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ep5.5
ep5.5『TALKING ABOUT SEX(again)』 本当の意味での童貞卒業
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俺は御月の部屋に敷かれた布団に横になっていた。
御月の部屋にあるのは当然シングルベッドなので床に客用布団を敷いて貰った。
「……なんか悪ぃな。何から何まで世話になって」
俺がそう言うと御月は首を振った。
「……おれは口下手だし、家に遊びに来てくれるような友人も他に居ないんだ」
佐藤が来てくれると親も喜ぶし、よかったらまた来て欲しい、という御月の言葉に俺は安堵したのかもしれない。
自分のことを無条件で受け入れてくれる存在ってのは何よりも貴重で有り難かった。
「お前だけだぜ?そんなこと言ってくれんの」
俺がそう言うと御月は少し笑った。
「……お前と居ると面白いんだ。さっきのキャベツ畑の話だって────」
本当にキャベツ畑で赤ん坊が生まれたら世界は平和になるのかもな、と言うと御月は少し寂しそうな表情を浮かべた。
「は?世界が?」
俺は聞き返した。
御月も御月で独特な思考の持ち主だよな。
キャベツ畑から赤ん坊が出てくるくらいで世界って平和になるだろうか?
御月は頷いた。
「……ウチは水子供養専門の寺だろう?だから……おれ自身も今まで沢山の可哀想な赤ん坊達を見送って来たんだが────」
そう言うと御月は少し俯いた。
「……今までのおれは……大人達が自分達の都合だけで後先考えずにセックスするからだって思ってたんだ」
────無責任なセックスが無ければ中絶される赤ん坊も居なくなるんじゃないかって、と御月は真剣なトーンで言った。
「……既に結婚してる夫婦か、子どもが欲しい人以外が絶対にセックスしなければいいんだ。そう思ってた」
そうだよな、と言いかけた俺はふと何かを思い出す。
今の台詞─────何処かで誰かも同じようなことを言ってなかったっけ?
誰だったっけ?
思い出せない。
だけど、と御月は続けた。
「……おれ自身、キクコと出会って付き合うようになって─────それって難しい問題なんだって気付いた」
「え?」
俺は再び聞き返す。
「……小学校の高学年くらいまでは────子どもが欲しくない状況の時はセックスなんてすべきじゃ無いって思ってたんだ」
でもそれは間違ってた、と御月は天井を見つめながら言った。
「……多分だけど……人間のするセックスってのは……子孫を残すとか繁殖とかの目的以外に愛情表現とかコミュニケーション手段って側面もあるって気がする」
愛情表現。
何故だか俺はその言葉の方にドキリとした。
セックスって単語よりも、そっちの方の言葉に引っ張られて心臓がバクバクする。
「それってさ。彼女のことがマジで好きだからそう思ったってこと?」
俺がそう訊くと御月は頷いた。
「……好きだからもっと近づきたいし触れてたいって思う。何もしなくても─────ただ抱き合って感じる体温や心臓の音だけでもすごく満たされると言うか」
“好きだから”か。
今まで俺は何度か童貞を捨てて来たけど────
多分今までのは全部“作業”に過ぎなかったんじゃないか?
もし俺が本当に童貞を捨てる日が来るとしたら──────
それは心の底から本当に好きな相手とセックスした時なんじゃないだろうか。そんな気がした。
御月の部屋にあるのは当然シングルベッドなので床に客用布団を敷いて貰った。
「……なんか悪ぃな。何から何まで世話になって」
俺がそう言うと御月は首を振った。
「……おれは口下手だし、家に遊びに来てくれるような友人も他に居ないんだ」
佐藤が来てくれると親も喜ぶし、よかったらまた来て欲しい、という御月の言葉に俺は安堵したのかもしれない。
自分のことを無条件で受け入れてくれる存在ってのは何よりも貴重で有り難かった。
「お前だけだぜ?そんなこと言ってくれんの」
俺がそう言うと御月は少し笑った。
「……お前と居ると面白いんだ。さっきのキャベツ畑の話だって────」
本当にキャベツ畑で赤ん坊が生まれたら世界は平和になるのかもな、と言うと御月は少し寂しそうな表情を浮かべた。
「は?世界が?」
俺は聞き返した。
御月も御月で独特な思考の持ち主だよな。
キャベツ畑から赤ん坊が出てくるくらいで世界って平和になるだろうか?
御月は頷いた。
「……ウチは水子供養専門の寺だろう?だから……おれ自身も今まで沢山の可哀想な赤ん坊達を見送って来たんだが────」
そう言うと御月は少し俯いた。
「……今までのおれは……大人達が自分達の都合だけで後先考えずにセックスするからだって思ってたんだ」
────無責任なセックスが無ければ中絶される赤ん坊も居なくなるんじゃないかって、と御月は真剣なトーンで言った。
「……既に結婚してる夫婦か、子どもが欲しい人以外が絶対にセックスしなければいいんだ。そう思ってた」
そうだよな、と言いかけた俺はふと何かを思い出す。
今の台詞─────何処かで誰かも同じようなことを言ってなかったっけ?
誰だったっけ?
思い出せない。
だけど、と御月は続けた。
「……おれ自身、キクコと出会って付き合うようになって─────それって難しい問題なんだって気付いた」
「え?」
俺は再び聞き返す。
「……小学校の高学年くらいまでは────子どもが欲しくない状況の時はセックスなんてすべきじゃ無いって思ってたんだ」
でもそれは間違ってた、と御月は天井を見つめながら言った。
「……多分だけど……人間のするセックスってのは……子孫を残すとか繁殖とかの目的以外に愛情表現とかコミュニケーション手段って側面もあるって気がする」
愛情表現。
何故だか俺はその言葉の方にドキリとした。
セックスって単語よりも、そっちの方の言葉に引っ張られて心臓がバクバクする。
「それってさ。彼女のことがマジで好きだからそう思ったってこと?」
俺がそう訊くと御月は頷いた。
「……好きだからもっと近づきたいし触れてたいって思う。何もしなくても─────ただ抱き合って感じる体温や心臓の音だけでもすごく満たされると言うか」
“好きだから”か。
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