僕と彼女の夏の思い出

大里 悠

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First Summer~君と出会った夏の思い出~

予想外の来客

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    森の中からようやく出られた僕は家に少し小走りで行った。
    家に入って廊下を歩いていると、廊下の真ん中で倒れている父を見つけた。
「父さん!?どうしたの?」
    父の身体を比較的楽な体制にしながら聞くと、何処と無くかすれた様な声で、
「……うぅ、その声は修一かい?」
    そう聞いて来たので答えると父は、
「……実は…。」
「実は?」
「と、とてつもなく……酔ったお義父さんと……母さんに酒を……飲まされかけて……。」
「…………何か病気かと思ったよ。びっくりした…。」
    実のところ、父はとてつもなくアルコールに弱く、匂いを嗅ぐだけで顔が紅くなり、一口でも飲んだら立てなくなるほどだ。
    しかし、母は逆にとてつもなくアルコールに強く、度数の高いジンやウォッカ、更にはテキーラを飲んでも顔がほんのり紅くなる程度しか酔わない。
「父さん、大丈夫なの?」
「……多分……無理……出来れば…部屋まで…運んで……。」
   そう言い父は気絶してしまった。
 「……はぁ、運ぶか……。」
    そしてそのまま父の部屋まで背負いながら運んで行った僕は、一度母達に会ってからお風呂に行こうと思い、居間に向かった。
    ふすまを開けると祖父母と母の他に一組の夫婦らしき人がいた。
「あら、修一お帰り。」
    そう母に言われた僕はただいまと言ってから奥にいる夫婦らしき人に付いて聞いてみた。
「ねぇ、母さん。」
「何?修一。」
「あの奥の人達、誰なの?」
    すると母はこう答えた。
「あぁ、まだ紹介してなかったわね。左側にいる女の人が姉の紅葉もみじで、右側にいる男の人が姉の夫の春人はるひとさんよ。」
「「修一君、こんにちは。」」
「あっはい、こんにちは。」
    どちらも優しそうな人だ。そう僕は思った。でも取りあえず初めの目的を済ましてお風呂へ行こう。
「そうだ、母さん。僕先にお風呂入って来るから。」
「そう?じゃあ行ってらっしゃい。」
    そして僕はそのままお風呂場へ歩いて行った。



    僕が出ていった後、
「ねぇ多恵、修一君大きくなったわねぇ。」
「そりゃそうよ。姉さんの方の子も大きくなったでしょ?」
「ええ、そうね。それよりも晩御飯の準備は済んだの?」
「とっくに終わってるわよ。」
「なら良かった。……そう言えば多恵?」
「ん?何、どうかした?」
「お風呂場って今あの子がいたはず何だけど……。」
「確かにそうねぇ。……ま、まぁ多分大丈夫でしょ。」
「もう、軽いわねぇ……。」
「でも、まぁ。一様見てくるわね。」
「はいはい。行ってらっしゃい。」
    という会話があったことなど、僕は知るよしも無かった。



    僕はゆっくりと歩きながら森の中で出会った彼女、美波さんの事が気になっていた。
(美波さん、綺麗な人だったなぁ。また会って見たいけど、早々簡単に会えるかもわからないしな………。)「本当、綺麗だったな。」
    何て事を考えていたが、お風呂場に着いたようだったので、考える事を一旦止めて目の前の扉を開いた。
    すると開いた先には………さっきまで考えていた美波さんが、身体に巻いているバスタオル以外何も身に付けていない姿で立っていた。
「「……ええ!?」」
    驚いた僕は、気が動転したであろう美波さんがこちらに向かって投げてきた何かの容器を避けれず、おもいっきり頭に当たった後、あまりの痛さに気絶してしまった。
    気を失いかけていた僕に見えた物は、いつの間にか近くにいた母の「まさか、本当にこんなこと起こるだなんて……。」と言いながら頬をかいている姿だった。
    その時僕は(分かっていたなら言ってよ!)と思った。しかしすぐに視界が暗くなって行った。

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