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ノー、致死量の毒でしたね
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「質問をどうぞ?」
「令嬢は死んだ?」
『ノー、令嬢は死んでいません』
「毒は死ぬことのない弱いもの?」
『ノー、致死量の毒でしたね』
「最初から難しい話じゃない?」
『いいえ、割と簡単な問題だと思いますよ?』
「…スープに毒を入れたのは令嬢?」
『イエス、彼女が毒を入れました』
「彼女が毒入りスープを飲んだ?」
『ノー、彼女はスープを飲んではいません』
「…解答。
彼女は嫌いな人間に毒入りスープを飲ませた。嫌いな人間が死んだから彼女は幸せになった」
『殆どイエス。でも正解にするには曖昧すぎますね』
「まあそうよね。私もそう思うわ」
「毒入りスープを飲んだ人が死ぬことで彼女は利益を手に入れた?」
『イエス、と言うふうにしてもいいと思います』
「彼女はお金を手に入れたことで幸せになった?」
『ノー』
「彼女は爵位を手に入れたことで幸せになった?』
『ノー、にします』
「…彼女が手に入れたのは人?」
『イエス』
「彼女が手に入れたのは恋人…夫?」
『イエス、になるでしょうか』
「待って変えるわ。彼女が手に入れたのは婚約者?」
『イエス。令嬢は婚約者を手に入れました』
「…自分の婚約者に毒入りスープを飲ませた?」
『ノー』
「…ノーなのね。良かった」
『あなたなら飲ませている?』
「…ノーにしておく」
「好きな人に毒を飲ませて弱らせた…いいえ、死んじゃうわね。好きな人の婚約者に毒を飲ませた?」
『イエス!もう少し詰めましょう』
「好きな人の婚約者を殺すと自分が婚約者になれる…何で…?
…解答。
令嬢が殺したのは自分のライバル。相手とは王太子の婚約者の座を巡って争っていた。ライバルを殺したことで彼女が選ばれ、彼女は幸せを手に入れた」
『…惜しい!大枠は合っています。でも王太子、というのは今回の場合は必要ないですね』
「王太子要らないの…?1番大事な部分だと思ったのに…」
『整理します?
令嬢は好きな人を手に入れるために、相手の婚約者を毒殺した。それによって彼女は好きな人を手に入れ幸せになった。
ということですね』
「王太子じゃないのよね…殺せば婚約者を手に入れられる相手……あ」
『何か思いつきました?』
「いやいやいや、まさかね」
『どうぞ?』
「令嬢が殺したのは彼女の家族?」
『…イエス』
「令嬢は死んだ?」
『ノー、令嬢は死んでいません』
「毒は死ぬことのない弱いもの?」
『ノー、致死量の毒でしたね』
「最初から難しい話じゃない?」
『いいえ、割と簡単な問題だと思いますよ?』
「…スープに毒を入れたのは令嬢?」
『イエス、彼女が毒を入れました』
「彼女が毒入りスープを飲んだ?」
『ノー、彼女はスープを飲んではいません』
「…解答。
彼女は嫌いな人間に毒入りスープを飲ませた。嫌いな人間が死んだから彼女は幸せになった」
『殆どイエス。でも正解にするには曖昧すぎますね』
「まあそうよね。私もそう思うわ」
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『イエス、と言うふうにしてもいいと思います』
「彼女はお金を手に入れたことで幸せになった?」
『ノー』
「彼女は爵位を手に入れたことで幸せになった?』
『ノー、にします』
「…彼女が手に入れたのは人?」
『イエス』
「彼女が手に入れたのは恋人…夫?」
『イエス、になるでしょうか』
「待って変えるわ。彼女が手に入れたのは婚約者?」
『イエス。令嬢は婚約者を手に入れました』
「…自分の婚約者に毒入りスープを飲ませた?」
『ノー』
「…ノーなのね。良かった」
『あなたなら飲ませている?』
「…ノーにしておく」
「好きな人に毒を飲ませて弱らせた…いいえ、死んじゃうわね。好きな人の婚約者に毒を飲ませた?」
『イエス!もう少し詰めましょう』
「好きな人の婚約者を殺すと自分が婚約者になれる…何で…?
…解答。
令嬢が殺したのは自分のライバル。相手とは王太子の婚約者の座を巡って争っていた。ライバルを殺したことで彼女が選ばれ、彼女は幸せを手に入れた」
『…惜しい!大枠は合っています。でも王太子、というのは今回の場合は必要ないですね』
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『整理します?
令嬢は好きな人を手に入れるために、相手の婚約者を毒殺した。それによって彼女は好きな人を手に入れ幸せになった。
ということですね』
「王太子じゃないのよね…殺せば婚約者を手に入れられる相手……あ」
『何か思いつきました?』
「いやいやいや、まさかね」
『どうぞ?』
「令嬢が殺したのは彼女の家族?」
『…イエス』
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