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アレンデルに送られてカナリア様の部屋へと向かった
基本的に王族の居住区は関係者以外立ち入れない為に、カナリア様付きの侍女を呼んでから連れて行って貰うのがセオリーなのだが。
しかし、それではカナリア様に時間を取らせるし、アレンデルも自室へ戻る途中だからと案内を買って出てくれたのだ。
「多分、義姉上からのお話は副業のお誘いだと思うんだ。それで、お願いなんだけど、ツーショットは是非私を指名して欲しい。勿論理由は私の恋人の振りをして貰うからだ。まぁ、兄上位なら許容範囲だけどね」
「はぁ、それは何となく理解出来ますが、王太子妃が副業……ですか?」
王太子妃の副業とはなんぞや?
「侍女達の娯楽の一種なんだ。私の側近達や兄上の側近達なんかの写真を販売しているんだよ。義姉上が言われるには『アイドル』なんだと言われていた」
ああ、確かにアレンもルドルフ様もカイザル殿下も国民的アイドルだよね。
「勿論、モデルをした人には肖像権とか言う権利があるからと利益の何割かを還元して貰っているんだ。けど、私も兄上も義姉上に習って孤児院運営や貧困層の雇用促進事業等に充てて貰っているんだ」
そう言ってアレンデルはにこやかに笑う。
カナリア様は貧しい者達にも優しいのだな。
と感心している内に、カナリア様のお部屋へ到着してしまった。
「じゃあ、また後でエリー」
そう言ってアレンデルは私の手を取りチュッとリップ音をさせてキスを落とした。
流石は王族。
演技に隙がない。
そして、私はカナリア様に部屋へと迎え入れられ楽しく食事をする事になったのだ。
ーーーーーーー
「協力とは、もしや噂の副業であるアイドルグッズでしょうか?」
アレンから詳しくは聞いていなかったけど、その辺りだろう。
「やっぱりエリスは前世の記憶があるから話が早くって助かるわ」
カナリア様はホッと胸を撫で下ろす。
「でも、王太子妃がそんな事をして大丈夫なのですか?」
何せ、王太子妃がアイドルの写真集とかグッズとか販売しているなんて堂々と公言出来るものなのだろうか?
「基本的にわたくしや殿下方の収入は孤児院や貧困層の雇用促進の為に使っています。前世でもあったでしょう『チャリティー』って」
そう言って微笑みながらパンを千切って口の中に入れるカナリア様。
確かに、弱者を助ける為にと言う旗頭は大きい。
誰も文句はつけないだろう。
それに……
「もしかして、主人公が孤児院の出だから、それを助ける為に?」
私の言葉にカナリア様は目を大きく見開く。
「そこまで判っちゃうんだ。エリスって優秀なのね。アレンが気に入るわけだわ」
カナリア様は何かを納得するように微笑む。
「そうよ。全ては主人公をあの貧しい孤児院から解放する為にしている事。本来なら入るはずだった国からの助成金を中抜きしていた貴族がいたの。カイザルが内政を取り仕切るようになってからその貴族から爵位と領地を没収し、財産を処分したお金を孤児院に充てたんだけど、それまで色々な金貸しからお金を借りていたらしくってね。私の資産だけでは正常な運営までは難しかったのよ、それでカイザルに『アイドル』の認可をお願いしたの」
苦笑いしながら事の顛末を教えてくれるカナリア様。
きっと一人で全てをどうにかしようと頑張っていたのだろう。
「お姉様。これからは一人ではありません。私も一緒にゲームの破滅フラグ打開に尽力致します」
そうして私達は硬く握手を交わしたのだった。
「そう。ありがとう。後でエリスにもわたくし発案の魔道具のカメラを渡すので、アレンの側近達と仲良くなってプライベート写真お願いね」
そして、無茶振りも発揮された。
因みに、昨夜着用したエドの夜会用の衣装は他のアイドル達の衣装と共にプレミア付き限定2点づつの販売になるそうだ。
但し、あくまでも健全な販売を目的とする為に競りやオークッションではなく抽選での販売になっているらしい。
また、転売も禁止されており、もし転売が発覚した場合は売った方も買った方も永久にプレミア付きの抽選には参加出来なくなるそうだ。
基本的に王族の居住区は関係者以外立ち入れない為に、カナリア様付きの侍女を呼んでから連れて行って貰うのがセオリーなのだが。
しかし、それではカナリア様に時間を取らせるし、アレンデルも自室へ戻る途中だからと案内を買って出てくれたのだ。
「多分、義姉上からのお話は副業のお誘いだと思うんだ。それで、お願いなんだけど、ツーショットは是非私を指名して欲しい。勿論理由は私の恋人の振りをして貰うからだ。まぁ、兄上位なら許容範囲だけどね」
「はぁ、それは何となく理解出来ますが、王太子妃が副業……ですか?」
王太子妃の副業とはなんぞや?
「侍女達の娯楽の一種なんだ。私の側近達や兄上の側近達なんかの写真を販売しているんだよ。義姉上が言われるには『アイドル』なんだと言われていた」
ああ、確かにアレンもルドルフ様もカイザル殿下も国民的アイドルだよね。
「勿論、モデルをした人には肖像権とか言う権利があるからと利益の何割かを還元して貰っているんだ。けど、私も兄上も義姉上に習って孤児院運営や貧困層の雇用促進事業等に充てて貰っているんだ」
そう言ってアレンデルはにこやかに笑う。
カナリア様は貧しい者達にも優しいのだな。
と感心している内に、カナリア様のお部屋へ到着してしまった。
「じゃあ、また後でエリー」
そう言ってアレンデルは私の手を取りチュッとリップ音をさせてキスを落とした。
流石は王族。
演技に隙がない。
そして、私はカナリア様に部屋へと迎え入れられ楽しく食事をする事になったのだ。
ーーーーーーー
「協力とは、もしや噂の副業であるアイドルグッズでしょうか?」
アレンから詳しくは聞いていなかったけど、その辺りだろう。
「やっぱりエリスは前世の記憶があるから話が早くって助かるわ」
カナリア様はホッと胸を撫で下ろす。
「でも、王太子妃がそんな事をして大丈夫なのですか?」
何せ、王太子妃がアイドルの写真集とかグッズとか販売しているなんて堂々と公言出来るものなのだろうか?
「基本的にわたくしや殿下方の収入は孤児院や貧困層の雇用促進の為に使っています。前世でもあったでしょう『チャリティー』って」
そう言って微笑みながらパンを千切って口の中に入れるカナリア様。
確かに、弱者を助ける為にと言う旗頭は大きい。
誰も文句はつけないだろう。
それに……
「もしかして、主人公が孤児院の出だから、それを助ける為に?」
私の言葉にカナリア様は目を大きく見開く。
「そこまで判っちゃうんだ。エリスって優秀なのね。アレンが気に入るわけだわ」
カナリア様は何かを納得するように微笑む。
「そうよ。全ては主人公をあの貧しい孤児院から解放する為にしている事。本来なら入るはずだった国からの助成金を中抜きしていた貴族がいたの。カイザルが内政を取り仕切るようになってからその貴族から爵位と領地を没収し、財産を処分したお金を孤児院に充てたんだけど、それまで色々な金貸しからお金を借りていたらしくってね。私の資産だけでは正常な運営までは難しかったのよ、それでカイザルに『アイドル』の認可をお願いしたの」
苦笑いしながら事の顛末を教えてくれるカナリア様。
きっと一人で全てをどうにかしようと頑張っていたのだろう。
「お姉様。これからは一人ではありません。私も一緒にゲームの破滅フラグ打開に尽力致します」
そうして私達は硬く握手を交わしたのだった。
「そう。ありがとう。後でエリスにもわたくし発案の魔道具のカメラを渡すので、アレンの側近達と仲良くなってプライベート写真お願いね」
そして、無茶振りも発揮された。
因みに、昨夜着用したエドの夜会用の衣装は他のアイドル達の衣装と共にプレミア付き限定2点づつの販売になるそうだ。
但し、あくまでも健全な販売を目的とする為に競りやオークッションではなく抽選での販売になっているらしい。
また、転売も禁止されており、もし転売が発覚した場合は売った方も買った方も永久にプレミア付きの抽選には参加出来なくなるそうだ。
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