[200万PV達成]それを捨てるなんてとんでもない!〜童貞を捨てる度に過去に戻されてしまう件〜おまけに相手の記憶も都合よく消えてる!?

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ep2 .

ep2 . 「訳有り令嬢と秘密の花園」 御令嬢が口にしたことが無いもの

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この花屋は全体的に高そうなのになぜこれだけ安いのだろう。

俺が目の前の花を凝視していると店員が声を掛けてきた。

「いらっしゃいませ。贈り物でしょうか?」

あの、これ、と俺は目の前の花を指差す。

「ああ、一輪ブーケですね。イベント用で客注が入ってたから多めに用意したら数本余ってしまって……だからこれだけは特価の価格なんですよ」

20代半ばほどの女性店員が愛想良く微笑む。

一輪ブーケ。

そんなものがあるのか。

花って花束とかアレンジメントや鉢植えみたいにドーンとド派手にプレゼントするものだと思い込んでいた俺には新しい概念だった。

どゆこと?一輪でもブーケなのか。

じゃあプレゼントしてもいいんだな?

俺はレジ前で考えを巡らせた。

「あら、彼女へのプレゼントかしら?」

女店員はニコニコと笑う。

違います違います、と俺は首を横に振る。

お世話になってる人にあげたいんだけどいいのだろうか、意を決して俺は店員に訊ねた。

花を貰って喜ばない女の子はいませんよ、と女店員はまたニコニコと笑った。

なんで女の子って思うんだよ。いや実際そうなんだけどさ。

「アタシだったら一輪でもすっごく嬉しいけどなぁ」

ふわふわした明るい髪色の女店員はそう言うとまた笑った。

マジだろうか。

その言葉、信じていいのか。

じゃあひとつ下さい、と結局俺はこの一輪ブーケとやらを勢いで買ってしまった。

花屋を出て、一輪の花を持ったまま商店街を抜けて歩く俺はふと気がついた。

あれ。花園邸の庭園って年がら年中、色とりどりの花が咲き乱れてないだろうか。

花園家ご自慢の広大な庭園は常に1ミリの隙もなく丁寧に手入れがなされ、常にきらびやかな花で溢れていた。

一般人が足を踏み入れることが滅多にない、まるで別世界の植物園か何かのような空間。

そんな場所に住んでいる花園リセに100円の花を手渡す?

なんだか俺は急に恥ずかしくなってしまった。

いつも通りに花園邸の正門を抜けて庭園の東屋に差し掛かる頃にはすっかり俺は自信を無くしていた。

なんでこんなもの買ってしまったんだろう。

ジュースか何かの方がマシだったまである。

貴婦人の御令嬢は下々の者が飲むジャンクな炭酸飲料なんか口にしたことは無いだろうしな。



椅子に座った花園リセと目が合った俺は咄嗟に花を後ろに隠した。
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