、ツマリが頭を乗せてきた。

「今日はもう店じまいですよー」
「ふふふ、私は婚約者だからな」

相変わらず綺麗な耳だ。クニクニと耳つぼをマッサージしながら堪能すると、くすぐったそうに笑ってグリグリと頭を僕のお腹に擦り付けてくる。

「難しい事は考えなくていい。私が幸せにしてやるからな」

なんという男前。正直僕はこの耳さえ触れれば幸せなんだけども、ツマリは甲斐甲斐しく色々しようとする。
例えばこんなふうにスボンに手をかけてきて……?

「村の娘に聞いたのだ。男はこうされるといいんだろう?」
「あ、ちょ、待ってそれ駄目!そっちの棒は専門外でっ」

ヤバいコレ全年齢なのに!そう思った時だった。

「お取り込み中邪魔するにゃっ!」

すぱぁんと家の戸が開けられ、猫耳の美少女が現れた。それ耳どうなってんの?4つあってお得だったりする?

「誰だ貴様ノックもなしに!」
「やっと見つけた……!ご主人!」

刀を手に立ち上がったツマリと入れ替わるように灰色の猫耳が僕の膝を占領する。首の鈴がちりんと鳴った。

「……誰だ?」
「さあ?お店なら今日はもうお終いですよ」

ここらへんは田舎だから施錠の概念がないけども、防犯のために鍵くらい付けた方がいいのかも。

「ひどい!さすがご主人ひどい!せっかくご主人が付けてくれた鈴を聞こえよがしに鳴らしたのに!」

膝の上で猫耳が頭をグリグリとやって鈴を鳴らす。
ちょっとそこは全年齢の壁破りそうなんであんまり刺激しないでくれます?

「……って、この耳は……グレ?」

ふかふかの猫耳に見覚えがあった。中を覗き込むが、あんまり汚れていない。つい先日掃除したばっかだしね。
仕方ないから耳の付け根を軽く押してやると、喉がぐるぐると鳴った。

「毛並みが灰色だからグレーテルとつけられた安直な名前は仮の……あ、気持ちいい。わ、わたしはこの世界の女神、ミミノ・トーリである、んんっ」
「ミミノ……トーリ様っ!?」

グレが名乗ると、ツマリが慌てて平伏した。
なに、うちの猫有名なの?色々うさんくさいんだけど。

「ご主人、困ってる事はないか?あと喉もちょっとやってほしい」
「綿棒が無くなりそうだから新しいの欲しいな」

この世界売ってないだろうから日本で買ってきてくれると助かる。たしか財布にいくらか入ってたと思うんだ。

「ふふん。では女神の奇跡で絶対に壊れない!抗菌で自浄作用のある凄い綿棒型神器を授けよう!」 
「うおまぶし」

得意気に笑うグレが手をかざすと、机の上の使用済み綿棒が輝きだした。
光が収まると、そこには見た目普通の新品があった。

「えっと……1本?」
「特級アーティファクトであるぞ!」

そう言われてもな。
正直すごい1本より百均の1箱の方がありがたい。衛生ポリシーもだけど、この綿棒キカザールさんに使ったやつなんだよね。
でもうちの猫、耳がピンとしてすごく誇らしそうにしてるから不満を言うのも憚られた。
僕は自作耳かき棒の開発を並行してやっていこうと決意した。

「ときにご主人、今わたしは願いを叶えたわけだが」
「カリカリならないぞ」
「ちゅーr」
「ない」

頼んでもないのに勝手に芸をやってエサをねだるあたりうちの飼い猫だと実感できる。毛並みがグレーじゃなければN○Kと名付けていたところだ。にゃんこ。悪くない。

「ごはんではないのだよ。ご主人には世界を救っていただきたい」
「テンプレは無理があるんじゃないかなぁ」

僕は耳かきしかできないからね。そういうのは強そうな人に頼むべきだ。そこにツマリがおるじゃろ?

「この世界はな……戦争が多くてのう。あっちゃこっちゃ毎日やっとるわ」

グレは気にせず勝手に話しはじめ、僕も気にせず喉をぐるぐるとやる。ツマリはお茶を淹れていた。いい嫁である。

「ぐるぐる……わたしはこんな世界がイヤになって異世界で猫として暮らした。そこで出会ったのがご主人!あっ、背中もぽんぽんして」
「はいはい」
「あぁぁぁ……どこまで話したっけ。そうだ。ご主人のマジカルな棒で世界を救って欲しいのだ」

ん?綿棒でってこと?それってつまり……。

「人は音がないと意思疎通が難しくてなぁ」
「物理的コミュ障かよ!」

つまり、世界中の人の耳をキレイにして、ついでに音楽とかも流行らせて心もキレイにしてみんなハッピー。みたいな話だった。
ここナンチョウ自治区も本国が戦争状態でじきに徴兵などがあるかもしれないとの事で、安寧なエステ生活のためにも僕は翌朝、旅に出る事になる。

「いやあ楽しみですな救世主殿!ワシも鍛冶の腕で支援しますぞ!」

村の住民、40人強の耳穴奴隷達を引き連れて。



次回『悪役令嬢は妹様!?』乞うご期待!
僕は……この耳穴せかいを知っている!
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