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魔王を倒しに行く途中で、なぜかワンコがついてきた
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目の前にワンコがいる。
白くてモフモフしたワンコがいる。
つぶらな瞳で僕を見ている。
なにこれ、超カワイイ。
「どうしたんだい? 迷子かな?」
僕はしゃがみ込んでワンコの顔を正面から見据えた。
首輪はついていないようだ。
てことは、野良なのか?
ワンコは「ハッハッハッ」と舌を出しながら、何かを期待しているかのように僕を見ていた。
食べ物でも欲しいのかな。
でも、残念ながら期待されても何も出せない。
僕は今、魔王を倒しに行く旅の途中なのだ。
「ごめんよ、今手持ちがないんだ」
僕はそう言いながらスタスタと歩き出すと、なぜかワンコがついてきた。
なんで?
僕は振り向きざま腰をおろしてワンコに言った。
「ごめんよ、食べ物は持ってないんだ」
そう言って頭をなでなでしてあげる。
ワンコは目をつむって、「クゥン」と鳴いた。
ヤバい。
これ、きた。
ズキュンときた。
いや、待て待て。ダメだ。
今、僕は魔王を倒しに行く旅の途中なのだ。
ワンコに構ってる暇はない。
「ごめんよ、ワンコ。僕、行かなくちゃいけないところがあるから……」
断腸の思いで立ち上がると、僕は再び歩き始めた。
歩き始めたはいいけど、やっぱりワンコがついてくる。
僕って、美味しそうなニオイ発してるのか?
「だーかーらー、ついてきちゃダメだって」
メッ! と怒ってみる。
でも、ワンコには効果がないようだ。
辺りは、人気のない山道。
押しつける相手もいない。
はあ、どうしようか。
目の前に川が見えた。けっこう大きな川だ。
ここを通れば、追いかけてはこまい。
僕は意を決して川に飛び込んだ。
初春の川の水はやっぱり冷たい。
振り返ると、ワンコは「クゥン」と鳴きながら僕を見ている。
よし、追ってはこれないようだ。
僕はいそいそと川を渡った。
向こう岸についてホッとため息をつくと、目の前にワンコがいた。
尻尾を振って僕を待ち構えていた。
なんでだ、ワレ。
辺りを伺って、気づいた。
上流のほうに、橋がある。ワンコはそこを通ってきたのだ。
頭いいな、こいつめ。
ていうか、ずぶ濡れになりながら川を渡った僕ってなんなんだ……。
仕方ないので、途中まで連れてくことにした。
別に、いたからといって困るわけではないし。
と、思いきや、魔物との戦闘でおもいっきり邪魔された。
ウネウネとうごめく木の化け物と戦っていると、ワンコがじゃれてきた。
「わっ、こら、やめろって! 遊んでんじゃないんだよ!」
木の化け物の攻撃を剣で防いでいると、後ろから飛びついてくる。正直、うっとうしい。
「やめろ、やめろって! いた、いたたたた、爪、爪ひっかかってる!」
そんなこんなで、ようやく魔物を倒し終えた僕は、ワンコに説教してやった。
「こらワンコ! お前は何がしたいんだ! 僕は世界を救う旅の途中なんだぞ! お前の相手はしてやれないんだ!」
眉間に皺をよせて本気で叱る僕に、ワンコは舌を出して「ハッハッ」と息を吐いていた。
くそう、何をやってるんだ、僕は。ワンコ相手に本気で説教なんて。
その時、倒したと思っていた木の化け物が甦り、僕に向かって触手を伸ばしてきた。
「───ッ!?」
その突然の攻撃に、僕の身体が硬直する。
や、やられる──!!
そう思った直後、ワンコが目の前に飛び出してきて僕に向かって伸びてくる触手に噛みついた。
動きが止まったところで僕は剣を抜いて触手を切り落とすと、そのまま木の化け物を一刀両断にした。
あ、危なかった……。
見ると、ワンコは切り落とした触手を口にくわえたまま僕を見ている。
もしかして、助けてくれたのか?
頭をなでなでしてあげると、ワンコは気持ちよさそうに目をつむった。
※
それから僕はワンコと旅を続けた。
奥深いダンジョンにも行ったし、活気あふれる王都にも行った。
船にも乗り、いくつかの山を越え、そして伝説の竜に乗って魔王の城までたどり着いた。
魔王のいる玉座の間まで数多のモンスターが立ちふさがったけれど、強くなった僕の敵ではなかった。
玉座の間につくと、魔王がいた。
今までのモンスターとは比べ物にならないくらい禍々しいオーラを放っていた。
こ、怖い……。
それが正直な感想だった。魔王の恐ろしさは、他のモンスターとは比較にならないほど圧倒的だった。
その時、ワンコが「わん」と吠えた。
僕はその声で我に返った。
そうだ、僕は一人じゃない。ワンコという心強い味方がいるんだ。
「いくぞ、ワンコ」
「わん」
僕とワンコは協力して魔王と戦った。
魔王の攻撃は想像以上に激しかったけれど、ワンコがすべて注意をそらしてくれたおかげで僕は喰らうことはなかった。
やがて、魔王の焦りがはっきりと見えてくる。
勝てる。
そう思った瞬間、僕の剣は魔王の身体を貫いていた。
「グオオォォ……」
魔王は断末魔の雄たけびを上げながら崩れ落ちていった。
やった、ついにやったんだ!
「やったぞ、ワンコ! 魔王を倒したんだ!」
振り返ると、ぐったりと倒れているワンコがいた。
「お、おい……、ワンコ!?」
急いで駆け寄ると、ワンコは身体中から大量の血を流していた。
魔王の攻撃をそらしながらも、いくらか喰らっていたらしい。
「おいワンコ、冗談やめろよ……」
ぐったりとしているワンコを抱え起こす。
まさかだろ?
嘘だと言ってくれよ。
ここに来て、死ぬんじゃないよ、お前。
「クゥン」
ワンコはかすれる声で鳴き声を上げていた。
「なんだ、何かしてほしいのか? 食べ物なら、ここに来る前の村でジャーキーをたくさん買っておいたぞ」
ワンコはつぶらな瞳で僕を見ている。
目の前に差し出すジャーキーには見向きもしない。
「違うのか? 食べ物じゃないのか?」
どくどくと溢れる血に、僕の頭はパニックになりそうだった。
「どうしてほしいんだよ、お前!? わかんないよ!!」
ワンコのつぶらな瞳を見て、僕はまさかと思った。
「もしかしてお前、頭をなでてほしいのか……!?」
「クゥン」
ワンコは鳴いた。
それは、僕の言葉を肯定するかのような鳴き声だった。
僕はなでなでと頭をなでた。
ここまで来て……。
瀕死の状態で……。
最後にねだるのが、これなのか?
いいのか、お前。こんなんで。
僕の気持ちなど無視するかのように、ワンコはとっても気持ち良さそうに目を閉じて……
そして静かに息を引き取った。
※
ワンコの勇姿は、魔王が倒れた今でも語り継がれている。
“魔王を倒した勇者”と僕が呼ばれるようになっても、僕は常にこう言い続けている。
「本当の勇者は、ワンコだよ」
あの日、ワンコと出会ったのはきっと偶然なんかじゃない。
ワンコも僕と一緒に世界を救いたかったんだ。
魔王のいなくなったこの平和な世界。
今でも、僕の耳にはワンコの鳴き声が聞こえている。
おしまい
白くてモフモフしたワンコがいる。
つぶらな瞳で僕を見ている。
なにこれ、超カワイイ。
「どうしたんだい? 迷子かな?」
僕はしゃがみ込んでワンコの顔を正面から見据えた。
首輪はついていないようだ。
てことは、野良なのか?
ワンコは「ハッハッハッ」と舌を出しながら、何かを期待しているかのように僕を見ていた。
食べ物でも欲しいのかな。
でも、残念ながら期待されても何も出せない。
僕は今、魔王を倒しに行く旅の途中なのだ。
「ごめんよ、今手持ちがないんだ」
僕はそう言いながらスタスタと歩き出すと、なぜかワンコがついてきた。
なんで?
僕は振り向きざま腰をおろしてワンコに言った。
「ごめんよ、食べ物は持ってないんだ」
そう言って頭をなでなでしてあげる。
ワンコは目をつむって、「クゥン」と鳴いた。
ヤバい。
これ、きた。
ズキュンときた。
いや、待て待て。ダメだ。
今、僕は魔王を倒しに行く旅の途中なのだ。
ワンコに構ってる暇はない。
「ごめんよ、ワンコ。僕、行かなくちゃいけないところがあるから……」
断腸の思いで立ち上がると、僕は再び歩き始めた。
歩き始めたはいいけど、やっぱりワンコがついてくる。
僕って、美味しそうなニオイ発してるのか?
「だーかーらー、ついてきちゃダメだって」
メッ! と怒ってみる。
でも、ワンコには効果がないようだ。
辺りは、人気のない山道。
押しつける相手もいない。
はあ、どうしようか。
目の前に川が見えた。けっこう大きな川だ。
ここを通れば、追いかけてはこまい。
僕は意を決して川に飛び込んだ。
初春の川の水はやっぱり冷たい。
振り返ると、ワンコは「クゥン」と鳴きながら僕を見ている。
よし、追ってはこれないようだ。
僕はいそいそと川を渡った。
向こう岸についてホッとため息をつくと、目の前にワンコがいた。
尻尾を振って僕を待ち構えていた。
なんでだ、ワレ。
辺りを伺って、気づいた。
上流のほうに、橋がある。ワンコはそこを通ってきたのだ。
頭いいな、こいつめ。
ていうか、ずぶ濡れになりながら川を渡った僕ってなんなんだ……。
仕方ないので、途中まで連れてくことにした。
別に、いたからといって困るわけではないし。
と、思いきや、魔物との戦闘でおもいっきり邪魔された。
ウネウネとうごめく木の化け物と戦っていると、ワンコがじゃれてきた。
「わっ、こら、やめろって! 遊んでんじゃないんだよ!」
木の化け物の攻撃を剣で防いでいると、後ろから飛びついてくる。正直、うっとうしい。
「やめろ、やめろって! いた、いたたたた、爪、爪ひっかかってる!」
そんなこんなで、ようやく魔物を倒し終えた僕は、ワンコに説教してやった。
「こらワンコ! お前は何がしたいんだ! 僕は世界を救う旅の途中なんだぞ! お前の相手はしてやれないんだ!」
眉間に皺をよせて本気で叱る僕に、ワンコは舌を出して「ハッハッ」と息を吐いていた。
くそう、何をやってるんだ、僕は。ワンコ相手に本気で説教なんて。
その時、倒したと思っていた木の化け物が甦り、僕に向かって触手を伸ばしてきた。
「───ッ!?」
その突然の攻撃に、僕の身体が硬直する。
や、やられる──!!
そう思った直後、ワンコが目の前に飛び出してきて僕に向かって伸びてくる触手に噛みついた。
動きが止まったところで僕は剣を抜いて触手を切り落とすと、そのまま木の化け物を一刀両断にした。
あ、危なかった……。
見ると、ワンコは切り落とした触手を口にくわえたまま僕を見ている。
もしかして、助けてくれたのか?
頭をなでなでしてあげると、ワンコは気持ちよさそうに目をつむった。
※
それから僕はワンコと旅を続けた。
奥深いダンジョンにも行ったし、活気あふれる王都にも行った。
船にも乗り、いくつかの山を越え、そして伝説の竜に乗って魔王の城までたどり着いた。
魔王のいる玉座の間まで数多のモンスターが立ちふさがったけれど、強くなった僕の敵ではなかった。
玉座の間につくと、魔王がいた。
今までのモンスターとは比べ物にならないくらい禍々しいオーラを放っていた。
こ、怖い……。
それが正直な感想だった。魔王の恐ろしさは、他のモンスターとは比較にならないほど圧倒的だった。
その時、ワンコが「わん」と吠えた。
僕はその声で我に返った。
そうだ、僕は一人じゃない。ワンコという心強い味方がいるんだ。
「いくぞ、ワンコ」
「わん」
僕とワンコは協力して魔王と戦った。
魔王の攻撃は想像以上に激しかったけれど、ワンコがすべて注意をそらしてくれたおかげで僕は喰らうことはなかった。
やがて、魔王の焦りがはっきりと見えてくる。
勝てる。
そう思った瞬間、僕の剣は魔王の身体を貫いていた。
「グオオォォ……」
魔王は断末魔の雄たけびを上げながら崩れ落ちていった。
やった、ついにやったんだ!
「やったぞ、ワンコ! 魔王を倒したんだ!」
振り返ると、ぐったりと倒れているワンコがいた。
「お、おい……、ワンコ!?」
急いで駆け寄ると、ワンコは身体中から大量の血を流していた。
魔王の攻撃をそらしながらも、いくらか喰らっていたらしい。
「おいワンコ、冗談やめろよ……」
ぐったりとしているワンコを抱え起こす。
まさかだろ?
嘘だと言ってくれよ。
ここに来て、死ぬんじゃないよ、お前。
「クゥン」
ワンコはかすれる声で鳴き声を上げていた。
「なんだ、何かしてほしいのか? 食べ物なら、ここに来る前の村でジャーキーをたくさん買っておいたぞ」
ワンコはつぶらな瞳で僕を見ている。
目の前に差し出すジャーキーには見向きもしない。
「違うのか? 食べ物じゃないのか?」
どくどくと溢れる血に、僕の頭はパニックになりそうだった。
「どうしてほしいんだよ、お前!? わかんないよ!!」
ワンコのつぶらな瞳を見て、僕はまさかと思った。
「もしかしてお前、頭をなでてほしいのか……!?」
「クゥン」
ワンコは鳴いた。
それは、僕の言葉を肯定するかのような鳴き声だった。
僕はなでなでと頭をなでた。
ここまで来て……。
瀕死の状態で……。
最後にねだるのが、これなのか?
いいのか、お前。こんなんで。
僕の気持ちなど無視するかのように、ワンコはとっても気持ち良さそうに目を閉じて……
そして静かに息を引き取った。
※
ワンコの勇姿は、魔王が倒れた今でも語り継がれている。
“魔王を倒した勇者”と僕が呼ばれるようになっても、僕は常にこう言い続けている。
「本当の勇者は、ワンコだよ」
あの日、ワンコと出会ったのはきっと偶然なんかじゃない。
ワンコも僕と一緒に世界を救いたかったんだ。
魔王のいなくなったこの平和な世界。
今でも、僕の耳にはワンコの鳴き声が聞こえている。
おしまい
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