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幸せを掴み取った瞬間
第42話 (フリードside)
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次の日。俺はジルと昨日と同じように闘技場にいた。客席の間をグレーと赤色の騎士服を着た騎士たちが歩き回り、不審な行動をする者がいないか見張っていた。
あれから、俺は捕まえた男に色々と話を聞いた。男は俺に怯えて白状し、その言葉にはきっと嘘は無さそうだ。幾度となく尋問を経験した俺は、大概の嘘なら見透かせるようになっていた。そして男が言うには、他にメリッサを妨害する魔術師はいないらしい。だが、念には念を重ねて見張りを強化した。
そんな俺の心配とは裏腹に、メリッサは順調に勝ち上がっていった。メリッサの相手はとうとう男になり、しかもここまでの戦いを勝ち抜いてきた強者だ。だが、そんな男たちにもメリッサは勝ってしまう。あの動きは妖術か何かなのだろうか。俺は魔女を妻に迎えしまったのだろうか。だが、メリッサが魔女であっても俺の気持ちは変わらない。惚れるはずがないと思っていたメリッサにベタ惚れの俺は、もはやメリッサ以外の女は考えられない。
「あいつ……俺に気を遣って、武術大会に出続けることになった」
俺は腕を組んだままメリッサの試合を見つつ、ジルに告げる。するとジルは俺を鼻で笑いながら答えた。
「相変わらず、お好きですね」
俺はジルに馬鹿にされているのだろう。だが、馬鹿にされるほどメリッサに惚れているのだ。
俺は自分の腕には自信がある。メリッサに対しても、守ってやりたいと思っていた。それが、こうやってメリッサに守られるようになるとは。
メリッサは婚約破棄をちらつかせて棄権をしないことを俺に納得させたが、本心はハンスベルク辺境伯領を守りたかったのだろう。こんな健気なメリッサに、俺はさらに惚れてしまう。そして、何があってもメリッサを離してはいけないと強く思った。
「それにしても、メリッサの強さには目を見張るものがあります」
ジルが笑顔で話す。
「まさか、こんなに勝ち上がってくるなんて思ってもいませんでした」
その言葉に頷いていた。
メリッサがここ最近、ずっと特訓をしていることは知っていた。そして、その体にも筋肉がつき、逞しくなっているのも知っていた。だが、まさかここまで強いとは……
「優勝候補のアダムとの対戦も、もうすぐですね」
その言葉に、俺は浮かない顔をしていた。
アダムの試合はもちろん見た。だけど、アダムは薬によるドーピングのせいで、人間離れした体力と力を持っていた。そのパンチは地面に穴を開け、何度攻撃されても立ち上がる。それはまさしく魔獣のようだった。
メリッサには勝ってほしい。だが、アダムとは戦って欲しくない。聖女の治癒力は本物だとしても、死んだものは生き返らせることは出来ない。もし、メリッサが死んでしまったら……そんなことを思うと、また泣いてしまいそうだった。そして自分が一人の女のために涙を流すなんて、信じられない気持ちでいっぱいだった。
……惚れているんだな。
心の中で呟いた。
そんななか、メリッサは強い一撃を放ち、相手を吹っ飛ばす。相手の体が大きな男性は、地面に這いつくばって降参のポーズを取った。また、メリッサの勝利だ。
人々は、予想もしなかったメリッサの勝利に沸いた。そして、闘技場には大歓声が起こる。
今やメリッサは人々の注目の的だった。そして、人々はメリッサコールまで始める。それを見て嬉しく思ったが……嫉妬もした。メリッサは俺のものだ。これ以上人気が出て、メリッサを妻にと狙う男が出てきて欲しくない。メリッサは俺のものだ。
「フリード様。顔が怖いですよ」
ジルに言われてはっと我に返った。
「心配なのは分かりますが、メリッサを信じるのみでしょう」
信じるか……俺はもとから、メリッサを疑ってはいない。そしてメリッサが婚約破棄をするとも思えない。メリッサは正義感が強くて優しい女性だ。俺がメリッサを守ってやりたいと思っていたのに、いつの間にか俺が守られていた。ハンスベルク辺境伯領のことは気にしなくてもいい。それよりも、メリッサ自身が無事でいて欲しい。
俺は必死に心の中で祈った。
メリッサが傷つきませんように。
メリッサが、自分で満足出来る戦いが出来ますように。
……メリッサが、これからもずっと俺を愛し、俺の隣にいてくれますように。
あれから、俺は捕まえた男に色々と話を聞いた。男は俺に怯えて白状し、その言葉にはきっと嘘は無さそうだ。幾度となく尋問を経験した俺は、大概の嘘なら見透かせるようになっていた。そして男が言うには、他にメリッサを妨害する魔術師はいないらしい。だが、念には念を重ねて見張りを強化した。
そんな俺の心配とは裏腹に、メリッサは順調に勝ち上がっていった。メリッサの相手はとうとう男になり、しかもここまでの戦いを勝ち抜いてきた強者だ。だが、そんな男たちにもメリッサは勝ってしまう。あの動きは妖術か何かなのだろうか。俺は魔女を妻に迎えしまったのだろうか。だが、メリッサが魔女であっても俺の気持ちは変わらない。惚れるはずがないと思っていたメリッサにベタ惚れの俺は、もはやメリッサ以外の女は考えられない。
「あいつ……俺に気を遣って、武術大会に出続けることになった」
俺は腕を組んだままメリッサの試合を見つつ、ジルに告げる。するとジルは俺を鼻で笑いながら答えた。
「相変わらず、お好きですね」
俺はジルに馬鹿にされているのだろう。だが、馬鹿にされるほどメリッサに惚れているのだ。
俺は自分の腕には自信がある。メリッサに対しても、守ってやりたいと思っていた。それが、こうやってメリッサに守られるようになるとは。
メリッサは婚約破棄をちらつかせて棄権をしないことを俺に納得させたが、本心はハンスベルク辺境伯領を守りたかったのだろう。こんな健気なメリッサに、俺はさらに惚れてしまう。そして、何があってもメリッサを離してはいけないと強く思った。
「それにしても、メリッサの強さには目を見張るものがあります」
ジルが笑顔で話す。
「まさか、こんなに勝ち上がってくるなんて思ってもいませんでした」
その言葉に頷いていた。
メリッサがここ最近、ずっと特訓をしていることは知っていた。そして、その体にも筋肉がつき、逞しくなっているのも知っていた。だが、まさかここまで強いとは……
「優勝候補のアダムとの対戦も、もうすぐですね」
その言葉に、俺は浮かない顔をしていた。
アダムの試合はもちろん見た。だけど、アダムは薬によるドーピングのせいで、人間離れした体力と力を持っていた。そのパンチは地面に穴を開け、何度攻撃されても立ち上がる。それはまさしく魔獣のようだった。
メリッサには勝ってほしい。だが、アダムとは戦って欲しくない。聖女の治癒力は本物だとしても、死んだものは生き返らせることは出来ない。もし、メリッサが死んでしまったら……そんなことを思うと、また泣いてしまいそうだった。そして自分が一人の女のために涙を流すなんて、信じられない気持ちでいっぱいだった。
……惚れているんだな。
心の中で呟いた。
そんななか、メリッサは強い一撃を放ち、相手を吹っ飛ばす。相手の体が大きな男性は、地面に這いつくばって降参のポーズを取った。また、メリッサの勝利だ。
人々は、予想もしなかったメリッサの勝利に沸いた。そして、闘技場には大歓声が起こる。
今やメリッサは人々の注目の的だった。そして、人々はメリッサコールまで始める。それを見て嬉しく思ったが……嫉妬もした。メリッサは俺のものだ。これ以上人気が出て、メリッサを妻にと狙う男が出てきて欲しくない。メリッサは俺のものだ。
「フリード様。顔が怖いですよ」
ジルに言われてはっと我に返った。
「心配なのは分かりますが、メリッサを信じるのみでしょう」
信じるか……俺はもとから、メリッサを疑ってはいない。そしてメリッサが婚約破棄をするとも思えない。メリッサは正義感が強くて優しい女性だ。俺がメリッサを守ってやりたいと思っていたのに、いつの間にか俺が守られていた。ハンスベルク辺境伯領のことは気にしなくてもいい。それよりも、メリッサ自身が無事でいて欲しい。
俺は必死に心の中で祈った。
メリッサが傷つきませんように。
メリッサが、自分で満足出来る戦いが出来ますように。
……メリッサが、これからもずっと俺を愛し、俺の隣にいてくれますように。
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