331 / 1,153
ep5.
ep5. 『死と処女(おとめ)』 廃線の無人駅
しおりを挟む
水森は部活に向かったのだろうか。
だとしたら終わるまで待ったほうがいいのか?
でも何て声を掛けたらいい?
俺は体育館に向かいながらもグルグルと思考を巡らせる。
いきなり話しかけたとして、水森は心を開いて話してくれるだろうか?
なかなか込み入った話だからな。
俺は外からそっと体育館の中を覗き込んだ。
大勢の大人たちが何かを運び込んだりしている。
生徒は居らず、部活をやっている様子もなかった。
え?部活ってやってないのか?
グラウンドでは陸上部や野球部が普通に活動していたが─────
ちょうど目の前をパイプ椅子を抱えた小泉が通りかかる。
「え?センセェ、体育館で何してんの?」
俺が声を掛けると小泉は険しい表情をした。
「お前な……HRサボってどこに行ってたんだ?」
まあまあ、と俺が誤魔化すと小泉はパイプ椅子を壁に立て掛けた。
「朝のHRでも連絡があったろう?今日はPTA総会があるからその準備で一部の部活は休みだ」
なるほど、今日は体育館が使えないってワケか。
「じゃあ女子バスケ部も休みってコトだな?」
ああ、と小泉は小さく頷き足早に体育館の奥に向かって行った。
そうか、だからグラウンド使用の他の部活は平常運転だったのか。
じゃあ水森はもう帰ってる?
俺も帰った方がいいだろうか。
小泉も忙しそうだし、今は話せそうになかった。
下駄箱に向かい、水森の棚を確認する。
靴は無く、上履きだけが置かれている。
やっぱりもう帰ってるよな─────
水森の自宅に向かうか?
でもコイツの家どこだったけ?大体の方角はわかるんだけど─────
俺は暫く考える。
今から追いかけたら水森に追いつかないか?
俺は急いで靴を履き、校門の方へ向かった。
暫く周囲を見渡しながら歩く。
水森らしき人物は見当たらない。
俺はウロウロと通学路を徘徊した。
近くの公園内も覗いて見る。
しかし、水森の姿はどこにも無かった。
もう家に着いた?
それとも寄り道してる?
でも、以前に3年とトラブルがあったって言ってたよな?
まさか呼び出されたりシメられたりなんてしてねぇよな……?
俺は途端に不安になった。
水森はどこに居る?
うちの学校の生徒の寄り道スポットの定番、本屋とコンビニにも居なかった。
だとしたら。
もう俺には水森の居そうな場所の心当たりは無かった。
まあ、明日にでも改めて聞くことにするか?
今すぐ水森を捕まえなきゃいけねぇって訳でもねぇからな。
あちこち歩き回って若干疲れた俺は少し休憩する事にした。
学校から少し離れた場所にある廃駅。
20年くらい前に廃線になった後、放置されている場所だった。
ここって何気に穴場なんだよな。
ヤニ休憩っていうかさ、煙草吸ってもバレねぇんだよ。
公園とかじゃ人目に着くからな。
この駅には電車はおろか、誰ももう来ねぇんだ。
誰もいない、打ち捨てられた駅。
ホームにある、ペンキの禿げたベンチに腰を下ろしポケットから煙草の箱を取り出した時だった。
不意に風が吹いた。
何気なく向かいのホームに視線を移す。
見覚えのある、セーラー服のシルエット。
そこに立って居たのは水森唯だった。
だとしたら終わるまで待ったほうがいいのか?
でも何て声を掛けたらいい?
俺は体育館に向かいながらもグルグルと思考を巡らせる。
いきなり話しかけたとして、水森は心を開いて話してくれるだろうか?
なかなか込み入った話だからな。
俺は外からそっと体育館の中を覗き込んだ。
大勢の大人たちが何かを運び込んだりしている。
生徒は居らず、部活をやっている様子もなかった。
え?部活ってやってないのか?
グラウンドでは陸上部や野球部が普通に活動していたが─────
ちょうど目の前をパイプ椅子を抱えた小泉が通りかかる。
「え?センセェ、体育館で何してんの?」
俺が声を掛けると小泉は険しい表情をした。
「お前な……HRサボってどこに行ってたんだ?」
まあまあ、と俺が誤魔化すと小泉はパイプ椅子を壁に立て掛けた。
「朝のHRでも連絡があったろう?今日はPTA総会があるからその準備で一部の部活は休みだ」
なるほど、今日は体育館が使えないってワケか。
「じゃあ女子バスケ部も休みってコトだな?」
ああ、と小泉は小さく頷き足早に体育館の奥に向かって行った。
そうか、だからグラウンド使用の他の部活は平常運転だったのか。
じゃあ水森はもう帰ってる?
俺も帰った方がいいだろうか。
小泉も忙しそうだし、今は話せそうになかった。
下駄箱に向かい、水森の棚を確認する。
靴は無く、上履きだけが置かれている。
やっぱりもう帰ってるよな─────
水森の自宅に向かうか?
でもコイツの家どこだったけ?大体の方角はわかるんだけど─────
俺は暫く考える。
今から追いかけたら水森に追いつかないか?
俺は急いで靴を履き、校門の方へ向かった。
暫く周囲を見渡しながら歩く。
水森らしき人物は見当たらない。
俺はウロウロと通学路を徘徊した。
近くの公園内も覗いて見る。
しかし、水森の姿はどこにも無かった。
もう家に着いた?
それとも寄り道してる?
でも、以前に3年とトラブルがあったって言ってたよな?
まさか呼び出されたりシメられたりなんてしてねぇよな……?
俺は途端に不安になった。
水森はどこに居る?
うちの学校の生徒の寄り道スポットの定番、本屋とコンビニにも居なかった。
だとしたら。
もう俺には水森の居そうな場所の心当たりは無かった。
まあ、明日にでも改めて聞くことにするか?
今すぐ水森を捕まえなきゃいけねぇって訳でもねぇからな。
あちこち歩き回って若干疲れた俺は少し休憩する事にした。
学校から少し離れた場所にある廃駅。
20年くらい前に廃線になった後、放置されている場所だった。
ここって何気に穴場なんだよな。
ヤニ休憩っていうかさ、煙草吸ってもバレねぇんだよ。
公園とかじゃ人目に着くからな。
この駅には電車はおろか、誰ももう来ねぇんだ。
誰もいない、打ち捨てられた駅。
ホームにある、ペンキの禿げたベンチに腰を下ろしポケットから煙草の箱を取り出した時だった。
不意に風が吹いた。
何気なく向かいのホームに視線を移す。
見覚えのある、セーラー服のシルエット。
そこに立って居たのは水森唯だった。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
百合系サキュバスにモテてしまっていると言う話
釧路太郎
キャラ文芸
名門零楼館高校はもともと女子高であったのだが、様々な要因で共学になって数年が経つ。
文武両道を掲げる零楼館高校はスポーツ分野だけではなく進学実績も全国レベルで見ても上位に食い込んでいるのであった。
そんな零楼館高校の歴史において今まで誰一人として選ばれたことのない“特別指名推薦”に選ばれたのが工藤珠希なのである。
工藤珠希は身長こそ平均を超えていたが、運動や学力はいたって平均クラスであり性格の良さはあるものの特筆すべき才能も無いように見られていた。
むしろ、彼女の幼馴染である工藤太郎は様々な部活の助っ人として活躍し、中学生でありながら様々な競技のプロ団体からスカウトが来るほどであった。更に、学力面においても優秀であり国内のみならず海外への進学も不可能ではないと言われるほどであった。
“特別指名推薦”の話が学校に来た時は誰もが相手を間違えているのではないかと疑ったほどであったが、零楼館高校関係者は工藤珠希で間違いないという。
工藤珠希と工藤太郎は血縁関係はなく、複雑な家庭環境であった工藤太郎が幼いころに両親を亡くしたこともあって彼は工藤家の養子として迎えられていた。
兄妹同然に育った二人ではあったが、お互いが相手の事を守ろうとする良き関係であり、恋人ではないがそれ以上に信頼しあっている。二人の関係性は苗字が同じという事もあって夫婦と揶揄されることも多々あったのだ。
工藤太郎は県外にあるスポーツ名門校からの推薦も来ていてほぼ内定していたのだが、工藤珠希が零楼館高校に入学することを決めたことを受けて彼も零楼館高校を受験することとなった。
スポーツ分野でも名をはせている零楼館高校に工藤太郎が入学すること自体は何の違和感もないのだが、本来入学する予定であった高校関係者は落胆の声をあげていたのだ。だが、彼の出自も相まって彼の意志を否定する者は誰もいなかったのである。
二人が入学する零楼館高校には外に出ていない秘密があるのだ。
零楼館高校に通う生徒のみならず、教員職員運営者の多くがサキュバスでありそのサキュバスも一般的に知られているサキュバスと違い女性を対象とした変異種なのである。
かつては“秘密の花園”と呼ばれた零楼館女子高等学校もそういった意味を持っていたのだった。
ちなみに、工藤珠希は工藤太郎の事を好きなのだが、それは誰にも言えない秘密なのである。
この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルアッププラス」「ノベルバ」「ノベルピア」にも掲載しております。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる