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ep9
ep9『ナイト・オブ・ファイヤー』 無課金で完凸というチート
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「でも卒業すんの難しいんスよね?」
仕事しながら勉強出来るもんなんスか、と心配そうにする概史に対し───────鈴木先輩はガチ目なトーンで答える。
「まあ、卒業出来るんを第一に考えて選んだけぇのう。ワシのとこの大学の“留年せずに卒業する率”は72.8%らしいんじゃが」
佑ニーサンも相槌を打つ。
「そうだね~。ラクしようって思うんならさ~F欄私立文系みたいなとこなら通うだけでほぼ卒業出来るんだろうけど~」
でも、働きながらでも通信で勉強して大学を出たいなんてさ~鈴木君は立派だよ~と言いながら佑ニーサンは冷蔵庫から2本目のチューハイの缶を取り出す。まだ飲む気かよ。
「10代のうちに超絶美少女と結婚して子どもが3人居てwww車と家も買ってwww平均以上の年収稼いだ上に大卒の学歴まで手に入れるとかwww」
UR(ウルトラレア)完凸みたいな人生じゃないスかwwwという概史の言葉は割と的確なように思えた。
何もかもを手に入れた存在。それが鈴木先輩なんだな。
そりゃ、世の中、上には上がいるからな。
実家が太いだとか、生まれつき頭がめっちゃいいとかそういう人間もいるだろう。
けど、鈴木先輩は違う。
自分で努力して資格取って働いて────────自力で全部引き寄せたんだ。
いわば、無課金でUR完凸させたようなモンじゃねぇか。
概史は羨望の眼差しで鈴木先輩を見つめる。
「いいなあwwwオレもwww早く鈴木先輩みたいになりたいっスwww」
すると、概史の言葉に対し───────鈴木先輩はとんでもないと言った風に首をすくめた。
「何を言ようるんじゃ。さっきも言うたがのう、出来婚なんか褒められたモンじゃ無いんじゃけぇ──────」
普通にちゃんと順番を守って結婚するに越した事はないけぇの、と鈴木先輩が言うと概史がそれを否定する。
「えwでも、メリットあるじゃないスかw妊活とか不妊治療とかで悩まなくて済むし──────」
なるほど、まあそうだな。
さっき不妊治療で1000万とか1500万とか使った人の話が出てたもんな。
確かに、出来婚ならその心配はなさそうだが────────
だが鈴木先輩は静かにこう言った。
「どの道、10代のうちは妊活も不妊治療もまだ考えんじゃろ。せめて二人とも高校を卒業してからでも遅うないと思うで。心残りもあるし……」
その台詞を概史は聞き逃さなかった。
「え?心残りってなんスか!?」
なんかあったんスか!?と食い付いてくる概史に対し─────────静かに言い含めるように鈴木先輩はこう呟く。
「結局、結婚式を挙げてやれんかったけぇの。なんちゅうか、ほら。女は誰でもドレスや結婚式に憧れがあるモンじゃろ?」
お前らの彼女も結婚式とか挙げたいじゃろうけぇな。そこはちゃんと考えてやらんといけんで、と鈴木先輩が言うと概史はテンション高く同意する。
「えw実はそうなんすよwwwさっきも撫子に『派手な結婚式挙げてやっから』って宣言しちゃったしwww
そういや、そんな事言ってたよな。
「まあ、女の子にとって結婚式やウェディングドレスってのは小さい頃からの夢みたいなもんだしね~」
佑ニーサンもそう言って頷く。
そうだよな。
そういや夢の中でも同じことを言ってたな。夕貴さんも、由江さんも───────────
ん?
ふと俺は何気なくこう口にした。
「今からでもいいんじゃないんですか?」
え、と鈴木先輩がこちらを見る。
「ほら、結婚式の形って一つじゃないって言うじゃないですか。最近はフォトウェディングってのもあるって聞くし───────」
フォトウェディング?と鈴木先輩が聞き返してくる。
「あ~。確かに~」
佑ニーサンが何かを思い出したようにカウンターにしゃがみ込む。
「ほら~。このページとか見てよ。『ドレス一着59800円~』てプランもあるよ~?」
佑ニーサンが結婚情報誌を広げ、ページにある金額を指し示した。てか、なんでこの本がここにあんだよ?由江さんに圧とか掛けられてる?
「え!?この金額でドレスが着られるんか!?」
鈴木先輩が驚いたように声を上げる。
「てっきり、結婚式っちゅうもんは何百万も掛かるもんじゃとばかりに思うようたんじゃが──────」
この金額じゃったら頑張ったらどうにかなりそうじゃのう、と呟く鈴木先輩に対し、俺はこんな提案を投げかけた。
「さっき先輩が悩んでた『奥さんへの誕生日プレゼント』────────これにしたらどうですか?」
仕事しながら勉強出来るもんなんスか、と心配そうにする概史に対し───────鈴木先輩はガチ目なトーンで答える。
「まあ、卒業出来るんを第一に考えて選んだけぇのう。ワシのとこの大学の“留年せずに卒業する率”は72.8%らしいんじゃが」
佑ニーサンも相槌を打つ。
「そうだね~。ラクしようって思うんならさ~F欄私立文系みたいなとこなら通うだけでほぼ卒業出来るんだろうけど~」
でも、働きながらでも通信で勉強して大学を出たいなんてさ~鈴木君は立派だよ~と言いながら佑ニーサンは冷蔵庫から2本目のチューハイの缶を取り出す。まだ飲む気かよ。
「10代のうちに超絶美少女と結婚して子どもが3人居てwww車と家も買ってwww平均以上の年収稼いだ上に大卒の学歴まで手に入れるとかwww」
UR(ウルトラレア)完凸みたいな人生じゃないスかwwwという概史の言葉は割と的確なように思えた。
何もかもを手に入れた存在。それが鈴木先輩なんだな。
そりゃ、世の中、上には上がいるからな。
実家が太いだとか、生まれつき頭がめっちゃいいとかそういう人間もいるだろう。
けど、鈴木先輩は違う。
自分で努力して資格取って働いて────────自力で全部引き寄せたんだ。
いわば、無課金でUR完凸させたようなモンじゃねぇか。
概史は羨望の眼差しで鈴木先輩を見つめる。
「いいなあwwwオレもwww早く鈴木先輩みたいになりたいっスwww」
すると、概史の言葉に対し───────鈴木先輩はとんでもないと言った風に首をすくめた。
「何を言ようるんじゃ。さっきも言うたがのう、出来婚なんか褒められたモンじゃ無いんじゃけぇ──────」
普通にちゃんと順番を守って結婚するに越した事はないけぇの、と鈴木先輩が言うと概史がそれを否定する。
「えwでも、メリットあるじゃないスかw妊活とか不妊治療とかで悩まなくて済むし──────」
なるほど、まあそうだな。
さっき不妊治療で1000万とか1500万とか使った人の話が出てたもんな。
確かに、出来婚ならその心配はなさそうだが────────
だが鈴木先輩は静かにこう言った。
「どの道、10代のうちは妊活も不妊治療もまだ考えんじゃろ。せめて二人とも高校を卒業してからでも遅うないと思うで。心残りもあるし……」
その台詞を概史は聞き逃さなかった。
「え?心残りってなんスか!?」
なんかあったんスか!?と食い付いてくる概史に対し─────────静かに言い含めるように鈴木先輩はこう呟く。
「結局、結婚式を挙げてやれんかったけぇの。なんちゅうか、ほら。女は誰でもドレスや結婚式に憧れがあるモンじゃろ?」
お前らの彼女も結婚式とか挙げたいじゃろうけぇな。そこはちゃんと考えてやらんといけんで、と鈴木先輩が言うと概史はテンション高く同意する。
「えw実はそうなんすよwwwさっきも撫子に『派手な結婚式挙げてやっから』って宣言しちゃったしwww
そういや、そんな事言ってたよな。
「まあ、女の子にとって結婚式やウェディングドレスってのは小さい頃からの夢みたいなもんだしね~」
佑ニーサンもそう言って頷く。
そうだよな。
そういや夢の中でも同じことを言ってたな。夕貴さんも、由江さんも───────────
ん?
ふと俺は何気なくこう口にした。
「今からでもいいんじゃないんですか?」
え、と鈴木先輩がこちらを見る。
「ほら、結婚式の形って一つじゃないって言うじゃないですか。最近はフォトウェディングってのもあるって聞くし───────」
フォトウェディング?と鈴木先輩が聞き返してくる。
「あ~。確かに~」
佑ニーサンが何かを思い出したようにカウンターにしゃがみ込む。
「ほら~。このページとか見てよ。『ドレス一着59800円~』てプランもあるよ~?」
佑ニーサンが結婚情報誌を広げ、ページにある金額を指し示した。てか、なんでこの本がここにあんだよ?由江さんに圧とか掛けられてる?
「え!?この金額でドレスが着られるんか!?」
鈴木先輩が驚いたように声を上げる。
「てっきり、結婚式っちゅうもんは何百万も掛かるもんじゃとばかりに思うようたんじゃが──────」
この金額じゃったら頑張ったらどうにかなりそうじゃのう、と呟く鈴木先輩に対し、俺はこんな提案を投げかけた。
「さっき先輩が悩んでた『奥さんへの誕生日プレゼント』────────これにしたらどうですか?」
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