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First Summer~君と出会った夏の思い出~
彩られた夏
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遠ざかって行く車に手を振りながら私、美波彩夏は今年の、去年までとは違う、まったく違った思い出を、まるで遥か昔の思い出のように懐かしんでいた。
私が夏休み等の間、母方の祖父の家に預けられる様になったのは小学4年生の頃でした。
その頃、私は呼吸器系不全症という病を発症し、最低限綺麗な環境でないと軽い喘息や、酷いときには呼吸が困難になることもありました。
それが理由で、都会の住宅街から、山に近い、工場等が無い町に引っ越して来ました。
しかし、父も母も仕事が忙しくなり夏休み等の長期休みの間は安全を考えて、祖父の家に預けられる様になったのです。
小学生の頃の私は病気の事もあり、あまり友達と言えるような人が居ませんでした。それは引っ越す前も、後もそうでした。
唯一友達と呼べるような人もいたには居たのですが、引っ越して来た場所がそれなりに遠く、更にお互い愛称で呼び会っていたので本名もかなりあやふやでしか覚えていなかった為、恐らくまた会っても直ぐには思い出せそうに有りませんでした。
一つ約束をしましたけれど、彼が覚えていてくれるかも分からないのです。
そうして私は、そのままの状態で中学校の3年間を過ごし、卒業後は近くの高校に通う事になりました。
そして高校生活初の夏休み、私は彼、稲荷修一さんと出会いました。
高校生活初めての夏休み、私は去年までと同じように祖父の家に行くことになりました。
唯一、去年までと違った所は、夏休みに入ってからすぐでは無く、8月の中頃に祖父の家へ行ったことでした。
理由は単純でした。
祖父達が8月の中頃まで用事で留守にしていた事と、母達のやっていた大きな仕事というものが終わったばかりで、ほとんどの人が休みを取れることになったからです。
ただ、祖父の家に行く頃にはまた仕事が出来、祖父達もちょうど帰って来たようでした。
そのような事もあり、例年とはおよそ2、3週間程遅れて祖父の家に向かいました。
今年も祖父の家へ向かっている途中、私は毎年本を読む際に使っていた切り株の所を見に行きましたが、そこは去年と変わらず穏やかな光が射し込んでいました。
確認した後は、祖父の家に荷物を置いて、本を持って先ほどの場所へ向かって行きました。
それから、しばらくは本を読んでいましたが、ふと、何気なく、本を読むために下に向けていた目線を上げてみました。
目線の先には木々の間からこちらを見つめたまま動きを止めている、およそ同年代ぐらいの男性が立っていました。
しばらくしても反応がなかったので、私は声をかけて見ました。
「あの、貴方はいったい誰でしょうか?」
すると、ようやく気付いたようで少し戸惑いながら返事をしてくれました。
「あっ、あの、えっと……ま、迷子です。」
まさか、自分から迷子だと言う人が本当にいるとは、と思いながらこれにどう答えるのが良いか考えてみましたが、改めて考えてみると随分とおかしな答えだと思ってしまい、思わず笑ってしまいました。
私が笑ってしまったのを見てどうやら恥ずかしくなってしまったようで、顔が少し紅くなっていました。
私が夏休み等の間、母方の祖父の家に預けられる様になったのは小学4年生の頃でした。
その頃、私は呼吸器系不全症という病を発症し、最低限綺麗な環境でないと軽い喘息や、酷いときには呼吸が困難になることもありました。
それが理由で、都会の住宅街から、山に近い、工場等が無い町に引っ越して来ました。
しかし、父も母も仕事が忙しくなり夏休み等の長期休みの間は安全を考えて、祖父の家に預けられる様になったのです。
小学生の頃の私は病気の事もあり、あまり友達と言えるような人が居ませんでした。それは引っ越す前も、後もそうでした。
唯一友達と呼べるような人もいたには居たのですが、引っ越して来た場所がそれなりに遠く、更にお互い愛称で呼び会っていたので本名もかなりあやふやでしか覚えていなかった為、恐らくまた会っても直ぐには思い出せそうに有りませんでした。
一つ約束をしましたけれど、彼が覚えていてくれるかも分からないのです。
そうして私は、そのままの状態で中学校の3年間を過ごし、卒業後は近くの高校に通う事になりました。
そして高校生活初の夏休み、私は彼、稲荷修一さんと出会いました。
高校生活初めての夏休み、私は去年までと同じように祖父の家に行くことになりました。
唯一、去年までと違った所は、夏休みに入ってからすぐでは無く、8月の中頃に祖父の家へ行ったことでした。
理由は単純でした。
祖父達が8月の中頃まで用事で留守にしていた事と、母達のやっていた大きな仕事というものが終わったばかりで、ほとんどの人が休みを取れることになったからです。
ただ、祖父の家に行く頃にはまた仕事が出来、祖父達もちょうど帰って来たようでした。
そのような事もあり、例年とはおよそ2、3週間程遅れて祖父の家に向かいました。
今年も祖父の家へ向かっている途中、私は毎年本を読む際に使っていた切り株の所を見に行きましたが、そこは去年と変わらず穏やかな光が射し込んでいました。
確認した後は、祖父の家に荷物を置いて、本を持って先ほどの場所へ向かって行きました。
それから、しばらくは本を読んでいましたが、ふと、何気なく、本を読むために下に向けていた目線を上げてみました。
目線の先には木々の間からこちらを見つめたまま動きを止めている、およそ同年代ぐらいの男性が立っていました。
しばらくしても反応がなかったので、私は声をかけて見ました。
「あの、貴方はいったい誰でしょうか?」
すると、ようやく気付いたようで少し戸惑いながら返事をしてくれました。
「あっ、あの、えっと……ま、迷子です。」
まさか、自分から迷子だと言う人が本当にいるとは、と思いながらこれにどう答えるのが良いか考えてみましたが、改めて考えてみると随分とおかしな答えだと思ってしまい、思わず笑ってしまいました。
私が笑ってしまったのを見てどうやら恥ずかしくなってしまったようで、顔が少し紅くなっていました。
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