31 / 53
番外
聖女の力
しおりを挟む
後から聞いた話。
私が異世界に来た時、王都にある教会に神託が降りたらしい。
『新しき乙女、力持つもの、異なる土地から現れり』
神託を受けたのは先代聖女のアイリスさん。
アイリスさんはそれを受けて、新しい聖女が生まれた事を知り、それっぽいひとを探していたらしい。騎士さんが教会にピンク色の髪と瞳をした少女がいる、と伝えた事で私を迎えに来たらしい。
「アカリ様、アカリ様ー」
呼ばれて目を開ける。私の目の前の花壇には大輪の花が咲き誇っていた。私が祈るまでは土だけだった花壇だ。
「よしっ、はーい、今行きまーす!」
今、私はこの国の聖女として駆け回っている。
神父さんに教会に連れてこられた私はその後、聖女についての説明を先代のアイリスさんに説明してもらった。
アイリスさんに聖女としての修行をつけてもらったところ、私の力が歴代で最強だと教えてもらった。
軽く祈るだけで病気を治したり、植物を育てるなんてことは今までになかったことらしい。
「アカリ様が来られた今、先代となる私の力は数年かけてゆっくりと無くなっていきます。教えられることは僅かですが、この国のため、どうかよろしくお願いいたします」
頭を下げたアイリス様に私は、聖女として頑張ることを宣誓した。
日本に帰りたい。って思わなくもないけど、多分あの時、車に撥ねられて私死んじゃったし、異世界でチートも貰ったし、この世界にいるしか多分無いし。
私は聖女として頑張ろうと決めていた。
「アカリ様、どうか娘を…」
「聖女様、うちの畑が…」
「聖女様!急患です!」
私を呼ぶ声、声、声。それに私は笑顔で答える。
「はーい!今行きます!」
この世界で、みんなを助けるチート聖女として生きていく。
そんな私の考えが消し飛んだのは一月後のことだった。
私が異世界に来た時、王都にある教会に神託が降りたらしい。
『新しき乙女、力持つもの、異なる土地から現れり』
神託を受けたのは先代聖女のアイリスさん。
アイリスさんはそれを受けて、新しい聖女が生まれた事を知り、それっぽいひとを探していたらしい。騎士さんが教会にピンク色の髪と瞳をした少女がいる、と伝えた事で私を迎えに来たらしい。
「アカリ様、アカリ様ー」
呼ばれて目を開ける。私の目の前の花壇には大輪の花が咲き誇っていた。私が祈るまでは土だけだった花壇だ。
「よしっ、はーい、今行きまーす!」
今、私はこの国の聖女として駆け回っている。
神父さんに教会に連れてこられた私はその後、聖女についての説明を先代のアイリスさんに説明してもらった。
アイリスさんに聖女としての修行をつけてもらったところ、私の力が歴代で最強だと教えてもらった。
軽く祈るだけで病気を治したり、植物を育てるなんてことは今までになかったことらしい。
「アカリ様が来られた今、先代となる私の力は数年かけてゆっくりと無くなっていきます。教えられることは僅かですが、この国のため、どうかよろしくお願いいたします」
頭を下げたアイリス様に私は、聖女として頑張ることを宣誓した。
日本に帰りたい。って思わなくもないけど、多分あの時、車に撥ねられて私死んじゃったし、異世界でチートも貰ったし、この世界にいるしか多分無いし。
私は聖女として頑張ろうと決めていた。
「アカリ様、どうか娘を…」
「聖女様、うちの畑が…」
「聖女様!急患です!」
私を呼ぶ声、声、声。それに私は笑顔で答える。
「はーい!今行きます!」
この世界で、みんなを助けるチート聖女として生きていく。
そんな私の考えが消し飛んだのは一月後のことだった。
105
あなたにおすすめの小説
婚約者が妹と結婚したいと言ってきたので、私は身を引こうと決めました
日下奈緒
恋愛
アーリンは皇太子・クリフと婚約をし幸せな生活をしていた。
だがある日、クリフが妹のセシリーと結婚したいと言ってきた。
もしかして、婚約破棄⁉
お飾りの婚約者で結構です! 殿下のことは興味ありませんので、お構いなく!
にのまえ
恋愛
すでに寵愛する人がいる、殿下の婚約候補決めの舞踏会を開くと、王家の勅命がドーリング公爵家に届くも、姉のミミリアは嫌がった。
公爵家から一人娘という言葉に、舞踏会に参加することになった、ドーリング公爵家の次女・ミーシャ。
家族の中で“役立たず”と蔑まれ、姉の身代わりとして差し出された彼女の唯一の望みは――「舞踏会で、美味しい料理を食べること」。
だが、そんな慎ましい願いとは裏腹に、
舞踏会の夜、思いもよらぬ出来事が起こりミーシャは前世、読んでいた小説の世界だと気付く。
【完結】真の聖女だった私は死にました。あなたたちのせいですよ?
時
恋愛
聖女として国のために尽くしてきたフローラ。
しかしその力を妬むカリアによって聖女の座を奪われ、顔に傷をつけられたあげく、さらには聖女を騙った罪で追放、彼女を称えていたはずの王太子からは婚約破棄を突きつけられてしまう。
追放が正式に決まった日、絶望した彼女はふたりの目の前で死ぬことを選んだ。
フローラの亡骸は水葬されるが、奇跡的に一命を取り留めていた彼女は船に乗っていた他国の騎士団長に拾われる。
ラピスと名乗った青年はフローラを気に入って自分の屋敷に居候させる。
記憶喪失と顔の傷を抱えながらも前向きに生きるフローラを周りは愛し、やがてその愛情に応えるように彼女のほんとうの力が目覚めて……。
一方、真の聖女がいなくなった国は滅びへと向かっていた──
※小説家になろうにも投稿しています
いいねやエール嬉しいです!ありがとうございます!
『有能すぎる王太子秘書官、馬鹿がいいと言われ婚約破棄されましたが、国を賢者にして去ります』
しおしお
恋愛
王太子の秘書官として、陰で国政を支えてきたアヴェンタドール。
どれほど杜撰な政策案でも整え、形にし、成果へ導いてきたのは彼女だった。
しかし王太子エリシオンは、その功績に気づくことなく、
「女は馬鹿なくらいがいい」
という傲慢な理由で婚約破棄を言い渡す。
出しゃばりすぎる女は、妃に相応しくない――
そう断じられ、王宮から追い出された彼女を待っていたのは、
さらに危険な第二王子の婚約話と、国家を揺るがす陰謀だった。
王太子は無能さを露呈し、
第二王子は野心のために手段を選ばない。
そして隣国と帝国の影が、静かに国を包囲していく。
ならば――
関わらないために、関わるしかない。
アヴェンタドールは王国を救うため、
政治の最前線に立つことを選ぶ。
だがそれは、権力を欲したからではない。
国を“賢く”して、
自分がいなくても回るようにするため。
有能すぎたがゆえに切り捨てられた一人の女性が、
ざまぁの先で選んだのは、復讐でも栄光でもない、
静かな勝利だった。
---
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
「魔道具の燃料でしかない」と言われた聖女が追い出されたので、結界は消えます
七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女ミュゼの仕事は魔道具に力を注ぐだけだ。そうして国を覆う大結界が発動している。
「ルーチェは魔道具に力を注げる上、癒やしの力まで持っている、まさに聖女だ。燃料でしかない平民のおまえとは比べようもない」
そう言われて、ミュゼは城を追い出された。
しかし城から出たことのなかったミュゼが外の世界に恐怖した結果、自力で結界を張れるようになっていた。
そしてミュゼが力を注がなくなった大結界は力を失い……
「犯人は追放!」無実の彼女は国に絶対に必要な能力者で“価値の高い女性”だった
佐藤 美奈
恋愛
セリーヌ・エレガント公爵令嬢とフレッド・ユーステルム王太子殿下は婚約成立を祝した。
その数週間後、ヴァレンティノ王立学園50周年の創立記念パーティー会場で、信じられない事態が起こった。
フレッド殿下がセリーヌ令嬢に婚約破棄を宣言した。様々な分野で活躍する著名な招待客たちは、激しい動揺と衝撃を受けてざわつき始めて、人々の目が一斉に注がれる。
フレッドの横にはステファニー男爵令嬢がいた。二人は恋人のような雰囲気を醸し出す。ステファニーは少し前に正式に聖女に選ばれた女性であった。
ステファニーの策略でセリーヌは罪を被せられてしまう。信じていた幼馴染のアランからも冷たい視線を向けられる。
セリーヌはいわれのない無実の罪で国を追放された。悔しくてたまりませんでした。だが彼女には秘められた能力があって、それは聖女の力をはるかに上回るものであった。
彼女はヴァレンティノ王国にとって絶対的に必要で貴重な女性でした。セリーヌがいなくなるとステファニーは聖女の力を失って、国は急速に衰退へと向かう事となる……。
悪役令嬢の涙
拓海のり
恋愛
公爵令嬢グレイスは婚約者である王太子エドマンドに卒業パーティで婚約破棄される。王子の側には、癒しの魔法を使え聖女ではないかと噂される子爵家に引き取られたメアリ―がいた。13000字の短編です。他サイトにも投稿します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる