600 / 1,153
ep7.
ep7『ドッペルゲンガーと14歳の父』 ハロー、パラレルワールド②
しおりを挟む
ドッペルゲンガーと男児は腹が減っていたのか、やたらと菓子類に手を伸ばす。
「───なあ、冷蔵庫の中のモン、貰っていいかぁ?」
勝手知ったる我が家、とでも言わんばかりにドッペルゲンガーは遠慮なく台所に入る。
「おいおいおい、他人ん家で何を好き勝手に──────」
そこまで言いかけて俺はふと疑問を口にした。
「なあ、もしかしてさ。向こうの世界ではここがお前の家になってるのか?」
ああ、そうだな、とドッペルゲンガーは冷やしてあったビールを勝手に手にしながら答えた。
「間取りは一緒だけどさ、細かいトコはゼンゼン違うのな。置いてあるモンとかもう別モンだし」
ドッペルゲンガーは缶を開け、勝手に晩酌を始めた。
「いやいやいや……ここは“お前の家”でもあるかもしれねぇけどさ、この世界線じゃ俺の家なんだし」
勝手にビール飲むとか有り得んだろ、と俺はさりげなく苦言を呈するが向こうは聞いている様子がない。
「気が利いたモンが結構入ってるじゃねぇか。まだあるんだしちょっとくらいいいだろ?」
気が利いたモンっつうかそれはお供えで貰ったものだ。
来客用とか特別な日用に取っておいた貴重な食料や飲料なんだが?
俺だって普段は飲まねぇようにしてるんだがいい気なものだ。
悪びれる様子もなくドッペルゲンガーはグイっと一気にビールを呷る。
─────なかなかいい飲みっぷりだ。
俺が感心していると、小泉が小声で話し掛けてくる。
「……おい、佐藤。コイツとお前はところどころ違いがあるようだな」
そうだろうよ、と俺は頷いた。
俺はやや下戸でそこまでアルコールは強くねぇんだが──────コイツはウワバミのようにガブガブと酒を飲んでいる。
それは“姿”が似ているだけで──────全くの別人のように思えた。
俺は横に居る男児の様子に目を向けた。
菓子詰め合わせの中にある[たまごボーロ]を美味しそうに頬張っている。
「……ちゃまごぼうろ!!」
男児はニコニコと笑い、ドッペルゲンガーは笑顔で男児の頭を撫でた。
「そうか、よかったなぁ!こんなん高くて普段はなかなか買ってやれねぇし──────」
そこでふと俺はさっきのやり取りを思い出した。
「なあ、さっきこの坊主がお前のこと『父ちゃん』て呼んでたけど──────」
父親代わりになって弟の面倒を見てんのか、と俺が尋ねるとドッペルゲンガーはあっけらかんと答えた。
「ん?いや、俺の息子だけど?」
「───なあ、冷蔵庫の中のモン、貰っていいかぁ?」
勝手知ったる我が家、とでも言わんばかりにドッペルゲンガーは遠慮なく台所に入る。
「おいおいおい、他人ん家で何を好き勝手に──────」
そこまで言いかけて俺はふと疑問を口にした。
「なあ、もしかしてさ。向こうの世界ではここがお前の家になってるのか?」
ああ、そうだな、とドッペルゲンガーは冷やしてあったビールを勝手に手にしながら答えた。
「間取りは一緒だけどさ、細かいトコはゼンゼン違うのな。置いてあるモンとかもう別モンだし」
ドッペルゲンガーは缶を開け、勝手に晩酌を始めた。
「いやいやいや……ここは“お前の家”でもあるかもしれねぇけどさ、この世界線じゃ俺の家なんだし」
勝手にビール飲むとか有り得んだろ、と俺はさりげなく苦言を呈するが向こうは聞いている様子がない。
「気が利いたモンが結構入ってるじゃねぇか。まだあるんだしちょっとくらいいいだろ?」
気が利いたモンっつうかそれはお供えで貰ったものだ。
来客用とか特別な日用に取っておいた貴重な食料や飲料なんだが?
俺だって普段は飲まねぇようにしてるんだがいい気なものだ。
悪びれる様子もなくドッペルゲンガーはグイっと一気にビールを呷る。
─────なかなかいい飲みっぷりだ。
俺が感心していると、小泉が小声で話し掛けてくる。
「……おい、佐藤。コイツとお前はところどころ違いがあるようだな」
そうだろうよ、と俺は頷いた。
俺はやや下戸でそこまでアルコールは強くねぇんだが──────コイツはウワバミのようにガブガブと酒を飲んでいる。
それは“姿”が似ているだけで──────全くの別人のように思えた。
俺は横に居る男児の様子に目を向けた。
菓子詰め合わせの中にある[たまごボーロ]を美味しそうに頬張っている。
「……ちゃまごぼうろ!!」
男児はニコニコと笑い、ドッペルゲンガーは笑顔で男児の頭を撫でた。
「そうか、よかったなぁ!こんなん高くて普段はなかなか買ってやれねぇし──────」
そこでふと俺はさっきのやり取りを思い出した。
「なあ、さっきこの坊主がお前のこと『父ちゃん』て呼んでたけど──────」
父親代わりになって弟の面倒を見てんのか、と俺が尋ねるとドッペルゲンガーはあっけらかんと答えた。
「ん?いや、俺の息子だけど?」
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる