僕と彼女の夏の思い出

大里 悠

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First Summer~君と出会った夏の思い出~

起きて見た物は……

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「………天井だな。」
    目を開けてみると、天井が見えた。
    何か凄い物を見た気がしたが、思い出せず少しの間戸惑っていた。しかしなんとか落ち着くことが出来た。そのとき
「…あの、大丈夫ですか?」
という声が横から聴こえたので目線を横の方にずらしたら、そこには何故か美波さんが座っていて、どうやらこちらを気にしているようだった。
「あっはい、大丈夫です。」
    そう答えると安心したようで、ほっと息を吐いていた。



    暫くは静かな状況が続いていたが、美波さんが確認をするように聞いてきた。
「……あの、倒れる前の事、覚えてますか?」
「いや、あの…何かに当たって倒れたのは覚えているんですけど、その前の事がよく思い出せないんです。」
「い、いえ!それなら大丈夫です!なので思い出さなくてもいいです!」
「は、はい!」
    そこまで言うのなら思い出さない方が良いのだろう。それにしても綺麗だな。というか、本当に何故美波さんがここに居るのだろう?
    そんな事を考えていると、襖を開けて母が入ってきた。
「あっ、修一起きたの?なら晩御飯だから彩夏ちゃんと一緒に居間まで来るのよ?」
「は~い。」
    と、僕は答えた。
「じゃあ、美波さん。行きましょうか。」
「そうですね。」(まぁ、後で母さんに聞くか。)
    そう言って、先に行った母を追って部屋を出た。



    居間に着いた後、空いている所に座ってから全員で声を合わせて、
「「「いただきます!」」」
    と言ってご飯を食べ初めた。
「ねぇ母さん。」
「ん?どうしたの、修一。」
「美波さんがここにいたのは何で?」
「……あっあの子の事、言ってなかったか。あの子はね、姉さんの子どもだから修一からすると、いとこになるわね。」
「へぇ、そうなんだ。」
    美波さんがいた理由を聞いていた時、近くに座っていた春人さんに話しかけられた。
「そう言えば修一君、身体の方は大丈夫だったかい?」
「え?あっはい、大丈夫ですよ。」
(寝る前に何があったんだろぅ?)
「そうか、ならよかった。あっ、それともうひとつ、聞いて良いかな?」
「どうしました?」
「いや何、さっきのおふ「ちょっと!お父さん!」ん?何だい?」
「その事は蒸し返さなくて良いから!」
「そ、そうなのか?なら、やめておくよ。」
    という会話もあった。気になったが美波さんから(聞かないで!)と言っている様な視線を送られたので、流石に考えるのはやめておいた。
    ただ、それよりも気になっていたのが、机の真ん中にある大きな塊の肉の方にで、そちらの方に思考が行っていた。
「ねぇ、父さん。あの真ん中のお肉って何?なんかでかいけど。」
「あぁ、あれはね、ここの近くの森から出てきた熊をお義父さんが仕留めたらしいよ?しかも素手で。」
「………まじか。」
    ある意味、今日一番驚いたかも知れない内容だった。母の家族はやっぱり超人なのか?と本気で思ってしまった。



    ご飯を食べ終えた後、母と春人さんと紅葉さんはそのままお酒を飲みだし、美波さんは部屋に戻るようだ。
「お父さんはどうするの?」
「あぁ、僕は母さんに歌って欲しいって言われててね。」
    実は父は趣味として歌を歌っていて、しかも一人で何人もの人の声を出せるらしい。
……それを考えると父も随分凄い人だと思う。
「じゃあ、僕はお風呂に入ってから先に寝てるね。」
「うん。お休み修一。」
    そのあと僕は何事もなくお風呂に入ってから部屋に戻って布団で寝初めた。
(………それにしても、なんだか既に一回お風呂に行った様な気がするんだけど、何でだろう?)
    僕はそんな事を考えていたが特に気にすることも無く、意識は徐々に沈んで行った。

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