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ep8
ep8『愚者の宝石と盲目の少女たち』 見えないガラスを割れ
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「いや、煮沸と言っても全てのナプキンじゃ無いからな。あくまでもそれは“布ナプキン”だけの話で────────」
小泉の言葉を遮って思わず俺は叫んでしまう。
「いや、煮るんだろ!?鍋でか!?でもその鍋って──────」
小泉は慌てて説明する。
「いや、その場合は勿論、別の鍋を用意するんだぞ!?普段から料理に使ってる鍋にナプキンを入れる訳じゃないし!?」
そっか、別の鍋なのか。いや、それにしてもなんか大掛かりな作業じゃねぇか。
「じゃあ布ナプキンを使おうとする女子はさ、専用の洗剤とやらと別の鍋も用意しなきゃなんねぇってことか?」
俺がそう尋ねると小泉はそうだな、と頷く。
「まあ、鍋は100円ショップでどうにかなるにしても──────問題は布ナプキン本体だな」
取り替えなきゃなんないからな、複数用意する必要があるんだが、と小泉はまた眉間に皺を寄せる。
「それってさ、いくらくらいの物なんだ?1個300円くらいか?」
俺が何気なく口にすると小泉は素っ頓狂な声を上げた。
「とんでもない!そこまで安くはないんだ。お高い物だと──────2枚で5000円なんて物もある」
「ハァァァ!???」
そんな値段すんの!?と飛び上がりそうになった俺に対し、小泉はタブレットで通販サイトを見せる。
確かにそこには、3枚で7000円台といった品物もあった。
「マジじゃん!?そんな値段すんの!?」
まあ、ピンキリとも言えるな、と小泉は呟く。
「軽い日用やおりもの用、普通用に夜用、色んな種類もあって価格帯も様々だが───────交換して洗濯し、乾くのを待つ時間もあるだろう?」
仮にスタートの初期準備として10枚必要だった場合……と小泉が電卓を叩く。
「そっか、使った後に洗濯して乾くのを待ってる間にも血は出てくるもんな。予備に何枚か必要だし────」
学校に5枚持って行くとして、取り替えて自宅に持ち帰って洗濯する。その5枚を干して乾くのを待ってる間の分も必要で……翌日も5枚学校に持って行くとしたら──────
「確かに10枚前後は必要か……?いや、もっと要るかもしれねぇな?で、それに加えて洗剤も必要で鍋も買うとして……」
「本人の体質にもよるかもしれんが──────安い商品を選んだとしても初期費用として一万で足りるかどうかってとこだよな」
電卓を見た小泉はため息をつく。
「それに、洗濯って言っても簡単にはいかないからな。『つけ置き洗い』の時間は半日~一日を推奨している場合もあるし」※1
は!??つけ置き洗いが半日とか一日!?
それじゃさ、乾いてるの待ってる間にどんどんストック消費したりしねぇか!?10枚じゃ足りなくね??
金も掛かるし手間も時間も掛かるじゃねぇか!!
「めんどくせぇぇぇぇぇ!!!!!!」
思わず俺が叫ぶと、小泉はウンウンと頷いた。
「お前もそう思うよな……ちなみに、ドラッグストアやスーパーで売ってる一般的な使い捨てのナプキンだと300~500円前後で20~30個入りが買えるんだが」※2
「ハァァァ!?じゃあ絶対そっちの方が良くね!??使ってから捨てりゃいいんだよな!??」
そんなんいくらでも配ってやれよ!!!と俺が言うと小泉はまたため息をついた。
「そうだろうそうだろう。お前もそう思うよな?無償ナプキン配布に対してクレームを入れてくる輩(やから)は布ナプキンの大変さを理解してないんだ。『金がないなら布でナプキンでも縫って使わせろ!』なんて言ってくる」
手作りさせろって言うが……経済的に困窮してる女子の家庭にミシンがあるとも限らないし─────手縫いでこれらを10枚以上作れって言うのも酷すぎるだろう、と小泉は続けた。
「そうだよな……それにここのサイトには『オーガニックコットン使用』って書いてあるじゃん?布も高い奴が要るんじゃねぇの?」
布から揃えて縫うのって余計に金が掛かりそうだな、と俺が言うと小泉はスッと立ち上がった。
「全く……お前ですらそう思ってくれるって言うのに──────世の中の大人は馬鹿ばっかりだな!」
俺は心底同意する。
「ほら、俺ってさ。親が居ねぇだろ?洗濯もちょっとした縫い物も自分でやんなきゃなんねぇし。だから洗濯や縫い物の面倒くささとかわかるっつうか」
一回さ、派手にガラス割った時にカッターシャツに血が付いたことあったんだよな。家に帰って自分で洗濯したけど血が落ちなくてさ。今だったらつけ置き洗いとか漂白剤使うとか思いつくんだけどそん時はわかんなくて。
で、結局血が落ちねぇし跡に残っちまったからさ、結局ムカついて捨てちまったんだよな。カッターシャツ。
血だらけのモンを毎回洗うなんて俺なら気が狂いそうだ。
※1 メーカーによって推奨される洗い方は異なる
※2 夜用・昼用・多い日用など種類によって値段や個数は異なる
小泉の言葉を遮って思わず俺は叫んでしまう。
「いや、煮るんだろ!?鍋でか!?でもその鍋って──────」
小泉は慌てて説明する。
「いや、その場合は勿論、別の鍋を用意するんだぞ!?普段から料理に使ってる鍋にナプキンを入れる訳じゃないし!?」
そっか、別の鍋なのか。いや、それにしてもなんか大掛かりな作業じゃねぇか。
「じゃあ布ナプキンを使おうとする女子はさ、専用の洗剤とやらと別の鍋も用意しなきゃなんねぇってことか?」
俺がそう尋ねると小泉はそうだな、と頷く。
「まあ、鍋は100円ショップでどうにかなるにしても──────問題は布ナプキン本体だな」
取り替えなきゃなんないからな、複数用意する必要があるんだが、と小泉はまた眉間に皺を寄せる。
「それってさ、いくらくらいの物なんだ?1個300円くらいか?」
俺が何気なく口にすると小泉は素っ頓狂な声を上げた。
「とんでもない!そこまで安くはないんだ。お高い物だと──────2枚で5000円なんて物もある」
「ハァァァ!???」
そんな値段すんの!?と飛び上がりそうになった俺に対し、小泉はタブレットで通販サイトを見せる。
確かにそこには、3枚で7000円台といった品物もあった。
「マジじゃん!?そんな値段すんの!?」
まあ、ピンキリとも言えるな、と小泉は呟く。
「軽い日用やおりもの用、普通用に夜用、色んな種類もあって価格帯も様々だが───────交換して洗濯し、乾くのを待つ時間もあるだろう?」
仮にスタートの初期準備として10枚必要だった場合……と小泉が電卓を叩く。
「そっか、使った後に洗濯して乾くのを待ってる間にも血は出てくるもんな。予備に何枚か必要だし────」
学校に5枚持って行くとして、取り替えて自宅に持ち帰って洗濯する。その5枚を干して乾くのを待ってる間の分も必要で……翌日も5枚学校に持って行くとしたら──────
「確かに10枚前後は必要か……?いや、もっと要るかもしれねぇな?で、それに加えて洗剤も必要で鍋も買うとして……」
「本人の体質にもよるかもしれんが──────安い商品を選んだとしても初期費用として一万で足りるかどうかってとこだよな」
電卓を見た小泉はため息をつく。
「それに、洗濯って言っても簡単にはいかないからな。『つけ置き洗い』の時間は半日~一日を推奨している場合もあるし」※1
は!??つけ置き洗いが半日とか一日!?
それじゃさ、乾いてるの待ってる間にどんどんストック消費したりしねぇか!?10枚じゃ足りなくね??
金も掛かるし手間も時間も掛かるじゃねぇか!!
「めんどくせぇぇぇぇぇ!!!!!!」
思わず俺が叫ぶと、小泉はウンウンと頷いた。
「お前もそう思うよな……ちなみに、ドラッグストアやスーパーで売ってる一般的な使い捨てのナプキンだと300~500円前後で20~30個入りが買えるんだが」※2
「ハァァァ!?じゃあ絶対そっちの方が良くね!??使ってから捨てりゃいいんだよな!??」
そんなんいくらでも配ってやれよ!!!と俺が言うと小泉はまたため息をついた。
「そうだろうそうだろう。お前もそう思うよな?無償ナプキン配布に対してクレームを入れてくる輩(やから)は布ナプキンの大変さを理解してないんだ。『金がないなら布でナプキンでも縫って使わせろ!』なんて言ってくる」
手作りさせろって言うが……経済的に困窮してる女子の家庭にミシンがあるとも限らないし─────手縫いでこれらを10枚以上作れって言うのも酷すぎるだろう、と小泉は続けた。
「そうだよな……それにここのサイトには『オーガニックコットン使用』って書いてあるじゃん?布も高い奴が要るんじゃねぇの?」
布から揃えて縫うのって余計に金が掛かりそうだな、と俺が言うと小泉はスッと立ち上がった。
「全く……お前ですらそう思ってくれるって言うのに──────世の中の大人は馬鹿ばっかりだな!」
俺は心底同意する。
「ほら、俺ってさ。親が居ねぇだろ?洗濯もちょっとした縫い物も自分でやんなきゃなんねぇし。だから洗濯や縫い物の面倒くささとかわかるっつうか」
一回さ、派手にガラス割った時にカッターシャツに血が付いたことあったんだよな。家に帰って自分で洗濯したけど血が落ちなくてさ。今だったらつけ置き洗いとか漂白剤使うとか思いつくんだけどそん時はわかんなくて。
で、結局血が落ちねぇし跡に残っちまったからさ、結局ムカついて捨てちまったんだよな。カッターシャツ。
血だらけのモンを毎回洗うなんて俺なら気が狂いそうだ。
※1 メーカーによって推奨される洗い方は異なる
※2 夜用・昼用・多い日用など種類によって値段や個数は異なる
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