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ep10.
ep10.『聖母と道化、その支配人』 三日夜の餅
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やっぱり今日の小泉は何か変だった。
いつものルーティンが開始されるが、動きにキレが無い気がした。
何か変なんだ。
心ここにあらずって言うんだろうか。
いつもの謎の儀式を終え、塩を舐めさせられ酒を飲まされる。
なんか不味いんだよな、これ。
缶チューハイとかにして欲しいんだよな。日本酒は飲み慣れない。
俺がなんとかそれを終えると小泉がすまなさそうな表情を浮かべながら三宝(お供え物を載せる台)を持って来る。
「……え?どうかした?」
思わず俺がそう声を掛けると小泉は小さくボソボソと呟く。
「……いや、その─────────」
餅の準備を忘れていてな、と告げる小泉の視線の先には豆大福が鎮座している。
は?豆大福?
「え?これ食うの?」
なんだか俺は肩透かしを食らったような気分になる。
なんだ、小泉のやつ─────────ミスって餅を準備し損ねたから様子が変だったのか。
小泉の視線は相変わらず泳いでいて俺の方を見やしないんだ。
なんだよ、そんなに凹むほどの事でもないだろうに。
「別にいいぜ。てか、こっちの方が助かるまであるわ」
そう言いつつも俺は三宝の上の豆大福を頬張った。
餅の柔らかな弾力と歯応えのある大きな豆、そして餡子の風味が口いっぱいに広がる。
「何これうっま!!!いつもこれにしてくれたらいいのにさ」
いつもの白い餅ときたら味がしなくて食うのが大変だったんだ。
2個3個と続けて大福を頬張る。
疲れた時はやっぱ甘いもんだよな。
そう思った俺は小泉に豆大福の一つを手渡す。
「なあ、センセェも食えよ。美味いぜ?」
小泉は驚いたような表情で俺を見る。
「……は!?」
まあいいだろ、お互いにさ。たまにはこういうのもいいじゃねぇか。
なあ小泉。俺の罪も何もかもをさ、そのまま飲み込んで肯定して受け入れくれよ。
きっとそれは──────────俺のことを何もかも受け入れるっていうのと同義なんだ。そんな気がする。
いつものルーティンが開始されるが、動きにキレが無い気がした。
何か変なんだ。
心ここにあらずって言うんだろうか。
いつもの謎の儀式を終え、塩を舐めさせられ酒を飲まされる。
なんか不味いんだよな、これ。
缶チューハイとかにして欲しいんだよな。日本酒は飲み慣れない。
俺がなんとかそれを終えると小泉がすまなさそうな表情を浮かべながら三宝(お供え物を載せる台)を持って来る。
「……え?どうかした?」
思わず俺がそう声を掛けると小泉は小さくボソボソと呟く。
「……いや、その─────────」
餅の準備を忘れていてな、と告げる小泉の視線の先には豆大福が鎮座している。
は?豆大福?
「え?これ食うの?」
なんだか俺は肩透かしを食らったような気分になる。
なんだ、小泉のやつ─────────ミスって餅を準備し損ねたから様子が変だったのか。
小泉の視線は相変わらず泳いでいて俺の方を見やしないんだ。
なんだよ、そんなに凹むほどの事でもないだろうに。
「別にいいぜ。てか、こっちの方が助かるまであるわ」
そう言いつつも俺は三宝の上の豆大福を頬張った。
餅の柔らかな弾力と歯応えのある大きな豆、そして餡子の風味が口いっぱいに広がる。
「何これうっま!!!いつもこれにしてくれたらいいのにさ」
いつもの白い餅ときたら味がしなくて食うのが大変だったんだ。
2個3個と続けて大福を頬張る。
疲れた時はやっぱ甘いもんだよな。
そう思った俺は小泉に豆大福の一つを手渡す。
「なあ、センセェも食えよ。美味いぜ?」
小泉は驚いたような表情で俺を見る。
「……は!?」
まあいいだろ、お互いにさ。たまにはこういうのもいいじゃねぇか。
なあ小泉。俺の罪も何もかもをさ、そのまま飲み込んで肯定して受け入れくれよ。
きっとそれは──────────俺のことを何もかも受け入れるっていうのと同義なんだ。そんな気がする。
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