1 / 1
1
しおりを挟む
「アビス! お前との婚約は、これにて破棄とする! 今すぐに出ていけ!」
「もちろんです!!」
私は今日、リビルド侯爵に婚約破棄を言い渡された。
もちろん、答えはYESに決まっている。
この婚約は、いわゆる政略結婚というもので、私のお父様がお金に目がくらんで引き受けたものなのだ。
それも年の差は三十もある。
私がちょうど成人を迎える二十歳で、彼が御歳五十歳だ。
余分に食事を摂るせいか、顔は脂まみれ。ぶくぶくに膨れ上がった体は見ていて不快でしかない。
だと言うのに、夜の営みまで求めてくるのだ。
多分、それを全て断ってきたから今回の件に至ったのだろうけれど。
「今すぐに支度して出ていけ!」
唾を撒き散らしながら叫ぶリビルド侯爵を無視して、踵を返した。
自室に戻り、とにかく急いで荷物を詰める。
「やっとこれで解放されるのね!」
感極まって、ガッツポーズをとってしまう。
一応は伯爵令嬢なのだから、もしお父様が見ていたら叱責されていたところだろう。
それよりも、これからどうしましょう。
帰ったところで、きっとお父様は私を勘当するはず。
あれ……もしかして私の居場所ない?
「ま、大丈夫か」
ある程度の魔法は使えるし、剣術の素養もある。
困ったら冒険職に就けば解決するでしょう。
手鏡や化粧道具、剣やお菓子を詰め込んでリュックを背負う。幼い頃に冒険家に憧れて、お母様から貰ったリュックがここで役に立つとは。
少し小さいけれど、ギャップ萌え? 的なのでどうにかなるはず。
よし、と意気込んでドアノブをひねろうとした時だ。
――ガチャ。
突然扉が開いたものだから、思わず退いてしまう。
「ああ、ナトリ様でしたか」
リビルド侯爵のご令息である。
侯爵様とは違い、切れ長の瞳にすっと伸びた鼻梁。白銀の髪はいつ見たって美しい。
一体全体、どういった化学反応からこんな息子が生まれるのやら。
でも、彼とは複雑な関係だ。
なんてったって、リビルド侯爵は一度別の人と結婚を結んでおり、そこで生まれた息子なのだ。
ナトリ様にとって、歳の近い人がお母様になるなんて気持ちが悪くて仕方がなかったに違いない。
少しだけ、気まずくなってしまう。
しかし、その静寂を破ったのはナトリ様であった。
「アビス。お前、婚約……破棄されたんだってな」
喋り方は無事、お父様から受け継いだらしい。
けれど、リビルド侯爵とは違って憎たらしさは感じない。
「ええ……残念ですが、これでお別れですね」
正直、彼と別れるのは残念極まりないと思っている。
なんてったって、とにかくイケメンなのだから。
私は私で面食いなので、そこは問題かも。
だって、血は繋がっていなくても息子なのだから。
……いや、今は違うのか。
ナトリ様は悲しげな表情を浮かべている。
視線は床に落ちており、いつもの彼らしくない。
「どうしたんですの?」
思わず聞いてしまう。
しかし、それが嬉しかったのだろうか。
一瞬、彼は口角を緩めた。
「相談がある。部屋に入ってもいいか? 二人きりで話したい」
「え、ええ。構いませんよ」
そう言って、ナトリ様は椅子に腰を下ろした。
私も椅子に腰をかけ、向かい合う形になる。
……ナトリ様と二人きりなんて、少し緊張するわね。
別にリビルド侯爵と二人きりというシチュエーションは幾度となくあった。
が、やはりイケメンと一緒になると話は違う。
……最高です!
「それで、どうしたのです? どこか緊張しているご様子ですが……」
「あ、ああ……」
膝の上で、ギュッと拳を握っているようだった。
下唇を噛み締め、心底不安そうにしている。
どうも彼らしくない。
いつものナトリ様なら、堂々と、高圧的な態度でいるはずだ。
「お願いがある」
「? 私にできることがあるのであれば」
リビルド侯爵の頼みならあれだが、彼なら聞いてもいいと思った。一応、常識がある方だと認識しているので、無理難題はお願いしてこないはず。
子どものように、胸に手を当ててすぅっと息を吸う素振りを見せたかと思うと、
「俺も連れて行ってくれ」
と言われた。
「…………」
え、嘘でしょう?
私はただ、愕然とする他なかった。
まさか「俺も連れて行ってくれ」と頼まれるとは思わなかったからだ。
「えっと……どうしてか理由を聞いても?」
彼はコクリと頷く。
「俺は父上の素行に飽き飽きしてしまったんだ。政治もそうだ。自分勝手でなりふり構わず他者に迷惑をかける。国王様に提言しようと思っているのだが、手紙を検閲されていて自由が利かない。だから俺も連れて行って欲しいんだ」
少し溜めてから、
「俺と一緒に、この領地を救って欲しい」
真剣な眼差しで、そう言った。
しかしだ。すぐに顔を伏せて、
「そして、俺はお前に惚れてしまったらしい」
と、か細く、ボソリと呟いた。
ええと、ちょっと待って。
国王様に提言するまでは理解できた。もちろん私もそれには協力したいと思っている。なにしろリビルド侯爵には散々嫌な目にあわされたからだ。
だが、わ、わ、わ。
私に惚れた!?
「本気……なの?」
「ああ、俺は本気だ」
ギュッと手を握られる。
男の人らしい、ゴツゴツとした手だ。
しかし、優しさも感じた。
勘ではあるけれど、彼は本当に優しいお人なのだろう。
領民を侯爵以上に気にかけ、救おうとしているのだ。
まだ、私とあまり歳が変わらないというのに、そこまで見通しているのだ。
「……分かりました。一緒に行きましょう」
「ああ! ありがとう!」
そうして、私たちは屋敷の裏口から出ていき、使用人たちにバレないようどうにか敷地内から飛び出した。
その間、彼はなぜかずっと手を握ってくれていた。
理由を尋ねると、「少し、緊張してな」と言っていた。
ふふ、ナトリ様にも可愛らしいところがあるんだな。
それからは本当に大変だった。
冒険者登録をする際に、偽名を使ったのがバレそうになったり、強大なモンスターに襲われたり。
でも、ナトリ様はいつだって私の前に立って守ろうとしてくれた。
「好きな人を傷つけたくないから」
何度もそれを繰り返し言っていた。
正直な話、私は顔がいいから受け入れていた節があったのだが、今は違う。
彼は、本当に心優しい人間で、でも少しだけ不器用で。
そんなナトリ様に、私は恋をしてしまっていた。
でも……一応は元息子なのである。
これって――禁断の恋なのでは?
まあ、いいか。
私は彼が好きで、彼は私が好きで。
それだけでもう、十分だろう。
そして――私たちは王宮の入口前に佇んでいる。
遂にやってきたのだ。
これで――彼の使命は終わるのだ。
そう思うと、少しだけ悲しくなってくる。
きっとナトリ様は一度、自分の領地に戻るのだろう。
そして、私はどうなるのか。
「そう言えば、言い忘れていた」
彼がボソリと呟いた。
「俺と、結婚してくれ。アビス」
あ、あ……嘘でしょう。
あまりにも嬉しくて、握りしめた拳が震えてしまう。
これじゃあ、あの時のナトリ様みたいじゃない。
――当然、答えは決まっていた。
「もちろんです!!」
「もちろんです!!」
私は今日、リビルド侯爵に婚約破棄を言い渡された。
もちろん、答えはYESに決まっている。
この婚約は、いわゆる政略結婚というもので、私のお父様がお金に目がくらんで引き受けたものなのだ。
それも年の差は三十もある。
私がちょうど成人を迎える二十歳で、彼が御歳五十歳だ。
余分に食事を摂るせいか、顔は脂まみれ。ぶくぶくに膨れ上がった体は見ていて不快でしかない。
だと言うのに、夜の営みまで求めてくるのだ。
多分、それを全て断ってきたから今回の件に至ったのだろうけれど。
「今すぐに支度して出ていけ!」
唾を撒き散らしながら叫ぶリビルド侯爵を無視して、踵を返した。
自室に戻り、とにかく急いで荷物を詰める。
「やっとこれで解放されるのね!」
感極まって、ガッツポーズをとってしまう。
一応は伯爵令嬢なのだから、もしお父様が見ていたら叱責されていたところだろう。
それよりも、これからどうしましょう。
帰ったところで、きっとお父様は私を勘当するはず。
あれ……もしかして私の居場所ない?
「ま、大丈夫か」
ある程度の魔法は使えるし、剣術の素養もある。
困ったら冒険職に就けば解決するでしょう。
手鏡や化粧道具、剣やお菓子を詰め込んでリュックを背負う。幼い頃に冒険家に憧れて、お母様から貰ったリュックがここで役に立つとは。
少し小さいけれど、ギャップ萌え? 的なのでどうにかなるはず。
よし、と意気込んでドアノブをひねろうとした時だ。
――ガチャ。
突然扉が開いたものだから、思わず退いてしまう。
「ああ、ナトリ様でしたか」
リビルド侯爵のご令息である。
侯爵様とは違い、切れ長の瞳にすっと伸びた鼻梁。白銀の髪はいつ見たって美しい。
一体全体、どういった化学反応からこんな息子が生まれるのやら。
でも、彼とは複雑な関係だ。
なんてったって、リビルド侯爵は一度別の人と結婚を結んでおり、そこで生まれた息子なのだ。
ナトリ様にとって、歳の近い人がお母様になるなんて気持ちが悪くて仕方がなかったに違いない。
少しだけ、気まずくなってしまう。
しかし、その静寂を破ったのはナトリ様であった。
「アビス。お前、婚約……破棄されたんだってな」
喋り方は無事、お父様から受け継いだらしい。
けれど、リビルド侯爵とは違って憎たらしさは感じない。
「ええ……残念ですが、これでお別れですね」
正直、彼と別れるのは残念極まりないと思っている。
なんてったって、とにかくイケメンなのだから。
私は私で面食いなので、そこは問題かも。
だって、血は繋がっていなくても息子なのだから。
……いや、今は違うのか。
ナトリ様は悲しげな表情を浮かべている。
視線は床に落ちており、いつもの彼らしくない。
「どうしたんですの?」
思わず聞いてしまう。
しかし、それが嬉しかったのだろうか。
一瞬、彼は口角を緩めた。
「相談がある。部屋に入ってもいいか? 二人きりで話したい」
「え、ええ。構いませんよ」
そう言って、ナトリ様は椅子に腰を下ろした。
私も椅子に腰をかけ、向かい合う形になる。
……ナトリ様と二人きりなんて、少し緊張するわね。
別にリビルド侯爵と二人きりというシチュエーションは幾度となくあった。
が、やはりイケメンと一緒になると話は違う。
……最高です!
「それで、どうしたのです? どこか緊張しているご様子ですが……」
「あ、ああ……」
膝の上で、ギュッと拳を握っているようだった。
下唇を噛み締め、心底不安そうにしている。
どうも彼らしくない。
いつものナトリ様なら、堂々と、高圧的な態度でいるはずだ。
「お願いがある」
「? 私にできることがあるのであれば」
リビルド侯爵の頼みならあれだが、彼なら聞いてもいいと思った。一応、常識がある方だと認識しているので、無理難題はお願いしてこないはず。
子どものように、胸に手を当ててすぅっと息を吸う素振りを見せたかと思うと、
「俺も連れて行ってくれ」
と言われた。
「…………」
え、嘘でしょう?
私はただ、愕然とする他なかった。
まさか「俺も連れて行ってくれ」と頼まれるとは思わなかったからだ。
「えっと……どうしてか理由を聞いても?」
彼はコクリと頷く。
「俺は父上の素行に飽き飽きしてしまったんだ。政治もそうだ。自分勝手でなりふり構わず他者に迷惑をかける。国王様に提言しようと思っているのだが、手紙を検閲されていて自由が利かない。だから俺も連れて行って欲しいんだ」
少し溜めてから、
「俺と一緒に、この領地を救って欲しい」
真剣な眼差しで、そう言った。
しかしだ。すぐに顔を伏せて、
「そして、俺はお前に惚れてしまったらしい」
と、か細く、ボソリと呟いた。
ええと、ちょっと待って。
国王様に提言するまでは理解できた。もちろん私もそれには協力したいと思っている。なにしろリビルド侯爵には散々嫌な目にあわされたからだ。
だが、わ、わ、わ。
私に惚れた!?
「本気……なの?」
「ああ、俺は本気だ」
ギュッと手を握られる。
男の人らしい、ゴツゴツとした手だ。
しかし、優しさも感じた。
勘ではあるけれど、彼は本当に優しいお人なのだろう。
領民を侯爵以上に気にかけ、救おうとしているのだ。
まだ、私とあまり歳が変わらないというのに、そこまで見通しているのだ。
「……分かりました。一緒に行きましょう」
「ああ! ありがとう!」
そうして、私たちは屋敷の裏口から出ていき、使用人たちにバレないようどうにか敷地内から飛び出した。
その間、彼はなぜかずっと手を握ってくれていた。
理由を尋ねると、「少し、緊張してな」と言っていた。
ふふ、ナトリ様にも可愛らしいところがあるんだな。
それからは本当に大変だった。
冒険者登録をする際に、偽名を使ったのがバレそうになったり、強大なモンスターに襲われたり。
でも、ナトリ様はいつだって私の前に立って守ろうとしてくれた。
「好きな人を傷つけたくないから」
何度もそれを繰り返し言っていた。
正直な話、私は顔がいいから受け入れていた節があったのだが、今は違う。
彼は、本当に心優しい人間で、でも少しだけ不器用で。
そんなナトリ様に、私は恋をしてしまっていた。
でも……一応は元息子なのである。
これって――禁断の恋なのでは?
まあ、いいか。
私は彼が好きで、彼は私が好きで。
それだけでもう、十分だろう。
そして――私たちは王宮の入口前に佇んでいる。
遂にやってきたのだ。
これで――彼の使命は終わるのだ。
そう思うと、少しだけ悲しくなってくる。
きっとナトリ様は一度、自分の領地に戻るのだろう。
そして、私はどうなるのか。
「そう言えば、言い忘れていた」
彼がボソリと呟いた。
「俺と、結婚してくれ。アビス」
あ、あ……嘘でしょう。
あまりにも嬉しくて、握りしめた拳が震えてしまう。
これじゃあ、あの時のナトリ様みたいじゃない。
――当然、答えは決まっていた。
「もちろんです!!」
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
神託の聖女様~偽義妹を置き去りにすることにしました
青の雀
恋愛
半年前に両親を亡くした公爵令嬢のバレンシアは、相続権を王位から認められ、晴れて公爵位を叙勲されることになった。
それから半年後、突如現れた義妹と称する女に王太子殿下との婚約まで奪われることになったため、怒りに任せて家出をするはずが、公爵家の使用人もろとも家を出ることに……。
悪役令嬢として断罪? 残念、全員が私を庇うので処刑されませんでした
ゆっこ
恋愛
豪奢な大広間の中心で、私はただひとり立たされていた。
玉座の上には婚約者である王太子・レオンハルト殿下。その隣には、涙を浮かべながら震えている聖女――いえ、平民出身の婚約者候補、ミリア嬢。
そして取り巻くように並ぶ廷臣や貴族たちの視線は、一斉に私へと向けられていた。
そう、これは断罪劇。
「アリシア・フォン・ヴァレンシュタイン! お前は聖女ミリアを虐げ、幾度も侮辱し、王宮の秩序を乱した。その罪により、婚約破棄を宣告し、さらには……」
殿下が声を張り上げた。
「――処刑とする!」
広間がざわめいた。
けれど私は、ただ静かに微笑んだ。
(あぁ……やっぱり、来たわね。この展開)
【改稿版】夫が男色になってしまったので、愛人を探しに行ったら溺愛が待っていました
妄夢【ピッコマノベルズ連載中】
恋愛
外観は赤髪で派手で美人なアーシュレイ。
同世代の女の子とはうまく接しられず、幼馴染のディートハルトとばかり遊んでいた。
おかげで男をたぶらかす悪女と言われてきた。しかし中身はただの魔道具オタク。
幼なじみの二人は親が決めた政略結婚。義両親からの圧力もあり、妊活をすることに。
しかしいざ夜に挑めばあの手この手で拒否する夫。そして『もう、女性を愛することは出来ない!』とベットの上で謝られる。
実家の援助をしてもらってる手前、離婚をこちらから申し込めないアーシュレイ。夫も誰かとは結婚してなきゃいけないなら、君がいいと訳の分からないことを言う。
それなら、愛人探しをすることに。そして、出会いの場の夜会にも何故か、毎回追いかけてきてつきまとってくる。いったいどういうつもりですか!?そして、男性のライバル出現!? やっぱり男色になっちゃたの!?
家の全仕事を請け負っていた私ですが「無能はいらない!」と追放されました。
水垣するめ
恋愛
主人公のミア・スコットは幼い頃から家の仕事をさせられていた。
兄と妹が優秀すぎたため、ミアは「無能」とレッテルが貼られていた。
しかし幼い頃から仕事を行ってきたミアは仕事の腕が鍛えられ、とても優秀になっていた。
それは公爵家の仕事を一人で回せるくらいに。
だが最初からミアを見下している両親や兄と妹はそれには気づかない。
そしてある日、とうとうミアを家から追い出してしまう。
自由になったミアは人生を謳歌し始める。
それと対象的に、ミアを追放したスコット家は仕事が回らなくなり没落していく……。
〖完結〗愛しているから、あなたを愛していないフリをします。
藍川みいな
恋愛
ずっと大好きだった幼なじみの侯爵令息、ウォルシュ様。そんなウォルシュ様から、結婚をして欲しいと言われました。
但し、条件付きで。
「子を産めれば誰でもよかったのだが、やっぱり俺の事を分かってくれている君に頼みたい。愛のない結婚をしてくれ。」
彼は、私の気持ちを知りません。もしも、私が彼を愛している事を知られてしまったら捨てられてしまう。
だから、私は全力であなたを愛していないフリをします。
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
全7話で完結になります。
夫から「用済み」と言われ追い出されましたけれども
神々廻
恋愛
2人でいつも通り朝食をとっていたら、「お前はもう用済みだ。門の前に最低限の荷物をまとめさせた。朝食をとったら出ていけ」
と言われてしまいました。夫とは恋愛結婚だと思っていたのですが違ったようです。
大人しく出ていきますが、後悔しないで下さいね。
文字数が少ないのでサクッと読めます。お気に入り登録、コメントください!
【7話完結】婚約破棄?妹の方が優秀?あぁそうですか・・・。じゃあ、もう教えなくていいですよね?
西東友一
恋愛
昔、昔。氷河期の頃、人々が魔法を使えた時のお話。魔法教師をしていた私はファンゼル王子と婚約していたのだけれど、妹の方が優秀だからそちらと結婚したいということ。妹もそう思っているみたいだし、もう教えなくてもいいよね?
7話完結のショートストーリー。
1日1話。1週間で完結する予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる