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ep5.
ep5. 『死と処女(おとめ)』 “王女の証”③
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「プリアリ界隈でも『廉価版のもっと手頃な価格帯の王女の証が欲しい』って声が多かったんだけどさ、公式としては一回高級路線で出したアイテムを急に安売りも出来無いでしょ?高額で買った人はそこに優越感もあった訳だし」
なるほどな、と俺は頷いた。
確かに、プラチナだダイヤだなんて貴金属である必要は無いんだから何か工夫の余地はありそうだけど。
「その時点で“王女の証”を持ってるのは数万~数十万出して買った奴だけだもんな。今更、ガラスとかで安い指輪出されたらレアリティが下がるだろうし」
でしょ、と夢野は相槌を打った。
「でもね、ファンの要望に応える形なのか、映画館で販売される劇場版限定グッズの中に“王女の証”がラインナップされる事がわかってね」
映画館の売店でバイトしてる人がプリアリ界隈に居るんだけど、その人がフライングで[劇場限定グッズの発注書]みたいな画像ををSNSでリークしちゃってね、と夢野の解説は更に饒舌になって行く。
「もうSNSでプリアリ界隈は大騒ぎよ。みんな絶対買いに行くぞ!って張り切っちゃってね」
「良かったじゃねぇか。でも、高級路線で売ってたのに安売りして大丈夫なのか公式は?」
そう思うでしょ、と夢野はやや得意げに微笑む。
「劇場版で発売されることになったのは“指輪”じゃなくて“バッグチャーム”ってトコが最大のポイントだったんだよね」
夢野はスカートのポケットからスマホを取り出した。
おいおい、校内はスマホ・携帯は持ち込み禁止だぞ?
まあ、俺も持ち込んでるんだが。
夢野って俺が思ってるよりアグレッシブな面があるんだな。
俺の困惑を他所に、夢野はブラウザを開いて見せる。
[ちいさなプリンセス アリア 劇場限定グッズラインナップ]と言う文字が目に飛び込む。
[王女の証バッグチャーム 税込2200円]という文字と共に、キラキラしたチェーンにパールのようなものが散りばめられたアクセサリーの画像が表示されている。
チェーンの先端には大きめのピンクのリボンが付けられており、いかにも女子に受けそうな可愛らしいデザインである。
なるほどな。夢野が好きそうな雰囲気だな、と俺は頷いた。
「で、このバッグチャームの中央に付いてるのがコレなの」
夢野は画面を拡大して更に俺に見せる。
大きなリボンの下で揺れているのは、夢野が首に掛けているものと同じ指輪だった。
「そうか……公式としては『指輪』として売り出す事は出来ないけど、『バッグチャーム』とか『キーホルダー』としてなら販売できると……」
そう言う事なのか、と俺は夢野に訊ねた。
そ、だからあたし、ニッパーで金具をチェーンから外してリングだけを取り出したの、と夢野はキラキラとした笑顔で答えた。
「指には合わないサイズだけど……ネックレスとしてリメイクしたら立派なアクセサリーになるでしょ?」
なるほど、考えたな。
思った以上に入手難易度の高いアニメグッズの話を聞いて、なんだか俺は感心してしまった。
「なるほどなー。確かに28万とか出せねぇけどさ、2200円のキーホルダーとかだったら買えるもんな」
まあ、これはこれで争奪戦だったんだけどね、と夢野は更にため息をついた。
え?“王女の証”にまつわる話ってまだ何かあるのか?
なるほどな、と俺は頷いた。
確かに、プラチナだダイヤだなんて貴金属である必要は無いんだから何か工夫の余地はありそうだけど。
「その時点で“王女の証”を持ってるのは数万~数十万出して買った奴だけだもんな。今更、ガラスとかで安い指輪出されたらレアリティが下がるだろうし」
でしょ、と夢野は相槌を打った。
「でもね、ファンの要望に応える形なのか、映画館で販売される劇場版限定グッズの中に“王女の証”がラインナップされる事がわかってね」
映画館の売店でバイトしてる人がプリアリ界隈に居るんだけど、その人がフライングで[劇場限定グッズの発注書]みたいな画像ををSNSでリークしちゃってね、と夢野の解説は更に饒舌になって行く。
「もうSNSでプリアリ界隈は大騒ぎよ。みんな絶対買いに行くぞ!って張り切っちゃってね」
「良かったじゃねぇか。でも、高級路線で売ってたのに安売りして大丈夫なのか公式は?」
そう思うでしょ、と夢野はやや得意げに微笑む。
「劇場版で発売されることになったのは“指輪”じゃなくて“バッグチャーム”ってトコが最大のポイントだったんだよね」
夢野はスカートのポケットからスマホを取り出した。
おいおい、校内はスマホ・携帯は持ち込み禁止だぞ?
まあ、俺も持ち込んでるんだが。
夢野って俺が思ってるよりアグレッシブな面があるんだな。
俺の困惑を他所に、夢野はブラウザを開いて見せる。
[ちいさなプリンセス アリア 劇場限定グッズラインナップ]と言う文字が目に飛び込む。
[王女の証バッグチャーム 税込2200円]という文字と共に、キラキラしたチェーンにパールのようなものが散りばめられたアクセサリーの画像が表示されている。
チェーンの先端には大きめのピンクのリボンが付けられており、いかにも女子に受けそうな可愛らしいデザインである。
なるほどな。夢野が好きそうな雰囲気だな、と俺は頷いた。
「で、このバッグチャームの中央に付いてるのがコレなの」
夢野は画面を拡大して更に俺に見せる。
大きなリボンの下で揺れているのは、夢野が首に掛けているものと同じ指輪だった。
「そうか……公式としては『指輪』として売り出す事は出来ないけど、『バッグチャーム』とか『キーホルダー』としてなら販売できると……」
そう言う事なのか、と俺は夢野に訊ねた。
そ、だからあたし、ニッパーで金具をチェーンから外してリングだけを取り出したの、と夢野はキラキラとした笑顔で答えた。
「指には合わないサイズだけど……ネックレスとしてリメイクしたら立派なアクセサリーになるでしょ?」
なるほど、考えたな。
思った以上に入手難易度の高いアニメグッズの話を聞いて、なんだか俺は感心してしまった。
「なるほどなー。確かに28万とか出せねぇけどさ、2200円のキーホルダーとかだったら買えるもんな」
まあ、これはこれで争奪戦だったんだけどね、と夢野は更にため息をついた。
え?“王女の証”にまつわる話ってまだ何かあるのか?
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