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First Summer~君と出会った夏の思い出~
別れ
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次の日の朝、僕は父に起こされる前に起きる事ができた。寝間着姿から着替えている途中で、父が部屋にやって来た。
「修一~朝だよ、ってもう起きてたんだ。おはよう、修一。」
「おはよう。」
「出発する前にやることがあるから、朝ご飯を作るの手伝って、って母さんが言ってたよ。」
出発するのは昼頃からと言っていたので、少しならゆっくり出来るかなと思っていたが、どうやら忙しいらしく朝ご飯の準備を手伝わされた。
母と一緒に朝ご飯を作った後、春人さんや紅葉さん達もやって来た。
「修一くん、おはよう。」
「おはようございます。」
「そう言えば、修一くん達は今日帰るんだったよね。多恵も大変ねぇ。まぁ、帰る時に事故に遭わないように気を付けてね?」
「もう姉さん。分かってるから、そっちも気を付けてね。」
紅葉さん達は、僕達が今日帰ることになったと聞いて、急いで見送りに来てくれたらしい。それでもまた戻らなければならないらしく、大変そうだと思った。
少ししてから、彩夏さんも来てようやく全員揃ったので、皆でご飯を食べ始めた。
「そうだ、ねぇ母さん。」
「ん?…どうしたの?修一。」
「出発する前にやることってなんなの?」
「あ~それね。単純に準備が終わってないだけだから、修一も終わってなかったら早くやってね。」
「いや、荷物も少ないしもう終わってるよ。」
「あら、そうなの?じゃぁ……荷物を車に積んどいて、そのあとは…まぁ軽く暇潰しでもしてて。」
「うん、分かったよ。」
昨日の夜全て用意してしまったからやることが無くなってしまったみたいだ。
ご飯を食べ終えた後、本当にやることが無く暇をもて余していたら、部屋に彩夏さんがやって来た。
「彩夏さん、どうしたんですか?」
「あの、修一さんにこれを渡したくて。」
彩夏さんがそう言って僕に渡したのは、一冊の本だった。僕は、渡された本を持ちながら、彩夏さんに本について質問をした。
「…この本が、どうかしたんですか?」
「次に会った時に、この本の感想が聞きたいな、と思ったので。それに、この本についても一緒に話したいので、是非読んで欲しいんです……。」
僕がした質問について、若干伏し目がちで、さらに顔が少しずつ紅くなりながら話す彩夏さんを見て、僕は、改めて彩夏さんは綺麗だしかわいいな、と思った。
「彩夏さん、この本、絶対に読みますから。そして、次会った時に今回よりも、もっと話したいです。なので、出来れば僕のこの本も持っていて欲しいんです。」
僕はそう言ってから、本を入れておいたバッグから、『幸せの木の下で』の本を取り出して、彩夏さんに手渡した。
すると彩夏さんは少し驚いた顔をしながら、
「えっ、良いんですか?その本、唯一の思い出なのでしょう?」
そう言う彩夏さんに僕は、
「はい、なので次会った時にその本のことでも沢山、話したいんです。」
と、言った。
「なら、お互いにお互いの本を読み合うんですね?…また会う時が楽しみですね。」
「そうですね。」
そして僕達は互いに微笑み合った。
またしばらく話した後、母が時間になったのでそろそろ行くと、伝えに来た。
彩夏さん達は、車の置いてある山の麓まで見送りに来てくれるみたいだ。
車に乗り込む直前、彩夏さんが僕の肩を叩いて話し掛けてくれた。
「……修一さん。」
「…はい。」
「絶対に、また、会いましょうね。」
「はい、絶対に。」
僕はそう言ってから車に乗り込み、出発し始めた車の窓を開け、頭と腕を外に出しながら彩夏さん達に手を振り続けた。どんどんと遠ざかって行き、見えなくなるまで手を振っていた。
帰りの車の中、彩夏さんに渡された本を見てみた。
その本はそこそこなサイズの本で、表紙が薄い焦げ茶色をしていた。少し読んでみようとして開いたら、一通の手紙が入っていた。
その手紙は、あそこにいた間の思い出を綴った物だった。手紙を読みながら、僕は心の中で、また来たいと、何度も思いながら、帰って行った。
「修一~朝だよ、ってもう起きてたんだ。おはよう、修一。」
「おはよう。」
「出発する前にやることがあるから、朝ご飯を作るの手伝って、って母さんが言ってたよ。」
出発するのは昼頃からと言っていたので、少しならゆっくり出来るかなと思っていたが、どうやら忙しいらしく朝ご飯の準備を手伝わされた。
母と一緒に朝ご飯を作った後、春人さんや紅葉さん達もやって来た。
「修一くん、おはよう。」
「おはようございます。」
「そう言えば、修一くん達は今日帰るんだったよね。多恵も大変ねぇ。まぁ、帰る時に事故に遭わないように気を付けてね?」
「もう姉さん。分かってるから、そっちも気を付けてね。」
紅葉さん達は、僕達が今日帰ることになったと聞いて、急いで見送りに来てくれたらしい。それでもまた戻らなければならないらしく、大変そうだと思った。
少ししてから、彩夏さんも来てようやく全員揃ったので、皆でご飯を食べ始めた。
「そうだ、ねぇ母さん。」
「ん?…どうしたの?修一。」
「出発する前にやることってなんなの?」
「あ~それね。単純に準備が終わってないだけだから、修一も終わってなかったら早くやってね。」
「いや、荷物も少ないしもう終わってるよ。」
「あら、そうなの?じゃぁ……荷物を車に積んどいて、そのあとは…まぁ軽く暇潰しでもしてて。」
「うん、分かったよ。」
昨日の夜全て用意してしまったからやることが無くなってしまったみたいだ。
ご飯を食べ終えた後、本当にやることが無く暇をもて余していたら、部屋に彩夏さんがやって来た。
「彩夏さん、どうしたんですか?」
「あの、修一さんにこれを渡したくて。」
彩夏さんがそう言って僕に渡したのは、一冊の本だった。僕は、渡された本を持ちながら、彩夏さんに本について質問をした。
「…この本が、どうかしたんですか?」
「次に会った時に、この本の感想が聞きたいな、と思ったので。それに、この本についても一緒に話したいので、是非読んで欲しいんです……。」
僕がした質問について、若干伏し目がちで、さらに顔が少しずつ紅くなりながら話す彩夏さんを見て、僕は、改めて彩夏さんは綺麗だしかわいいな、と思った。
「彩夏さん、この本、絶対に読みますから。そして、次会った時に今回よりも、もっと話したいです。なので、出来れば僕のこの本も持っていて欲しいんです。」
僕はそう言ってから、本を入れておいたバッグから、『幸せの木の下で』の本を取り出して、彩夏さんに手渡した。
すると彩夏さんは少し驚いた顔をしながら、
「えっ、良いんですか?その本、唯一の思い出なのでしょう?」
そう言う彩夏さんに僕は、
「はい、なので次会った時にその本のことでも沢山、話したいんです。」
と、言った。
「なら、お互いにお互いの本を読み合うんですね?…また会う時が楽しみですね。」
「そうですね。」
そして僕達は互いに微笑み合った。
またしばらく話した後、母が時間になったのでそろそろ行くと、伝えに来た。
彩夏さん達は、車の置いてある山の麓まで見送りに来てくれるみたいだ。
車に乗り込む直前、彩夏さんが僕の肩を叩いて話し掛けてくれた。
「……修一さん。」
「…はい。」
「絶対に、また、会いましょうね。」
「はい、絶対に。」
僕はそう言ってから車に乗り込み、出発し始めた車の窓を開け、頭と腕を外に出しながら彩夏さん達に手を振り続けた。どんどんと遠ざかって行き、見えなくなるまで手を振っていた。
帰りの車の中、彩夏さんに渡された本を見てみた。
その本はそこそこなサイズの本で、表紙が薄い焦げ茶色をしていた。少し読んでみようとして開いたら、一通の手紙が入っていた。
その手紙は、あそこにいた間の思い出を綴った物だった。手紙を読みながら、僕は心の中で、また来たいと、何度も思いながら、帰って行った。
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