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ep5.
ep5. 『死と処女(おとめ)』 完璧な密室
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どういう事だ?
え?
すぐには飲み込めず俺は混乱する。
「え?それってつまり……」
わざとってことか、と俺は訊ねた。
「ま、わかりやすく言えばそういう事になるわね」
佐々木は小さく頷いた。
コイツはわざと……つまり、演技をしているって事か?
「学校教育法 第六十九条 中等教育学校には、校長、教頭、教諭、養護教諭及び事務職員を置かなければならない」
つまり、中学校って場所には保健の先生を置かなきゃいけないって規則があるにはあるんだけど、と佐々木は抑揚なくスラスラと言ってのける。
おいおいおい、相変わらずなんだなコイツは。
以前と変わってねぇどころかレベルアップしてるじゃねぇかよ。
俺は黙って佐々木の話を聞くことにした。
俺が口を挟む余地は余り無さそうだ。
「ただ、学校保健安全法 第7条においては『原則設置』とされているの。それはつまり─────」
『置かなければならない』が『当面の間、置かない事ができる』という事でもあるの、と佐々木は呟いた。
????
難しくてよくわかんねぇんだが。
俺の頭のレベルくらいよく知ってるだろうが。
もうちょっとわかりやすく噛み砕いて言ってほしいもんだ。
「それってつまり、産休で休んでる先生の代わりが見つかんなくてもしょうがねぇってことか?」
そう、と佐々木はコクンと頷く。
「で?それとその鍵とどう関係があるんだ?」
佐々木は意味ありげな表情を浮かべた。
「知ってる?保健室登校ってね。出席扱いになるの」
この学校の校長って特に世間体を気にするタイプなの。不登校になられたら困るんでしょうね。『我が校では不登校の生徒は一人もいません』『誰もが通える配慮ある学校作りをモットーに』なんて学校だよりや学校のHPに掲げちゃうくらいだから。だから、保健室登校を希望するわたしを認めるしかなかったのよね、と佐々木は窓の外に視線を向ける。
雨は止んで雲の切れ間からは陽の光が差し込んでいた。
「通常、保健室登校の場合は養護教諭が付きっきりでサポートってイメージだけど今は不在でしょう?わたしが登校したり下校したりする毎に鍵を開けたり閉めたりを担任が行うっていうのがタイムスケジュール的に厳しいらしくて」
なるほどな。
保健室登校って出席扱いになるのか。知らなかった。
「“他の生徒には内緒で“っていう特例でね、保健室の鍵のスペアを持つ事が許可されたの」
マスターキーみたいなのは別個で管理されているみたいなんだけどね、と言いながら佐々木はその鍵を俺に見せてきた。
確かに。
1組である佐々木の担任の岩本先生は男子野球部の顧問でもあるんだ。
ウチの中学ってさ、田舎の学校なのに男子野球部と女子バスケ部がなかなか強いんだよ。
朝練に放課後の部活、それに加えて土日も練習試合やってりゃ時間なんてねぇよな。
担任が佐々木一人の為に鍵を開けたり閉めたりっていうのは難しいことのように思えた。
「救急箱は保健室の前に設置されてるでしょ?養護教諭が不在っていう現状、よっぽどの事がない限りは保健室にはわたし以外の人間は立ち入らないし立ち入れないの」
つまり、佐々木は校内に完璧な鍵付きの私室を手に入れてるって事なのか。
おいおいおい。こんな事ってあっていいのか?
ま、小泉も美術準備室を私物化して自由に使ってるから似たようなモンかもしれねぇが……
佐々木は用意周到に計画してこの鍵を手に入れたっていうのか?
それとも─────
真意の程はわからないが、コイツが何やらとんでもねぇヤベェ奴になっちまってるって事だけは理解できた。
え?
すぐには飲み込めず俺は混乱する。
「え?それってつまり……」
わざとってことか、と俺は訊ねた。
「ま、わかりやすく言えばそういう事になるわね」
佐々木は小さく頷いた。
コイツはわざと……つまり、演技をしているって事か?
「学校教育法 第六十九条 中等教育学校には、校長、教頭、教諭、養護教諭及び事務職員を置かなければならない」
つまり、中学校って場所には保健の先生を置かなきゃいけないって規則があるにはあるんだけど、と佐々木は抑揚なくスラスラと言ってのける。
おいおいおい、相変わらずなんだなコイツは。
以前と変わってねぇどころかレベルアップしてるじゃねぇかよ。
俺は黙って佐々木の話を聞くことにした。
俺が口を挟む余地は余り無さそうだ。
「ただ、学校保健安全法 第7条においては『原則設置』とされているの。それはつまり─────」
『置かなければならない』が『当面の間、置かない事ができる』という事でもあるの、と佐々木は呟いた。
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難しくてよくわかんねぇんだが。
俺の頭のレベルくらいよく知ってるだろうが。
もうちょっとわかりやすく噛み砕いて言ってほしいもんだ。
「それってつまり、産休で休んでる先生の代わりが見つかんなくてもしょうがねぇってことか?」
そう、と佐々木はコクンと頷く。
「で?それとその鍵とどう関係があるんだ?」
佐々木は意味ありげな表情を浮かべた。
「知ってる?保健室登校ってね。出席扱いになるの」
この学校の校長って特に世間体を気にするタイプなの。不登校になられたら困るんでしょうね。『我が校では不登校の生徒は一人もいません』『誰もが通える配慮ある学校作りをモットーに』なんて学校だよりや学校のHPに掲げちゃうくらいだから。だから、保健室登校を希望するわたしを認めるしかなかったのよね、と佐々木は窓の外に視線を向ける。
雨は止んで雲の切れ間からは陽の光が差し込んでいた。
「通常、保健室登校の場合は養護教諭が付きっきりでサポートってイメージだけど今は不在でしょう?わたしが登校したり下校したりする毎に鍵を開けたり閉めたりを担任が行うっていうのがタイムスケジュール的に厳しいらしくて」
なるほどな。
保健室登校って出席扱いになるのか。知らなかった。
「“他の生徒には内緒で“っていう特例でね、保健室の鍵のスペアを持つ事が許可されたの」
マスターキーみたいなのは別個で管理されているみたいなんだけどね、と言いながら佐々木はその鍵を俺に見せてきた。
確かに。
1組である佐々木の担任の岩本先生は男子野球部の顧問でもあるんだ。
ウチの中学ってさ、田舎の学校なのに男子野球部と女子バスケ部がなかなか強いんだよ。
朝練に放課後の部活、それに加えて土日も練習試合やってりゃ時間なんてねぇよな。
担任が佐々木一人の為に鍵を開けたり閉めたりっていうのは難しいことのように思えた。
「救急箱は保健室の前に設置されてるでしょ?養護教諭が不在っていう現状、よっぽどの事がない限りは保健室にはわたし以外の人間は立ち入らないし立ち入れないの」
つまり、佐々木は校内に完璧な鍵付きの私室を手に入れてるって事なのか。
おいおいおい。こんな事ってあっていいのか?
ま、小泉も美術準備室を私物化して自由に使ってるから似たようなモンかもしれねぇが……
佐々木は用意周到に計画してこの鍵を手に入れたっていうのか?
それとも─────
真意の程はわからないが、コイツが何やらとんでもねぇヤベェ奴になっちまってるって事だけは理解できた。
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