お漏らしタイムリープ

紗蓮栄龍

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第26話:お泊り女子会


夏休みも中盤に差し掛かり、先日海水浴で大いに楽しんだ架来、藍子、萌花の3人は、今日は架来の家で一泊のお泊りイベントを企画していた。土曜日ということもあり、昼間から三人でゲームをしたり、萌花の熱烈なオタクトークに藍子と架来が気圧されそうになったりしながらも、大いに盛り上がっていた。

夜になり、お風呂も済ませて各自パジャマに着替える。架来の部屋には三つの布団が並べられ、枕を寄せ合うように配置された。架来は林間学校と同じ、お気に入りの赤白チェックのパジャマを着ている。そして、寝る前の定番として、以前林間学校でも白熱した因縁のババ抜きをすることになった。この日の架来は絶好調だ。ここまで、最下位回数は藍子が4回、萌花が4回、そして架来はなんと0回と、まさにノリノリの状態であった。

(麗奈がいないので気楽に勝負できてるからかしら?)

なんて考えながら、最後の勝負も順調に勝ち進む。結果は萌花の負けで、彼女が5回目の最下位となり、ついに決着となった。架来の快勝で、罰ゲームは架来から萌花へと命じられることになった。

「うぅ、架来ちゃん強すぎだよー」

萌花が悔しそうに声を上げた。

「絶好調だったね」

藍子も、笑顔で架来を称える。

「ふふん、こんな完全勝利なら藍子にも罰ゲームじゃないかなぁ?」

架来は上機嫌で冗談を言いながら、罰ゲームの発表を焦らす。

「とりあえず電気消して寝る準備しましょ。罰ゲームは布団に入ってから発表ということで」

薄暗い部屋で、三人はそれぞれ布団に入った。真っ暗な中で、架来の声が響く。

「じゃあ、さっきの罰ゲームだけど…」

架来は、なんとなく最近気になっていたことを二人に聞いてみることにした。それは、彼女自身の秘密にも関わる、少しデリケートな話題だった。

「萌花はさぁ、一番最近でトイレの失敗というか、我慢できなくてお漏らししちゃったなんて経験ある?」

思わぬ展開に、二人は息をのむ。布団の中で、萌花が体を縮こまらせる気配が伝わる。

「ええー、何その話題…そんなの無いし、恥ずかしいよぉ」

萌花の声が震え、布団がごそごそと動く音がする。藍子も

「わ、わわ、急に何よー!」

と驚きの声を上げる。

「あら、そんなこと言ってー、そのリアクションはあるってことじゃない~?」

架来は半分冗談で茶化すが、内心では

(時間を戻してなければ、萌花はこの前の海水浴でお漏らししちゃってたんだけどねー。それは私だけが知ってること)

と、優越感に浸っていた。能力の秘密がバレないよう、慎重に言葉を選ぶ。

「ほらほら、勝者の罰ゲームは絶対だよー!」

萌花はうめき声を上げて、観念したように話し始めた。

「うぅ、、じゃ、じゃあ、中1の時だけど、家族と遊園地に行って、お化け屋敷に入った時…」

「あー、あるあるだね」

架来が相槌を打つ。藍子も

「うんうん、びっくりしちゃったってやつ?」

と畳みかける。布団の中で表情は見えないが、萌花がこっそり頷いているのが分かった。

「う、うん…弟もいて…お化け屋敷出たとき気づかれちゃって、めっちゃ恥ずかしかったよ…弟に『お姉ちゃんおもらししたー!』って大声で言われて、周りの人にジロジロ見られて…そのあと、お母さんに着替え買ってきてもらってトイレで着替えたり…今思い出しても顔から火が出そう…」

萌花の声が小さくなり、布団の中で体を丸める気配がする。弟バレの屈辱が、彼女のオタクらしい内気さを強調し、藍子が、

「かわいそー」

と同情の声を上げる。

次に架来は藍子へと矛先を向けた。

「藍子は?二人完敗だから藍子も言いなさいよ~」

「わ、わたし、、は、小6かなぁ。テレビドラマに夢中になりすぎて気づいたら限界…トイレダッシュしたけど、間に合わなくて…みたいな。リビングの床に少し垂れちゃって…お母さんにバレて、優しく拭いてもらったけど、めっちゃ恥ずかしかったよー」

藍子もまた、自宅での粗相を照れくさそうに告白。布団の中でくすくす笑いが起きる。

「ふぅん、みんな割と最近まで経験があるのねー」二人の話を聞き終えた架来は、余裕の表情でリアクションした。だが、心の中では(私なんて、能力のせいで頻繁に…でも、それは絶対言えないわ)と、動揺がよぎる。

「そういう、架来ちゃんは?」

二人の声が重なる。

「え、えっ!?」

架来は思わず体を硬直させた。

「私は、、完璧主義の私がそんな失敗あるわけないでしょう。それに、ほ、ほら、勝者だから言わなくてもいいでしょ?」

必死で逃れようとする架来だが、藍子に

「そこまで言わせてずるーい。それになんか動揺してる」

と指摘され、萌花にも

「そうですよー、架来ちゃんもあるんでしょ? 完璧すぎて逆に気になるー!」

と畳みかけられる。

「う、うーん、私も小学校の頃、学校帰りに限界で…ってのはあったかなぁ」

架来はごまかすように、能力が目覚めたばかりの頃の経験談をぼかして語った。声が少し上ずって、二人が

「へぇー、意外!」

と反応する。

「ま、お互い、トイレには気を付けましょ」

架来はそう言って、女子会トークを締めくくった。その後、三人は静かに眠りへと落ちていった。

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