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番外
異世界転生したらチート聖女でした。
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学校からの帰り道、ふと前を見ると子供がボールを追いかけて車道に飛び出す所で。
子供の前には車が迫ってきていて。
多分ブレーキも間に合わなくて。
気づいた時には体が動いていた。
異世界に転生したらチート聖女でした。
「…え?」
は、と目を覚ますと、私は水の中にいた。急に息ができなくなって慌てて水から飛び出そうとすると体がふわりと浮く感じがして、気づいたら地面に立っていた。
「…え?何?どこここ?」
きょろきょろと周りを見回す。私がいたのは街の中で、なぜか噴水の中にいたようだった。ずぶ濡れで寒い。
私の周りには人がいてざわざわと騒いでいる。耳に何か詰まっているのかよく言葉が聞き取れない。
がんばって耳を澄ますと急に聞こえるようになった。
「あの子、今空から!」
「どこからきたんだ?」
「大丈夫かい?」
手を差し伸べてくれたおじさんの手をありがたくとって立ち上がる。おじさんは外国の人のようだった。というか私の人みんな外国の人だ。街並みも日本ぽくないし。
車に轢かれて、知らない場所に。
「えーと、いやいや、まさか」
これってもしかして、いわゆる。
「異世界転生しちゃった?」
私の呟きを聞いたおじさんは何だ?と首を傾げていた。
「どうした、何の騒ぎだ?」
声の聞こえる方を見ると、鎧っぽいものを着たおじさんがいた。ちょっとかっこいい。
「あの子が空から降ってきて」
「あそこの噴水に女の子が落ちてきたんだよ」
「というかあの色…」
がやがやと話す周りの人の話を一通り聞いた鎧のおじさんが私の方を見る。
「よく分からんがとにかく一緒に来てもらおう」
鎧のおじさんは王都を守る騎士だと名乗った。
騎士。王都。鎧。私の知らない外国か異世界だこれ。
とりあえず騎士さんの後をついていくことにする。ずぶ濡れだったはずの全身はいつのまにか乾いていた。
騎士の屯所?のような場所だというところに案内してもらった。
騎士さんはちょっと偉い人らしく、私を連れてきた後は他の人に預けてすぐにどこかに行ってしまった。
事務員さんらしい女の人にお茶を貰った。紅茶っぽい味だ。
「どこから来たんですか?」
事務員さんが興味津々の顔で聞いてくる。噴水の中に空から落ちてきたという話を騎士さんから聞いて気になったんだろう。
と言っても、私にもよく分からない。
「日本から来たんだけど、ここって外国?そもそも地球なのここ?」
事務員さんは不思議そうな顔をする。
「ニホン?チキュウ?知らない場所ですね?ここは」
「失礼する!ここに聖女の証を持つものがいると聞いてきた!」
事務員さんの言葉を遮るように大声がした。声の方を見ると、30代ぐらいの神父さんみたいな服を着た人がいる。
神父さんは私の方を見ると、にっこりと微笑んだ。ずんずん歩いて私のそばに来たと思うと、すっとしゃがんだ。というか跪いた。
「迎えが遅くなり申し訳ありません。異界の聖女様。あなたのお名前をお聞きしても?」
ぎぎぎと音がしそうなぎこちない動きで私は首を事務員さんの方に向ける。
「私が、聖女?」
「ええ、そう見えますよ」
にこやかに頷く事務員さん。神父さんは顔を上げて私のことをじっと見つめている。
聖女に見えるったって、何か顔に紋章が浮かんでるとかじゃあるまいし。
…もしかして浮かんでる?
きょろきょろと周囲を見回して鏡を見つける。自分の顔を確認するために鏡を覗き込んで私は絶句した。
鏡の中にいたのは、ピンク色の髪とピンク色の瞳をした、とんでもない美少女だった。
「…嘘でしょ?これが私?」
ほっぺをつねってみると鏡の中の美少女も同じようにつねられている。
何で?ここにくる前はもっと普通の顔をしていたはず。こんな色でもなかったし。
「聖女様?どうされました?」
神父さんが心配そうに聞いてくる。思考停止した頭で私はさっきの神父さんの質問に答えていた。
「…私の名前は、如月明梨(きさらぎあかり)です…」
子供の前には車が迫ってきていて。
多分ブレーキも間に合わなくて。
気づいた時には体が動いていた。
異世界に転生したらチート聖女でした。
「…え?」
は、と目を覚ますと、私は水の中にいた。急に息ができなくなって慌てて水から飛び出そうとすると体がふわりと浮く感じがして、気づいたら地面に立っていた。
「…え?何?どこここ?」
きょろきょろと周りを見回す。私がいたのは街の中で、なぜか噴水の中にいたようだった。ずぶ濡れで寒い。
私の周りには人がいてざわざわと騒いでいる。耳に何か詰まっているのかよく言葉が聞き取れない。
がんばって耳を澄ますと急に聞こえるようになった。
「あの子、今空から!」
「どこからきたんだ?」
「大丈夫かい?」
手を差し伸べてくれたおじさんの手をありがたくとって立ち上がる。おじさんは外国の人のようだった。というか私の人みんな外国の人だ。街並みも日本ぽくないし。
車に轢かれて、知らない場所に。
「えーと、いやいや、まさか」
これってもしかして、いわゆる。
「異世界転生しちゃった?」
私の呟きを聞いたおじさんは何だ?と首を傾げていた。
「どうした、何の騒ぎだ?」
声の聞こえる方を見ると、鎧っぽいものを着たおじさんがいた。ちょっとかっこいい。
「あの子が空から降ってきて」
「あそこの噴水に女の子が落ちてきたんだよ」
「というかあの色…」
がやがやと話す周りの人の話を一通り聞いた鎧のおじさんが私の方を見る。
「よく分からんがとにかく一緒に来てもらおう」
鎧のおじさんは王都を守る騎士だと名乗った。
騎士。王都。鎧。私の知らない外国か異世界だこれ。
とりあえず騎士さんの後をついていくことにする。ずぶ濡れだったはずの全身はいつのまにか乾いていた。
騎士の屯所?のような場所だというところに案内してもらった。
騎士さんはちょっと偉い人らしく、私を連れてきた後は他の人に預けてすぐにどこかに行ってしまった。
事務員さんらしい女の人にお茶を貰った。紅茶っぽい味だ。
「どこから来たんですか?」
事務員さんが興味津々の顔で聞いてくる。噴水の中に空から落ちてきたという話を騎士さんから聞いて気になったんだろう。
と言っても、私にもよく分からない。
「日本から来たんだけど、ここって外国?そもそも地球なのここ?」
事務員さんは不思議そうな顔をする。
「ニホン?チキュウ?知らない場所ですね?ここは」
「失礼する!ここに聖女の証を持つものがいると聞いてきた!」
事務員さんの言葉を遮るように大声がした。声の方を見ると、30代ぐらいの神父さんみたいな服を着た人がいる。
神父さんは私の方を見ると、にっこりと微笑んだ。ずんずん歩いて私のそばに来たと思うと、すっとしゃがんだ。というか跪いた。
「迎えが遅くなり申し訳ありません。異界の聖女様。あなたのお名前をお聞きしても?」
ぎぎぎと音がしそうなぎこちない動きで私は首を事務員さんの方に向ける。
「私が、聖女?」
「ええ、そう見えますよ」
にこやかに頷く事務員さん。神父さんは顔を上げて私のことをじっと見つめている。
聖女に見えるったって、何か顔に紋章が浮かんでるとかじゃあるまいし。
…もしかして浮かんでる?
きょろきょろと周囲を見回して鏡を見つける。自分の顔を確認するために鏡を覗き込んで私は絶句した。
鏡の中にいたのは、ピンク色の髪とピンク色の瞳をした、とんでもない美少女だった。
「…嘘でしょ?これが私?」
ほっぺをつねってみると鏡の中の美少女も同じようにつねられている。
何で?ここにくる前はもっと普通の顔をしていたはず。こんな色でもなかったし。
「聖女様?どうされました?」
神父さんが心配そうに聞いてくる。思考停止した頭で私はさっきの神父さんの質問に答えていた。
「…私の名前は、如月明梨(きさらぎあかり)です…」
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