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第一章
チャラ男なんて勘弁して
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誰?すごく綺麗な人……
私は彼に釘付けになる。まるでCGのように美しいが……
「なんて名前?
君のこと、俺に教えてよ」
(うっ……チャラい……)
その美しい外見とは違い、いかにも軽そうなその口調、勇輝を彷彿とさせた。
私は勇輝の明るさや楽しさに惚れたが、勇輝はただ私といることを楽しんでいただけだ。結局、簡単に体を許してくれた里果に乗り換えることとなった。
(チャラい男は勘弁だわ)
私はきっと彼を睨む。そして、容易に隙を作らないように告げた。
「私は絵麻と言います。
急にこの世界に飛ばされてしまい、家に帰れなくなってしまいました。落ち着くまで、この街で過ごしてもいいでしょうか? 」
すると彼は、まるで愛しい者を見るように目を細める。
(これに騙されてはいけないわ)
私は敢えてきりっとした顔で彼を見返す。すると、彼は口角を上げて優しい声で告げた。
「もちろんだ。
エマの望むものはなんでもあげるし、家だって準備しよう」
彼はそんなに権力のある人なのだろうか。狼狽える私に、彼は余裕の笑みを浮かべて近付いた。そして、そっと私の頬に触れる。
彼が触れた瞬間、またあの温かい気持ちが私を襲う。
(黒竜様に触れた時と同じだわ)
だが、彼は目を細めたまま、私に告げたのだ。
「君はずっとここで暮らせばいい。俺の可愛い子猫ちゃん」
「!!!? 」
私は思わず手を振り払い、後退りする。そして、彼から離れた瞬間、彼から離れるのが名残惜しくも感じる。だが、そんな思いは幻想だと言い聞かせる。だいいち、チャラい男は懲り懲りなんだから!
「私は子猫じゃありません」
平気でクサイ言葉を吐いた美しき彼を、ありったけの敵意を込めて睨む。だが、彼が怯む様子もない。相変わらず優しい瞳で私を見ながら、低く甘い声で告げた。
「俺はクリフォード。クリフと呼んでくれ、こね……」
子猫ちゃんと言われそうだったため、それを慌てて遮る。
「クリフさん!! 」
そして、慌てて付け加えた。
「お、お心遣い、ありがとうございます。
早く元の世界に帰れるように、尽力します」
そう、こんな訳の分からないところに、これ以上いるわけにはいかない。もとの世界には、両親も友達だっている。きっと皆はいなくなった私を心配しているだろうし……大学だってバイトだってある。
(早く帰らなきゃ!! )
考えれば考えるほど、そう思えてくるのであった。
クリフさんは、すぐに私に小さな家を準備してくれた。……というより、はじめは城の中に住めだなんて言われたため、全力で拒否した。誰が住んでいるか分からない城に、住む気にもならなかったのだ。
それでも、クリフさんが準備してくれた私の家は城の敷地内にあり、城と同じような黒一色の一軒家だった。その家は、一人暮らしにしては持て余す広さだ。ワンルームマンションに下宿していた私にとって、広すぎて困ってしまうほどだ。
そして、厄介なことに、このチャラ男クリフさんは予想以上に地位が高いらしい。騎士たちからクリフォード様と呼ばれ、すれ違うたびに頭を下げられている。
(クリフさんなんて呼んでしまった私は大丈夫だったのだろうか)
人々の反応を見るたびに、後悔するのだった。
こうして私の住む家は出来たが……
私は、この世界について、何も知らない。家に帰るため、まずはこの世界について知らなければならないと思った。
ただ、一つ言える確かなこと。それは、ここでは私が住んでいた世界の常識が通用しないということだ。獣みたいな人間がいたり、竜がいたり。はたまた、私が触れると竜の傷が治ったり。おまけにチャラくて偉いクリフさんまで出てきてしまって、よくパニックを起こしていないと我ながら思う。
(まずはこの世界を知るため、人々に聞いて回ろうかなぁ。
でも、見ず知らずの私が聞き回っていたら、警戒されるかなぁ)
そんなことを考えていると、部屋の扉がノックされる。扉を開くと、外には笑顔のクリフさんが立っているではないか。
(うわっ、またチャラ男の登場だ)
そーっと扉を閉めようとするが、クリフさんにがしっと扉を掴まれてしまった。そして笑顔のまま、ずかずかと部屋へ入ってくる。
「エマ、家は気に入ってくれたか?」
「えぇ……まぁ……」
チャラ男には関わりたくないため、クリフさんを家の外に出そうと必死で考える。だが、クリフさんは容赦無い。……容赦無く、炎を吐くドラゴンのように甘い言葉を吐きかけてくるのだ。
「俺は君のことばかり考えていた。
君が城から出ていくと、なぜか酷く寂しくなる」
そんな言葉、出まかせだと分かっている。勇輝だってこうやって私に猛アピールしたのに、最終的には捨てられた。
恨みがましくクリフさんを見上げるが、彼は笑顔のままそっと私の顎に手を伸ばす。そしてそのまま、ぐいっと顎を自らのほうに引き寄せる。
(うわっ、いわゆる顎グイというやつ!? )
混乱しつつも、クリフさんが触れた部分がじんわりと温かい。クリフさんに触れると、どうも体が甘く熱く痺れてしまう。そして、不覚にも安心してしまう自分がいた。
私は彼に釘付けになる。まるでCGのように美しいが……
「なんて名前?
君のこと、俺に教えてよ」
(うっ……チャラい……)
その美しい外見とは違い、いかにも軽そうなその口調、勇輝を彷彿とさせた。
私は勇輝の明るさや楽しさに惚れたが、勇輝はただ私といることを楽しんでいただけだ。結局、簡単に体を許してくれた里果に乗り換えることとなった。
(チャラい男は勘弁だわ)
私はきっと彼を睨む。そして、容易に隙を作らないように告げた。
「私は絵麻と言います。
急にこの世界に飛ばされてしまい、家に帰れなくなってしまいました。落ち着くまで、この街で過ごしてもいいでしょうか? 」
すると彼は、まるで愛しい者を見るように目を細める。
(これに騙されてはいけないわ)
私は敢えてきりっとした顔で彼を見返す。すると、彼は口角を上げて優しい声で告げた。
「もちろんだ。
エマの望むものはなんでもあげるし、家だって準備しよう」
彼はそんなに権力のある人なのだろうか。狼狽える私に、彼は余裕の笑みを浮かべて近付いた。そして、そっと私の頬に触れる。
彼が触れた瞬間、またあの温かい気持ちが私を襲う。
(黒竜様に触れた時と同じだわ)
だが、彼は目を細めたまま、私に告げたのだ。
「君はずっとここで暮らせばいい。俺の可愛い子猫ちゃん」
「!!!? 」
私は思わず手を振り払い、後退りする。そして、彼から離れた瞬間、彼から離れるのが名残惜しくも感じる。だが、そんな思いは幻想だと言い聞かせる。だいいち、チャラい男は懲り懲りなんだから!
「私は子猫じゃありません」
平気でクサイ言葉を吐いた美しき彼を、ありったけの敵意を込めて睨む。だが、彼が怯む様子もない。相変わらず優しい瞳で私を見ながら、低く甘い声で告げた。
「俺はクリフォード。クリフと呼んでくれ、こね……」
子猫ちゃんと言われそうだったため、それを慌てて遮る。
「クリフさん!! 」
そして、慌てて付け加えた。
「お、お心遣い、ありがとうございます。
早く元の世界に帰れるように、尽力します」
そう、こんな訳の分からないところに、これ以上いるわけにはいかない。もとの世界には、両親も友達だっている。きっと皆はいなくなった私を心配しているだろうし……大学だってバイトだってある。
(早く帰らなきゃ!! )
考えれば考えるほど、そう思えてくるのであった。
クリフさんは、すぐに私に小さな家を準備してくれた。……というより、はじめは城の中に住めだなんて言われたため、全力で拒否した。誰が住んでいるか分からない城に、住む気にもならなかったのだ。
それでも、クリフさんが準備してくれた私の家は城の敷地内にあり、城と同じような黒一色の一軒家だった。その家は、一人暮らしにしては持て余す広さだ。ワンルームマンションに下宿していた私にとって、広すぎて困ってしまうほどだ。
そして、厄介なことに、このチャラ男クリフさんは予想以上に地位が高いらしい。騎士たちからクリフォード様と呼ばれ、すれ違うたびに頭を下げられている。
(クリフさんなんて呼んでしまった私は大丈夫だったのだろうか)
人々の反応を見るたびに、後悔するのだった。
こうして私の住む家は出来たが……
私は、この世界について、何も知らない。家に帰るため、まずはこの世界について知らなければならないと思った。
ただ、一つ言える確かなこと。それは、ここでは私が住んでいた世界の常識が通用しないということだ。獣みたいな人間がいたり、竜がいたり。はたまた、私が触れると竜の傷が治ったり。おまけにチャラくて偉いクリフさんまで出てきてしまって、よくパニックを起こしていないと我ながら思う。
(まずはこの世界を知るため、人々に聞いて回ろうかなぁ。
でも、見ず知らずの私が聞き回っていたら、警戒されるかなぁ)
そんなことを考えていると、部屋の扉がノックされる。扉を開くと、外には笑顔のクリフさんが立っているではないか。
(うわっ、またチャラ男の登場だ)
そーっと扉を閉めようとするが、クリフさんにがしっと扉を掴まれてしまった。そして笑顔のまま、ずかずかと部屋へ入ってくる。
「エマ、家は気に入ってくれたか?」
「えぇ……まぁ……」
チャラ男には関わりたくないため、クリフさんを家の外に出そうと必死で考える。だが、クリフさんは容赦無い。……容赦無く、炎を吐くドラゴンのように甘い言葉を吐きかけてくるのだ。
「俺は君のことばかり考えていた。
君が城から出ていくと、なぜか酷く寂しくなる」
そんな言葉、出まかせだと分かっている。勇輝だってこうやって私に猛アピールしたのに、最終的には捨てられた。
恨みがましくクリフさんを見上げるが、彼は笑顔のままそっと私の顎に手を伸ばす。そしてそのまま、ぐいっと顎を自らのほうに引き寄せる。
(うわっ、いわゆる顎グイというやつ!? )
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