[200万PV達成]それを捨てるなんてとんでもない!〜童貞を捨てる度に過去に戻されてしまう件〜おまけに相手の記憶も都合よく消えてる!?

SPD

文字の大きさ
337 / 1,153
ep5.

ep5. 『死と処女(おとめ)』 丸腰と内申点

しおりを挟む
三者面談?

トラブルが起こったのはその日なのか?

「給食は無くて午前中の授業だけで終わったでしょう?用事のない生徒は下校、もしくは保護者と一緒に待機っていう流れだったと思うんだけど」

水森は思い出すように言葉を噛み締めながらゆっくりと話す。

「バスケ部は自主練って事になってたからあたしはその日食券を持って来てたの。買ったばっかりで満額あったわ。ちょっと嬉しい気分だった。お金でも図書券でも電子マネーでも……一定以上の額が手元にあるのって安心感があるじゃない?5000円分の食券って買うのは初めてだったから、ちょっと嬉しい気分だったのを覚えてる」

なるほど、と俺は相槌を打った。

確かにそうだな。俺は常に金に追われてる状況だからな。

『手持ちが多くある』っていうのは何物にも変え難い安心感があるっていうのはよくわかるぜ。

逆に、手持ちが全くない状態で過ごすっていうのはまるで丸腰で往来を歩いてるような不安感があるよな。

「バスケ部と野球部以外の部活は全て休みだった筈なんだけど……スケジュールが変更されて家庭科部も活動をする事になってたらしいの。くうちゃんはそれを知らなかったからお弁当の準備もお金の準備もしてなかったらしくて……」

「そうか、だから食券を貸す事に?」

そう、と水森は小さく頷いた。

「給食が無い日ってのは小学校も中学校も共通でしょう?だから、そういう日はくうちゃんがお弁当を忘れるって事は絶対に無いんだけど……」

その日は家庭科部の活動で“梅干しを漬ける”っていうイベントがあったらしくて、と何気なく言った水森の単語に思わず俺は反応してしまう。

「梅干しを漬けてんのか、家庭科部って」

死んだ婆さんがよく漬けてたのを思い出す。

(婆さん作のストックの梅干し、大事にちょっとずつ食べてるんだよなぁ俺)

そうらしいの、と水森は頷いた。

「地域のシルバークラブの年配の方との交流イベントが多いのもウチの中学の家庭科部の特徴で……他には味噌作りやけんちん汁作りなんかもやってるらしいわ」

そうか、シルバークラブか。梅干しを漬けるって中学生っぽく無いチョイスだなとは思ったが……だって家庭科部ってクッキー焼いたりマカロン作ってたりしてそうなイメージじゃん?

「本来は6月中に開催される予定が、主催のシルバークラブの会長さんのヘルニアが悪化して……予定日未定のままだったらしいんだけど急遽この日に決まったみたいなの」

「そうだったのか。まあ、年寄りは体調を崩しやすいからな」

俺はまた相槌を打った。ま、わかるぜ。俺の周囲も老人だらけだからな。

「くうちゃんがそれを知ったのが当日で、くうちゃんも慌ててるし『ゴメン、絶対に明日350円返すからその食券、一回分使わせてくれない?』って頼まれたのもあるけど」

「それで下ろしたての新しい食券を夢野に貸してやったのか?」

うん、と水森はコクンと頷いた。

「別にくうちゃんに強制された訳でもないし、これはあたしの判断でやった事なの。だってくうちゃんが困ってたし……」

それにあたしはくうちゃんの役に立ちたいって思ったから、と水森は少し笑ってみせた。

「……けど、3年女子に取られた?」

そうね、と水森は再び視線を床に落とした。

「くうちゃんが真っ青な顔で教室に戻ってきて……『どうしよう、3年の人に食券全部取られちゃった』って……」

俺はそこで前から抱いていた疑問を水森にぶつけた。

「どうしてその場ですぐ先生に言わなかったんだ?こんな大金盗ったのがバレたら3年だってタダじゃ済まないだろ?」

食券の貸し借りがルール違反だったから怒られると思ったのか?と俺はなるべく慎重に訊いた。

それは……と水森が口籠もる。

「あたしがくうちゃんに頼んだの。『とりあえず今日のところは先生に言わないで』って……」

なんでだ?

どうして被害者側の水森が口止めする?

内申点に傷が付くからか?

でも、さっき水森は高校には行かないって言ってたよな……?

じゃあ内申点とかどうでもよくね?






水森側に何か事情があるのか?

しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする

夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】 主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。 そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。 「え?私たち、付き合ってますよね?」 なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。 「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

処理中です...