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ep5.
ep5. 『死と処女(おとめ)』 「Ain’t Your Girl」
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夕方の風が俺と水森の間を吹き抜けていく。
風に触れた頬が心地良かった。
なんとなくだが─────
ここで水森唯に全て吐き出させた方がいいんじゃないのか?
お互いの為にも。
そんな気がした。
水森が抱えている“何か”は誰にも─────
匿名のネットにすら書けない、吐き出せないような種類のものに思えたんだ。
俺は言葉を選びながら慎重に水森に話しかけようと思った。
だが、先に口を開いたのは水森だった。
「ねぇ。佐藤君から見て、くうちゃんはどんな女の子なの?」
意外な質問だった。
意図する意味は解らないが、俺は率直に答える事にした。
「そうだな、夢野は見た目も可愛いし独特の雰囲気を纏ってるよな─────」
特定の種類の人間にはドストライクで理想の女の子って言うのはわかる気がするぜ、と俺が言うと水森は大きく頷いた。
「服の着こなしもセンスがあるんだろうし、まあ実際似合ってもいるよな。着慣れてるっていうか」
水森はまたも大きく頷いた。
「それに、料理や弁当作りも頑張ってるよな。早起きして凝こった内容の物を二人分作るなんてなかなか出来ることじゃねぇよ。俺、自分で作るからよく分かるんだ。そういうの」
しかも、予算を抑えてやり繰りしながら晩飯も作ってるって……それってある種の才能とかスキルだよな、と俺は思っていたままを口にした。
実際そうなんだよ。
言うのは簡単だけどさ、いざ実行しようとしたらめっちゃ大変なんだぜ?こういうのって。
水森はまたしても大きく頷き、嬉しそうに小さく笑った。
「……佐藤君って見た目だけじゃなくてちゃんと中身も見てくれてるのね」
見た目も大事だけど中身だってもっと大事なのにね、と水森は強調して言う。
「あたしもね、くうちゃんのそういう所が大好きだった。彼女には才能があるの」
水森は遠くを眺めるように静かに顔を上げた。
「あたしがくうちゃんと仲良くし始めた頃、『あの子とあんまり仲良くしない方がいいよ』って他の子に言われた事があるの」
でも、と水森は続けた。
「なにを言ってるんだろう、ってその時は思ったわ。だって、くうちゃんはこんなにも可愛い女の子で一緒にいると本当に楽しかったから。お喋りに夢中になって─────彼女となら何時間でも喋っていられたの。これほど意気投合して趣味や好きなものが同じ友達なんて二度と会えないって思った」
彼女こそがあたしにとっての唯一無二の親友なんだって信じて疑わなかったの、と水森はゆっくりと視線を地面に落とした。
水森唯と夢野くるみ。
この二人は以前は仲のいい親友だったのか。
「彼女は頭の回転が早くて─────こっちの投げかけた言葉に対してポンポンといろんな事を返してくれる。美的センスもあって、お洒落やメイクも本当に上手なの。安価で手頃な服でも彼女がコーデすれば雑誌モデルみたいな着こなしになってた」
彼女は特別な女の子で、あたしには無い才能があるの、と水森はやや寂しそうな声で呟いた。
水森は夢野の事を本当に大切な友達だと思ってる、ってのが俺にも伝わって来た。
だからか?
だからこそ今の状況が苦しいのか?
俺には水森の苦悩がどんな物かは解らない。
でも、解ってやりたいって思うんだ。
風に触れた頬が心地良かった。
なんとなくだが─────
ここで水森唯に全て吐き出させた方がいいんじゃないのか?
お互いの為にも。
そんな気がした。
水森が抱えている“何か”は誰にも─────
匿名のネットにすら書けない、吐き出せないような種類のものに思えたんだ。
俺は言葉を選びながら慎重に水森に話しかけようと思った。
だが、先に口を開いたのは水森だった。
「ねぇ。佐藤君から見て、くうちゃんはどんな女の子なの?」
意外な質問だった。
意図する意味は解らないが、俺は率直に答える事にした。
「そうだな、夢野は見た目も可愛いし独特の雰囲気を纏ってるよな─────」
特定の種類の人間にはドストライクで理想の女の子って言うのはわかる気がするぜ、と俺が言うと水森は大きく頷いた。
「服の着こなしもセンスがあるんだろうし、まあ実際似合ってもいるよな。着慣れてるっていうか」
水森はまたも大きく頷いた。
「それに、料理や弁当作りも頑張ってるよな。早起きして凝こった内容の物を二人分作るなんてなかなか出来ることじゃねぇよ。俺、自分で作るからよく分かるんだ。そういうの」
しかも、予算を抑えてやり繰りしながら晩飯も作ってるって……それってある種の才能とかスキルだよな、と俺は思っていたままを口にした。
実際そうなんだよ。
言うのは簡単だけどさ、いざ実行しようとしたらめっちゃ大変なんだぜ?こういうのって。
水森はまたしても大きく頷き、嬉しそうに小さく笑った。
「……佐藤君って見た目だけじゃなくてちゃんと中身も見てくれてるのね」
見た目も大事だけど中身だってもっと大事なのにね、と水森は強調して言う。
「あたしもね、くうちゃんのそういう所が大好きだった。彼女には才能があるの」
水森は遠くを眺めるように静かに顔を上げた。
「あたしがくうちゃんと仲良くし始めた頃、『あの子とあんまり仲良くしない方がいいよ』って他の子に言われた事があるの」
でも、と水森は続けた。
「なにを言ってるんだろう、ってその時は思ったわ。だって、くうちゃんはこんなにも可愛い女の子で一緒にいると本当に楽しかったから。お喋りに夢中になって─────彼女となら何時間でも喋っていられたの。これほど意気投合して趣味や好きなものが同じ友達なんて二度と会えないって思った」
彼女こそがあたしにとっての唯一無二の親友なんだって信じて疑わなかったの、と水森はゆっくりと視線を地面に落とした。
水森唯と夢野くるみ。
この二人は以前は仲のいい親友だったのか。
「彼女は頭の回転が早くて─────こっちの投げかけた言葉に対してポンポンといろんな事を返してくれる。美的センスもあって、お洒落やメイクも本当に上手なの。安価で手頃な服でも彼女がコーデすれば雑誌モデルみたいな着こなしになってた」
彼女は特別な女の子で、あたしには無い才能があるの、と水森はやや寂しそうな声で呟いた。
水森は夢野の事を本当に大切な友達だと思ってる、ってのが俺にも伝わって来た。
だからか?
だからこそ今の状況が苦しいのか?
俺には水森の苦悩がどんな物かは解らない。
でも、解ってやりたいって思うんだ。
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