204 / 1,153
ep.4.
ep4. 「暴かれた世界」 半裸の密室 その②
しおりを挟む
「まあそうだよな。出来ねぇよな。何もかも」
オタク男のお陰で脱出できただけで儲けものだというのに、どうしてだか俺は嫌な気分になっていた。
俺のことは信じられなかったんだろ?
大事なことはなにも教えてくれなかったじゃねぇか。
「俺みてぇなのと一緒に居るとセンセェもロクな目に遭わねぇじゃん?」
もう無理に俺に構うことなんかねぇだろ?今日だって……と言いかけた時だった。
俺の言葉を遮って小泉が声を荒げた。
「卑屈になるのはよせ、佐藤」
そういう事は口に出すもんじゃない、と小泉はいつになく真剣なトーンでミラー越しに俺を見た。
「なにがだよ?」
「自分を過大評価しまいとする心掛けは立派だがな。謙遜も過ぎれば卑屈だし、それも通り越せばただの傲慢でしかない」
傲慢。
傲慢だってのか、俺が?
小泉の発言の意味が解らず、俺はしばらく黙った。
よく覚えておけ、と前置きしてから小泉はこう言った。
「卑屈さも傲慢も、限度を超えたものは周囲への暴力と変わらない」
は?
なにがだよ?
意味がわからない。
「自分自身が純粋無垢な善人、謙遜出来ている利口な人間だと思い込んでる分余計にタチが悪いからな。この手合いは」
だからお前はそうなるんじゃない、と小泉は念押しするように付け加える。
「まあ確かに私も言葉が足りなかったし、お前に対して説明してなかった部分もある」
その点は済まなかった、と小泉はまばたきしながら呟く。
ミラー越しに小泉の顔は見えるが表情までは読み取れない。
「言ってなかったと思うが九石さんはスエカ婆ちゃんのお孫さんで、私の所属するオカルト研究サークルの先輩でもある」
え?
「スエカ婆ちゃんのお孫さんって……センセェは孫じゃないみてぇな言い方じゃね?」
ん?と小泉は首を傾げる仕草を見せた。
「それも言ってなかったか?スエカ婆ちゃんは別に私の祖母という訳ではない」
は?
「自分の婆ちゃんでないのに家に上がり込んでたんか?」
結構、自宅みたいな感覚でくつろいでたじゃん、センセェも。
「まあ、血縁関係は無いんだが子供の頃から孫同然に可愛がって貰ってたからな」
なんだなんだ、意味がわからない。
で、あのオタク男がスエカ婆ちゃんの孫?
サークルの先輩?
「サークル?」
サークルってのがピンと来ない俺は小泉に聞き返す。
「まあ、オカルト研究といっても都市伝説とか廃墟訪問とか雑多なジャンルを扱っていてな」
趣味のクラブ活動や同好会みたいなものだと思ってくれていい、と小泉は説明する。
なるほど。
今回の神社の件はオカルト的な側面もあるし、廃墟スポット的な意味合いもあったってことか?
「でもさ、じゃああのオタク男も俺の呪いの事とか知ってんの?」
正直、童貞を捨てたら時間が戻るとかあんまり他人に知られたく無いよな…
うーん、と小泉は考え込むような様子を見せる。
「スエカ婆ちゃんがどこまで話してるかは判らんが……少なくとも“お前が忌み子だ”ってことは知ってるな」
肝心な内容まではこっちから話してはないからなんとも、と小泉は微妙な表情を浮かべた。
ふーん。
「じゃあ別にセンセェの彼氏とかじゃねぇってこと?」
当たり前だろう、と小泉は間髪入れずに否定する。
「私の推しも彼氏も二次元にしかいないからな!」
オタク男のお陰で脱出できただけで儲けものだというのに、どうしてだか俺は嫌な気分になっていた。
俺のことは信じられなかったんだろ?
大事なことはなにも教えてくれなかったじゃねぇか。
「俺みてぇなのと一緒に居るとセンセェもロクな目に遭わねぇじゃん?」
もう無理に俺に構うことなんかねぇだろ?今日だって……と言いかけた時だった。
俺の言葉を遮って小泉が声を荒げた。
「卑屈になるのはよせ、佐藤」
そういう事は口に出すもんじゃない、と小泉はいつになく真剣なトーンでミラー越しに俺を見た。
「なにがだよ?」
「自分を過大評価しまいとする心掛けは立派だがな。謙遜も過ぎれば卑屈だし、それも通り越せばただの傲慢でしかない」
傲慢。
傲慢だってのか、俺が?
小泉の発言の意味が解らず、俺はしばらく黙った。
よく覚えておけ、と前置きしてから小泉はこう言った。
「卑屈さも傲慢も、限度を超えたものは周囲への暴力と変わらない」
は?
なにがだよ?
意味がわからない。
「自分自身が純粋無垢な善人、謙遜出来ている利口な人間だと思い込んでる分余計にタチが悪いからな。この手合いは」
だからお前はそうなるんじゃない、と小泉は念押しするように付け加える。
「まあ確かに私も言葉が足りなかったし、お前に対して説明してなかった部分もある」
その点は済まなかった、と小泉はまばたきしながら呟く。
ミラー越しに小泉の顔は見えるが表情までは読み取れない。
「言ってなかったと思うが九石さんはスエカ婆ちゃんのお孫さんで、私の所属するオカルト研究サークルの先輩でもある」
え?
「スエカ婆ちゃんのお孫さんって……センセェは孫じゃないみてぇな言い方じゃね?」
ん?と小泉は首を傾げる仕草を見せた。
「それも言ってなかったか?スエカ婆ちゃんは別に私の祖母という訳ではない」
は?
「自分の婆ちゃんでないのに家に上がり込んでたんか?」
結構、自宅みたいな感覚でくつろいでたじゃん、センセェも。
「まあ、血縁関係は無いんだが子供の頃から孫同然に可愛がって貰ってたからな」
なんだなんだ、意味がわからない。
で、あのオタク男がスエカ婆ちゃんの孫?
サークルの先輩?
「サークル?」
サークルってのがピンと来ない俺は小泉に聞き返す。
「まあ、オカルト研究といっても都市伝説とか廃墟訪問とか雑多なジャンルを扱っていてな」
趣味のクラブ活動や同好会みたいなものだと思ってくれていい、と小泉は説明する。
なるほど。
今回の神社の件はオカルト的な側面もあるし、廃墟スポット的な意味合いもあったってことか?
「でもさ、じゃああのオタク男も俺の呪いの事とか知ってんの?」
正直、童貞を捨てたら時間が戻るとかあんまり他人に知られたく無いよな…
うーん、と小泉は考え込むような様子を見せる。
「スエカ婆ちゃんがどこまで話してるかは判らんが……少なくとも“お前が忌み子だ”ってことは知ってるな」
肝心な内容まではこっちから話してはないからなんとも、と小泉は微妙な表情を浮かべた。
ふーん。
「じゃあ別にセンセェの彼氏とかじゃねぇってこと?」
当たり前だろう、と小泉は間髪入れずに否定する。
「私の推しも彼氏も二次元にしかいないからな!」
1
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる