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ep7.
ep7『ドッペルゲンガーと14歳の父』 まあまあ闇金
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俺と小泉はややウンザリしながらもドッペルゲンガーの足取りを追った。
バイクを概史に返したというのなら、そう遠くまで行ってはいない筈だが───────
周囲を警戒しつつ歩く俺達に声を掛けてきたのは意外すぎる人物だった。
「ちょっとアンタ、何してんのよ?」
諸星キクコ。
御月レイジの彼女だ。
「え?」
俺がキョトンとしていると、諸星キクコはツカツカとこちらに歩み寄る。
「さっきは持ち合わせがないとか言ってたのに……ちゃっかりデートしてんのってどういうコト!?」
「ハァ!?」
意味がわからない。
時間を戻る前はコイツと付き合っていた事もあるが──────今は全くの他人でお互いにほぼ認識はないハズなんだが?
「ナニすっとぼけてんのよ!?さっき人からジュース代、巻き上げてったクセに?!」
諸星キクコは腰に手を当てて俺を睨む。
「ジュース代!?」
思わず俺は訊き返す。
どういうことだ?てか、そういうのカツアゲって言わないか?
「てかさ、アンタこいつの彼女なの?カレシの面倒くらいちゃんと見てなさいよ!?」
「は!?」
小泉が思わず素っ頓狂な声を上げる。
「ふぅん……なんか地味なコね。委員長か何か?アンタってヤンキーなのにこういう大人しいコがタイプなんだ?」
諸星キクコに値踏みされるように全身をジロジロ見られた小泉はフルスイングで首を振った。
「え……違……!!」
おいおい、いい加減にしろっての、と俺は二人の会話に割って入る。
「これは俺の副担任のセンセェ。生徒でもなけりゃ彼女とかでもねぇよ」
あんまり失礼なこと言うなよ、という俺の言葉に対し、諸星キクコは揶揄うようにこう返す。
「えー?学校の先生?わかーい。なんか、生徒でもイケそうなカンジじゃない?」
でも地味なコトに変わりはないけどー、と諸星キクコは悪戯っぽく笑った。
「おい!?いい加減にしろよ?センセェは地味とかそういうカテゴリの人間じゃねぇんだよ。限界オタクのソシャゲ廃人ってだけで─────」
その瞬間、俺は小泉に頭をどつかれた。
「いい加減にするのはお前の方だろ!?フォローしてんのかdisってんのかどっちだ!?」
俺と小泉のやり取りを見ながら諸星キクコは呆れたように呟いた。
「ふうん。ま、どっちでもいいわ。とりま、ヨユーあるんだったらさっきのお金返してよね」
恐らくそれはドッペルゲンガーの仕業だろう。
てか、諸星キクコに小銭を借りるとかどういう神経してんだ?
「いや、これには事情があって────────」
小泉が諸星キクコにドッペルゲンガーについて簡単に説明する。
諸星キクコは信じられないと言った風に冷めた視線をこちらに送る。
「そっくりさん?嘘でしょ?アンタみたいなのがゾロゾロ徘徊してるとかメーワクだわー」
俺はポケットから財布を取り出した。
「ま、何かそれっぽいヤツを見かけたら教えてくれ。あと、金は俺が払っとく。いくらだよ?」
「320円よ。メーワク代も乗っけて500円頂戴」
ドサクサに紛れて利息分まで請求してくるとは─────なかなか厄介な人物に金を借りてるじゃねーか、ドッペルゲンガーとやらは。
財布を開けたが生憎、45円ほどしか持ち合わせがなかった。
「あ、悪ィセンセェ。金、貸してくんね?」
俺はいつもの調子で小泉に金を借りる。いや、ホントはこういう事はしたくないんだがやむを得ないだろう。
「……そう来ると思ってたよ」
小泉がため息をつきながらポケットから小銭入れを出し、500円玉を諸星キクコに渡した。
「ふぅん。でも、アンタ達お似合いなんじゃないのー?」
もう付き合っちゃえばー?と500円玉を自分の財布に仕舞いながら諸星キクコはニヤニヤと笑う。
「ハァ!?なんでそうなるんだよ?だから副担のセンセェだって言ってるだろ?」
俺はややムカつきながら諸星キクコを睨んだ。
諸星キクコはクスクスと笑いながらこう言い放った。
「アンタみたいなタイプはさ、姉さん女房の尻に敷かれときゃ人生上手くいくってカンジするし」
バイクを概史に返したというのなら、そう遠くまで行ってはいない筈だが───────
周囲を警戒しつつ歩く俺達に声を掛けてきたのは意外すぎる人物だった。
「ちょっとアンタ、何してんのよ?」
諸星キクコ。
御月レイジの彼女だ。
「え?」
俺がキョトンとしていると、諸星キクコはツカツカとこちらに歩み寄る。
「さっきは持ち合わせがないとか言ってたのに……ちゃっかりデートしてんのってどういうコト!?」
「ハァ!?」
意味がわからない。
時間を戻る前はコイツと付き合っていた事もあるが──────今は全くの他人でお互いにほぼ認識はないハズなんだが?
「ナニすっとぼけてんのよ!?さっき人からジュース代、巻き上げてったクセに?!」
諸星キクコは腰に手を当てて俺を睨む。
「ジュース代!?」
思わず俺は訊き返す。
どういうことだ?てか、そういうのカツアゲって言わないか?
「てかさ、アンタこいつの彼女なの?カレシの面倒くらいちゃんと見てなさいよ!?」
「は!?」
小泉が思わず素っ頓狂な声を上げる。
「ふぅん……なんか地味なコね。委員長か何か?アンタってヤンキーなのにこういう大人しいコがタイプなんだ?」
諸星キクコに値踏みされるように全身をジロジロ見られた小泉はフルスイングで首を振った。
「え……違……!!」
おいおい、いい加減にしろっての、と俺は二人の会話に割って入る。
「これは俺の副担任のセンセェ。生徒でもなけりゃ彼女とかでもねぇよ」
あんまり失礼なこと言うなよ、という俺の言葉に対し、諸星キクコは揶揄うようにこう返す。
「えー?学校の先生?わかーい。なんか、生徒でもイケそうなカンジじゃない?」
でも地味なコトに変わりはないけどー、と諸星キクコは悪戯っぽく笑った。
「おい!?いい加減にしろよ?センセェは地味とかそういうカテゴリの人間じゃねぇんだよ。限界オタクのソシャゲ廃人ってだけで─────」
その瞬間、俺は小泉に頭をどつかれた。
「いい加減にするのはお前の方だろ!?フォローしてんのかdisってんのかどっちだ!?」
俺と小泉のやり取りを見ながら諸星キクコは呆れたように呟いた。
「ふうん。ま、どっちでもいいわ。とりま、ヨユーあるんだったらさっきのお金返してよね」
恐らくそれはドッペルゲンガーの仕業だろう。
てか、諸星キクコに小銭を借りるとかどういう神経してんだ?
「いや、これには事情があって────────」
小泉が諸星キクコにドッペルゲンガーについて簡単に説明する。
諸星キクコは信じられないと言った風に冷めた視線をこちらに送る。
「そっくりさん?嘘でしょ?アンタみたいなのがゾロゾロ徘徊してるとかメーワクだわー」
俺はポケットから財布を取り出した。
「ま、何かそれっぽいヤツを見かけたら教えてくれ。あと、金は俺が払っとく。いくらだよ?」
「320円よ。メーワク代も乗っけて500円頂戴」
ドサクサに紛れて利息分まで請求してくるとは─────なかなか厄介な人物に金を借りてるじゃねーか、ドッペルゲンガーとやらは。
財布を開けたが生憎、45円ほどしか持ち合わせがなかった。
「あ、悪ィセンセェ。金、貸してくんね?」
俺はいつもの調子で小泉に金を借りる。いや、ホントはこういう事はしたくないんだがやむを得ないだろう。
「……そう来ると思ってたよ」
小泉がため息をつきながらポケットから小銭入れを出し、500円玉を諸星キクコに渡した。
「ふぅん。でも、アンタ達お似合いなんじゃないのー?」
もう付き合っちゃえばー?と500円玉を自分の財布に仕舞いながら諸星キクコはニヤニヤと笑う。
「ハァ!?なんでそうなるんだよ?だから副担のセンセェだって言ってるだろ?」
俺はややムカつきながら諸星キクコを睨んだ。
諸星キクコはクスクスと笑いながらこう言い放った。
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