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第一章
22. 数々の名曲≒私の名曲
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館に帰るとすぐに、私は必死で『トルコ行進曲 』を楽譜に書き起こした。この曲は、モーツァルトというこれまた偉大な作曲家が作ったものだが、この曲すら私の手柄になるのかと不安を覚える。だが、この世界には、モーツァルトなんて知る人はいないようだ。盛大に私の手柄にしようと、諦めがつき始めた。
そうこうしているうちに、あっという間に時間が過ぎた。そして、夕食の時間となる。
「リア様……」
机に張り付いて楽譜を書いている私を、マリーが遠慮がちに呼んだ。振り返ると辺りはすでに暗くなり始めており、館の照明も点いている。
「夕食の準備も出来ました。
将軍をお待ちなのかもしれませんが、将軍は多忙なかたです。いつ帰られるか……」
「……そうですね」
アンドレ様と夕食の約束をしたが、こうやってずっと待っているのも彼の負担になるかもしれない。
「先にいただきましょうか」
だが、アンドレ様と食べたかったな、なんて思ってしまった。私の独りよがりかもしれないが、アンドレ様と食べる食事は、いつもの二倍美味しかった……
立ち上がって食堂へ向かう私に、ヴェラが待ってましたとばかりに聞く。
「それで……リア様と将軍の間には、何があったのです? 」
(やはり、気になりますよね。
でも、申し訳ないのですが……)
「何もないのです」
私は笑顔で答えていた。
「私も、どうしてアンドレ様が心を開いてくださったのか、分からないのです。
でも、こうしてアンドレ様に少し近付けたのが、私は嬉しいです」
「そうですか……」
マリーとヴェラは顔を見合わせて、ふふっと笑う。そんな二人を見て、私も笑ってしまった。
この館の使用人たちは、アンドレ様の対応に手を焼いていた。そこへ私が来てしまったのだ。夫婦なのに話すらしない私たちを見て、さらに暗い気持ちになっていたのだろう。
アンドレ様と共に食事をするようになって、使用人たちの表情も明るくなってきたのがよく分かる。この館で、アンドレ様と私のために働いてくださっているのだ。皆さんにも、明るい気持ちで働いてもらいたい。
そんなことを思いながら階段を降りていると、不意に玄関の扉が開いた。随分寒くなった外の風が館のカーテンを巻き上げる。そして、寒い風とともに身を竦めて館に入ってきたのは、紛れもないアンドレ様だった。
「おかえりなさい、アンドレ様」
私は階段を急いで降り、アンドレ様の近くへ駆け寄る。アンドレ様は顔を上げ、私を見る。その瞳が温かい光を帯び、口角が少し上がる。
「ただいま、リア」
彼は優しく告げ、そっと私の頬に触れる。その瞬間……
「冷たい……」
予想以上にアンドレ様の手が冷たく、ヒヤッとした感覚が頬に走る。アンドレ様は申し訳なさそうに手を引こうとするが、私は彼の手にそっと手を重ねていた。私の手に挟まれると、冷え切った大きな手は少しずつ熱を持つ。
「寒いなか、お疲れ様でした」
アンドレ様は頬を緩めて私を見る。その笑顔を見るだけで、待っていて良かったと思ってしまう。幸せってこういうものなのだと思ってしまう。
アンドレ様は手だけでなく、全身が冷え切っているようだった。並んで歩くだけで、その冷たさが伝わってくるほどに。だが、不思議にも少し息を切らしている。
やがて、アンドレ様は申し訳なさそうに告げた。
「遅くなってすまなかった」
(あぁ、そうなのか。アンドレ様は寒いなか、急いで帰ってきてくださったんだ)
そう思うと、胸が温かい気持ちでいっぱいになる。同時に、アンドレ様に早く休んで欲しいと思ってしまう。
「ヴェラ。アンドレ様に、温かい飲み物をお願いします。それに、毛布も……」
「いや、大丈夫だ」
私の言葉をアンドレ様が遮る。そして、そのまま静かに告げた。
「君が温めてくれたから、もう寒くない」
「……え? 」
思わず見上げると、アンドレ様の菫色の瞳と視線がぶつかり、真っ赤になって慌てて前を向く。不思議だ、何も特別なことはしていないのに、こうも緊張してしまうなんて。それに……変な気を起こさないようにしているのに、こうも優しくされると勘違いしてしまいそうになる。
アンドレ様との夕食。いまだに何を話せばいいのか分からず、カチコチになる。気まずい沈黙が続くこともある。アンドレ様の気分を害することを言わないようにと、細心の注意を払う。それでも、二人で食べる食事はとても美味しい。
「リア。君のことは、宮廷でも噂になっている」
アンドレ様は唐突に私に告げる。それで、
「えっ!? 」
思わず声を出してしまった。
(私のことが噂になっているだなんて……まさか、悪い噂でしょうか。
あんな貧乏な女はアンドレ様に似合わないだとか、アンドレ様が可哀想だとか……)
アンドレ様に迷惑をかけてしまったのではないかと思い、知らないうちに暗い顔になっていたようだ。こんな私を見て、アンドレ様は静かに続ける。
「安心しろ」
顔を上げると、アンドレ様の綺麗な瞳と視線がぶつかり、また真っ赤になってしまう私。こうやって、アンドレ様の一挙一動に狂わされている。
「噂というのは、君には天才的な音楽の才能があるということだ。
この世界には、君の弾く曲よりも素晴らしい曲が存在しない」
その言葉を聞き、微かな違和感を感じた。アンドレ様は、あたかも別の世界があるような言い方をする。
(まさか、アンドレ様も……
いや、そんなはずはないですよね)
心の中で思い直した。
そうこうしているうちに、あっという間に時間が過ぎた。そして、夕食の時間となる。
「リア様……」
机に張り付いて楽譜を書いている私を、マリーが遠慮がちに呼んだ。振り返ると辺りはすでに暗くなり始めており、館の照明も点いている。
「夕食の準備も出来ました。
将軍をお待ちなのかもしれませんが、将軍は多忙なかたです。いつ帰られるか……」
「……そうですね」
アンドレ様と夕食の約束をしたが、こうやってずっと待っているのも彼の負担になるかもしれない。
「先にいただきましょうか」
だが、アンドレ様と食べたかったな、なんて思ってしまった。私の独りよがりかもしれないが、アンドレ様と食べる食事は、いつもの二倍美味しかった……
立ち上がって食堂へ向かう私に、ヴェラが待ってましたとばかりに聞く。
「それで……リア様と将軍の間には、何があったのです? 」
(やはり、気になりますよね。
でも、申し訳ないのですが……)
「何もないのです」
私は笑顔で答えていた。
「私も、どうしてアンドレ様が心を開いてくださったのか、分からないのです。
でも、こうしてアンドレ様に少し近付けたのが、私は嬉しいです」
「そうですか……」
マリーとヴェラは顔を見合わせて、ふふっと笑う。そんな二人を見て、私も笑ってしまった。
この館の使用人たちは、アンドレ様の対応に手を焼いていた。そこへ私が来てしまったのだ。夫婦なのに話すらしない私たちを見て、さらに暗い気持ちになっていたのだろう。
アンドレ様と共に食事をするようになって、使用人たちの表情も明るくなってきたのがよく分かる。この館で、アンドレ様と私のために働いてくださっているのだ。皆さんにも、明るい気持ちで働いてもらいたい。
そんなことを思いながら階段を降りていると、不意に玄関の扉が開いた。随分寒くなった外の風が館のカーテンを巻き上げる。そして、寒い風とともに身を竦めて館に入ってきたのは、紛れもないアンドレ様だった。
「おかえりなさい、アンドレ様」
私は階段を急いで降り、アンドレ様の近くへ駆け寄る。アンドレ様は顔を上げ、私を見る。その瞳が温かい光を帯び、口角が少し上がる。
「ただいま、リア」
彼は優しく告げ、そっと私の頬に触れる。その瞬間……
「冷たい……」
予想以上にアンドレ様の手が冷たく、ヒヤッとした感覚が頬に走る。アンドレ様は申し訳なさそうに手を引こうとするが、私は彼の手にそっと手を重ねていた。私の手に挟まれると、冷え切った大きな手は少しずつ熱を持つ。
「寒いなか、お疲れ様でした」
アンドレ様は頬を緩めて私を見る。その笑顔を見るだけで、待っていて良かったと思ってしまう。幸せってこういうものなのだと思ってしまう。
アンドレ様は手だけでなく、全身が冷え切っているようだった。並んで歩くだけで、その冷たさが伝わってくるほどに。だが、不思議にも少し息を切らしている。
やがて、アンドレ様は申し訳なさそうに告げた。
「遅くなってすまなかった」
(あぁ、そうなのか。アンドレ様は寒いなか、急いで帰ってきてくださったんだ)
そう思うと、胸が温かい気持ちでいっぱいになる。同時に、アンドレ様に早く休んで欲しいと思ってしまう。
「ヴェラ。アンドレ様に、温かい飲み物をお願いします。それに、毛布も……」
「いや、大丈夫だ」
私の言葉をアンドレ様が遮る。そして、そのまま静かに告げた。
「君が温めてくれたから、もう寒くない」
「……え? 」
思わず見上げると、アンドレ様の菫色の瞳と視線がぶつかり、真っ赤になって慌てて前を向く。不思議だ、何も特別なことはしていないのに、こうも緊張してしまうなんて。それに……変な気を起こさないようにしているのに、こうも優しくされると勘違いしてしまいそうになる。
アンドレ様との夕食。いまだに何を話せばいいのか分からず、カチコチになる。気まずい沈黙が続くこともある。アンドレ様の気分を害することを言わないようにと、細心の注意を払う。それでも、二人で食べる食事はとても美味しい。
「リア。君のことは、宮廷でも噂になっている」
アンドレ様は唐突に私に告げる。それで、
「えっ!? 」
思わず声を出してしまった。
(私のことが噂になっているだなんて……まさか、悪い噂でしょうか。
あんな貧乏な女はアンドレ様に似合わないだとか、アンドレ様が可哀想だとか……)
アンドレ様に迷惑をかけてしまったのではないかと思い、知らないうちに暗い顔になっていたようだ。こんな私を見て、アンドレ様は静かに続ける。
「安心しろ」
顔を上げると、アンドレ様の綺麗な瞳と視線がぶつかり、また真っ赤になってしまう私。こうやって、アンドレ様の一挙一動に狂わされている。
「噂というのは、君には天才的な音楽の才能があるということだ。
この世界には、君の弾く曲よりも素晴らしい曲が存在しない」
その言葉を聞き、微かな違和感を感じた。アンドレ様は、あたかも別の世界があるような言い方をする。
(まさか、アンドレ様も……
いや、そんなはずはないですよね)
心の中で思い直した。
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